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ベネズエラとアメリカ(6)これで終わりです  文科系

2019年01月31日 13時05分30秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 旧稿二つを再掲して、この連載を終わっていきます。
 とにかく、世界各国情報についてアメリカサイドニュースだけを流すのは辞めてほしいということです。
 今回また勃発しているベネズエラ問題でも、お隣のメキシコがマドゥロ現大統領政権を支持していることをどれだけの日本人が知っているのでしょう? 南北アメリカ大陸の情報では、日本人はアメリカに洗脳されているとも言えます。「虎の威を借る狐」、情けない日本マスコミという他はありません。


【 複雑さ増すベネズエラ情勢  文科系 2017年06月14日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)

 ベネズエラ情勢は複雑怪奇。ベネズエラ政府が公式に語っているとおりにアメリカは、この複雑怪奇情勢をさらに複雑にするように大活躍しているから、アメリカサイドのニュースだけ観ても何も分からないだろう。ベネズエラを巡るアメリカ最近の国際的動きが二つあったが、それだけでも紹介しておく。

 一つは米州機構外相会議におけるこの5月21日、アメリカの失敗。こんな題名のニュースである。
『米州諸国機構(OEA)外相会議は主権尊重派が動き、「ベネズエラ糾弾決議」に失敗。デルシー外相は21日のメキシコでの外相会議出席へ▼ベネズエラが国連・非植民地化委員会委員長国に選出さる▼制憲議会(ANC)議員選挙立候補登録始まる』。

 今一つが、これ。
『こうした中、国連安保理は(5月)17日、ベネズエラ情勢について初めて協議した。
 アメリカのヘイリー国連大使は会議の目的について、ベネズエラの現状を周知させることだとし、安保理による対応を求めていないと指摘。「人権を尊重しなければ、シリアや北朝鮮などで見られるような方向に進むことになると、国際社会は声を上げる必要がある」と述べた。
 これに対しベネズエラのラミレス大使は、アメリカがマドゥロ政権の転覆をもくろんでいると批判した。』

 上記の後者ニュースの中で、米国連大使が『安保理による対応を求めていないと指摘』というのが、極めて大きな作為を感じるが、興味のある皆さんにも、非アメリカサイドのベネズエラニュースを検索することをお勧めする。】


【 一方的なベネズエラ論議  文科系 2017年06月15日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)

 ベネズエラ情勢論で、アメリカの「民主主義を押し付ける介入」から「両国対立」が激化してきたのは、シリアと同じ。そして、このシリア関連ニュースではアメリカサイドニュースだけが日本に洪水のように入って来るのだが、ベネズエラも同じ事が起こっている。こんな事を考えてみて欲しい。

 ベネズエラの情勢を巡って、ベネズエラ自身とアメリカで、言うことが全く異なる。ベネズエラはアメリカの政府転覆策動が今の混乱の本質と内外に告発し、アメリカは「非民主で汚職まみれの独裁政府であって、野党こそ民主派」と戦争前のイラクやシリアと同じ「告発」、扇動を叫び続けてきた。

 さて、こんなベネズエラ危急存亡を巡る情勢について、アメリカサイドニュースしか取り上げない、信じないということはとんでもないことであって、以下のような非常識な討論と断定するしかない。
「検察側と弁護側とで、検察側のニュースしか流さず、弁護側議論を全く伝えないやり方」
 もっとも、こういうアメリカサイド・ニュース流し専門のお方はアメリカ発とはどこにも書いていないのであるが、これではどんな被疑者も推定無罪は何も適応されず、最初から問答無用の有罪判決という全くもって不当なやり方と言える。こんな非常識なやり方は、止めたが良い。国を裁くのも、人を裁くのと同じ事のはずだから。いやもっと酷いことだろう。その国全体が混乱して、国民全てが命を落とすことも含めて、塗炭の苦しみを舐めるのである。こういう大被害を避けようとしてベネズエラは国連などに話を持ちかけているが、アメリカは露骨にこれを拒否している。

 ここで何度も述べてきたが、ある国を真っ黒の非民主主義国に描いて潰したという陰謀行動は過去のアメリカには無数にあった。その事を知っているからこそ、以上のことを僕は世に訴えたいのである。

 重ねて言う。アメリカ発と記さずにアメリカ発ニュース(だけ)を真実だとして流すという非常識きわまるやり方は、止めたが良い。為にする、陰謀作為的議論というだけのことだから。たとえアメリカのベネズエラ批判が真実だとしてさえ、度を超えた国家主権無視は地獄を創るだけのことだ。アフガン、イラク、リビアなどを観よ!】



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今一度、「安倍決断」が笑える「日韓レーダー」  文科系

2019年01月31日 12時11分39秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 安倍首相自らが決断して韓国に喧嘩をふっかけた「日韓レーダー」。今となっては、ここだけが問題の焦点であって、人の理屈というもの。僕も含めて皆さん、日本人はこの事件のここを忘れないことだ。

①隣国である韓国に何の打診もなくいきなり一方的に資料を公開して「韓国軍がやったことは、戦争寸前行為だぞ」と、安倍首相の最終判断で噛みついた。

②ここから始まった論争を、自分から「協議打ち切り」とした。つまり、証拠でねじ伏せることができなかったのである。①を敢行したのなら唯一、これが日本を救う解決策だったのだが逃げ出したわけだ。対する韓国は、「あんたとの決着はまだ終わってないよ。こっちはもっと議論したい」と声明している。

③つまり、首相自身が振り上げた拳を自ら下ろし、大恥を掻いたわけである。一方的に振り上げた拳を、一方的に下ろした! 以上が現在までの経過であって、自ら上げた拳を下ろした後ではもう、何を言ってみても、負け犬の遠吠えという。

 対するに、その後もなお「韓国の説明が二転三転した」??などなど、日本のマスコミは未練がましく韓国批判をやっていた。これが、負け犬の遠吠え。喧嘩場から逃げ出した弱い負け犬が、遠くから吠えているわけだ。
 自分から仕掛けた喧嘩の際のこんな自明の理屈も分からぬほどに、日本の右翼マスコミの質ははなはだ劣化しているわけでもある。恥ずかしいことである。相手が弱いと観たからこそ殴りかかったけんかを、自分から逃げ出した。勝つと思えれば、逃げ出すわけなどないのである。

 こんな結末の喧嘩を、日本マスコミはまだしばらく「俺(のご主人)のが強いんだぞ」と語り続けていた。馬鹿だね! マスコミ社長と定期的会食やってる効果は絶大ということだろう。安倍がこんな歴史修正主義の鞘当てばかりやってきたから、韓国もどんどん中国へ寄って行く。この1月15日発表の「18年版韓国国防白書」がこんな事を書き入れるようになってしまうわけだ。

『南北関係の改善を受け、北朝鮮を「敵」とする従来の表記を削除した。日本については、「自由民主主義と市場経済の基本価値を共有している」との文言が消えた』
『日本に関しては、周辺国との軍事交流・協力の記述では、16年版は日本、中国の順だったが、中国、日本と入れ替えた』


 そう言えばこの間の日経テレビの韓国報道特集、酷かったね! 韓国文政権が時給を850円と3割アップしたことを扱った内容が、これ一色!
「こんなに上げたから、人が雇えなくなって経営者がどれだけ困り抜いているか!」
 それも求人統計を出すでもなく、いくつかの求人困難例、機械に替えた例などを並べただけの番組だ。低所得者の給料が増えて内需が拡大するのは、景気の好循環を作る一つの道であるとは、今や普通に語られていることなのに、全面的に経営者の立場なのだ。

 日韓関係をば日本はもう、お仕舞いにするつもりだろうか?  
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よたよたランナーの手記(243)2月末10キロ/hへ 文科系

2019年01月30日 12時52分43秒 | スポーツ
 半月以上書かなかったが、ちゃんと走っている。外とジムとを半々で、週2~3回ほど。

 今年78歳になるこの身体ながら、最近分かったことがこれ。冬だと中1日置きで走っても、LSDならば十分に続けられるどころか、かえって好調になるということだ。ちなみに、LSDというのは、ロング・スロウ・ディスタンスの略語であって、長く・ゆっくりと・距離を走るのが最も効果が高いという理論である。特に心肺機能に効果がある。そして、ジムよりも外走りの方が遙かに身体、筋肉系への効き目が高い。年を取るに従って、ジムランの走力強化効果がどんどん薄くなると感じるほどに。ジムランだけだと、蹴り脚がどんどん衰えていく感じなのだ。

 昨日29日ジムは、27日の外走り8キロほどを経て迎えたのだが、近年珍しいほどに脚が軽く、汗も少なかった。ウオームアップ緩走を含んだ前半30分がもう4・7キロと、10キロ時以上でこの後半を走り、10・5キロ時でも10分は走ったかもしれない。それでいてここ数年珍しいほどに呼吸が楽で、汗も少なかったから、心肺系が強くなっていると分かった。

 この冬最近の僕の身体を踏まえて、2月末~3月初めを目標にしてこんなふうに調子が上げて行きたい。
①基本1日置きに1時間ほど走る。LSDの外走り2日の次に、ジムラン1日で効果を確かめる。
②フォームの注意としては、以下。10キロ時のピッチ数を170以上とし、左脚を早めにより強く蹴って、左右ストライドを均一にすることを意識する。


 なお、外走りでもLSDなら、案外連日走も可能かも知れない。翌日に疲れが残っていないと感ずるからだ。一度試してみるかな。
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ベネズエラとアメリカ(5) 文科系

2019年01月30日 11時53分17秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 連載の5回目として、過去拙稿の3回目を転載します。ベネズエラと同じ南米はブラジルのこと。これ以降今もこの国は保守政権ですが、こんな闘士が大統領であった時代も2016年まであったのでした。その大統領が、「政府会計の不正操作・背任罪」で、有罪、失脚となりました。以降、世界有数の超格差社会がまたまた広がっていったといわれています。アメリカ金融がどんどん入ってくるということでしょう。 


【 ベネズエラ「政権転覆策動」(3)ブラジルでも、「これはクーデターだ」 文科系 2017年05月17日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)

 ベネズエラとともに南米で政変推移が注目されてきて、去年政権が転覆されたのが、ブラジル・ルセフ政権。それも、チリと同じように、政権中枢内部にもクーデター派がいました。チリで大統領殺害によって転覆されたアジュンデ政権の後に大統領になったのは、悪名高きピノチェト。それまでの彼は、執拗なアジュンデ反対派が多かった軍部の中では、海軍幹部達と並んで政権支持派の将軍と言われてきた人物。政権が転覆した途端に本性を現して大統領になった訳です。つまり、その内部から政権を攪乱し、崩壊目指していたということ。政権内部の中枢にいるスパイだった訳で、これでは政権は潰れます。
 なお、チリのこの事情については、記録映画「チリの闘い」を昨年10月21日にここで紹介しましたので、ご参照下さい。エントリー右欄外の今月分カレンダーの下にある「バックナンバー」年月欄で「2016年10月」をスクロール・クリックすると、すぐ上のカレンダーが10月分に入れ替わりますから、その21日をクリックして下さい。エントリー本欄が2016年10月21日だけの物に替わりますので、「チリの闘い」を探して、お読み願えます。この後のピノチェト将軍は、「毒を喰らわば皿まで」というのか、チリの左翼を大量虐殺して死ぬ間際になって告発されました。そんな人生こそ歩みたくないものという典型人物です。

 さて、去年のブラジルも同じこと。だから「これはクーデターだ」と。それも政権中枢内部にスパイがいたクーデター。果て、そのスパイとは?


『ブラジル・ルセフ大統領が弾劾裁判で失職「これはクーデターだ」一体どういうこと?

 ブラジルの上院議会は(2016年)8月31日、政府会計を不正操作した背任罪で職務停止となったルセフ大統領の弾劾裁判を採決し、有罪61、無罪20の賛成多数でルセフ氏の罷免が決まった。ロイターなどが報じた。

 ルセフ氏の罷免に伴い、ミシェル・テメル副大統領が大統領に昇格する。任期は、ルセフ氏の残り任期となる2018年末まで。弾劾裁判で大統領が罷免されたのはブラジル史上初めて。1992年に当時のコロル大統領も汚職疑惑で弾劾裁判にかけられたが、採決の直前に辞任している。

 ルセフ氏は公邸で会見し、「テメル氏らはクーデターで権力を手にした。私は何の不正もしていない」と述べた。一方テメル氏は「国民のために公共の利益を促進する」と宣誓した。

 BBCによると、ルセフ氏は軍事政権時代に左翼ゲリラとして活動し、国家反逆罪で3年間投獄されたのを経て、82年に政界入りし、リオグランデ・ド・スル州のエネルギー通信相を務めた。2001年には左派・労働党のルラ大統領政権で鉱業エネルギー相、官房長官を歴任した。2010年ルラ大統領の後継者として大統領選に出馬し、決選投票でセラ元サンパウロ州知事を下して当選。2011年1月、ブラジル史上初の女性大統領に就任した。

 しかし、ルセフ氏が取締役を務めていた国営石油企業ペトロブラスの汚職疑惑で、ルラ元大統領らが訴追された上、2015年の経済成長率がマイナスとなるなど経済の低迷し、支持率が急落。ルセフ大統領も、社会保障費を捻出するために財政赤字の会計を不正操作した背任罪に問われ、5月12日に 弾劾裁判の開始が可決され、180日間の職務停止処分となった。

 大統領に昇格するテメル氏は、中道右派の最大政党ブラジル民主運動党(PMDB)の党首。レバノン移民2世で、下院議長を3回務め、過去20年の大統領と協力して連立政権に加わるなど政治経験は豊富だが、ルセフ政権の支持が低下すると連立政権を離脱し、後継の大統領を狙っていた。しかし、世論調査で「大統領にふさわしい人物」として支持したのはわずか2%程度で、国営石油企業ペトロブラスの汚職疑惑でも名前が浮上している。ルセフ氏の職務停止に伴い大統領代行に就任したが、暫定政権の閣僚23人全員が白人男性で、女性や黒人が1人もいなかったことから批判を浴びた。』


 以上は、ハフィントンポストのニュースで、この真偽とか解釈とかは読者各人にお任せします。ただし、チョムスキーの著作など僕の中南米観測では、ここの全てが事実。そして、チリ以降の南米の政権転換には、アメリカと左翼のつばぜり合いが絡んでいると愚考してきました。ちなみに、南米における「解放の神学」と呼ばれたカトリック一派も、アメリカに抵抗してきた長い歴史があります。これだけ人気が高かった大統領を国内勢力だけで仕留めることなど、到底出来ないとも愚考します。この当該副大統領が大統領になって、このとてつもない不人気というのがまた、その証拠になります。「国民は知っている」、「チリと同じように、ブラジル上層部とアメリカとが結びついた画策」ということなのでしょう。


 ベネズエラといいブラジルといい、長い目で見るならば、南米におけるアメリカ人気の凋落は、イスラム世界と同じでしょう。ブレーキが外された坂道の車。トランプの「国内重視」も、そんな「やり過ぎ」の結末という所から来ている。アラブ相手にも、国連安保理拒否権をイスラエル絡みでアメリカは何十回使ったやら。 】
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中島翔哉がカタールから、パリサンジェルマン?  文科系

2019年01月29日 12時06分33秒 | スポーツ
 ここでずっと扱ってきた中島翔哉の移籍先が決まったという。カタールのチャンピオンチームへ、44億円で移ると報道された。ローマからパルマへ行った時の中田ヒデの30数億を超える、日本人史上最高の評価が出たわけだ。彼の評価を巡ってここで1970さんと激しい論争をしたことが懐かしいような思いだ。
 また、このチームのオーナーがパリサンジェルマンと同じとかで、カタールで成功すればこのフランスチャンピオンチームへの移籍もありうるととのこと。僕としてはこれも実現すると思う。なにしろこの中島、アグレッシブである。そして、このアグレッシブさがどんどん彼の攻撃力を増やしていっている。この点では、香川や原口、酒井と非常に近いものを持っていると僕は観てきた。つまり、今後の伸び代も極めて大きいということである。

 早く、パリでの中島の姿を見たいものだ。
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ベネズエラとアメリカ(4) 文科系

2019年01月29日 10時42分11秒 | Weblog
 今またベネズエラ現政府転覆計画が激しく再燃しています。そこで、旧稿の再掲ということです。アメリカはこのように、ずっとベネズエラを潰す策謀を続けてきました。今回は「俺が大統領だ」と名乗り出た国会議長を「大統領として承認する」との案を国連安保理開催を要求して提案。これに同調する国々も多いのですが、今回の特徴は中ロ、イランなどの他にトルコ、メキシコがマドゥロ現大統領を認めたということ。これらの国はアメリカの提案を「内政干渉である」と一蹴しています。


【 ベネズエラ「政権転覆策動」(2)   文科系 2017年05月16日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)

 先ずアメリカ財務省がベネズエラにこの2月行ったことに対する、このニュース。

米財務省外国資産管理局(OFAC)は2017年2月13日、ベネズエラのタレク・エルアイサミ副大統領が「国際的な麻薬密輸で重要な役割」を果たしたとして、同副大統領に厳重な制裁を科したと発表した。
 財務省によると、エルアイサミ副大統領はベネズエラからの麻薬密輸に関連して、ベネズエラ空軍基地を出発する輸送機の運航や、複数回にわたりベネズエラからメキシコや米国へ輸送された1000キロ以上の麻薬密輸にかかわったとされる。
さらに、メキシコの麻薬密輸組織「ロスセタス」への密売にも関与したほか、コロンビアの麻薬王を保護したとしている。
同副大統領に対する制裁では、米国内の人物がエルアイサミ副大統領と取引することを禁止し、米国内にある同副大統領の資産を凍結した。』

 ベネズエラ政府はこれに対して、即座に反論声明を出すと共に、この声明を世界非同盟運動会議に持ち込んで、以下2番目の文書を引き出している。以下に日本外務省訳出のその2文書をご紹介するが、世界非同盟運動というのは、ウィキペディアによれば、こういうものである。
『第二次世界大戦後の東西冷戦期以降に、東側西側のいずれの陣営にも公式には加盟していない諸国による国際組織。1961年に設立され、2009年の時点で参加国は118、オブザーバー参加国は16。』

ベネズエラ・ボリバル共和国 人民権力外務省
 声明

ベネズエラ・ボリバル共和国は、アメリカ合衆国財務省外国資産管理局(OFAC)がベネズエラのタレク・エル・アイサミ第一副大統領に対して犯した領土外に及ぶ独断的行為を断固として拒否し、非難し、抗議する。
俗悪で容認できない帝国の権利の存在を認めようとするこれら行為は、米国政府の機関に特別な警察権を与えるものであり、最低限の国際的な合法性をも欠き、国際公法、国際的組織体制、並びに主権平等の尊重及び国家の主権免除の原則などといった諸国家の共同体の規律となる基本的原則に明白に背き、私たちの祖国に対して重大な害と攻撃を加えるものである。
さらに、
国家の至上の権力を傷つけるものであり、疑いなく、品位と価値ある一人のベネズエラ人に対し明らかな偽証を行うものである。彼に対する告発には現実に何らの裏づけもなく、北米の帝国が攻撃のために常々用いる奇怪な嘘であり、幹部を攻撃しその役割遂行を弱める国際的な仕組みの一部となっている。
その領土的範囲を超越して支配を及ぼそうとしている米国の当該機関は、罰されることなく米国麻薬取締局(DEA)と手を携えて行動している。DEAはコロンビア及び世界の最も有名な麻薬取引の闇組織とともに麻薬の製造・取引に厚顔にも関与していることが広く知られている。
DEAとの連携が2005年に終了して以来、ベネズエラは毎年平均55.7トンの麻薬の押収を達成してきており、その能率は60%上昇した。そのため国際連合はベネズエラを世界で最も麻薬の押収が多い6カ国の1つと認めるとともに、領土内で麻薬栽培がない国だとしている。ベネズエラは、麻薬の国際取引に使用される航空機の遮断、不使用、停留、抑止を定めた法令を公布した大陸でも数少ない国家の一つであり、これにより100機以上の航空機に影響を行使してきた。
ベネズエラ・ボリバル共和国の第一副大統領は、優れた犯罪学の専門家であり、ウゴ・チャベス司令官政権での治安問題に対する際立った対処、並びに麻薬密取引やコロンビアのパラミリタリーとの断固たる闘いで知られており、麻薬組織の長102名以上を摘発し、米国から引き渡し要請のあった麻薬密売人21名を引き渡した。
米国の執行機関が犯した国際的違法行為は、私たちの二国間関係において前例なき出来事である。私たちの国の法及び憲法上の秩序をかく乱することに従事してきた在ベネズエラ米国大使館の臨時代理大使は、ベネズエラの民主的体制に対し政治的打撃を加えるため、弱く絶滅したベネズエラの野党過激派に息吹を与えようとしている。
この非常に重大な攻撃により、ベネズエラの主権が及ぶ範囲が傷つけようとされ、タレク・エル・アイサミ副大統領の名誉、世評、尊厳及び人権が侵害されている。
米国の官僚組織が、ベネズエラ野党の暴力的・過激分子と犯罪的に結びつき、バラク・オバマ前大統領が犯したベネズエラに対する歴史的過ちを新しい政権との関係に踏襲させようとしていることは遺憾であり大変危険である。
私たちは平和の国民であり、民族自決の原則、主権尊重を愛する者であり、さらに国際秩序と国際法に愛着を抱く者である。その同じ決意で言う。私たちの国土、私たちの自由である権利、シモン・ボリバルとウゴ・チャベスの栄光を継承する価値ある男女のこの土地に生まれたいかなる兄弟に対するどのような攻撃をも、私たちは許容したことはないし、することもないだろう。

カラカス、2017年2月14日』

『 非同盟運動調整局局長
一方的な強圧的手段を拡大するアメリカ合衆国政府の決定に際し、非同盟運動(NAM)調整局のベネズエラ・ボリバル共和国への連帯の声明


1.非同盟運動調整局は、非同盟運動加盟国に対して国際連合憲章及び国際法に反する一方的な強圧的手段を公布し適用することを非難する原則的立場に即し、ベネズエラ・ボリバル共和国の国民及び機関に対する一方的な強圧的手段を拡大する2017年2月13日のアメリカ合衆国政府の最近の決定を拒否する。

2.非同盟運動調整局はこれら手段を遺憾に思うとともに、これら手段を拒否してベネズエラ・ボリバル共和国の国民及び政府への固い支持と連帯を繰り返す。同時にその原則的立場に則して、アメリカ合衆国政府に対し、国際法、国際連合憲章、国家間の平和的な関係を定めた規則及び原則に反し、さらに国家間の対話や政治的理解の精神に影響を及ぼす、このような強圧的手段を放棄し廃止することを強く求める。

3.非同盟運動調整局は、憲法に反した方法による政権交代の拒否を含めた、現在の国際情勢における非同盟運動の目的及び原則並びに役割に関するハバナ宣言(2006年)を再確認する。

4.非同盟運動調整局は、紛争の平和的解決を促すための対話の重要性を改めて強調し、そのため、アメリカ合衆国政府及びベネズエラ・ボリバル共和国政府に対し建設的対話を開始することを強く求める。

2017年2月16日、ニューヨーク 』】
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イラン戦、大迫のポスト役って・・・  文科系

2019年01月29日 10時26分51秒 | スポーツ
 この勝利は、とにかく嬉しかった。なんせ、世界29位のチーム相手に3対0とあっては、ここまでの「全て1点差勝利」が、まるで嘘のような快挙。これでおそらく、1月の世界順位が40位以上に上がるのではないか。ロシア大会のベルギー戦など、日本はもともと世界20位ほどだと主張し続けてきた僕だが、その最大の原因として「ポスト役・大迫」の意味を今回は観てみたい。

 このゲームとしてはやはり、大迫だろう。次いで、ここまで守備が粘り強くなったのは、吉田の世界1リーグでの経験が生きているのではないか。ここぞという時に守れるチームになったからこその1点差勝利ということで。

 このチームで、大迫が何故効くのか。今のチーム戦術で言えば、比較的高い位置でボールを奪った瞬間に、ポスト役として前に走り出した大迫に先ず預ける。このポスト役というのは、身方最前線でボールを受けてこれをキープし、敵ゴール前への身方の上がりを待つ役割だ。南野、原口、堂安らが上がるのを見届けて、ショートパスなどを回し合って敵ゴールを陥れることになる。
 大迫はまた、ポストとして身方から受けたボールを、郵便ポストに吹き付ける激しい雨風のような敵の激しい潰しを制しつつためておくことが出来るから、自分自身いつも前に位置することが可能になるわけだ。
 こうしてポスト役とはつまり、敵ゴール前に身方を多くする得点のための最大の武器なのである。そして、現在世界最大の得点戦術ゲーゲンプレスを筆頭とした高位コンパクトプレスからの「守備から攻撃への速い切替」の尖兵というわけだ。大迫がいない時の日本が高い位置でボールを奪っても横に回しているだけでゴールに殺到できない事が多いのは、他にこの尖兵ポストが出来る屈強で高さも必要な選手がいないからである。ポスト役はそれほどに過酷な仕事で、よくアザだらけになる位置と言われている。


 また、こういう良いポスト役が居ると敵の陣地も間延びするもの。敵DFラインが、彼の位置を無視できず低くなるからである。つまり、敵の組織的プレスも弱まり、その攻撃も遅れることになる。3対ゼロという予想外の結果がでた原因も、総合的に観て大迫ということになるはずだ。

 ブラジルW杯を制した直後のドイツの第一線でポスト役をやりおおせてきた大迫。世界1リーグ・イングランドの吉田。これほどの強豪相手に経験を積んだ選手はイランにはいない。原口も長友もそうなのだが。
 ちなみに、あの細く見える大迫が、普通の日本人選手がぶつかってもびくともしない岩のような身体なのだそうだ。ドイツリーグのDFでも今や有数と言われている長谷部と並んで、それほどの身体を作り上げて来たということである。ちなみに、サッカーには必須のスピードや、ポスト役に不可欠のジャンプ力などを落とさないで頑丈な身体にするというのは、とても難しいことなのだが。
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ベネズエラとアメリカ(3)   文科系

2019年01月28日 11時08分57秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 ベネズエラ問題が、アメリカ・ポンペオ国務長官の出席によって、昨日の国連安保理に上げられた。ポンペオは、自らベネズエラ大統領であると名乗り上げた国会議長を大統領と認めよと演説、提案したのである。中ロなどが「内政問題であり、国連は介入できないはずだ」と応酬した。
 さて、アメリカのこのベネズエラ転覆計画を僕ここで以前から追いかけてきたが、旧稿の3回連載記事を再掲させていただく。

 
【 ベネズエラの「政権転覆策動」  文科系 2017年05月15日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)

 南米のチリ・アジュンデ政権がアメリカCIAの画策によって倒されたというのは、世界史上周知の話。ここでも、記録映画「チリの闘い」を昨年10月21日に紹介した。ところで、現在チリの二の舞になりそうな情勢が続いているのが、同じ南米のベネズエラである。反米国連総会演説などで有名だったチャベス大統領が13年に亡くなってから、執拗な政権転覆が図られてきたようだ。
 日本では南米の事件はなかなか話題にならないが、アメリカ大陸外交で最大の問題だと思う。ちなみに、この国は石油埋蔵量世界一。2位のサウジアラビアと並んで、ダントツなのである。同じく4、5位に並ぶイラン、イラクの歴史を見ても、ベネズエラで何かが起こらない訳はないと、凄く不安になっている。


 チャベスが死んだ翌14年には、こんなことが起こった。
 ベネズエラ政府が野党関係者に対して人権侵害を犯しているとして、ベネズエラ政府関係者23名につきアメリカへの入国が拒否されたほか、アメリカに保有する資産や口座が凍結された。これに対し、マドゥロ大統領が、「在ベネズエラアメリカ大使館 の不正な活動内容の証拠を握っており、アメリカ政府による内政干渉を受け入れない 」と強く批判した上で、 アメリカ政府との外交関係を見直し始めた。15年3月2日、ベネズエラ側からこう持ち出された。
「アメリカのベネズエラ大使館で勤務する職員と同数にしたい。両国は対等な立場でなければならない」として、同国駐在アメリカ大使に対し15日以内にアメリカ大使館職員を100人から17人に削減するよう求めた。これに対し、アメリカ国務省は、声明を出し、反発した。また、ベネズエラのマドゥロ大統領は2月28日、同国を訪れる全てのアメリカ国民にビザ取得を義務付けると発表し、アメリカ外交団削減も要求した。
 ベネズエラ側の理由を、大統領はこう説明している。
「在ベネズエラアメリカ大使館 の不正な活動内容の証拠を握っており、アメリカ政府による内政干渉を受け入れない 」
 なお、この両国対立の焦点には激しくなるばかりの反政府デモが関わってきたが、これもチリと同じ。


 16年にはさらに、こんな深刻な事態になっている。

『(World | 2016年 05月 16日)
 ベネズエラ大統領が非常事態宣言、「米国などが政権転覆計画」
[カラカス 13日 ロイター] - ベネズエラのマドゥロ大統領は13日、国内の一部勢力と米国が仕組んだ政権転覆計画があるとの理由から、60日間の非常事態を宣言した。
マドゥロ氏は非常事態宣言の詳しい内容を示さなかったが、昨年コロンビアとの国境近くの州で実施したケースでは、これらの地域で人権保障関連部分を除く憲法の適用を停止した。

これに先立ち、米国の情報機関当局者は記者団に対して、ベネズエラが経済的・政治的に崩壊する可能性への懸念を高めていると語った。

ベネズエラでは食料および医薬品不足や停電の頻発、物価高騰など経済危機が深刻化し、野党がマドゥロ氏の罷免を目指している。しかしマドゥロ氏は任期を全うする構えで、米国が水面下でのクーデターを扇動していると批判している。
マドゥロ氏は13日の国営テレビで、ブラジル上院でルセフ大統領の弾劾法廷設置が承認された動きを引き合いにして「米政府はベネズエラの右派の要請に基づいて具体的な手段を発動しつつある」と力説した。』



 物不足と超インフレ、野党が組織する市街戦のような政権転覆デモ、アメリカによる政権批判、ベネズエラ政府からの「政権転覆計画暴露」などなどは、チリ転覆前と全く同じこと。ベネズエラの近い将来に、チリが辿った運命を重ねざるを得ないのである。次いで、今年起こったのが、ベネズエラ副大統領の「麻薬絡み事件」と、それによるアメリカからの「制裁」だった。この問題は現在、非同盟諸国会議などに持ち出されて国際問題になっている。

(続く)】
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「クロップと香川」が始まった時   文科系

2019年01月27日 13時31分17秒 | スポーツ
 世界のサッカー監督で今最も大騒ぎされているのが、現在リバプールを首位にしているユルゲン・クロップ。無理もないのである。リバプールに来てすぐにヨーロッパリーグ杯の決勝戦にまで出て、次がチャンピオンズリーグ決勝。この決勝までにグァルディオラ・シティと当たって、これを破ってきたのだから。こんな彼についてここでいつ頃からエントリーを書いてきたかを、振り返って見た。「このブログ内で」と検索をかけたら、最も古いのがこれになったので、ご紹介してみたい。香川があっという間に世界に知られた時のことである。

 この香川、本当に惜しいことをした。ファーガソンがマンUの監督を続けていたら、世界一流のままだったはずだ。それを、モイーズと、時代に遅れ始めて下り目のモウリーニョが、駄目にしてしまった。当時の香川の能力は、当時のゲーゲンプレスのトップ下でこそ光るものだ。マンUでサイドに回された香川を見てクロップがこう叫んだのは、当時語り草になったもの。
「あの香川が、サイドに回されている! 泣けてくるよ!」


【 「日本サッカー・希望の星」と、ザック監督など(24) 文科系 2010年11月19日 | スポーツ

香川の最新情報
 香川の最新情報をサイトや雑誌などから、ちょっと詳しく紹介してみる。ドイツで大騒ぎになっている事がよく分かると思うから。

『香川2戦連発、首位死守に貢献』 まず14日のニッカンスポーツ
『ザックジャパンの期待の星は、チームの首位死守と3連勝にも貢献した。後半4分、右クロスを受けると、右足で合わせた。相手DFに当たり、そのままゴールネットに吸い込まれる。待望の先制点に8万人の大歓声を心地よく受けた。後半25分には相手マークをかわし絶妙のスルーパス。確かな戦術眼からバリオスの2点目ゴールが生まれた。
(中略)もうドイツ中で香川の名前を知らない者などいない。ドイツのビルト紙もチーム最高の2点(6点満点で1点が最高)と好評価をつける。 香川「試合をやるごとに成長している。首位に立つだけの力はある。継続が大事」。ブンデスリーガで首位を走るドルトムント、そのエースに香川は堂々と君臨している。』

『香川 2週連続ベストイレブンに選出』16日のスポニチ
 『12日のハンブルガーSV戦で2戦連続ゴールを決めたドルトムントの日本代表MF香川が、ドイツ2大メディアで2週連続ベストイレブンに選ばれた。
 ビルト紙が通算4度目、キッカー誌は6度目。ビルト紙の平均採点2・17(1点が最高、6点が最低)はリーグ1位をキープしている。またルールナハリヒテン紙では「はじめは目立たなかったが時間がたつにつれて存在感が増した。彼の6点目がチームを勝利に導いた」と絶賛された』

『 香川「大当たり!」独専門誌の表紙に抜てき』18日の共同通信
 『18日に発売されたドイツのサッカー専門誌「キッカー」でドルトムント所属の日本代表MF香川真司が表紙を飾った。各クラブの補強選手の評価を特集し、見出しは「大当たり!」―。
 ここまで1部リーグで6ゴールと大活躍の21歳のMFは、対象となった109人のうちの7人に与えられた最高の5点を獲得。記事の約8割が香川に関するもので、香川の代理人を務めるクロート氏が「(以前ドイツでプレーした)高原直泰から『香川というよい選手がいる』とアドバイスがあり、昨年9月にJリーグへ視察に行った」というなれ初めも紹介した』

 さて、最後に彼のチーム、世界3位のドイツリーグで現在首位を走るドルトムントの監督、ユルゲン・クロップの香川評を紹介しよう。以下は、今週号サッカーダイジェスト所収のクロップ・インタビュー記事抜粋である。


 まず香川の特徴
『足下のテクニックのレベルが高く、ドリブル、パス、いずれの精度も高い。それに調子がいいからと言って、わがままなプレーをすることがない。自分の間合いを上手く保ちながら、ゴールを陥れるために最適なポジションにいる味方を探し出して鋭いパスを出す。それにゴール前に飛び出してのシュートも正確だ。枠内に、確実に力強く蹴り込める』

 香川の今の成長ぶりについて
『ウチに来てから、すでにバイエルンなどのビッグクラブに勝つ経験をしている。代表ではアルゼンチンにも勝った。私はビッグチームからの勝利こそが選手を成長させる最大の糧だと考えている。相手が強ければ強いほど、勝つことでメンタルの強さは飛躍的に増す。仮にスランプに陥ってもその成功体験が指針になる。シンジだけじゃなく、日本の選手にはその伸びしろがたくさんあるのだと思う』
『毎日が驚きの連続のようだが、シンジは上手く吸収しているよ。大したもんだって感心させられる。だから私たちも、彼からいろいろと吸収しようとしているんだ。ウチのサポーターなんて、日本だと名前を姓名の順に呼ぶんだと知って、最近、スタンドのコールを「シンジ・カガワ」から「カガワ・シンジ」に変えたそうだよ』

 こんな表現もありましたね。ちょっと面白かった。
『ドイツには「日本人は控えめな国民」というイメージを抱いている人が相変わらずたくさんいる。彼らに、サッカーの世界でこうして大活躍できる日本人がいるのだって、声を大にして言いたい』

 ついでに、クロップの日本代表評も。対アルゼンチン勝利をご存じですかと尋ねられた、その答えです。
『チェックしていたよ。(中略)アルゼンチンは日本を過小評価していたとしか思えない。ザッケローニはヨーロッパでは誰もが知るトップクラスの指揮官だ。彼が監督に就任したことで、日本の選手たちはワールドカップのベスト16という結果に満足せず、再び士気を高められたのだろう。だからアルゼンチン戦の勝利は、決して偶然だとは思っていない』】
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日韓レーダー、焦点はここだけ   文科系

2019年01月27日 12時42分11秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 今となっては、ここだけが問題の焦点。僕も含めて皆さん、日本人はこの事件のここを忘れないことだ。これが理屈というものである。

①隣国である韓国に何の事前打診、調整もなく、いきなり一方的に資料を公開して、「戦闘行為寸前」という相手非難をやった。これは、安倍首相判断で決断されたと報じられた。

②ここから始まった論争を、これも一方的に自分から「協議打ち切り」とした。つまり、自分で仕掛けておきながら、証拠でねじ伏せることができなかったのである。①を敢行したのなら唯一これが日本を救う解決策になるのだが、この道を自ら断念したということになる。対する韓国は、「あんたのいちゃもんの決着はまだ終わっていないよ。議論は残っているのに、遺憾だ」と声明している。

③つまり、首相自身が振り上げた拳を自ら下ろし、大恥を掻いたわけである。一方的に振り上げた拳を、一方的に下ろした! 以上が現在までの事件の主要経過であって、自ら上げた拳を下ろした後で、何を言ってみても始まらぬ。以降、日本側が何を言っても負け犬の遠吠えという。


 対するに「韓国の説明が二転三転する」?? そう遠吠えしてみたところで、証拠があるのなら徹底批判したかったろうに、それが出来ないから逃げ出したのは自明になっているのだ。
 こんな自分から仕掛けた喧嘩の際の自明の理屈も分からぬほどに、日本の右翼マスコミの質はなはだ劣化しているわけだ。恥ずかしいことである。追い詰める証拠がないから政府が逃げ出したとはっきりした後にがたがた言っているマスコミは、デマ製造機とも言える。つまり、超右からの安倍政府援軍である。
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ベネズエラとアメリカ(2) 文科系

2019年01月26日 11時51分40秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
ベネズエラとアメリカ(2)世界の政経対立地図の焦点  文科系

 南米の小国、ベネズエラが世界の「脚光」を浴びている。アメリカがこの国の経済攪乱に打って出て既に久しいが、今度ばかりはイラクやリビアのように現政権を本気で潰す行動に打って出たようだ。本日の中日新聞国際記事面のトップもこの小国についての、「マドゥロ氏追放、米に壁」。この記事を読んで僕はちょっと安堵したところだが、この国を巡る国際情勢を追い続けてきた拙稿を昨日に続いてご紹介したい。

【 原油・ドル体制の危機  文科系 2018年09月30日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)

 トランプの対中高関税設定は、進みつつある中国大国化への歯止めだという説がある。他方、イラン核合意離脱・「イラン取引国には制裁」という米政策は、原油価格釣り上げによる外貨稼ぎ兼シェールガスの採算化狙いという説がある。ところで、この中国製品関税とイラン制裁が、世界の政経枠組みを大きく動かすような結果を生み始めているようだ。

 一つには、イラン石油輸出はほとんど止まらないようだ。日産250万バレルの輸出内訳がこうだから。中国65万バレル、インド50万バレル、以下、韓国313,000,トルコ165,000などとある。それどころか、この機会にアメリカの世界石油戦略を、中ロが手を取り合って突き崩し始めた。この3月に中国が元による石油先物契約を開始している。先物契約は最も主要な石油市場であって、そこにドル以外の通貨支払いが起こったというのは、史上初の出来事である。ロシアも、中国と同じ動きを始めるようだ。

 つまり、イラン制裁が、金融と並ぶアメリカ最大の外貨稼ぎ手段、石油・ドル体制を、突き崩し始めた。フランスのトタル社のイラン投資株を中国が引き取るという話も出てきた。制裁を恐れてイラン撤退が噂されていたEU最大のイラン石油取引会社である。そして何よりも、中ロが並びあってイランに急接近している。
 中国はこの5月、内モンゴル—カザフスタン—トルクメニスタン—イランのテヘランという直通の鉄道便を開始した。船便だと20日かかる所を、14日に短縮出来るということである。ロシアは17年11月から、イランとの貿易にドルを使わなくしつつある。

 さて、アメリカは国家累積赤字が実質、GDPの4倍という国。そのドルは、世界通貨という信用だけでかろうじて現価格を保たれている。イラン制裁をものともせず、その世界埋蔵量4位を誇る原油がどんどん輸出されるだけではなく、この支払いが石油・ドル体制を崩していくとしたら、そもそもドルはどうなるのかという話になってくる。埋蔵量世界1のベネズエラにも中国が手を出している事だし、現在アメリカに従っているように見えるEUも、その姿勢を変えるかも知れないのである。中ロが手を取り合ってイランやベネズエラの石油開発を始めたら、アメリカのシェールガス販売の採算点などもろくも崩れ去ってしまうだろう。アメリカは今、ドイツ・メルケルの追い落としに躍起になっているにちがいない。この中ロ路線に乗り換えそうな人物である。イラク戦争、リーマンショック、ギリシャ問題、イギリス離脱問題など、EUもさんざんアメリカに振り回され、悩まされてきた。

 こんな情勢からなのかどうか、安倍もアメリカべったりとは行かなくなったようだ。イラン核合意からは離脱しないと改めて言明し直し、中国主席には急に首脳会談の求愛を始めた。ロシアとの原油共同開発もさらに進めるだろうし、一時大音声していた「北への制裁強化」という高飛車な声もすっかり聞かれなくなっている。WTOさえ無視し始めた狂気のようなアメリカについて行くだけでは何が起こるか分からないと、やっと思い知り始めたのだろう。

(なお、このエントリー内容、資料は F. William Engdahlというアメリカ人の論文から採った。彼は、「プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿」という人物である。)】


【 アメリカの権威失墜・・・   文科系 2018年12月20日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)

 「マスコミに載らない海外記事」のサイトにこういうニュースがあった。
 ベネズエラのオルチラ島という所に、ロシアが戦略的空軍基地を建設している。関連するロシアのニュースとして、この展開は、トランプが中距離ミサイル条約を一方的に破棄したことに対するブーメラン効果の一部だと説明しているとのこと。

 
 アメリカは近年、ベネズエラ政権打倒を執拗に画策してきた。世界一の埋蔵量を誇るベネズエラの石油に横恋慕してきたからである。併せて、キューバと手を組むこの政権を潰したいという国際政治的理由もあるのだろう。キューバでも、アメリカによる「革命」工作、カストロ暗殺事件が何度失敗してきたことか。またベネズエラでは、以前はチャベス今のマドゥロと二人の大統領の暗殺未遂事件もよく起こっている。
 ベネズエラの石油には中国も関わりを深めていることだし、これにロシアの戦略的空軍基地の建設が加わって来た訳だ。イラク戦争、シリア革命工作のように国際慣習・法を暴力的に踏みにじり続けて来たアメリカに対しては、道義や慣習など投げ捨てて付き合ってやろうという意図さえ感じさせる行為である。

 関連して思い出すのは、ケネディ大統領時代のキューバ危機。キューバにソ連ミサイル基地が建設されるのを「危機」と捉えたアメリカが、あわや米ソ戦争かという瀬戸際まで行ってしまったという世界史的大事件であった。
 今のアメリカは、ベネズエラのロシア空軍基地建設をどう捉えているのだろう。2011年以来イラン睨みでシリア現政権を潰そうと執念を燃やして来て失敗したアメリカの力が見くびられ始めたのではないか。アメリカは既に、イラク戦争のような大軍事費を使うことなど到底できはしない。ヤケのヤンパチになるのでもなければ。】


【 米、その衰退史と世界政策(1)先ず結論  文科系 2018年12月31日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)

 標記のことを改めて、まとめてみたい。米国の世界政策や力を前提としてもっぱらそれを元とする論調を伝える日本マスコミには書けない物だが、少数のそういう内容の著作は日本でも読めるものだ。先ず、ノーム・チョムスキー、次いでロナルド・ドーアや進藤榮一、孫崎享らである。
 標記のことの1回目として最初に結論を箇条書きにしておく


① 1970年代から進み始めた英米株主資本主義の広がりの下で金融が米大会社をどんどん握って行き、短期利益を追求することによって、物作りをダメにした。

② ただし、①とともに少なくなった税収の米国家予算をつぎ込み続けてきた兵器生産と、原油の世界独占価格体制などはこの限りではない。国家の年間軍事予算が80兆円などというのはこの結果であり、GDPの4倍という確かな報告がある国家累積赤字を作ってきた。実質落ちぶれたバブルの米株価や雇用は今や国家に支援された米兵器会社などとともにあるとも言える。また、ドル支払い体制と結びついたシェールガスを含む原油の世界独占価格制度は、物作りがダメになったアメリカにとって、極めて貴重なものになった。

③ ①②が進むに連れて、その分米金融は英米圏一体となって対外に進出すべく、国際会計基準、偽の格付け会社数字や金融自由化を他国に迫り、押しつけてきた。つまり、他国企業を乗っ取ったり、通貨危機を作ったりして、金融を通じて世界の支配者であり続けようとした。南米諸国家の右傾化はこのことの結果だと愚考しているし、ドイツはEU一体形成の方向でギリシャを除いた周辺国をも守ったが、金融も含めた日本企業は相当侵入されて、その金融利益によってアメリカ国家を支えてきた。ただし、その全貌は日本国民には分からないようになっている。ただし、こういう世界政策は、08年のサブプライムバブル弾け、リーマンショックによって一度破綻し、アメリカの国際的信用が地に墜ちたものだ。
 ドル基軸通貨世界体制と結びついた原油支配は、何が何でも維持したいが、④のように綻びが目だち始めた。

④ 以上のような英米圏(世界)基本政策に従わない国は、英米(世界金融)による世界支配の敵ということになる。アメリカの仮想敵国とはこうして、以下のような国を指す。先ず中ロ。次いで長年の宿敵イラン、シリア。また過去のチリ、キューバ、イラク、リビア、現在のイラン・シリアにアメリカが画策した内乱、革命の輸出が今狙われているベネズエラは、原油埋蔵量世界一の国である。
 アメリカの物作り、税収が減衰している中で軍事力だけは強化してきたので、他国搾取の侵略性は非常に高まっている。


⑤ 中国の「中国製造2025年」計画が目の敵にされたり、「原油等資源政策、命」で米に逆らってイラン、ベネズエラを助けているロシアは、何とかして潰すか、影響力の制御をしたい。 変な話だが、これが、偉大なマッチョ主義アメリカの心の底からの世界相手の望みなのである。これらが実現したら、アメリカ(の暴力支配)が国連に替わることになるはずとやってきたが、ここにきてこれらはもはや不可能になったと言えるのではないか。

⑥ ここまでアメリカに従い続けてきた第3の経済大国・日本は、アメリカの従属的支援者のままで、何の心配もなかった。ただし、こと中国貿易に関しては、アメリカの意思に反するような日中接近も去年から急激に進んで来た。来年の4月までに(現)天皇訪中・習主席訪日が、日中首脳会談などを通じて深く静かに進められてきたとの外国発の情報がある。これまで対中投資が先進国で世界一制御されてきた日本だが、今の官製株価バブル不安の下の対中急接近という現実からは、果たして何が出てくるのか。これは、計り知れないものがある。】
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ベネズエラとアメリカ   文科系

2019年01月25日 20時05分10秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 前からここに書き続けてきた通り、とうとうベネズエラに対するアメリカの政権転覆計画が激化してきました。国民が選んだ大統領以外の「俺が大統領だ」と名乗りを上げた国会議長をアメリカが「大統領と認める」と宣言したのだそうです。
 当ブログに1年前に書いた拙稿を再掲します。

【 米国の根本的窮状とイラン、ベネズエラ外交  文科系 2018年01月07日

 米の根本的窮状と、イラン、ベネズエラへの外交政策との関係について、愚考を開陳してみようと思い立ちました。

 根本的窮状はこういうもの。毎年の貿易収支はずっと大赤字。それでも、物の貿易収支の大赤字分を、マネーゲームの黒字分でかなり取り返しているんです。
 国家累積赤字は更に酷く、GDPの4倍を優に超えているはず。ちなみに、日本でも大騒ぎされている同じ数字は、2倍をちょっと超えた程度。加えて、個人貯蓄が国のGDPの3倍ある日本と違って、アメリカのそれは間違いなくマイナス。つまり、一般的家庭などの借金を帳消しに出来る貯蓄などはどこにもないのである。
 こんなアメリカの「国も家計も大赤字」は、一体どこで埋め合わせが付いているのか。日本や中国などの貸し金なのである。その貸し金でアメリカの国も家計も物を買うから、日中の対米物輸出も進むという仕組みになっている。こうして、日中とアメリカは、持ちつ持たれつというのが現状と、一見すると見える。

 さて皆さん、こんな異常なアメリカ輸出入が、一体いつまで続くと思われます? 日本でさえ国家の累積借金返済が大問題になっているのに?
 そして、こんな経済実態のアメリカで「空前絶後の株価!」って、どのような意味があると思われます? こうしておかないと、基本、日中など世界からの資金流入が止まってしまうからですよ。これもマネーゲームであって、何とかここで日中の流入資金をちょっとでも掠め取りたいから。中国はともかく、日本などは、0金利や、日銀、GPIFの資金投入によって、大変な通貨過剰状態ですしね。こういう金で米経済界が必死に全体としての粉飾株価政策を採っていると、これこそがアメリカの真の経済実態。

 さて、こんな実態が続くわけがないという所で、イラン、ベネズエラ原油問題が出てくるわけです。
 オバマが仲直りした「ならず者国家」イランに、トランプが喧嘩をふっかけ直したら即、原油先物値段もガソリンの値段も上がり始めたことを思い出して下さい。
 また、オバマの時代を含んでここ数年、ベネズエラと米国が「反政府デモ支援」問題で随分険悪になっていることも思いだして頂きたい。
 ベネズエラは、石油埋蔵量1位の国、イランは4位ですが、いずれもロシアと並んで、埋蔵量10位までの国でアメリカの意に従わない3国と言えます。因みに5位のイラクと、9位のリビアがイラク戦争と「アラブの春」でアメリカの軍門に下ってからそうなったわけです。つまりこういうこと。
 ロシアはともかく、ベネズエラとイランを意のままに出来るようになれば、アメリカによる世界の原油独占価格が自由になると。こうした、世界の原油独占価格化は、高値になっても原油が欲しくて仕方ない日中からの借金を棒引きにするべく、長い目でも見た最絶妙手というわけです。


 なお、アメリカの世界独占価格狙いは、原油だけには留まりません。穀物、食肉、医薬・医療、小売りなどでも、長期計画が常に練られ、その都度遂行されていると、愚考しています。因みに、低価格穀物の独占が出来れば、食肉独占も進むはずだと愚考します。また、小売り独占が進めば、諸物価の独占価格化は自由になるでしょう。グローバル経済の今は価格など。あってないようなものです。コカコーラの値段が、日本とアフリカでは全く違うようなものと言ったら言い過ぎでしょうか。】
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今夜準々決勝、ベトナム戦   文科系

2019年01月24日 12時07分21秒 | スポーツ
 日本のアジアカップ準々決勝は、本日ベトナム戦だ。サウジ戦を振り返りつつ、僕なりの今夜に向けた楽しみということで、自分なりの像を描いてみたい。

 サウジ戦への僕の見解はここに書いたが、マスコミと目のある識者との見解がこんなに違った代表戦も珍しい。福西とオシムらの高評価を読むことができたが、日本のマスコミはどこも「ボールを持てず、サウジに徹底的に繋がれた」と、例によって「繋ぎだけでサッカーを観た低評価」になっている。例えばオシムは、「自分が知っている守備の思想が弱い日本では、画期的なゲーム」と述べていた。特に、南野、堂安ら前の若手があれだけ走り、厳しいプレスを掛け続けていたことを高評価していた。「攻撃好きだけが多かった日本の若者が、守備にも走って、闘っていた!」と。

 さて、ベトナム戦である。ベトナムは、前の相手サウジほど押し上げた戦いに自信があるわけではないから、たとえ日本が慎重にスタートしたとしてさえ、やがては日本が激しく高位プレスに出る闘いになるだろう。そして、日本のそういう高位プレスを予想した相手は、韓国人名監督の下でカウンター戦法を磨き抜き、備えてくるだろう。そこで、吉田を中心とした日本のDFラインとベトナムFWの駆け引きと、カウンターに結びつくロングパスの出し所を前の選手が厳しくふさげるかどうか。ここもまー、世界最高レベル舞台で百戦錬磨を重ねてきた吉田キャプテンの統率で、不安はほとんどないはずだ。加えて、ロシアW杯の苦い苦いベルギー戦体験まで重ねている中盤以下選手も控えている。吉田、酒井、長友、柴崎、遠藤・・・、そして他の誰よりもロシアでコーチに座っていた森保現監督。

 さて、それよりも今夜のゲームに臨む僕としては、この代表の最高得点術が観てみたい。「高位ボール奪取からショートカウンター」という、現在世界最高レベルの得点を。そこで期待されるのが、先ず原口、柴崎で、酒井を加えて、出場可能なら大迫。こういう大事な闘いでは、各選手日頃の相手レベルを考えるとそうなる。特に、原口元気、柴崎岳に期待している。この二人も、サウジ戦よりはずっと前を向けて、勝負も出来るだろうし。
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日韓レーダー、「首相判断」が怖い  文科系

2019年01月23日 08時34分46秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 日韓レーダー問題が、日本側から「協議打ち切り」と、今度もまた「一方的に」方針発表したのだそうだ。韓国側はこれに対して「深い遺憾」を表明したとのことで、苦笑いやら、呆れるやら・・・。「レーダー照射は砲撃と同じ」と息巻いて一方的に仕掛けた「振り上げた拳」の勢いは、一体どこへ行ってしまったのか。しかも、この突然の一方的な重大資料公開、厳重抗議という初めの「拳」が、安倍首相判断によるものと報道されていただけに、事は意外に大きく、重大であると観てきた。「振り上げた拳を急に下ろし」て一方的に撤退という今となっては、特に。

①結局自らの力では証明も出来なかった「韓国が日本に戦闘寸前」という非難を、何の打診もなく一方的に、いきなり公開した。それも、首相の最終判断、命令でと報道されている。
②この「戦闘寸前」をば、自らは証明仕切れなかったからこそ、今度は相手に資料をよこせと要求し、「無礼である」とまで言い返された。
③対して、ではきっちり落とし前を付けてやろうと高飛車に言い放ったその口も渇かぬうちに、あまりにも唐突なこの撤退表明である。


 この経過全てがただ笑えると言って済ませられるならよいのだが、僕は一つの怖い問題が露見されたと観ている。
①そもそも、どういう経過で首相にこの問題が届いて、どうして首相がこんな「証拠不十分・いい加減」という意味で誤った命令を出すに至ったのか? 首相自身が恥をかいたのか、誰かが首相に恥をかかせたのか。
②この経過の中に、「関東軍が首相を引っ張った」という側面はなかったか? 因みに、こんな事態が一つ起こると、史上よく起こった軍部独走から軍部主導へという懸念を抱かざるを得なくなる。官僚らにはただでさえ自組織拡大要求が常に存在するのだから。
「戦闘的勇み足が起こりやすい首相に、そんな御輿に乗せやすい軍部」。

 米中衝突激化予測や、韓国がどんどん中国よりになっていくという情勢の中で、こんな日本はとても怖い。なお、米中衝突については11月21日「書評『習近平と米中衝突』①」からのシリーズを、韓国の中国寄りについては1月16日「日韓断絶ここまで、韓国国防白書」を参照されたい。 
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サウジアラビヤ戦  文科系

2019年01月23日 08時27分02秒 | スポーツ
 凄まじいゲームだったが、こんな代表をみたのは初めてで、非常に驚いた。評価も真っ二つに分かれるだろう。繋ぎを観るか、それとも、潰しを観るか、で特に。 この別れ方は、ゲーム前半終了時点でもうはっきりと予想された。こんな放送発言があったからだ。
 前半途中とか終了後に、NHKのアナウンサーがしきりにこう語る。
「押されていますねー」
 これ対して、現地解説者の福西はこう返していた。
「やられる感じはしませんね。日本の止める気持ちがよく出ているから」
 福西はまたゲーム後でさえこう語っていた。
「次のカバー次のカバーと行けているから、1対0でいーかというゲームですよ」

 この福西の見方は、一般的なものではないだろうというほどに、日本のマスコミは「日本のキープ率24%!」を強調していた。対して、選手の中でも柴崎、長友は福西の意見に近い。「身方がコンパクトでまとまっていましたから(そんなに心配しなかった)・・・」とは柴崎の言葉。
 日本の潰しは、陣形が高い時も低い時も柴崎が語ったように「コンパクト」を守っていた。低い陣形では特にいわゆるバイタルエリアでの潰しが強かったのが、コンパクトの証拠。つまり、陣形が縦に間延びしていないのである。だからこそ、福西が言うように「次のカバー次のカバー」と行けていたから、長友が「強気に」評していたように「そんなに危機はなかった」ということになる。一見これだけ攻められたら、繋ぎでゲームを見る目には大劣勢と映って当たり前なのだ。が、潰しを見る目では、「基本、持たせているということ」になる。相手の攻撃力と比較して、こちらの受けて潰す陣形が強かったということになる。その先頭に立った南野、堂安、武藤の3人が疲れ切って交代というのも、以上全てを証明している。

 さて、こんなゲームが出来たこの代表の腕前ならぬ脚前は、かなり上がったと観た。アジア相手に「これだけ引いて守ったからキープ率が悪い」というのは近年初めてであるけれど、こんなゲームを1対0で勝ったのも非常に珍しく、ポカがよくある日本DFには大きい自信にもなったはずだ。

 逆に、このサウジと比べて得点力が低い次のベトナムに対しては、前半から2~3点取ろうというように、猛然たる激しい「高位コンパクト」で行くと思う。が、ベトナムの韓国人監督は結構固いチームを作ってきて、守備フォーメーションがよいから、要注意だ。非常に元気のある上昇中のチームなのだろう。この相手のヨルダン戦勝利を観たが、このヨルダンによく勝てたというゲーム、チームだった。PK戦の末とは言え、あのヨルダンがここにやられるとは思わなかったのである。日本はやはり慎重に闘うだろうが、今度は得点を多くして楽に観ていられるようにして欲しい。ベトナム戦はまた選手を替えて闘えるが、大迫が出られるのかどうか。守備の固いベトナム相手にこそ、違いが作れる長短のスルーパスが必須とあって、柴崎・原口・大迫ライン辺りに期待したい。
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