九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

随筆紹介 十分間の面会   文科系

2022年02月28日 02時06分48秒 | 文芸作品

 随筆紹介 十分間の面会   K・Kさんの作品です

 老人ホームにお世話になっている98歳の母と、2年ぶりに面会できた。昨年の冬には肺炎で4か月入院、その間も面会禁止で様子も分からない。このまま最後まで会えないかと覚悟をしたこともあった。何とか持ちこたえてこの日を迎えた。
 博多から私の弟夫婦も10分間の面会のためだけにわざわざ名古屋に来た。私と妹は名古屋に住むが、弟は遠い。たぶん高齢の母が少しでも元気なうちに会いに来たのだろう。兄弟3人が揃ったのも10年ぶりだ。

 母はおぼつかない足取りだが、シルバーカーを押しながらゆっくりと歩いて来た。一瞬立ち止まり顔を傾げて考える。私たちを思い出したようだ。笑顔で近寄る。弟家族の結婚式の写真を母に見せると、楽しそうに見つめる。コロナ禍で写真だけ撮影した結婚式だったとか。
 すると、側に居た小学5年生のひ孫を見て「知らんなあ」と、困った顔をした。今までは会いに行くと「大きくなったなあ」と喜んでいたのに。目の前で知らない人と言われた孫はショックだったらしく、大きな目に涙がふくれあがってきた。仕方がないかもしれない。コロナの前は施設で年に3回、クリスマス会、敬老会、夕涼み会など、家族と一緒に食事会で顔を合わせていた。その機会がなくなったのだ。帰り道、孫は「おばあちゃん、私のこと、忘れないで」と私の手をぎゅっと握った。

 

(2021年12月の作品です)  

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

随筆紹介  料理の社会化に敗北した話  文科系

2022年02月27日 06時32分59秒 | 文芸作品

 随筆  料理の社会化に敗北した話   K・Kさんの作品です

 娘夫婦は共働き。帰宅は七時頃になり、連れ合いはもっともっと遅い。共働家庭でも妻の家事負担が多い上に、食育だ、手作りだ、と家庭料理に対する圧が、諸外国に比べて強い日本。企業や政治家の、料理は母親がするものだという思い込みに、うんざりさせられることもまだまだ多い。料理を好きとか楽しいより義務感の方が大きいのではないだろうか?

 お腹が空いて待ちきれない孫達のために、近くに住む私が毎日手伝いに行っている。なるべく旬や栄養や味について考えて、手作りを心掛けてきた。肉巻きロール、ハンバーグ、酢豚など。
 だが、どれだけ考えて料理しても、食べないときは食べない。給食でお代わりしたというメニューを再現しても、食べないときはもう絶対に食べない。もうヤダ!と、しんどさに料理は作らない。総菜を買ってくるか、冷凍食品にした。

 ところがこれが好評だった。スーパーの総菜コーナーから選ぶ、チーズの入った二重ミンチかつ、海老カツ。冷凍の小籠包は胡麻油の香りで肉汁たっぷり。餃子は油も水も要らない。凍ったまま焼くだけ。パリパリに仕上がる。かなわない。今までの手作りは私の一人相撲だった。でも、これが料理と言えるのか? そんなことより簡単で美味しい。家庭は平和だ。

 別格は、夫が作っているカボチャの煮物。ダイエット中の中学二年の孫は、食後のデザートと毎日楽しんでいる。ちょっと悔しいけれど、良しとしよう。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八十路ランナーの手記(415) 怪我して一週間ぶりランにホッ!  文科系

2022年02月26日 02時05分21秒 | スポーツ

 自転車で滑って転んで、何か硬い突起にぶつけたらしく、左手甲をカギ状に深く裂いて何針も縫ったのが17日。その傷ゆえのドクターストップで、一週間ぶりに25日に走った。こういう変事が起こると、老人ランナーの再出発はいつも不安がつきまとうもの。久しぶりで故障しないかとか、意外に衰えているのではないかとか・・・。

 結論から言うと、全くのノープロブレム。ランの様子概要に関わるいつもの数値を上げれば、外をアップ込みで8キロ走って、キロ平均7分3秒、平均ストライド82センチで、平均心拍数は155と、総て納得できるものばかり。故障の心配から「脚の地面つつき力」を弱めて、ストライドを短くして走ったのだし、その割に心拍数が高いのは久しぶりに走るといつもこうなるということ。そして、アップダウン含めたタイムは意外に良いなとホッとしたのだし、心拍数155でよく続けられたなとも思った。

 この日の留意点とか特徴とかは、こんなふうだ。前3分の2まではとにかく押さえて押さえてキロ平均は確か7分25秒ほど。その様子から「よし!」と見て、最後3分の1はちょっと頑張ってみた。この後半を頑張れたことによって、全体が7分3秒までに短縮できたということ。最後3キロ弱ほどは、時速9・5キロほどで走れたようだ。この時注意していたのは、「両足の離着陸位置」だった。離陸を急がないことと、着地は前過ぎぬこと。今の僕は、この注意でスピードが出ると知っているのである。もちろん、「やや前傾、臍から前へ」や「腕を脱力してよく振る」も前提となるのだが、これはもうかなり自然に出来るようになっている。

 さー26日から三日間は、ジムも含めて毎日走ってやろう。と言っても、怪我のため2月目標170キロには届かなくなったが、今110キロがどこまで延ばせるか? ただし、毎日無理はできぬから、総てLSDで走ろう。150キロまで行けるかどうか?

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

悪徳政治家と世論  文科系

2022年02月25日 15時15分11秒 | 国内政治・経済・社会問題

22日エントリー「安倍晋三氏は、政治教養がない」の最後を、こうまとめて終えた。

『  嘘八百答弁の国会無視。三権掌握の画策。「私が国家」と「私の国家」。「君は国民ではありません」。氏は国民主権に無知なお方なのだ。国民主権からこそ「私の国家」つまり独裁を排する国家体制、三権分立も生まれたのであるから、これら総てが国民主権を知らない証拠になろう。知っていてこんな国家無視連発ならもっと重罪になると言っておく。いずれにせよ、政治家としては恥ずかしすぎることだから辞めなさい。』

 このエントリー文章全体について、僕の友人からこんなメールがあった。
『様々な問題、これを追求しても、与党の絶対多数ですべてかわされてしまう。背景には小選挙区制があり、日本の右傾化がある。指摘されたどの問題も、本来なら政権を揺り動かす致命的なミス、犯罪である。しかし、日本の政権はびくともしない。国会での追求も多数政党と右翼化したマスコミ、学者、若者に揉み消されてしまう。ますますこの傾向は高まることが危惧される。』

 このメールの通りが、日本の現実。むしろ、批判をする方が負けているというのが残念ながら今である(負けていると言っても、今はまだ有権者の4分の1程度という自民党に過ぎないのだが)。朝日新聞が忌避されるなども含めて、政権批判の新聞などの活字文化そのものが衰退して、ネット記事の右傾化は目を覆いたくなるようなものに。政界そのものの社会支配力もそうだ。目に見えぬようにしつつ、各界に与党・政府からの締め付けが凄いと分かる。与党支持のようになっている最大労組連合は、この愛知の先の選挙でもなぜか野党候補を下ろしてしまい、この度与党予算案に賛成した政党を推しているのである。そして目を海外に向ければ、世界中でもナショナリズムがそれぞれの国の形を取って復活している。

 まー、世界史には常にこういう時代もあったと言うしか仕方ない。世界中で庶民が結婚もできぬほど特に貧しくなったので、総需要不足からどこもかしこも競争、競争で、屍も累々。勝った方はその生活維持のためにも与党に回るから、支配体制全体がアベノミクスのような「羊頭狗肉」を掲げる現状を賛美しつつ、腐敗していく時代というものもある。安倍氏の上にまとめた所業はその腐敗競争の頂点、典型例なのだろう。冒頭の『 』の文章はすべて真実だから、毒を喰らえば皿までで、そのうちに、安倍氏、台湾・尖閣、「防衛的な敵基地先制攻撃論」などを巡って、こんな時代さえ起こりうるのか? 為政者が先頭に立って作る「使命」、「世論」こそ実はとても怖いのである。ちなみに、アメリカのアフガン戦争、イラク戦争の前夜などは、下の表現通りの国になっていた。

 岩波近現代史シリーズ10巻本の第6巻「アジア・太平洋戦争」。この巻の著者は吉田裕・一橋大学大学院社会学研究科教授である。
 【 東条首相は、各地で国民に熱烈に歓迎された。42年7月27日、大阪の中央公会堂で開催された「大東亜戦争完遂国民総力結集大講演会」の折には、講演を終えて退場する東条首相を熱狂した群衆がとりかこんだ。28日付の『朝日新開』は、その場の状況を、「熱狂した数千の聴衆は帽子、扇子を打ち振り打ち振り、〃万歳々々″と歓声をあげ、(中略)あつといふ間に東条さんを取り囲む。「しつかりやります、やりますとも」「米英撃滅だ、東条閣下お願ひします」「東条首相万歳」と群がる市民は熱狂して全く感激のるつぼだ」と報じている。これが誇張でないことは、同日の首相秘書官の記録に、「公会堂発」、「総理自動車会衆の圧倒的歓迎に取り囲まれ約十分、会衆の中を徐行す」とあることからもわかる(伊藤隆ほか編『東条内閣総理大臣機密秘録』東京大学出版社1990年)。
 さらに、東条に関するすぐれた評伝をまとめた作家の保阪正康も、この頃の東条について、「東京・四谷のある地区では、東条が毎朝、馬に乗って散歩するのが知れわたり、その姿を一目見ようと路地の間で待つ人がいた。東条の乗馬姿を見ると、その日は僥倖に恵まれるという〈神話〉が生まれた」と書いている。東条は、一般の国民にとって、「救国の英雄」だった(保阪『東条英機と天皇の時代(下)』) 】

コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

半世紀前の時価まで円低落  文科系

2022年02月24日 11時48分17秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 23日の朝日新聞7面に、「日本円の購買力低下」と見出しされた記事があったが、これは日本の政経を見る場合にとても大切な知識だ。『通貨の購買力を示す国際指標「実質実効為替レート」』という数値なのだから。日本のこれは、2010年を100とすると現在は67・55で、1972年以来の低さだという。安倍政権のもとで、特に酷く落ちたわけだ。特にこの10年でこれだけ急に落ちたのは、アベノミクス金融緩和政策が招いた結末であり、外国産品が高くなって国内製品を買わせようとすることにもなって、意図的にこれをやれば「近隣国窮乏化促進国」とか、為替操作国とかと批判されるものでもある。
  まさにこの数値が関連してくることとして、つい最近、あるブログにこんなコメントを付けたことがあった。

『一人当たりGDPは二つあって、単純なそれとその国の購買力を含めた購買力平価の、と。日本は円を異常に安くしているから、外国産品がとても高くなってその分輸入品の購買力が下がります。結果としてたとえば、外国産の肉はどんどん高くなり、太い毛のセーターなどはどこで売っているのでしょうとか、最も高価なジーパン・リーバイスやカシミア・セーターなどは高くなりすぎて売れないとか。根強い人気があるリーバイスなどはアメ横などで中古品を売っているが、これがユニクロジーパンよりもずっと高い。
 この購買力平価一人当たりGDPでは、20年だったかに韓国に抜かれています。だから平均賃金も当然韓国に抜かれたわけです。政府はこの関係の数字をいつも誤魔化そうとしてきました。』

 GDPにはいろんなものがある。このブログを訪れた一右翼君は、安倍総理大臣を見習って「日本のGDPは世界3位」と大いばり。が、こんな大いばりはこの反論ですぐに粉砕した。「じゃあ、2位の中国は日本より豊かなの?」。人口が何倍かになれば食費だけでも大変なものになるからであって、そこで出てくるのが国民一人当たりGDPである。これについてこそ、上のコメントのように名目と「購買力平価」と二つがあって、日本政府はいつも名目の方だけを出してくるようだ。ここで、上の朝日の記事「円の購買力」が登場するわけである。

 永年の金融緩和政策が円の購買力低下を招いたと上の新聞記事も問題視しているのだが、この緩和政策こそ実はアベノミクスの柱。円を日銀にジャブジャブ刷らせるというこの政策は、第二次安倍内閣が出来てすぐに当時の日銀白川総裁を屈服・方向転換させたもの。ただし、この「通貨ジャブジャブ政策」は従来の政経学問では財政ファイナンスと呼ばれて、「いつかその通貨の大暴落を招く禁じ手」とされて来たもの。それを今は、「現代貨幣理論」という名でもってこのように正当化されているのだ。「日本国の借金証書・国債が日本国民に買われている間はノープロブレム」とか「国家の大きな借金も、個人貯蓄などそれ以上の国民資産がある場合には問題なし」とか語る理論である。ということは、将来はこうなることもあるということか? 
「円が急に、異常に、安くなって紙切れになりそう。これでは、ガソリン、肉、薬など輸入物品が買えなくなってしまう。国家の借金が国民資産を超えたから信用問題になったようで、その赤字分を税金としてすぐに頂かねばならなくなった」。

 親の金で勝手に手形を切って豪遊・破産の若旦那とアベノミクスとは、どこが違うのだろう。破産つまり「円紙切れ」「税金3倍増」などというようなことが起こらなくとも、円はすでに1972年以来の安さになっているのだが、昔のことは忘れた? 昔を覚えていれば、外国旅行をした場合に2010年と比べて1万円札の3分の1ほどは紙切れになっていると気づくわけだが・・・。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

浦和レッヅ・小泉佳穂の価値を観た  文科系

2022年02月23日 01時41分44秒 | スポーツ

 Jリーグ第1節での京都・浦和戦は、言わば大番狂わせ、1対0で京都の勝利。ただし、この京都を通常のJ2からの新参チームと観るのは誤りだろう。サッカー強豪で最も大切な要素の一つ監督の力が高いからだ。ペナルティーから復活してきたチョウキジェ監督は、選手・組織両方の育成実績充分な名監督である。例えば今の代表の顔、遠藤航の恩師なのである。この対浦和のゲームも、遠藤航が得意な組織的潰し合いで浦和中盤を圧倒したから、浦和は酒井、明本らの個人技でサイド攻撃に流れることしかできなかったのである。
 その浦和の方だが、中盤でパスを受けることも出すこともできるボールの回し役、いわゆるリンクマンが居なかったのである。それが浦和ミッドフィルダー小泉佳穂。どこか具合が悪かったらしく、先日の川崎とのスーパーカップ戦は欠場で、このゲームでやっと60分になって出てきた。そこからの浦和は、誰が観ても見違えるように変わって行った。

 小泉が中盤でボールを持つと取られないからためもできて中盤で見違えるようにパスも回り始めただけではなく、そういうポゼッションの出口として常にラストパスを狙い、出し続けていた。浮き球・グラウンダー、スルーパス・抜けだし選手への合わせなどなどあらゆる形の高度な技術をバイタルエリアから駆使してのことだ。まさに中村憲剛のような「自ら絶好のラストパスへと、ポゼションを組織していく怖い怖い選手」なのである。「ただ上手いパス回し」などどれだけやられても怖くなく、「ラストパス狙いMFこそ恐怖、相手を下げさせる」とは、どの監督も言うことだ。

 ゲーム後のごく短いロドリゲス監督講評の中にこんな言葉があった。
「拙いゲームだったが、小泉が入ってからは明らかに良くなった」
 
 最後だが、小泉が居ないとリンクマンもポゼッションの出口もないというのは、選手集めでシュートと潰しの能力ばかりに拘り過ぎて来たからではないのか。そこから、ハイプレス・コンパクト陣形で中盤制圧を争い合う現代サッカーでは主導権を握りにくくなって、サイド攻撃に頼る。サイド攻撃は昔からの点取り王道の一つであり続けているが、敵陣を横に広げない単発サイド攻撃では中が固められて得点は難しくなる。マリノス、フロンターレ、レオシルバが入ったグランパスなどが仕上がってきたら勝てないような気がするがどうだろう。ただ、小泉が怪我もせず1年元気に活躍できれば、話はちょっと違ってくるのだろうが。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍晋三氏は政治教養がない   文科系

2022年02月22日 00時05分25秒 | 国内政治・経済・社会問題

 国会で何百という嘘をついて来た元総理が、今なお政権党最大派閥のボスに納まっている。国会が日本国権の最高機関だから、政治家としてこんな大罪はないはずだ。日本という国は一体どうなっているのか。というこの安倍晋三という人物がまた、国家・国会の無視を通り過ぎた「国家無知」「政治教養なさすぎ」。そんな諸事実を数え上げてみたい。

 安倍晋三氏が近代国家の基礎である三権分立というものを知らないという重大事件に、こういうものがあった。黒川弘務・東京高検検事長を検察トップの検事総長につかせるべく、その定年延長をふくむ検察庁法の改正をくわだてたことが。その際、検察庁史でも異例の動きが現れた。二〇二〇年五月一五日、松尾邦弘元検事総長ら検察OB一四名が、検事総長や検事長らの定年延長を可能とする検察庁法改正案の撤回を求めた意見書を法務省に提出したのである。この意見書には、裁判への起訴権を一手に握る検察庁首脳人事に行政権の長が介入するのは司法権の侵害、三権分立無視であるという下りがあった。
『衆議院本会議で、安倍総理大臣は「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王政を確立し君臨したルイ一四世の言葉として伝えられる「朕は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる』
『検察が萎縮して人事権まで政権側に握られ、起訴・不起訴の決定など公訴権の行使にまで掣肘を受けるようになったら検察は国民の信託に応えられない。正しいことが正しく行われる国家社会でなくてはならない』
 さてそれで、安倍内閣が同法案を引っ込めたのは、意見書提出三日後のことだった。

 もう一つ、国家無知を示した答弁、国会討論にこういうものがあった。
 質問「国民勤労統計という国家基幹統計を改竄したというのは、国家の危機に繋がりかねないこと。そういう認識はおありか?」
  安倍氏の回答「私が国家ですよ。(そんな危機など招くわけないじゃないですかと言いたかったのだろう。この質問の意味も理解できなかったのだ)」
 確かに、氏は行政機関の長である。そして、国家三権のもう一つ、国会の過半数党派のボスでもあった。が、ただそれだけのことであって、「私が国家」などであるわけがない。氏と言えども、国家三権のもう一つ司法権・裁判所には裁かれるのだし、彼の上の国家に相当する憲法も国民も存在する。いったん国民に国会過半数(その実は、国民の四分の一ちょっとの支持だけだ)を与えられたら黒川事件のように司法権人事までを内閣が握って良いなどと言う憲法条項は存在するわけがない。
  笑い話にしかならないのだが、「私が国家」を、もうお一つ。「桜を見る会」とは、毎年の春に前年の国家功労者を祝い励ます会として発足した。その「国家行事」の参加者がいつの間にか保守党個人選挙の功労者達にどんどんすり替わっていった。それも「ちょっと歩けば山口県人に行き当たる」と語られたほどに、安倍晋三後援会員が増えていった。「私が国家」でなければできないことだが、これは「私の国家」、つまり、国家の私物化である。

 さて、こういう人物だからこそ、彼のある国家観にそぐわぬ国民を度々「反日」と呼んで来られたのだ。が、どんな日本人でも国の主人公・主権者なのであって、公僕の一人としての彼が「反日」などと呼べるわけはないのである。と、このことは、政治家・安倍晋三氏を前にした時には意外に重要なことになる。以下のように、彼が一部の国民を排除する全体主義国家思想に当たるような日本国家観を醸し出してきたからだ。
『私たちは、皇室を中心に、同じ歴史、文化、伝統を共有しているという歴史認識こそが、「同じ日本人だ」という同胞感を育み、社会の安定を導き、ひいては国の力を大きくする原動力になると信じています』(「日本会議のめざすもの」)
  安倍氏はこの日本会議政治家らの最高顧問の一人で、こういう「同胞感」を持たぬ僕のような人物への嫌悪感を隠さない人物だった。こういう国家思想を持つのは思想の自由に属することだろうが、彼が公人としてこの思想で「反日」などという言葉を国民に使うのはその思考が拙過ぎるというもの。ある全体主義国家思想で、一人の国民を疎外し、侮辱した罪になる。

   嘘八百答弁の国会無視。三権掌握の画策。「私が国家」と「私の国家」。「君は国民ではありません」。氏は国民主権に無知なお方なのだ。国民主権からこそ「私の国家」つまり独裁を排する国家体制、三権分立も生まれたのであるから、これら総てが国民主権を知らない証拠になろう。知っていてこんな国家無視連発ならもっと重罪になると言っておく。いずれにせよ、政治家としては恥ずかしすぎることだから辞めなさい。

コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八十路ランナーの手記(414) 怪我で走れず、サッカー開幕戦観戦記  文科系

2022年02月20日 00時23分08秒 | スポーツ

 17日木曜日、40キロほどの「ペタル回転で走る」極めて快調なファーストラン・サイクリングをやったのだが、その10キロ弱を残した地点で歩道に滑って大きな怪我をした。左手甲の真ん中ほどに何か硬い突起物が当たったようで5センチほどの深い鍵裂き傷、その出血が押さえても抑えても止まらないのでそのまま家の近くの病院に駆け込んだら、何針縫われたのだろう。今の縫い方は細い黒糸で布をミシン目に縫い合わせるように細かく縫っていく。多分優に20針以上。そして、来週の24日木曜の再診までは走行禁止。べろっと剥がれた厚い皮膚を活かすべく出血を抑えて傷が固まりやすくなるようにとのことで、抗生剤は毎食後、傷への塗り薬も日に2度ほど換えるという一週間になってしまった。この17日のファーストランも例によって心拍数と時間でラン換算すると2月はここまで97キロまで来たのに、月間目標170キロは難しくなった模様。残念。

 サッカーJリーグが始まった。18日に川崎・東京戦、19日には京都・浦和戦と、名古屋・神戸戦を観た。
 まずFC東京だが、負けたけど大健闘、あの川崎一得点はダミアンのバック気味のようなヘッドを褒めるしかないのである。川崎は新チームがまだこなれていない感じがした。
 また、J1昇格12年ぶりの京都が、浦和を1対0で負かしたその大健闘ぶりには目を見張ったものだ。これが、素晴らしいゲームだったし。今や代表の顔の1人、異能の遠藤航を育て上げるなど名監督チョウ・キジェの「組織的潰し能力の指導」が面目躍如というゲームだった。浦和は、小泉がいないと酒井、明本のサイド攻撃だけになってしまうのではないか。つまり、京都のようによく走る潰しのチーム相手には中盤が制圧できないと、そういう戦い方になっていたように思う。
 神戸は何か特徴のないチームに見えた。それは、相手の名古屋の去年とは打って変わったハイライン・ハイプレス潰しに敗れていたというだけだったのか? 名古屋は潰しからのショートカウンターで例によって稲垣が「こぼれ球に詰めていて」一得点したが、まだまだ繋ぎが下手なのは3人目の走り、位置取りが下手だから?

 ブラジル路線を転換した鹿島の上田と鈴木両FWが凄いらしいし、今年のJは楽しみが多い。戻ってきた鈴木らを見るに付けて思うのに、浦和の小泉ではないが「自分の脚で強豪チームを作った」と言えるほどのチームの顔になって初めて、外国へも行けば良いのだ。ゲームに出られるかどうか分からぬ程度の人が行くのは選手生命の浪費である。Jの選手には、一生日本であれだけの選手、チーム実績を残した遠藤や中村憲剛を見よと言いたい。 

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サッカー選手小泉佳穂を注目している  文科系

2022年02月19日 08時51分38秒 | スポーツ

 ちょっとマニアックなフットボーリスタ2月増刊号「Jリーグ2022」特集を全部読んだ。名選手たちからの高評価など噂にも聞いて来たし、何回かそのゲームも観てきた浦和のMF小泉佳穂(25)の記事があったからだ。その記事の題名からして凄まじい。
「日本で圧倒的な選手になる」
 この題名内容に該当する記事部分を抜粋してみよう。

『僕が一番うまくて、その一番うまい僕がパス&コントロールを誰よりも集中してやっているから、周りがサボれない、周りもやるようになるという状態をつくりたい。そういうモチベーションを持ってやっています』

『僕は走行距離も多かったり、守備のところでもハードワークしているという自負がある。ボールをもらうポジショニングや味方を助けるところ、どこにでも顔を出すこともすごく意識してやっていて。そこからの攻撃ペースをコントロールできるのが、自分の一番の強みなので、それプラス、ゴール前でプレーする回数を増やすことがどれくらい可能なのかチャレンジしてみたんですけど・・・』

『まずは日本で圧倒的な選手になりたいと思っているので。そうなって初めて、海外でのプレーを考えることができるというか。これは人それぞれの価値観なので、海外に行けるなら行くという考えを否定しませんが、僕はそういう考えではないんですよ』

 どうだろう、日本が世界に誇ってきたMFでもまだ25歳でこれだけのことが言えた選手は、Jリーグの歴史でも中田英寿、小野らぐらいだろうが、彼らでもこんな事は語らなかった。かと言って小泉のこれが大言壮語かと言うと、違うと思う。上のボランチ2人の長所を小泉は先ずすべて持っているうえに、現代サッカー必須の能力、守備力もあの小さい身体でちゃんと備えているのだ。それも、日本の世界順位が14年ブラジルW杯前を乗り越えてかって無く高くなりつつある今現在という時代に於いて。

 ちなみに、中村憲剛は、日本だけにいて川崎という往年の磐田、鹿島に匹敵するJリーグ歴史的強豪を作り上げた希有な人物である。今小泉の上の言葉を聞くと、浦和にずっといてこんな強豪に押し上げて欲しいという気がしてくる。「止める蹴る」はもちろん、走力、立ち位置、広い視野、戦術眼などすべてが備わった選手だから、それにプラスして憲剛のような言語力を駆使して組織、仲間を引っ張り上げる力までを期待できる人物ではないか。今の浦和は12日の富士フイルムスーパーカップ(J優勝川崎と天皇杯浦和との闘い)で早速川崎を退けて見せた。それも、「相手を潰す力」で圧倒した2対0である。
 今年の浦和は「刮目して観よ!」だ。小泉佳穂とともに。

コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「福島の子どもに、甲状腺癌266人」  文科系

2022年02月18日 13時19分24秒 | 国内政治・経済・社会問題

 小泉、菅、細川護熙、村山富市、鳩山由紀夫の元首相5人が、東京電力福島第1原発事故の影響で、福島県で多くの子供たちが甲状腺がんに苦しんでいるとの書簡をEU(欧州連合)欧州委員会に送った。対して、山口壮環境相らが「放射線被爆と子供の甲状腺がんの関連は認められていない」と猛反発、抗議を展開した。これに対してさらに、5人は「脱原発」運動に取り組む市民団体を通じて逆抗議したうえで、「この10年で266人に甲状腺がんが発症した原因は何だと主張・立証するのか」などと質問した。
 他方で、福島原発事故当時18歳以下の子ども6人が、甲状腺癌は原発事故の影響として、訴訟に踏み切った。
 この二つの動きを作って、政府と闘っている、「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」の環境相へのこの3日付け「抗議書兼質問書」の冒頭部分を転載する。

【 環境大臣山口壯殿

抗議書兼質問書                   原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟
                          (役員連名略)

本年1月27日、欧州委員会議長に宛てた5人の元首相の書簡「脱炭素・脱原発は可能ですーEUタクソノミーから原発の除外をー」に対して環境大臣山口壯殿から抗議が届きましたので、5人の元首相の意見をとりまとめ、事務局を務める原自連から反論しかつ質問いたします。

「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しみ」が誤った記載であると書かれていますが、これは真実です。福島原発事故前は、年間100万人に一人か二人の発病しかなかった小児甲状腺がんですが、事故から10年で、事故当時福島県内で18歳以下だった38万人の中で既に266名の発症が判明しています。その内222名が甲状腺摘出手術を受けています。これは、大臣が根拠とされている福島県の県民健康調査委員会で判明した数字です。

しかも、手術後症状が悪化し、再手術を受けた者、他の部位に転移した者、苛酷な放射線治療を受けた者が多くいます。まさに彼らは苦しんでいます。それでも環境大臣として「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しみ」という事実を否定しますか。これに対するお答えとその理由を回答下さい(質問1)。

次に貴殿は「福島県の子どもに放射線による健康被害が生じているという誤った情報」云々と述べ、前記のとおり大量に発生している小児甲状腺がんと東京電力福島第一原発事故により放出された放射線との因果関係を否定しています。

しかし、福島原発事故の前と後とでは小児甲状腺がんの発症率は70倍となっています(事故前は年間に100万人に1人、事故後は10年間で38万人に266人として計算すると
(266人÷38万人÷10年)÷(1人÷100万人)=0.00007÷0.000001=70倍)
このような桁違いの発症率を常識もしくは良識で判断すれば、福島原発事故との「因果関係あり」と考えざるを得ません。そうでないと主張する者は福島原発事故による放射線被ばくではない別の原因を主張・立証しなければなりません。政府も東電も県もそのような主張立証を全くしていません。「現時点では因果関係が考えにくい」というばかりです。

福島原発事故はレベル7であり、大量の放射性物質を環境に放出したことは事実であり、甲状腺がんについては放射線被ばくが原因の第一であることは世界の常識となっています。

そこで質問です。266人の小児甲状腺がんの原因が福島原発事故由来の放射線被ばくでないとするならば、環境省は266人の小児甲状腺がんの原因はなんであると主張・立証されますか(質問2)。266人も小児甲状腺がんが発生しているのにその原因の究明もせず、ただ福島原発事故由来でないと言うだけというのは国民の健康に責任を持つべき環境省及び政府としては余りに無責任です。

(以下略)  】

 一読して非がどちらにあるかは明らかだろう。環境相らはただ、「原発が原因とは証明されていない」と強権的に言い張っているだけで、「266名発症のうち222名が甲状腺摘出手術」という異様かつ悲劇的な事実を無視しているに等しい。「因果関係は考えにくい」という言い方だけで、どうしてこんなに上から押さえつける応対ができるのだろう。当初から言われていた政府などの主要反論一例にこんなのがあった。「全員検査で余分な『患者』を拾い上げて多くなった」と。手術に至った222名は拾い上げなくともいずれ手術に至ったというのは自明であって、これも何の反論にも成っていない。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八十路ランナーの手記(413) 出場断念、ヘルニア再発対策  文科系

2022年02月17日 11時54分01秒 | スポーツ

 今日出る予定だったFMアイチ主催の「ヘイジツマラソン」10キロ部門の出場を昨日断念と決めた。日本北西部に大雪でとても寒くなると予報されていたから、寒さに弱い僕として15年ぶりのレースに朝9時半から出るというのは、あれこれ不安になったから。毎月やっているここには、3月にも出場可能なことだし。今日のレースに向けて一昨日までいろいろ鍛錬してきたので調子は悪くないから、3月には工夫してもっと上向きにできるだろうと、前向きに。2月月間目標170キロに向けても15日現在83キロまで来ているし、階段往復やフォームの確認などの努力も実を結んでいると思うし。そんな最近の努力から、気づいたこともある。

①まだまだフォアフットのフォームが乱れる時があるというか、フォームが固められていない。同じように走っているつもりなのに、時計を見ると多い時はキロ15秒近くの誤差が出る。その原因はやはり前からの癖、左右の脚運びの位置、リズムにあるようだ。左を置く位置、リズムを守るために、左を鍛える必要もあると知った。とにかく今は、左の着地時間がほんの少し長くなる時があるようだ。完全に身体が温まるとこの欠点が消えることも分かった。どうも、左の血管が右よりも開きにくいらしい。30歳前の椎間板ヘルニア手術からくる永年積み重なった後遺症のようだ。

②アップの時間がさらに多く必要になっている。寒い日などは4キロ走ってようやく調子が出てくるとか。この時間が長くなるのが、結局老人が走れなくなったと諦めることに繋がっていく? 逆を言えば、アップの時間を何か工夫して短くできれば、いつまでも走れる? 心臓と言うよりも血管拡張の問題なんだろうが、いろいろやっているところだ。

 

 今日の朝日新聞投書欄にも腰痛、ヘルニアなどのことが載っていた。30歳前に当時からかなり長い間この手術で学会でも有名だった東京飯田橋の厚生年金病院で大手術をやり、何回か大小の再発をして、今でも手術箇所含めた上下4箇所の椎間板が写真で真っ黒になる80男の僕がこうして走れているとか、その再発対策経験などをここにも何回か書いてきたが、改めて僕の再発防止策を書いてみたい。ちょっと異常を感じたら、即以下が大切。特に①の再発?即早期対策が重要なのだ。早期というのはつまり、急性のぎっくり腰には向かないということかも知れぬが。

①再発「異常」をちょっと感じた時に周囲筋肉が固まってしまう前に手を打つ。歪み始めた腰骨周辺の矯正が大事で、その方法は以下。寒い日などは、風呂に入るなど温めてからやると良い。
②仰向けに寝て尻の上の腰骨上の前曲部分に置いた二つ折り座布団などの上で、「脱力した腰をぐりぐりやる」。膝を上にして曲げた両脚(足は床についている)の力も使ってこの腰周辺ぐりぐりをあれこれいろいろに加減してやる。この時患部が伸びていて、ちょっと痛いようだけど気持ちいいと感じるそのやり方と体勢とが分かったらシメタもの。この「効いている」を日に何度か繰り返すことが、歪み始めた患部の矯正をしてくれる。周辺筋肉の脱力がないと、この感じは得られないままになって、この患部周辺から筋肉が硬直して痛みが激しくなるもの。
③この②で「効いている」が掴めなかった人は、「腰の牽引療法とかぶら下がり健康法」と同じ原理だが、こんな手もある。二つの椅子を背中合わせにして間を開け、その間に身体を入れて両手を椅子の背上部に乗せて両腕を突っ張っぱりつつ膝を曲げて脚をうかせぎみにし、脱力して伸びた腰をやはりぐりぐりする。すると、腰が伸ばせるという理屈だが、やはり「腰周辺は完全に脱力」して、膝の曲げ加減を調節すると腰の牽引の力が調節できる。ここでも「効いている」が大事なのだ。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナの米から、日本への教訓  文科系

2022年02月15日 10時21分16秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 この13日に『ウクライナでとち狂うアメリカ』を書いたが、これはその続き。アメリカは相変わらず「16日には、ロシア軍のウクライナ侵攻が起こる」と叫び続けてきた。「その証拠があるなら見せて欲しい」と、こちらは、ウクライナ大統領のアメリカ(の声明)に対する不快感の声。今のこの対立はウクライナのNATO加盟問題から起こったものだが、NATOの中心・独仏はウクライナ非加盟でロシアと調整している真っ最中だ。つまり、「近々ロシア侵攻」とは、アメリカだけが大騒ぎしているのである。なんで??

 さて、このアメリカのウクライナ大騒ぎで僕がすぐに思い出したのが、これ。
『今後6年以内に、中国の台湾侵攻がある(から、日本の南方も危ないぞ)』
 「ウクライナ・ドンパスと中国・台湾と」は、同じ「1国2制度」のような問題であって、その東西両方でアメリカが「戦争確実」と叫んでいるわけだ。なんで??

 確たる理由は分からないが、ただ「戦争勃発」で確実に言えることはある。「戦争が起こる」と株などが下がり、国際金融が、準備万端・大がかりな空売りで大儲けするチャンスが生まれる。また、こういうことが続くと、アメリカの兵器が売れる。いずれにしても、金融・軍事・「GDP4倍の借金」大国・アメリカの「戦争だ!」は「金儲けのためのオオカミ少年」を想起すべきかも知れぬ。

 ただし、自分自身が戦争を起こす時は、別だ。他国にまで「ついてこい」と有志連合を募る。「それには乗れない」と加わらない国には、「古いヨーロッパ」とか、「金だけでなく、汗も血も流せ」と馬鹿にしたような抗議をしてくるのであった。ただ、「世界史上最大の大軍事連合」とラムズフェルトが豪語したイラク戦争後の現代では、世界がこんな事を知っている。イラク戦争に参戦したこれら有志国政府はその直後にすべて潰れた。大々的に掲げた戦争理由「大量破壊兵器」が、嘘だったのだから仕方ない。こんなイラク戦争以来、アメリカの戦争呼びかけへの応募国はなくなってしまった。「イラン戦争」に応募した有志国は2~3カ国、そして「ベネズエラ戦争」呼びかけでは中南米諸国もほぼゼロ。こうして、イラク戦争の後では、アメリカ自身が起こした「戦争脅迫」さえオオカミ少年になったのである。だからこそ、選挙には勝ったのに戦争脅迫によって一時亡命したボリビア左派政権もその後復活したのではなかったか。こうして今や、アメリカ自身の「戦争だ!」も嘘になったわけだ。

 かくして、アメリカの「戦争」は、他人の戦争は「オオカミ少年流の嘘」で、ご自分の戦争はその大義名分が嘘と見抜かれてしまって起こせない。だからこそ、国連総会採決などではもう、すでに、いつも中国に負けているのである。国際的信用を失った国連孤立国である。トゥキディデスの罠的覇権国家の座からも、あっという間に滑り落ちるはずだ。以上観たように、その切り札・軍事脅迫さえ通用しなくなっては、強大軍隊もお荷物、宝の持ち腐れでしかない。

 

 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もう手遅れ、米「新インド太平洋戦略」 文科系

2022年02月14日 00時08分29秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 この11日、米バイデン政権が包括的な「インド太平洋戦略」を発表した。その解説にもいかめしく、「地政学上最大の試練」と位置づける「中国の挑戦」に対して、「友好国との連携強化で対抗する」を狙いとして。が、この戦略はもうすでに遅すぎて、あちこち穴だらけに見える。

 まず「特に関係が悪化している日韓両国に言及」なのだそうだが、中韓関係はすでにもう、ほとんどの日本人が知らないこんな重大事態にまで至っている。このことについて旧拙稿を抜粋すると・・・

【 日韓断絶ここまで、韓国国防白書  文科系 2019年01月16日 
 目立たない記事だが、今日の中日新聞3面に大変なニュースが載っている。日韓断絶がここまで来てしまったかとため息が出るような。18年版国防白書の内容を抜粋してみよう。
 何よりも問題と言えるのは、こんな下り。
『南北関係の改善を受け、北朝鮮を「敵」とする従来の表記を削除した。日本については、「自由民主主義と市場経済の基本価値を共有している」との文言が消えた』
『日本に関しては、周辺国との軍事交流・協力の記述では、16年版は日本、中国の順だったが、中国、日本と入れ替えた。』

 北朝鮮を敵とする記述を消して、日本とは基本価値を共有しているとは言わなくなり、軍事協力でも日本より「まず中国と」と国防白書に明記したというのだから、その日本関係変化を一言で言えばこんな姿勢、表現になる。日米に対して背中を向けて、中国の方へと、遠ざかって行った、と。
 そしてこのことは、近未来の米中関係予測からして、従来世界政治地図をも塗り替える途轍もない行動だと解釈するほかは無い。隣国韓国は日米に根本的不信を持つに至ったのだ、と。トランプ暴政下になってもなお揉み手を擦るようにしてアメリカに近づいている安倍日本政権に対して、文政権がそんな日本よりも中国との軍事協力を重視し始めたというのであれば、韓国はアメリカからも距離を置く決意をしたということである。(以下略)】

 こういう経済・外交政策と韓国内格差是正政策によってこそ、国民一人当たり購買力平価GDPや平均賃金で韓国は日本を追い抜いていったのである。国内最低賃金を時給1000円に上げて内需拡大に韓国が方向転換した時には、日本マスコミは「求人がなくなる」と軽蔑の眼差しを投げていたのではなかったか。

 次に、韓国以外の米の「インド太平洋の(主要)友好国」はどうなのか。豪州は別にして、フィリピンとタイにプラスしてインドだが、それぞれを観てみよう。

 インドは最近、主要国防ミサイルさえロシアから買って、アメリカが怒り狂った国である。この同じロシア・ミサイルをトルコも買うことになって、やはりアメリカが怒り狂ったのも有名な話だ。というように、インド・中国に国境紛争があるにしても、外交にはとてもしたたかな国であって、アメリカの言うがままになる国ではなくなっている。

 フィリピンはと観れば、中国との南シナ海問題ではアメリカの言うとおりにはならずにまず「両国で独自解決を図る姿勢」だし、そもそも米軍地位協定を長く破棄していたが、やっと去年維持表明をし直したというような間柄でもある。この国の物経済の対中接近が大きくなる一方だからこうなっているというのも、明らかだろう。
 また、タイはと観れば、ミャンマーと同じでクーデターをやったことがある上に今も政府実権を握っているに等しい軍がアメリカの言うことを聞かず、中国に接近している。タイ軍部の反米姿勢がまた韓国政府と同じで、アジア通貨危機がタイ・バーツを起点として起こったことによって日米金融にいじめ抜かれたその嫌悪感から来るものだというのも明らかなことではないか。

 これら東南アジア諸国すべてが、「新自由主義経済」を標榜して金融では他国から大儲けしながら物経済ではブロック経済や保護貿易主義を取って理論でも利己的暴力国家になったアメリカから距離を広げて中国にどんどん近づいて行ったのだから、物経済が弱いアメリカがこれらを巻き込むなどはほぼ不可能なことだと言いたい。


 僕はこうしてもう、トゥキディデスの罠でいう覇権超大国からアメリカは落ちていくと確信している。西欧諸国もウクライナのNATO加盟無しでロシアとの調整を進めているようだし。アメリカもまさか中国に核兵器は使えないし、世界大戦も起こせないだろうし。物貿易で負けたアメリカに対して、その金融進出も半ば閉ざしたアジア諸国になっていくだろう。

 こうして日本だけが、なぜかアメリカ以上に「対中先制的防衛体制構築」、「そのために軍事のGDP比2%国へ」と大音声しているのだ。安倍晋三ご一統がそんな時代錯誤の国民貧窮路線の旗頭なのだが、僕には面白いほど国際的頓馬に見えるのである。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナでとち狂うアメリカ  文科系

2022年02月13日 12時38分47秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 アメリカのウクライナ・ドンパス介入はとち狂っていると言いたい。それをまた、日本のマスコミがアメリカ報道ばかりをその通りに、例によって何の調査報道もなしに大騒ぎして見せるから、笑える。
 今日の新聞をみてもアメリカは「戦争前夜」「ロシア侵攻前夜」と大騒ぎだ。

『米国は1月下旬、各国に先駆け在ウクライナ大使館の職員の家族らを退避させ、ウクライナのゼレンスキー大統領が「過剰反応」と不快感を示した経緯もある』
『米政府は侵攻の危機が迫った「緊急事態」として米東部時間11日、ウクライナ国内の米国人に48時間以内の退避を勧告』

 対するロシアはと言えば、こうだ。
『タス通信によると、ロシア外務相のザハロフ情報局長は11日、米国がロシアによるウクライナ侵攻の可能性を指摘したことについて「挑発、デマ、脅しであり、米ホワイトハウスのヒステリーが伝わってくる」と酷評した。ロシア政府はウクライナ付近での軍増強は認めているが侵攻計画は否定しており、ザハロフ氏は「(ロシアを悪く言うために)米国自身が戦争を必要としている」と主張した』
(以上、『 』内はいずれも中日新聞4面から)

 大軍が集結していたら「即戦争」なのか。もしそうなら、アメリカは世界のどこでも戦争前夜体制にある国ということになる。なんせ世界のあらゆるところに大規模な、映画館やプールまである恒久的要塞基地を構えている国であって、イラクのように2020年春の国会で「外国軍はすべて退去せよ」と決まってさえも、今なお要塞基地に居座っているという国である。この軍隊のイラク不法居座りというのは完全な戦争行為であるし、この「米軍は退去せよ」と言う決議のもととなったイラン司令官スレイマニをイラクで爆殺した米軍の行為も、「外国要人暗殺」という国際法上の戦争行為に違いないのである。

 アメリカは、自分がすぐに戦争をしてきた国だから他国もそうすると見えるらしい。
  
 ところで、こんなアメリカの言うまま以上に尾ひれを付けて、ウクライナ・ドンパス戦争と全く同じように中国・台湾戦争を叫んでいるのが安倍晋三ご一統。そしてまた、このご一統の議論をアメリカ以上に持ち上げる大マスコミも日本に存在しているから困ったものだ。

『中国が台湾を攻めるから、日本南方諸島が危ない。「防衛的な?」敵基地攻撃能力を日本は持つべきだ。だからこそ、その日本軍事ももうGDP2%にまで持ち上げるべきだ』

「6年以内に中国が台湾を攻める」というアメリカ一司令官の発言でしかないものを最大根拠にしてまで、日本最大の輸出入相手国に明日の戦争を構えようという政治家達って、一体国民をどうやって喰わせていく積もり、方針なのだろう。と言うように、世界の人々の命が少なくとも建前上は平等に大切になった現代社会では、戦争などそうそう起こせるものではないのである。もっともただし、アメリカを除いてはということだが。湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争、シリア内乱介入・・・。

 日本のマスコミもそろそろ、「アメリカの(世界)政策・構想を観る枠組み」を少々変えなければならない時なのではないか。今のアメリカはもう、国連総会決議などでは全く孤立している嫌われ者なんだから。

 最後に、「ウクライナのNATO加盟なし」でロシアと調整しようとしている独仏の努力を心から見守りたい。また、アメリカがなにか「対ロ戦争挑発」(ベトナム戦争の時のトンキン湾事件のような)を起こさないかと大変危惧している。さらには、ロシアエネルギーが平和裏・無事にドイツなどに行き渡ることを心から願っている。プーチンは大嫌いだが、貿易は二つの国の国民がより豊かになれることには違いないのだから。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八十路ランナーの手記(412)「キロ6:14秒」と、孫とツーリング  文科系

2022年02月12日 11時21分50秒 | スポーツ

 8日キロ平均6:34秒のリベンジ目的を持って、10日にはこう走った。ジムマシンでアップを2・5キロほどやってから、ジム体育館競技場の室内周回ランニングコースを6・5キロ走り、後はマシンでダウンを1キロばかり、合計10キロ走った。6・5キロのランニングウオッチ数字は、キロ平均6:14秒、ストライド92センチ、心拍数は159bpm。このコースは床がリノリウムで滑らないから足の離陸が気持ち良過ぎていつも良い記録が出るのだけど、それにしても良すぎる。ここの記録はいつも非公式記録にしているが、まー6分30秒が大きく切れたのは間違いないだろうと、気分良く帰ってきた。

 あけて、昨日11日は、孫の5年生女児ハーちゃんとサイクリング。南区の見晴台遺跡まででかけて主としてそこの弥生時代以降の資料館を見学。ハーちゃんは、たっぷりと時間を掛けて遺跡の説明書きあれこれを読んでいたが、その姿を僕が何かとても良い光景として好ましく見ていたもの。その後はその東の天白川から川岸を遡って菅田橋から昭和高校経由で帰ってきた。合計25キロちょっとだろうが、菅田橋袂のイタリアンで蜂蜜ピザなどを食べた後のハーちゃんは急に元気になって坂道でギア比を下げたペダルを全開していたもの。僕は、子どもの自転車姿がまた好きで好きで・・・幸せな気分。いつまでも付き合ってくれないかなー。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする