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 八十路ランナーの手記(432) 膀胱癌患者の手記②  文科系

2022年05月29日 14時25分32秒 | #闘病

 ここに書いてきた膀胱癌は、厄介なことになりました。厚い膀胱のその筋肉層にも浸潤していて内視鏡削除術では取り切れぬ部分があり、今後間もなく膀胱を取る手術になっていく方向です。癌の度合いは第2~3期の進行癌ということから、5年生存率は50%内外、と。現在大きな転移は見つかっていないとしても、いろんな転移がありえて、闘っていくことになるだろうということです。さて、そんなわけで僕は、この手記の題名を今後は「膀胱癌患者の手記」と変えることにしました。この日本では、癌で死んでいく人が最も多いということから、癌患者がどういうもので、どう闘って週末を迎えるかを詳細に残すことが、今の僕にできる社会貢献になるだろうという思いです。幸いというとおかしいですが、ここにも書いてきたように、自分の死を青年時代からずっと意識しつつ生きてきたものですから、この今も割と冷静に迎えることができていますし。また、どんな進行癌でもいずれ死を迎える場合には、転移との闘いは同じようなものになるようですから、記録の意味は大きいと考えました。今日は先ず、僕が失敗した予防について書いてみます。僕については、掛かり付け医師のこんな「失敗」があったということを。

 僕はここにも書いてきて2017年初めに終了した前立腺癌陽子線治療(完治)以来5年間、定期的にこれの予後観察通院をしてきました。この陽子線治療病院に紹介状を書いてもらった、家の近くの掛かり付けの泌尿器科医師と合わせてのことです。この掛かり付け医師からは、この間ずっと「尿を出しやすくする薬」をもらっていたことですし。そして、この医師には軽い排尿痛をこの1年近く訴えてきました。ほぼこの期間にはここで通院ごとに尿検査をしていて、医師自身も「尿に潜血がある」といつも通告してくれたものでした。それなら普通、膀胱近辺をエコーで検査するはずで、それによって一発で癌は見つかったはずなのです。

 と、これが、今回手術をした大病院の方の医師にこれまでの経過を話したら教えられたことでした。

 なお、家庭医学事典のような物の本を読んでも、膀胱癌についてはこう書いてありました。「尿潜血があれば、医師はその原因を早急に究明するはず」と。なのにこの医師は、僕の排尿痛訴えを聞き流して、「尿に潜血があっても炎症細胞が出ていないから癌はない」と告げつつ、「抗生物質を出してみましょう」などと対応し、早期発見の時を失してしまったのでした。
 
 こんな事があるものなんですね。僕の連れ合いや家族などは、猛烈に怒っています。

 

 なお、今回26日から今日までの入院では、多くの本が読めました。ここにも紹介した「隷属なき道」と、芥川龍之介、ツルゲーネフ、プーシキンの三作品集拾い読みです。作品集それぞれで面白かったのは、芋粥、地獄変と、ルージン、大尉の娘などです。芥川は、人と世の中とを斜に見たその「高踏」が芸術至上主義と言われるのだろうが、流石にその短編のいろんな奇想は面白い。高踏的ストーリーテラーと読めた。ツルゲーネフのルージンは、19世紀前半のあるロシア・インテリゲンチャーの生涯を描いている。スタンダールの「赤と黒」と同様のモチーフだが、フランス第2共和制を生んだ1848年のパリ二月革命で終わっているところがこの主人公の時代というもの。大尉の娘は、18世紀後半のプガチョーフの反乱を部隊とした一種の活劇物でもあり、僕にはとても面白いストーリー小説でした。

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八十路ランナーの手記(431) 今日から入院、書けません  文科系

2022年05月26日 08時23分48秒 | スポーツ

 23日月曜日には、ジムマシンでジャスト10キロ走れました。30分2回が3・7と4・0キロで、プラス2・3キロと、もう普通に走れたから意外でした。最高時速も9・5キロ時ほどになって疲労も少なかったのですが、翌日に疲労が出てきたのでここ2日は走りませんでした。
 今日これから膀胱癌手術のため入院ですから、一週間ほどは書けません。よろしく。

 と言ってもこの手術だけですべて完了とは僕には分かっていないのです。癌を削ってみてはてどうなるのかを、医者のほうはMRI検査映像で概ね分かっているはずなのですが。そんなところも今日知らされるのでしょう。

 

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掌編小説 「永遠の無」をめぐって   文科系

2022年05月25日 01時02分02秒 | Weblog

『メールありがとうございます。随筆拝見してとてもうらやましく思いました。下記の二つの内容に、とても感銘を受けました。
「特に老後を、設計した想定を遥かに超えるほどに楽しめてきた」
「今、そんな風に生きられているのではないか。日々そう感じ直している」
 私は、五〇才頃までは、自分のしたいと思うことができて、満足のいく毎日でした。しかし、五〇代から、苦手な分野(マネージメント)を担当することとなり、挫折しました。それまでの間(特に学生時代)に、鍛錬が足りなかったと思っています。現在は、「今までのことは頭から離して、残りの人生がより充実したものとなるように毎日を過ごしていこう」という風に、頭の中を整理しています。と言っても、過去のことを想い出すことが多いですが。』
  これは、六つ違いの弟から八十路を超えたばかりの次郎に出されたある質問に端を発して、以降もしばらくメール交換などがあった会話の一つの結末である。兄弟妹四人とその配偶者、併せて八人で持った約十年ぶりの会食だったが、この会話の発端になった弟の質問は、こういうものだ。「兄さんの死生観を一度聞かせて欲しかった、僕は今、死ぬのが怖くて仕方ないと思っているので・・・」。名古屋駅ツインビルの十二階、駅西が一望できる大きな窓が西の壁になっているような贅を尽くした和食の個室に通されて、長い和机を挟んで向かい合って間もなく出てきた質問だった。次郎はさしあたって、こう答えた。
「この怖さは僕もずっと抱え続けて来たもの。夜中にガバッと起きて、恐怖の冷や汗って、そんなことが何度あったことか。これがあったから大学は哲学科へ行き、以降ずっと生きがいを求めてきたようにも思う」
「それで、これについての今の心境とか認識とかはどうなっているの?」
「死は夢を見ない永遠の眠り。当人にとっては永遠の無だと考えている。かと言って、宗教などの力を借りなくとも、真善美のようなものはその反対物も含めて人間たちの生活の中に存在してきた。だからこそ、自分の生活もしかるべく納得できるものにしたいと考えてきた。五十歳前から現に今やっている老後生活諸活動を順に備えてきたのも、そういうことからだったと思う」
  当日の話はこのあたりで終わっていたのだが、それはよくあるようにどうも、弟がこの考え方を嫌い、一種憎んでさえいたからだと、次郎には感じられたものだ。
 さて、会食の翌日にはもうメールが届いた。ある本を送るから、その感想を聞かせて欲しいとある。「死を見つめる心」(岸本英夫著)という本で、文中「死後における生命の永存を信じるもの」という考え方を自分は取るが、これをどう思うかと問うていた。こう答えるしかなかった。
「肉体とは別に魂のようなものが存続すると考えれば、その魂の来し方行く末がある理屈で、肉体の世界とは別の神の世界が想定されることになるが、これはないと思う。」
 こういう意見を答えがてら、かつて所属同人誌に載せたこんな書き出しの随筆を送った。
『心臓カテーテル手術をやった。麻酔薬が入った点滴でうつらうつらし始めてちょっとたったころ、執刀医先生の初めての声。「これからが本番です。眠っていただきます」。
 ところがなかなか眠りに入れない。眠ったと思ったら、間もなく目を覚ます。痛い。するとまた、意識が薄らいでいくのだが、また覚醒。そんなことが三度ほど繰り返されたので、「痛いです」と声をかけた。執刀医の先生、かなり驚いたように何か声を出していた。
 さてそんなときずっと、いやに冴えている頭脳である思いにふけっていた。大事故の可能性もある手術と、意識していたからでもあろう。手術自身はちっとも怖くはなかったのだけれど、こんなことを考えていた。
「このまま死んでいっても良いな。死は、夢を見ない永遠の眠り、か」
 知らぬ間に生まれていたある心境、大げさに言えば僕の人生の一つの結実かも知れないなと、噛みしめていた。』
 この文章冒頭で弟が「うらやましい」「感銘を受けた」と応えてきたのは、この随筆についてのことなのである。

  ところで、こういうやり取りの間中、次郎はまさに死を抱えていたのである。この月の初めに膀胱癌が発見され、それも「大きくてしっかりした癌で、モコモコしていなくってぺしゃっとしているから、悪性度も高いようだ」という宣告を受けていた。一応の全身転移検査は終わっていたが、その結果もまだ出ていないという状況だったのである。〈もし肺に転移していたら、余命数か月・・・〉と、そんな境遇の真っ只中にあったのだ。楽しい会食に臨んでこんな事は一切告げずに、気取られずに、普通の応対、対話をしている自分がいたということである。これも間違いなく「僕の人生の一つの結実」なのだろう。

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夕刊フジのこういう思考は誤りだ  文科系

2022年05月23日 18時26分40秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 夕刊フジに最近よくあるこんな思考が載っていたのだが、これは誤りである。今の人類の普通の感じ方、考え方とは違うけど、今なお世の一部にのさばっている、偏った感性、思考と言うほかはない。

『 北朝鮮支援発言の林外相に批判噴出「放っておけばいいとは、ならない」 横田めぐみさん拉致された新潟で 有本氏「就任以来、発言に『ズレ』が」 配信 夕刊フジ

 林芳正外相の発言に、また批判が噴出している。北朝鮮工作員に、横田めぐみさん(57)=拉致当時(13)=が連れ去られた新潟市で22日に行った講演で、北朝鮮での新型コロナウイルスの感染拡大について、「放っておけばいいとは、なかなかならない」と語ったのだ。来日中のジョー・バイデン大統領と拉致被害者家族会が面会する前日に、一体どういう政治センスをしているのか。』

 このどこが、どう、誤りであるか。たった一言、ここに含まれたこういう思考が、今日まで人類が蓄積してきたこういう感性、文化に対して誤りなのである。

「その国の指導者がその時代の人類感情、常識に照らして酷い人間でありすぎれば、その国民はどんどん死んでいって当たり前だ(と他国は振る舞うべきだ)」

 こういった問題・回答を真っ正面から掲げた人が、現在世界にどれだけ居るかはともかくとして、これが正しいと思う人間がどれだけいるかと、今改めて問うてみたい。

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ブレグマン・池上彰の対談紹介  文科系

2022年05月23日 13時43分17秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など

 当ブログではつい最近、ルトガー・ブレグマンの本を2冊、ごく簡単に内容紹介してきた。ところで、このブレグマンと池上彰とが、週刊文春電子版で対談をしている読み物をたった今、見つけたところだ。以下であるが、これが出たのが、2022年4月29日のこのゴールデンウイークのこととあった。

『“プーチンの戦争”の最大の教訓|池上 彰×ルトガー・ブレグマン  池上彰のそこからですか!? GWスペシャル対談   池上 彰 

 ブレグマンとの対談というならば、現代世界最大の問題の論議にもならざるをえない。株主・株価資本主義に覆い尽くされて世界、孫子の先が見えぬ問題をこそ論じ、これに絡んだ「性悪説・性善説」の論議などもでるだろう。と言っても、この対談の表題、主内容は上気のようなものなのだけれど。

 僕は今から読むが、ここを訪れる皆さんにも是非お勧めしたい。

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八十路ランナーの手記(430) 意外、走力キープ  文科系

2022年05月22日 01時32分34秒 | スポーツ

 先月30日に4キロ走って、4月は合計88キロしか走れなかった。左の腰前部外側や左膝などの故障が原因だ。以降月初めに膀胱癌発見から5月は全く走れず、癌の程度が分かり26日の手術も決まって医者の許可も出たから、21日随分久しぶりにジムで走った。初めは6キロ時から歩き始めて、30分2回が3・5と3・8キロ、そしてあと15分で2キロ走って、75分の合計で9・3キロになった。最高スピードは8・5キロ時で、その心拍数が150ほどと、長いブランクの割りにすべてが意外に順調。そして、20日ぶりにこれだけ走っても事後の疲労もほとんどなく、明日もまた普通に走れる感じなのだ。

 こうしてつまり、筋力も心肺機能も結構維持されていたのである。自転車とかスクワットとかこの間も体力維持には努めてきたそのおかげがあるにしても、昔の僕のラン記憶から考えると「この24日で81歳になる身で、20日のブランクにこの走力」はちょっと驚きだった。心当たる原因は二つ。一つは、9~1月の走り込み目標初設定とその達成が身体への財産になって残っているということ。9月120キロ目標から月10キロずつ上げていき、1月160キロ目標に対して170キロ超えまでを達成してきた成果が身体に染み込んでいたということじゃないか。二つ目は、癌に対するという意味もあって「最強の野菜スープ」(マキノ出版、著者は前田浩熊本大学名誉教授。抗がん剤研究の国内有数の権威)をこの1か月は日に2度も摂ってきたその効果もあるのだと思う。だからこそ、一日にほんのちょっとの体力維持鍛錬が予想以上の効果を上げてきたのだと。これらの成果として、身体がちょっと質的に若返っているのかも知れない。

 とにかく嬉しかった。あと26日の膀胱癌内視鏡手術まで、22、23、25日辺りも走れるから、「抑えて走って日数を増やす」というやり方を採っておこうと目論んでいる。24日だけは、同人誌の月例会とその準備とがあるから走れないのだが。

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米も戦争ができなくなった? 文科系

2022年05月21日 03時53分06秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 ロシアのウクライナ戦争はどれだけ非難しても良いというその上で、以下の朗報を書いてみる。

 ロシアのウクライナ侵攻に「・・・だから失敗、苦戦になっているのだ」という「専門家」諸氏の解説を読んだ。その要点はこういうもの。
「キエフ近辺の軍事拠点を一週間ほど爆撃で叩いてから地上進軍と進めなかったから」

 まさにこういうやり方として思い出すのがイラク戦争。軍事拠点の爆撃を一週間近くだったか徹底したその後に地上軍が侵攻していった。だが、このやり方で起こるのは一般市民をも巻き込む大虐殺先行なのである。言い換えれば、ロシアがこれをしなかったのは、アメリカのイラク戦争ほどは残虐になれなかったということだろう。とするとこうなる。

 アメリカは今、ロシアのウクライナ戦争がいかに残虐なものかというニュースを世界に配信している。日本などはそんな米配信ニュース垂れ流しとさえ言える。そのアメリカの姿は、まるで世界平和の守り手のよう。アメリカは、いつからこんなに変身したのか? 

 このウクライナ戦争以降は、イラク戦争のような絨毯爆撃徹底という(ロシアよりはるかに)残虐な戦争はアメリカももう起こせなくなったと信じたい。としたら、アメリカももう(目に見えた)戦争一般が起こせなくなったということにならないか。開戦時の重点部分絨毯爆撃が不可能になったのならば、今回のロシアが示したように人的資源消耗が激しすぎるからである。これは今後世界にとっては大きな朗報ではないだろうか。例えば、アメリカがベネズエラやイランに対して実際に行ってきた「戦争脅迫外交戦略」ももう効果は無くなったということになるのだから。としたら、こんな事も覚えておきたい。どうして、敵基地攻撃能力とか「反撃能力」とかが必要になったと言えるのか。

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八十路ランナーの手記(429) 癌を抱えて、明日から走れる  文科系

2022年05月20日 00時09分41秒 | スポーツ

 前回、前々回にここに書いた膀胱癌は、今日、一先ずこのような診断が下った。
① 内視鏡で見た癌自身は大きいし、深そうで、悪性度も高いようだが、2回のCT検査では、肺その他への転移は見つかっていない。
②  26日の癌とその皮下を削除する内視鏡手術で癌自身の重厚さも分かるだろう。その日までには、今日行ったMRI検査結果から皮下削除の深さ程度も分かっているはずだ。
③ 膀胱壁は腸や胃に比べて厚いので、助かっているという面がある。

 これに加えて、僕のおずおずとした質問に、予期せぬこういう応え。まー嬉しかったこと! 

「大いに走ってくださってよろしい!」

「ワインもよろしい、どうぞ!」。

 ということで、当面26日の内視鏡手術までは、思いもせぬ嬉しさ、ランナー復帰にまでなって、本当に驚いた。20日ほど走っていないのが僕の身体にどう影響しているか。これは明日分かることだが、ゆっくりと、ちょっとずつ、手術までのこの一週間にできるだけ走力を戻しておきたい。皮下削除がどの程度になるのかという問題は抱えながらも、そんな心境になっている自分が戻ってきたのである。

 ちなみにここにも書いた「最強の野菜スープ」は、癌が分かって以来ほぼ欠かしたことがないのだが、不快感が多くなっていた体調を整えるのに大いに助けになって来た。飲み始めたら身体の全体的不快感、違和感が消えて食欲が増し、はっきりと快眠、快便になるのである。飲んだ日は、便秘にならず、よく寝られるのである。さらに、スープを欠かした日と比較しても、如実に違うのだ。特筆すべきほどに違う。あの本を書いた前田浩さんが抗がん剤研究の日本最高峰のお一人だそうだが、さもありなんと思うばかりだった。

 これを飲み始めたのが去年の6月から。「老人ランナーというのは、細胞を痛めつけ癌にも繋がる活性酸素を特に多く摂る身体だから、これを中和するポリフェノールの最大限宝庫、野菜スープを!」とやって来たのだが、これが僕を救ったのかも知れない。1月には170キロ走ったなどと若い身体は癌も速く育ち、転移も速くなるはずが、今のところそうならなかったということなのだ。

 この「最強の野菜スープ」については、当ブログ2021年8月24日の随筆を参照されたい。スポーツマン必須の食べ物だという言葉を付して。

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ルトガー・ブレグマン著「隷属なき道」の要約  文科系

2022年05月18日 20時14分37秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 15日のここにごく簡単な要約をしたこの本の、もう少し詳しい要約をします。すべて著者の言葉をつなぎ合わせたものです。よろしく。

 

「現代では栄養失調に苦しむ人の数は、1990年に比べて3分の2以下になった。全世界で、1日2000キロカロリー未満で暮らす人の割合は、1965年には51パーセントだったが、2005年には3パーセントになった。
 中世の世界から見れば現代はユートピアそのものだ。しかし手に入れた世界以上に良い世界を思い描くことができないので、新たな夢を見ることができずにいる。実際、富裕国の人の大半は、子どもたちは親世代より悪い時代を生きることになると信じている」

「1930年、経済学者ケインズは『2030年には人々の労働時間は週15時間になる。・・・』と予言した」
ニクソンは、1969年には、すべての貧困家庭に無条件の収入を保証する法律を成立させようとしていた。例えば家族4人の貧困家庭には、年1600ドル(2016年の貨幣価値に換算すると約1万ドル)の収入を保障するものだった」(文科系注 ニクソンのこのニュースは経済学者なら誰でも知っている有名な話です。法制化あと一歩まで行っていました。)

「第二次世界大戦後も余暇は着実に増え続けたが、1980年代、労働時間の減少傾向が止まる。アメリカでは、むしろ労働時間が増え始めた。個人の労働時間に減少が見られた国々でも、家族単位では、ますます時間に追われるようになっていた」
「週の労働時間が世界で最も少ないオランダの市民でさえ、仕事や残業、介護、教育にかける比重が着実に増えてきた。1985年、これらの活動にかける時間は週に43・6時間だったが、2005年には48・6時間になった」
「そして不変と思われた労働対資本の比率が崩壊した。国民所得の3分の2が労働者の給与になるという状態から、現在の先進工業国では国の富のうち58パーセントしか、給与として労働者に支払われていない。世界が小さくなり、『勝者が独り勝ちする社会』がやってきた」

「1970年には、アメリカの株は平均5年も保持されていた。しかし40年後、平均的な保持期間はわずか5日になった。株の売買のたびに支払いが生じる取引税を課したら、社会的価値をほとんど生み出さない高頻度トレーダーは、瞬間的な株の売買によって儲けることはできなくなる」
「ハーバード大学で行われたある研究は、レーガン時代の減税が、最も優秀な頭脳を、教師や技術者から銀行員や会計士へと変えた、と指摘する。70年代には、ハーバードの男子学生で研究者の道へ進む人は、銀行業界へ進む人の二倍いた。20年後、そのバランスは逆転し、金融業界に就職する人は、研究職に進む人の1・5倍になった」
「結論を言えば、わたしたちはみな貧しくなった。銀行が1ドル儲けるごとに経済の連鎖のどこかで60セントが失われている計算になる。しかし、研究者が1ドル儲けると、5ドル以上の額が、経済に還元される。高額所得者に高い税金を課せば『才能ある個人を、負の外部性を持つ職業から、正の外部性を持つ職業に再配分』できる。税金を高くすれば、有益な仕事をする人が増える」

「テクノロジーの恩恵を手放したくないのであれば、残る選択肢はただ一つ、再分配だ。金銭、時間、課税、そしてロボットも再分配する。ベーシックインカム(金銭)と労働時間の短縮(時間)はその具体的な方法なのだ

「国境は差別をもたらす唯一最大の原因である。2009年、信用危機が勢いを増していたときにゴールドマン・サックスが従業員に支払ったボーナスは、世界で最も貧しい2億2400万人の収入の合計に等しかった。そして、地球で最も豊かなわずか62人が、35億人の総資産より多い富を所有しているのだ」

「アイデアは、どれほど途方もないものであっても、世界を変えてきたし、再び変えるだろう。『実際』、とケインズは記した。『アイデアのほかに世界を支配するものはほとんどない』」

 そして、最終章『「負け犬の社会主義者」が忘れていること』の冒頭が、こんな言葉でまとめられていました。
「この本で提案したのは、大きな路線変更だ。奴隷制度の廃止、女性の解放も、唱えられた当初は、正気の沙汰とは考えられていなかった。そうした『大きな政治』を左派は思い出し、右派も同調する変革へと進むべきだ」

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結局、安倍晋三氏はこういうお人・・  文科系 

2022年05月16日 11時26分48秒 | 国内政治・経済・社会問題

 ブログ友のブログで日本国元首相にして、過去最長政権を誇っている安倍晋三氏の発言が話題になった。最近有名な、こういうものだ。
『日銀は政府の子会社だ。60年の満期が来たら借り換えても構わない。心配する必要はない』
 従来の「中央銀行が内閣から独立していなければ、その通貨の信用はいつか保てなくなる」という貨幣理論を全く投げ捨ててしまった2013年採用の彼のこのやり方には、当時から「財政ファイナンスである」と批判が集中していたもの。「国家が赤字を垂れ流しても、その分円を刷れば、ノープロブレム。日本国の借金証書である国債が国内(資産)で買えているその間は」という議論なのだ。ちなみに、この議論への反論はこうだった。
「国家の借金と資産は、個人のとは違う。個人借金なら資産で帳消しにできるが、国家にはそれができない。こんな「借金垂れ流しを円増刷でカバーする」政治を続けたら、いつか必ず円も国債も暴落する」

 さて、数10年ぶりの円安が続く今だからこそ、安倍晋三氏は開き直ったように上記「日銀は政府子会社」を懸命にダメ押しし始めたのであって、この期に及んでの「アベノミクス開き直り」なのである。まー円バブル崩壊を口先で止めようとしているようなもの。そう言えば、アベノミクスの根幹の一つ「2年で物価2%上昇」というのも、何年経っても実現できなかったということもあったな。2013年当時の日銀白川総裁が「子会社化」に抵抗してこう反論していたのを思い出さずにはいられない。
「デフレ状況は通貨政策では換えられない」

 このお人の教養のなさは、本当に度しがたい。それも、政治教養が無いときている。ひょっとしたら抽象的思考一般が苦手なのかも知れない。この人の国会答弁が、質問事項にはなにも答えずに長々とけんか腰の「関連」持論を展開して質問時間を潰してしまうやり方を続けて来たのも、質問の意味が分かっていない場合も多いのではないか。改めて、例を挙げてみよう。

「わたしが国家ですよ!」との答弁は、長妻昭氏の「国家基幹統計改竄は国家の危機を招きうると分かっているのか?」との質問に答えたもの。「国家である私が、そんなもの招かないから・・・」と言って、答弁になっていると考えているのだ。それも、国家三権の行政権の長にしか過ぎないのに。
 ところで、この国家三権(分立)無理解と言えば、こんな悪事をやりかけたこともあったな。だからこそ、「私が国家だ」などと言えたとすると、とんだ独裁者、悪漢である。検事総長人事を彼が左右しようとした時に、歴代検察庁首脳らから「ルイ14世」と告発文を出されたその4日後だったかに断念したことがあった。ことの重大な意味が分からないからこそ、検察総出で反対が来るとは思わなかったのだろう。

 この検事総長人事もそうだったのだが、国権の最高機関・国会で決めるべきことを、内閣でどんどん決めてしまった。国会に約束してきた慣行を勝手に破ってきたものを含めれば、内閣法制局長官人事、日本学術会議人選、安保法関連などまさにぞろぞろと出てくるのである。

 こうして、安倍晋三氏の政治手法はもはや暴力と言える。「私か妻が関係していたら、総理どころか議員も辞めます」。国権の最高機関・国会でそう答えたのに辞めていないというのも、暴力になるはずだ。言論の府における自分の言葉を堂々と破りつづけているその姿のままで居座り続けているという暴力。と言うこんな理屈も理解できないお人なのだろう? そう言えば、桜やモリトモでも何百という嘘が露見していた。それでも辞めないって、国会を頭から馬鹿にした態度と言える。国会よりも自分の方が偉いと思っているんだ!

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書評 「隷属なき道」(文藝春秋社)  文科系

2022年05月15日 12時46分37秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など

 14年に出版されたこの本は、オランダ国内でベストセラーになり、世界20か国に翻訳されたもの。著者は、オランダ人でBBC、ガーディアン、ワシントンポストなども注目、紹介して来た若手論客で、この日本語訳は文藝春秋から出たものだ。この本には、末尾の解説に日本語版編集部自身の要約があるので、この要約を以下そのまま書評に代えることにする。20世紀最大の経済学者ケインズの「将来予測」を現代的にアレンジした以下の議論は、日本ではいかにも荒唐無稽に見えるはずだが、経済学の基礎知識をちょっと囓った者ならば現代経済学史上の王道の一角を相変わらず占め続けている議論なのである。

『産業革命以来、人類の労働時間はずっと減り続けていた。ケインズは、第一次世界大戦のあと、スペインで講演を行い、その中で、「2030年までに週の労働時間は15時間にまでなる」と予測した。ところが、今日の我々はそんな状況ではまったくない。確かに1970年代まで労働時間は減り続けていた。しかし、80年代以降、減少が止まり、逆に上昇に転じた国もある。
 労働生産性を見てみよう。これは、80年代以降も順調に上がっている。しかし、逆に労働者の実質賃金は下がり、貧富の差は、国内で見ても、また世界的に見てもこれ以上ないくらいに拡大している。何しろ、今世界では上位62人の富豪は、下位35億人の総資産より多い富を所有しているのだ。
 そうした世界を救う方法として著者が提案しているのが、ベーシックインカムと1日3時間労働そして国境線の解放だ。
 中でもベーシックインカムをめぐる著者の議論には、目からうろこが何枚も落ちる人が多いのではないだろうか。日本のケースに当てはめてみれば、生活保護、奨学金などの学費援助制度、母子家庭保護のための福祉プログラム等々を全て廃止する。そのかわりに全ての個人に年間150万円なりのお金を直接支給するのである。
 2009年のイギリスでの実験例が第2章で紹介されている。3000ポンド(約45万円)のお金を与えられた13人のホームレスは、酒やギャンブルに使ってしまうだろうという予想に反し、電話、辞書、補聴器などまず自分にとって本当に必要なものを買い求めた。20年間ヘロインを常用していたサイモンの場合、身ぎれいにしてガーデニング教室に通いだした。そして実験開始から1年半後には、13人の路上生活者のうち7人が屋根のある生活をするようになった、というのである。
 つまり、貧困者は第一にまとまったお金がないことで、貧困から抜け出せないのだ。教育制度や奨学金にいくらお金を使っても、そもそも貧困家庭の子どもたちはそうした制度を利用するということを思いつかない。だからまず、すべての国民に、施しではなく権利として必要最低限の生活を保障するお金を渡すという考え方だ。』

 この文章にかかわって、イギリスのホームレスについて別の文献から一言。イギリスのこれらの人々はアルコール中毒がほとんどで、日本のいわゆるホームレスはいないと聞いてきた。

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書評 有名な性悪説「証明」、その嘘を暴く  文科系

2022年05月13日 14時04分51秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など

 オランダ人歴史家ルドガー・ブレグマンの「ヒューマンカインド 希望の歴史」(文藝春秋)の主内容に連なる表記のことを紹介してみよう。本国オランダで25万部、世界46カ国翻訳という世界的ベストセラーである。

 初めはずっと、史上有名な数々の「性悪説証明」と言われてきた例をいちいち反証していく。上下2巻の上巻は、ほぼこれらへの反論に各章が当てられたものだ。

 第2章『本当の「蠅の王」』は、この有名なノーベル賞小説を実際にあった実話でもって反証したもの。小説と同じシチュエーション、少年たちの漂流から1年以上の孤島暮らし、はてどんな生活になったかという実例を見つけ出してきて、それが報告されている。1966年オーストラリアの新聞に載ったこの出来事を検索で見つけ出した上に、現地を訪問して生存者らから聞き取った調査報告だ。「イースター島の謎では、ジャレド・ダイヤモンドの「文明崩壊」が描いたイースター島の殺し合いが実は考古学的創作であったいう、新たな実証反論を提示している。
 さらには、「スタンフォード監獄実験」は、「結論に合わせた実験になっていた」ことを細々と例証、暴露したうえで、この実験について「BBCのスタンフォード再現実験」があったが、同じことは全く起こらなかったという紹介を細々とやっている。ちなみに、この実験の主、心理学者フィリップ・ジンバルドは、「それから数年で彼は、その時代の最も注目される心理学者になり、アメリカ心理学会の会長にまで登り詰めた」とある。同じように知られた「ミルグラムの電気ショック実験」もスタンフォードと瓜二つで、結論ありきの実験法操作や不都合な事実の無視などの数々が示されていた。こちらの実験の場はイェール大学で、その研究室の主はスタンレー・ミルグラムと言う。先のジンバルドよりもさらに広く知られるようになった心理学者なのだそうだ。

 こうしてこの著者の結論。性善、性悪は、人間の何か宿命のようなものではなく、その時と場に規定された人間固有の社会性、共同・共感性によって形成されていくもの、そういうことになるのだろう。ちなみに、この上下2巻本全体の初め(序章を書き出す前の1ページ全部)にアントン・チェーホフの言葉と銘打って、こんなたった一言が掲げられていた。

『人は、自分がどのような人であるかを教えられると、より良い人になるだろう』

 

追記ーこの本は、「作為的実験」を告発された「史上偉大な」心理学者、ジンバルドやミルグラム(の関係者を含む)からの告発を覚悟してもなおかつ内容に自信があるからこそ書かれている訳だ。そして、その告発がないということが、この内容の真実性を証明していることになるだろう。

 

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ロウ戦争終結へのある提案  文科系

2022年05月12日 05時00分07秒 | #ウクライナ戦争#マウリポリ陥落#アゾフ大隊

 この実現を望む。今この停戦は、これしかない。アメリカからウクライナへの兵器提供がなければこの戦争は継続できない事態になっているからだ。国連がなんとか、この仲介をしてくれないかな。

『ドラギ伊首相、米ロ首脳の会談促す ウクライナ戦争終結に向け 5/12(木)

イタリアのドラギ首相は11日、ウクライナの戦争終結に向けた道を模索するため、バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領が交渉を行う必要があるという見解を示した。10日撮影(2022年 ロイター/Leah Millis)

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八十路ランナーの手記(428) 普通に生活している  文科系

2022年05月11日 07時26分12秒 | スポーツ

 前回7日のここに膀胱癌が発見されて、19日に方針が、26日に選択した手術が始まると書いた。肺などへの転移とか、悪性度、浸潤度も19日に分かり、ここから手術の形態(選択)も決まっていくのだろう。膀胱内視鏡で実物を見た医師から「大きい、しっかりした癌」と言われたから進行したものとも思うが、今までと同じように普通に生活している。まー、ランナーで身体は若いのだから、癌もすぐに大きくなるのだろう。
 ギターの練習は欠かさず教室にも通っているし、走るのをほぼやめているが、これは激しい運動は癌の進行を早めるだろうという思いからで、スクワット50回とか外出は自転車でとか体力維持の最低限は身体を動かしている。孫の習い事送迎や「野菜スープ」など食事作りや今の庭仕事もやり、9日には兄弟4人とその配偶者3人、計7人の会食会ではいつもと同じように普通にお酒も飲んだし、皆食した(ただ、普通に家に居るときは飲まない日を多くしている)。名古屋駅ツインビルの12階「名古屋 浅田」の料理はとても美味しかった。吉兆とか、八日市の招福楼とかでも食べたことがあるが、浅田(伊兵衛 本店は金沢)は、「伝統はしっかりと踏まえて、もっと新しく、洗練された、多様な日本料理をすこしずつ勢揃い」という感じだった。そして明日は、同人誌の友人と昼食時に飲むことになっている。

  特に読書についてだが、素晴らしい本を2冊見つけた。いずれもルドガー・ブレグマンというオランダ出身(ユトレヒト大学とカリフォルニア大学を出ている)の歴史家、ジャーナリストの著作なのだが、「隷属なき道」と、「Humankind 希望の歴史」(上下2巻本)というもの。前者は、こんな副題からばっちりとその経済学史的内容が分かろうというもの。「AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働」。

 後者には、「サピエンス全史」のユバル・ノア・ハラリと「人新世の「資本論」」の斉藤幸平の推薦が、それぞれこんな風に付いている。「わたしの人間観を、一新してくれた本」、「あらゆる分断を統合しうる一冊」。経済学史的内容がより分かりやすい前者はまだパラパラとしか読んでないが、この後者の本の内容はごく簡潔に言えばこうなる。この50年特に大流行の性悪説に対して、性善説が正しいという歴史的証明をしてみたというような著作なのだ。もちろん、性善(悪)説とは、この世のことについての相対的な「表現」には違いないのだが、前の著作と併せて言えばまーこんなケインズ経済学的内容になるのだろう。

「AIと結びついたこの50年の金融暴力世界を換えるのは、人類史からのこんな18章の知恵ではないか」

 医者である兄が、自分の死に方についてかねがねこう言ってきた。
「身心とも健康なままから、癌で死ぬのが一番良い。癌はパタッと死ねるから」
 今までの検査への担当医の言葉や反応、僕の身体の諸現象などから推察して僕はそうなるだろうと今思うのだが、残された人間と別れることを考えるとやはり悲しい。連れ合いとか子どもとか、そして特に僕と仲良しの孫二人・・。まー、僕が死んでも生活には全く困らないのは慰めになるが。僕自身の方は、「夢を見ない永遠の眠り」ということで心の整理はついている積もりだ。ここにも、そういうこと、体調や心境なども示し、書き留めていくことになるだろう。もちろん、身体の痛みなどに耐えて書ける内はということだが。

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戦争ニュースの読み方で  文科系

2022年05月09日 06時56分44秒 | #ウクライナ戦争#マウリポリ陥落#アゾフ大隊

 標記のことについて一言。戦争の一方的な残酷ニュースは疑ってかかるべし。また、相手政治家に対してはともかく、国民を鬼のように見てはいけない。憎しみの連鎖になって、また戦争を起こすことになるようなマスコミ手法だから。

 戦争って、大量殺人もさりながら、何でもありになるから恐ろしいもの。そこから「酷いニュース」を拾い上げ、数え上げれば切りなくあるだろう。永年の友人や仲間を殺された人間は鬼にもなろうし、さらには「鬼畜米英」のように敵を「鬼畜」とさえ描き出してきたもの。そういう印象操作・宣伝こそ国を挙げての戦意高揚の最大手段の一つなのだから。
 出所、証拠が示されていない伝聞様のものとか、確証がどこにあるのかというニュースなど、今回に限ってはまたアメリカ発のニュースがどんどん流れるが、全くの印象操作、戦意高揚操作・発表も多いはずだ。これは普通の大人の判断を少し働かせてみれば分かることも多いと分かるほど。

 プーチンの開戦がアメリカのイラク戦争と同様に残酷なものであるのは明らかだが、だからロシア(国民)も鬼畜だとはならない。イラク戦争からアメリカ(国民)を鬼畜とは描けないのと同じだ。戦争の双方とも国民は欺されている場合が多いというそんな操作に乗せられれば、誤った世界観、歴史観さえも持たされることになっていく。これこそ、戦争による憎しみの連鎖になっていくもの。戦争双方だけでなく直接間接の関係国をすべて含めてのことである。ちなみに、この7日にアメリカのCIA長官がこんな談話を発表している。時事通信の記事だ。

『バーンズ氏は、侵攻で明らかになった「ロシアがこれだけ残酷ならば、ロシアの残虐性により、ロシアと緊密な関係を維持する中国が「評判を落としかねない」と指摘。習氏は「予測可能性」を重視しており、「戦争に伴う経済の不透明感」も習氏の動揺につながっていると説明した。』

 ちょっと前の「テロとの戦い」も、そんな悪循環の塊を形成していったと思う。その挙げ句が「イラクに大量破壊兵器があり、テロ集団が使うかも知れぬ」という嘘の理由に国民も熱狂して、そこから起こったのがイラク戦争。ちなみにこのイラク戦争開戦には、国連がアメリカに猛反対した。以来アメリカは国連を軽視して来た。が、国連がなければ、憎しみの連鎖が今後の世界を二分していくだけだ。ウクライナ戦争でも、マリウポリなど無数の市民開放は国連だけに可能であったことも多いという、貴重な功績である。戦争や核兵器やの恐怖がない世界は、国連のような国際組織を将来的に強化し合っていく以外には道はないのである。

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