九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

安倍さんの思惑通り?    らくせき

2013年04月28日 09時34分02秒 | Weblog
国債の乱発で株バブルを起こして、景気がよくなったと宣伝。
(マスコミの戦争協賛に似ていなくもない)
そして夏の参院選挙で圧勝して改憲へ、というスケジュールは
なにも障害なく進行中・・・と見えます。

しかし、その先は大丈夫なのか?
大体、中国を仮想敵国として日米安保にすがる外交は
時代遅れも良いところじゃない?

いくら敗戦にこりたからといって、今度はかっての敵だった
アメリカと組んで中国をという、戦略の立て方がお粗末。

アメリカが日本と中国を天秤にかけた時、どっちを取る?
中国に決まっているでしょう。
ケーリーさんに夕食会を断られたんでしょう。

対蹠的なのが韓国。中国とアメリカの両方にバランスを取った外交政策。
日本の島国根性の政治家には、とてもまねできない。
(なお、島国根性は、決して悪いものではないのですが)

安倍さんの思惑にのっていくのか?
乗せられてという無知は、一番悪い。知っていてのるのは許せるけれど。
知っていれば過ちと知って直せるけれど、無知には薬がない。

敗戦という苦い薬は、50年が賞味期限かも・・・
目に見える歴史の転換点がウオッチングできるなんて
嬉しいやら悲しいやら・・・

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 文科省の”大活躍”を危惧  文科系

2013年04月27日 07時19分56秒 | 国内政治・経済・社会問題
 文科省の”大活躍”を危惧  文科系

 ここのところ文科省の大活躍が続いている。ことの初めは、柔道オリンピックチームの暴力問題。この問題はスポーツ好きの僕としてここでも扱ったが、現在では上村春樹会長の柔道連盟への補助金大々的不正流用事件にまで発展している。これと相次いでマスコミを騒がせた大阪桜宮高校の体罰・暴力事件は、全国小中高等学校一斉の”暴力摘発・調査”にまで広げられるに至った。かてて加えて話題になり始めたのが、本日中日新聞33面に『研究費 底なし 文科省調査 自宅エアコン購入も』と、今度は大学の補助金不正流用問題である。まるで、こんな様相を感じてならない。『上からの改革が大々的に開始された』。
 そこで疑問。これらの問題すべてがとても悪いことには違いないが、はて、何故今になってしかもぞろぞろと一斉に、なのか。次に述べる疑問も絡んでくるはずだ。

 文科省はこれらの重大問題のそれぞれ半分以上ほどは知らないわけはなかったのであって、これらすべてを今までは一定放置してきたと観てまず間違いあるまい。このように放置してきたことも含めて、監督官庁である文科省自身の責任は一体どうなるのだろう。そういう自己責任には口をぬぐったようにしているからこそ、「今更偉そうに摘発、指導??!」とも言いたくなるのである。だって、文科相自身の自己反省の一片でもこの間にあっただろうか。他人事のように「こいつらはこんなに悪い」という情報だけを、マスコミにどんどんリークしているように見える。これではまるで、「フクシマ」を起こした経産省・保安院がこれまでの自分の所業は棚に上げるようにして、新たに「悪い原発」をぞろぞろ指摘し始めると、そんな事態にも見える。まるで一種の自己弁明、アリバイ作り、さらには「上から目線の再統制」に立場上知り得た情報を駆使し始めているのと、どこが違う? 教科書検定、教育委員会の形骸化、教育統制など、文科省に染みついた古い体質は周知の事実なのだし。
 
 証明は抜きにして僕の結論を言ってしまうが、文科省、マスコミ、文化・イデオロギーを最大のよりどころとしようとする安倍政治戦略の一環。それらへの政治的指導、あるいは文科省官僚たちの自主的呼応が絡み合って急展開が起こっているのではないか。そしてもちろん、新たな国家主義目指して、文化・情報・教育統制の新たな始まりという側面が存在するのではないか。心が沈んでくる想いだ。
 皆さんのご討論を仰ぎたい。

 さて、上まで書いてきたところで、この原稿をいったんは投稿した。ところがところが、すべての投稿に付随してブログ編集部から付け足される「キーワード」欄にこの投稿本文で引っかかったのが実に一語だけだったから驚いたこと! その一語も「上からの改革」! 柔道連盟も、上村春樹も、桜宮高校も、体罰も、文科省その他も、何も引っかからないのである。ここにも文科省などの統制を感じてならない言えば、言い過ぎだろうか。
 安倍政治戦略が、社会の情報統制を第一の柱にしているように思えてならないのである。「グローバリズム世界を、国民への情報統制・そういう国家主義で乗り切ろうとする安倍政治戦略」!

 と、2度目にここまでを一部修正し、付け足したら、新たにひっかかった言葉が三つ出て来た。グローバリズム、教科書検定、教育委員会である。ご自分らへの批判だけは監視しようとしているように見える。批判されるべき内容自身はなるべく国民に広がらないようにしつつということのようだ。
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ザックジャパン(76)実現間近”世界の香川”   文科系

2013年04月26日 22時55分12秒 | スポーツ
ザックジャパン(76) 実現間近”世界の香川”   文科系

 チームが全く違って見えた感がある第28節ノーリッジ戦で香川がハットトリックを成し遂げて、世界を驚かせた。その次第は3月3日の第74回に書いたとおりだ。その後も、日本のスポーツメディア主流の香川無視または酷評に反して、香川の活躍は進むばかりである。3月4日の第75回で予言してきたとおりに、「チームがますます彼に合わせ始めた」からこうなった。香川は「スピードに乗った緊密な連係」の中で生きるタイプ。そして、こういう連係が現世界最先端の得点技術であると、はしなくも示された「事件」がこの二日間に相次いだ。世界最強と言われたスペイン2強・レアルとバルサが大敗を喫したのである。それも、香川の古巣ドルトムンドとバイエルンという、台頭著しいドイツ勢に対してであった。バルサを4対0で負かしたのがバイエルンで、レアルを4対1で負かしたのが、ドルトムンド。そのドルトムンドの去年までドイツ2連覇でエースを張ったのが、香川なのである。よって、今ぐらいの活躍はまだ序の口。そう、僕は予告したい。世界有数の個人技中心であったマンチェスターユナイテッドはもっともっと香川に合わせるチームになることによってのみ、近く世界を制覇し直すだろう。ついでにこんな予言もしておきたい。今年のチャンピオンズリーグはまだ準決勝前半が終わった段階に過ぎないが、ドルトムントが優勝するのではないか。バイエルンは選手個人がずば抜けたチームだが、スピードを生かした最新組織のドルトムンドには勝てないと思う。この斬新的組織でもって、バルサと違ってゴールにダイレクトに迫り、かついろんな戦術が取れる柔軟性に溢れたるチームなのである。つまり、半人前のメッシが数人絡んで点を取るようなチームと、僕は観ている。

 さて、イングランドのマスコミも、香川とチームをこう評している。以下は、ナンバーウェブに掲載されている鈴木英寿氏の英誌『テレグラフ』などを紹介した記事である。

『(年間)最高点数はファンペルシの「9」で、これに並ぶのはキャリックのみ。最低点の「5」は『タイムズ』よりも2人多い7人。そういった中で、香川は「7」という点数を与えられている。これは同じ攻撃的MF/FWで比べると、ウェイン・ルーニーの「6」やバレンシアの「5」よりも高い評価だ。
 同紙はこう評している。
「日本代表ミッドフィルダーの今季の輝かしいシーズンは、怪我により頓挫してしまった。だが、再び頼もしく見えてきた」
 本稿を執筆している第34節終了時点ではリーグ戦でのゴール数は5にとどまっている。昨季のドルトムントで二桁ゴールを記録した本人からすれば、自身が設定した目標からは遠く及ばないに違いない。
 それにもかかわらず、なぜイングランドの地元メディアは、そのシーズン総括に及第点、もしくは及第点以上の点数を与えているのか。そして、来季以降に大きく期待しているのか。
 FWとMFの間に位置する“リンクマン”としての新時代を開く!
 その理由は、優勝決定戦のアストン・ビラ戦で披露した「Linkman(リンクマン=FWとMFの間に位置する“繋ぎ役”)」としての質の高い動きを分析した上で、香川のプレーがユナイテッドの新時代を切り開いてくれると評価しているからだろう。だからこそ、ファーガソン監督も、アストン・ビラ戦では4-2-3-1のトップ下として、フル出場させたのではないだろうか。
 アシストや味方を生かすプレーにおいては、だいぶリズム感が出てきたのでは?
そう問いかけると、香川はこう答えてくれた。
「いまの時期は楽しくサッカーしているし、ようやく自分とチームがかみあってきている感じがします』

 香川は「一昔前の得点者タイプ」クリロナのような世界的花型に、間違いなくなると思う。ただ、得点をゆだねられる役割もあるにしてもその直前段階から絡んでいく選手であるから、かってのイタリアの花形・デルピェーロのような選手なのだろう。
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首相らの乱暴な主張  文科系

2013年04月25日 14時44分59秒 | 国内政治・経済・社会問題
 中日新聞によれば、24日、安倍晋三首相が靖国参拝問題に関わって、参院予算委員会で例によってこんなことを語ったそうだ。
『尊い英霊に尊崇の念を表する自由を確保していくのは当然のことだ』
『国益を守り、歴史や伝統の上に立った誇りを守ることも私の仕事』
 麻生副総理もこう答弁したらしい。
『祖国のために尊い命を投げ出した人に政府が敬することを禁じている国はない。国民として当然の努めだ』

 これらの発言、そこに流れる考え方がとても乱暴な内容だと感じ、思った内容を書き記してみたい。

 戦前と戦後が同じ「国」として連続してきたものならば、これらの言葉も許容できるかも知れない。が、日本の場合、戦前と戦後は全く異なった国だった。国と言う場合、国土は荒れ果てたとはいえともかくも同じものだが、国民(の扱い)と国家体制とが戦後に激変したのが、日本という国だからである。天皇主権(憲法)から国民主権(憲法)へ。赤紙一枚で大君のために死ぬべき運命にある「国民」は、憲法上では国民ではなく「臣民」と名付けられていたはずである。よって安倍氏らが「英霊」と呼んだ人々は国家的・第一義的には、天皇のために死んだのであって父母、国民のために死んだのではなかったと言える。また、この天皇主権が国民への暴力によって支えられた体制であったことも、歴史学上既にはっきりしたことだろう。治安維持法や不敬罪等の国家暴力の猛威の名残がなかったなら、戦後に天皇制は維持できなかったと僕は思う。

 さて、現内閣がこうして、違う国家を同じ国家のように語っているのは明白である。よって僕はこう返すしかない。
「英霊」はやはり開戦を決意した天皇を守るためにこそ殺された犬死という側面が第一義的なのであって、諸個人に押しつけられた死をおおいに悼みはしても当時の「死の大義」を全く尊崇は出来ない、と。むしろ逆に、よく語られるように犬死にと観ることこそ彼らの死を生かすことになるはずだ、とも。将来の母子をもう泣かせないようにしていこうなどという意味、方向でのことである。これが正しい見方だということは、本土、天皇のために全くの全員犬死を強制させられかけた沖縄で、犬死感が最も強いという事実によって示されている。
 こうして、戦前の国家伝統などにはその第一義を認められないから誇りとは逆の屈辱感しか持てないし、靖国参拝が『国民として当然の努めだ』などとは、とんでも無く偏った、愚かな主張、考え方であると言いたい。
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10日の旅から帰ってきました  文科系

2013年04月24日 13時37分11秒 | その他
 連れ合いと二人でトラピックスから行った10日の旅から今帰ってきた。プラハ、ザルツブルグ、ウィーン、ブタベストと、各2連泊ずつ。都市間移動途中などには、ドナウ川やザルツブルグ郊外のハルシュタット湖などのクルーズ三つが入っている。そういうゆったりした日程が気に入って選んだ旅だった。総勢26人は、新婚さんと中年ママさん各1組以外はすべて熟年のご夫婦。世慣れた上に、旅慣れてもいる方々とあって、集合時間など当初計画にほとんど狂いもなく、とても気持ちよく過ごせたものだった。
 唯一年が離れた新婚さんは連日何気ない皆の祝福言動を浴びていて、さぞかし珍しくかつ嬉しい時を過ごされたと観察できた。それも世慣れた人の良識というものであって、新婚の旅で「良い社会・人間」をおおいに勉強できたのではないか。新婚さんには幸せになって欲しいという、こういう皆の自然な気持ちあふれた言動は、とても嬉しかったこと。彼らにとっても、こんな皆の態度が余ほど嬉しかったらしい。最終の地ブタペスト王宮を背景にとった唯一の全員写真の裏に名前を書いてくれと、全参加者に頼んでいた。熟年夫婦たちが今不幸せではないから、こう振る舞えたのかな。もっとも、この熟年夫婦の中に夫婦でない形の人がいたかどうか、これは僕には定かではない。ほとんどすべての人と話したのだけれど、パスポートが同姓でないことは、他人には黙っておいて欲しいというやり方もあるはずだし。
「皆さんがにこにこしていて、メンバーにも恵まれ、毎日が楽しい旅でしたね」。これは新婚さんの次に若そうな女性添乗員さんの言葉。
 プラハ、ブタペスト、ハルシュタット湖が良かった。

 これからまた一生懸命に書くつもりです。よろしく。
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朝鮮半島の緊張緩和はちかい?    らくせき

2013年04月18日 09時53分15秒 | Weblog
先日、楽観的な予測をしましたが、まだちょっと時間がかかりそう。
韓米の合同演習がまだまだ続いているようです。
金さんも挑発されていては毒舌を引っ込めるわけにもいかないでしょう。

この演習の効果について余り報道されていないみたい。

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新聞の片隅に載ったニュースから(87)   大西五郎

2013年04月17日 19時19分32秒 | Weblog
口銀行幹部らの賞与制限へ EU欧州議会法案可決 (2013.4.17 中日新聞)

 【ブリュッセル=共同】EUの欧州議会は16日、EU域内の銀行が経営幹部らに支給する賞与を年間給与の二倍以下に制限する法案を圧倒的多数で可決した。
 法律は来年1月から発効する。バローゾ欧州委員長は声明で「短期間で巨額の利益を上げるため、高リスクの取引を助長してきた銀行の過剰賞与の文化に終止符が打たれる」と歓迎した。ただ、欧州の金融センター、ロンドンを抱える英国は猛反対しており、反EU姿勢を一層強めそうだ。
 新法によると、来年1月以降、EU域内の銀行が経営幹部やトレーダーに支給する賞与は原則、年間給与と同水準に制限され、株主総会の承認を得た場合のみ、最大2倍までの増額が認められる。

□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□□

 「新聞の片隅に載ったニュースから」№80(3月4日)で、スイス企業の高額報酬NO 「株主が制限」導入をお伝えしましたが、この動きが欧州全体に広がったということですね。
 キプロスの銀行危機で庶民の預貯金の引き出し額が制限されるなど、欧州全般に厳しい財政運営が広がり、一般国民が苦しんだり、将来への不安を抱えている中、富裕層が優遇されることに庶民の反発が広まっています。
 ところで、同じ今日の朝日新聞に パナ社長ら報酬半減へ という記事がありました。
 感心して読んでみますと、「2期連続で7千万円超の赤字を見込むパナソニックが、7月から社長と会長の役員報酬を2012年度の水準から半減させることがわかった。ほかの役員も2割減らす。経営陣が責任をはっきりさせることで、労働組合と協議中の従業員の賃金削減についても理解を得たい考えだ。」ということでした。
 さらに記事では「パナソニックの11年度の有価証券報告書によると、取締役21人の報酬総額は約11億円。中村邦夫会長(当時)には1億3300万円、大坪文雄社長(同)には1億1300万円が支払われていた、ということです。」とも報じていました。社長・会長の役員報酬を半減したとしても、それぞれ6000万円前後の報酬を得る訳です。会社は半減後の額は発表しなかったと思いますが、それにしても朝日新聞の記者は有価証券報告書に当たって11年度の報酬をよく調べたと思います。当局や企業の発表だけで書く記事が増えている中で久々のヒットです。
会社と労働組合の協議では、従業員の賞与を2割カットし、就業時間を15分延ばすことで実質的に数%分減らすことが会社から提案されています。従業員が賞与を2割へらされることの痛さと社長・会長の賞与が約6千万円になることの痛さとどちらが大きいと思いますか。
 今日の朝日新聞には70~74歳の医療費負担 首相、引き上げ明言という記事もありました。
また、「宙に浮いた年金」も問題になっていましたが、年金機構のずさんな処理で1300件10億円もの年金が支給漏れになっていたということも各紙が報じていました。
この国はなぜにこうも”弱い者“にはより厳しく、冷たいのでしょう。
                                       大西 五郎
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  ほんの少しイメージ(想像力)をはたらかせることと、単なる罵倒について    只今

2013年04月17日 11時07分45秒 | Weblog
●“じいちゃんの「三百万人もの人が死んだ」話が、また始まった”
 かってこのようなことを孫たちから言われた身として、名乗らずクンの罵羞語も判らないではない。
 孫たちは、何故そのように言ったか。思いを巡らして得たことは
 話す内容が具体的でなく、教壇からの通説歴史でしかなかったから…。

●誰もがもつ「ふるさと」
 カナダのホームステイから帰国した中学生の孫娘が、こんなことを言ったことがありました。
 「よく見た夢は、学校の帰り道の坂と、公園の噴水と、その横のコンビニ……」
 彼女にとっての「ふるさと」は山や川でなくコンビニ。それは寂しいことですが、
 かっての大日本帝国の兵士も、瞼にいつも「ふるさと」を切なく思い浮かべていました。
 その例として、竹内浩三の詩を掲げたのですが……

    ★シンガポールでB級戦犯として処刑された木村上等兵の遺書。
     「こうして静かに死を待っていると故郷の懐かしい景色が次から次へと浮かんできます。
     分家の桃畑から佐伊寺の村を見下ろした、あの幼な時代の景色は、今もありありと浮かんできます。

    ★沖縄で散華した神風特別攻撃隊員の遺書。(4/16『朝日』)
     「父上、母上、泣いてください。
      山口にも桜が咲いていると思います。明日散る桜が私だと思ってください。
      山口のあの山、この川、あの道、この家、いま眼前に次々と映じてきます。
      方便山も彼方に見、たしかに機上で皆にお別れした気でいます。
      体当たりするときに、どんな気持ちになるかが気にかかります。
      迷わぬために歌でもうたってやろうと思っています」
 
■バトルであっても、罵倒だけではバトルですらない。
 4月28日開催の「主権回復式典」に出席要請されている天皇さんは、ホントは困っておられるのではないか、
 といった意の社説を『沖縄タイムス』が掲げた。

 すると、「皇室に対する尊敬の念がない」。「神聖な国家儀式を批判するのはいかがなものか」
 といった当然の反論がみられる。これらの反論には、
 かくかくしかじかで尊敬しているとか、国家儀式とは何か、といった再反論が出来る。

 しかし、「お前は、外人か!」とか、「日本人をヤメロ」といった罵倒には、応答の仕様がない。
 このことを、名乗らずクンも判ってくれると幸いだ。

  
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          三国連太郎と竹内浩三     只今

2013年04月15日 17時03分56秒 | Weblog
●三国連太郎が死去。彼はこんな一語を残した。
「なんとか生き残ろうとした私は、殺すための鉄砲は一発も撃たなかった。」

●同様な言葉を残した人物に、フイリッピン戦線で戦死した享年23歳の竹内浩三がいる。
 
         ながいきをしたい
         いつかくる宇治橋のわたりぞめを
         おれたちでやりたい
             (中略)
         さぁ、おまえ わたろう
         一歩一歩 この橋を
         泣くではない さあ、おまえ
         
         ぜひともながいきしたい
 
 この詩は、伊勢神宮の公式広報誌『お伊勢さんニュース』も巻頭に掲げています。
 伊勢神宮の特性を思うとき、よくぞ載せてくれたと思いました。
 竹内浩三は、〈兵隊〉をこう詠っているからです。   
 「ふるさとの風」や「こいびとの眼」のない「遠い他国」で「ひょんと死ぬ」のが兵隊。         
         アア 戦死ヤアハレ
         兵隊ノ死ヌルヤ アハレ
 
●兵隊の死は、今もあります。
 (1)サマワに5500人、クウェートに3600人派遣された自衛隊員のうち、
 陸上自衛隊員19人、航空自衛隊員6人の計25人が帰国後、自殺。→『東京』『西日本』
 (2)2010年のアメリカでは、6500人の帰還兵が自殺。→『ニュース・ウイーク』 (3)イラク・アフガン戦争から帰還した兵の約16%(21万人)が
    心的外傷後ストレス(PTSP)を患っている。→『読売』 
  
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まもなく緊張は緩和する?   らくせき

2013年04月15日 13時20分19秒 | Weblog
北朝鮮の今回の目的は、ほぼ達成された。
というか大成功。
これ以上の緊張は金さんにはプラスよりマイナスが大きくなりそう。
米韓の合同演習が終了し、うやむやのうちに。

と、なってくれると良いが・・・・

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世界経済史の今を観る(11)経済諸問題解決の方向③  文科系

2013年04月13日 07時43分18秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
解決の方向③ ワシントン・コンセンサスへの規制、運動

③ワシントンコンセンサスに対する抵抗、運動
 ここまでにも紹介した岩波新書、西川潤早稲田大学大学院教授の著「世界経済入門」(07年第5刷版)は、1988年に初版が出て、『大学や高校の国際経済学、国際関係論や政治経済の副読本としても広く使われ』たというベストセラーである。が、この第5版はグローバリズム経済を前にして、それへの反発という点を終始問題意識の一つに置いて書き直された『新しい入門書』という重要かつ珍しい側面を持っている。そこのさわりを紹介して、このシリーズの終わりとしたい。

 西川氏は、『経済のグローバル化』は、『人権や環境など、意識のグローバル化』を進展させずにはおかなかったと語る。そして、この書は、この両者の『相関、緊張関係を通じて、新しい世界秩序が生成しているとの視点に立っている』と解説される。これは『第3版へのまえがき』の部分に書かれた表現だが、これに呼応した回答として述べられているのは、最終章最終節のこんな記述であろう。
『この経済のグローバル化が世界的にもたらす不均衡に際して、ナショナリズム、地域主義、市民社会、テロリズムといくつかのチェック要因が現れている』
『これらの不均衡やそれに根ざす抵抗要因に対して、アメリカはますます軍備を拡大し、他国への軍事介入によって、グローバリゼーションを貫徹しようと試みている』
『(アメリカの)帝国化とそれへの協力、あるいはナショナリズムが、グローバル化への適切な対応でないとしたら、残りの選択肢は何だろうか。それは、テロリズムではありえない』
『これまでの分析を念頭に置けば、市民社会と地域主義が私たちにとって、グローバリゼーションから起こる不均衡を是正するための手がかりとなる事情が見えてくる』
 とこう述べて、西川氏がこの部分の結論とするところはこういうことになる。
『1999年にオランダのハーグで、国際連盟成立のきっかけとなったハーグ平和会議1世紀を記念して、平和市民会議が100国、1万人余の代表を集めて開催された。この宣言では「公正な世界秩序のための10の基本原則」として、その第一に日本の平和憲法第9条にならって、各国政府が戦争の放棄を決議することを勧告している』
『2001年には、多国籍企業や政府の代表がスイスで開くダボス会議に対抗して、ブラジルのポルトアレグレで世界のNGO、NPOの代表6万人が集まり、世界社会フォーラムを開催した。このフォーラムは「巨大多国籍企業とその利益に奉仕する諸国家、国際機関が推進しているグローバリゼーションに反対し、その代案を提起する」ことを目的として開かれたものである。ポルトアレグレは、労働者の自治組織が市政を運営し、発展途上国とは思えないほど社会保障の充実した都市で、それ自体、グローバリゼーションのもたらす不均衡へのオールタナティブとなっている。その後、「もうひとつの世界は可能だ」を合言葉とするこの市民集会は年々拡大し、2004年1月、インドのムンバイで開かれた第4回の世界社会フォーラムでは、参加者が10万人を超えた』
『もうひとつ、アジアとの関係も重要になる。いま、日本とアジアの経済関係はきわめて深く、第9章に述べたように、新たに東南アジアと東アジアを結ぶ東アジア・コミュニティの構想も動き始めている。しかし、このような地域協力を政府の手にのみ委ねておくのでは、こうした協力も得てして戦略や欲得がらみのものとなり、ナショナリズムの対立がいつ何時、抗争を引き起こすとも限らない』
 以上について、僕の下手な説明は要るまい。ただ一言だけ。西川氏のこの問題意識は、僕がここまでこのシリーズ原稿を書いてきた動機に通じるところがとても大きいと感じたものだった。


 これを、長らく読んでいただいた方、ありがとうございました。
 なお、14日から10日ばかり家を留守にしますので、欠稿すると思いますが、皆さんよろしくお願いいたします。
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首領様、30歳の「決断力」を恐れる  文科系

2013年04月12日 14時02分03秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 30歳であれだけ強大な国家権力を持つって、どういう人格になるのか、自分の30歳の時を思い出しながら、あれこれと精一杯想像してみる。普通の世間でも「社長というのは本当に孤独なものだ。大会社になればなるほど」等とよく語られるようだが。

 初めは、おっかなびっくりで側近老人の言うことに耳を傾けるはず。おばさんの夫とか。でもやがて、その立場にならなければ見えて来ない自己のもの凄い権力に気づく。ところが、その権力を行使するに必要な知識はどれだけあるのだろう。立場上そんな要諦は誰も教えられない性質、内容のものだろうし、普通の50歳ほどの大人でも必要な知識の5割も持てれば大賢人と言うくらいのものではないか。常識で考えればろくに知識もなく、権力をひけらかし始めるのが関の山だろう。何しろ、血気盛んな30歳だ。スイス留学などで、一定世界を知っているとはいえ、事態は同じことだろう。どうせ甘やかされて育てられたのだろうし。何せ、神様の子どものように育てられてきたはずであって、「世間の右左」も分かってはいまい。忠臣と阿諛追従の輩の区別さえつくかどうか。

 こう見てくると、確かにチキンレース途上の暴走が、いかにも怖い。アメリカと共に進めてきたチキンレースに乗った以上は、「偉人としての決断力」も周囲には見せなければならないだろうし、若いほどに見せたくなる時もあるはずだろうし。なによりも、チキンレース途上に起こるはずの勘違いニアミスを恐れる。昨日も、日本国国交省の福岡だったかの航空管制関係で「北、ミサイル発射!」の報が国内各地29カ所に流れ、修正するのに数分かかっていた。

 いずれにせよ、とても困った事態であるのは確かだ。怖い、怖い。
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世界経済史の今を観る(10) 経済諸問題解決の方向③  文科系

2013年04月12日 09時47分54秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 世界経済諸問題解決の方向③ ワシントン・コンセンサスへの規制、運動  

②実体経済重視の方向(その2)

 グリーンニューディール政策には雇用対策も含まれているわけだが、雇用対策自身を現世界最大の経済課題と語る人はこんなことを言う。以下のこと以外には、雇用対策などないと語っている。いや、生きていればケインズもそう言うはずだと述べているのである。

『成長主義者は、成長すれば多くの経済問題が容易に解決されるのに、なぜ成長に疑問を呈するのかと懐疑者を責める。たしかに、毎年1%の成長でも30年続けば、2010年現在約480兆円の名目GDPは、30年後には約650兆円と、35%も増える。30年間の累積で見れば、わずか1%の成長で増加額の累計は2450兆円にも達する。この増加額の30%が財政収入になると仮定すれば、30年間で735兆円の自然増収が期待できる。数字だけを見れば、こんな”美味しい”話になぜ疑問を呈するのかと、成長主義者が懐疑者を責めるのは当然のように見える。
 しかし、あらためて考えてほしい。こんな”美味しい”話を本当に信じてよいのだろうか。(中略)
 私はこうした成長論こそ、現代の日本における”奇想”だと考えている。それでも成長戦略という”奇想”に未来を託すのか、分配政策を見直し資本主義の純化に歯止めをかけるのか、あるいは資本主義という歴史的なシステムの崩壊を待つのか。いずれにしても喫緊の課題はデフレ脱却でもなく、財政再建でもなく、雇用の不安を止めることである』
(NHK出版新書 高橋伸彰立命館大学教授著「ケインズはこう言った」2012年8月発行)
 なお高橋氏はこうして、その最大主張としてこんな事を語っている。
『私は非自発的雇用の解決には労働時間の大幅な短縮が必要だと考えている。具体的には、週40時間、1日8時間の現行法定労働時間数を、週20時間、1日5時間に短縮するように労働基準法をあらためるべきだと考えている。企業による労働力の買い叩きを抑止するためには、年間実質1~2%の経済成長を目指すよりも、人為的に労働需要の逼迫を創り出すほうが有効だからだ。経済学者は、そんなことをしたら企業が倒産すると大合唱するかも知れない』
 週20時間労働? 全く現実性がないように思われる。が、イギリスで起こった資本主義は最初10数時間などと今から見れば途方もない労働時間だったことを僕は思い出していた。それが8時間になったのである。人類が必要と認めればこんなことも可能だということだろう。なお、高橋氏がこの本で最大問題にしている非自発的雇用とは年間2000時間働いても200万円に満たないワーキングプアや、週40時間を遙かに超える無給長時間労働を拒否できない正社員たちのことだ。これに関して高橋氏は、ケインズ理解、読み直しの基本として、こんな風に解説してみせる。
 ケインズは失業者をなくすために有効需要政策を創出し、論じたのであって、100年後の世界先進国に上で述べたような意味での非自発的雇用の膨大な群れが発生するなどという事態は彼の想定外の(酷すぎる)問題であったと述べているである。つまり、8時間労働制が実現したのだから将来の世界はもっともっと労働時間が少なくなるはずだと発想していたと、そうケインズを読むのである。ケインズにとっては自明の理すぎて、語る必要もない前提だったということだ。

(この回で終わるつもりでしたが、長すぎるので、2回に分けました。あと1回追加します。11回目が最終回と言うことです。)
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世界経済史の今を観る(9) 経済諸問題解決の方向③  文科系

2013年04月10日 20時55分41秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
世界経済諸問題解決の方向③ ワシントン・コンセンサスへの規制、運動

①中進国が先進国を追いかけ、後進国が中進国を追いかけて物作りが活発になるにつれて、アメリカを中心とした先進国は株、金融に活路を見出していった。その結果が5回目で述べたこのことだ。
『1970年から2007年までの38年間に、208カ国で通貨危機が、124カ国で銀行危機が、63カ国で国家債務危機が発生しています。金融危機は、先進国、新興工業国、開発途上国を問わず、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカを問わず起こっていたのです。これに対し、第二次大戦後1970年以前の時期には、国際金融危機や大規模な一国金融危機はほとんど発生していません』
 この状況の最新問題は、ユーロ危機である。背後に日米などの金融機関がいることが分かっていても、どうしようもないという窮状、難問なのである。さらにまた、ギリシャ、スペインなどの現窮状はサブプライムバブルや、ゴールドマン・サックスに騙された事やに起因する事も既に周知の事実である。
 汗水垂らして蓄えた金を一夜にして奪っていくこんな動きに対して、いろんな防衛、規制論議が起こるのは当然のことだろう。まず防衛というのは、一時的な当面の絆創膏手当に過ぎないにしても、こんな事があげられる。
「金融危機国への外貨融通制度、あるいは銀行など」が各地域に国家連合的に作られ始めた。アジア通貨危機から学んだASEANプラス日中韓が、日中等の支出で大きな資金枠を持った例。岩波新書「金融権力」(本山美彦京都大学名誉教授著)は、南米7カ国が形成したバンコデルスル(南の銀行)に注目している。
 最近の次の出来事も、この部分に関わることと言える。南アフリカで開かれたBRICS首脳会議は、新興国支援を目的とした「BRICS開発銀行」と、危機の際に資金を融通し合う「共同積立基金」の創設で合意したそうだ。戦後の世界経済は、「世界銀行」と「国際通貨基金」を中心とするブレドン・ウッズ体制によって支えられてきた。BRICSの構想は、その「過去の遺物」から離れ、独自の体制づくりに乗り出すというものだ。

 G20などにおける、世界レベルの金融規制改革の現状はどうだろうか。先回に観てきたような堂々巡りにしても、こんな事が論議されてきた。銀行の自己資本比率を高めるだとか、レバレッジ規制だとか。さらに「大きくて潰せない銀行」を世界29行にしぼった対策として「潰せるようにする」ことや、税金なしに破綻処理をする方向なども論議されてきた。が、現状は何も決まっていないに等しいと言える。アメリカや日本が邪魔しているのであろう。

②実体経済重視の方向
「金融にはまだまだチャンスがある。当面日本はここに活路を求めよ」と語る人にさえ今、中・後進国が遠からずキャッチアップを遂げるから、そうしたら世界中に現状よりもはるかに失業者が増えて、世界は困窮しつくすと観る人も多いはずだ。中後進国などの生産性アップは凄まじく、すぐに供給過多の時代が来るということだ。たとえば、岩波ブックレット「グローバル資本主義と日本の選択」の武者陵司・武者リサーチ代表がその一人である。ドイツ銀行、大和証券などを経たアナリストとしてかなり有名な人らしい。この人は加えてこう述べている。『インドでも中国でも、極端に安いチープレーバーの供給は、少なくともあと5~10年は続くのではないでしょうか』と語っている。生産性が高い現代はそのような速さで物作りの飽和状態に困り抜くようになると観ているのである。当然のことだろう、人間はものの中でしか生きていけず、金融だけで食ったり暮らしたりはできないのだから、自動車やIT産業に代わるような新商品が生み出されなければ、あるいは別のやり方で職を創り出さねば、世界の人々の職業がどんどんなくなっていくばかりだろう。「グリーンニューディール」政策とか、格差の解消・雇用問題などをなによりも強調する人々は、そういう方向と言えよう。「グリーンニューディール」とはこういうものだ。
『用語の起源は、イギリスを中心とする有識者グループが2008年7月に公表した報告書「グリーン・ニューディール」である。ここでは、気候・金融・エネルギー危機に対応するため、再生可能・省エネルギー技術への投資促進、「グリーン雇用」の創出、国内・国際金融システムの再構築等が提唱されている。
 同年10月には、国連環境計画(UNDP)が「グリーン経済イニシアティブ」を発表し、これを受けて(中略)
 オバマ大統領は、今後10年間で1500億ドルの再生可能エネルギーへの戦略的投資、500万人のグリーン雇用創出などを政権公約として打ち出した。(中略)』 (東洋経済「現代世界経済をとらえる Ver5」)」)

 グリーンニューディール政策には雇用対策も柱として含まれているわけだが、雇用対策自身を現世界最大の経済課題と語る人はこんなことを言う。

(続く。なお、次がこのシリーズの終わりです。次回は、この②の続きと③「金融暴力への世界の運動」を書く予定です) 
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中央日報の記事より     らくせき

2013年04月08日 19時42分52秒 | Weblog
ムン・ジョンイン延世大教授が、アメリカの対応を批判している記事です。
案外、日本外交にも同じことが言えそうなので、紹介します。

              

ワシントンの政策決定者がもっと賢く対処していれば、
北朝鮮の核問題はかなり以前に終結した懸案といっても過言ではない。
米国はなぜ北朝鮮を管理するのに失敗したのか。
まず「北朝鮮の悪魔化の失策」を挙げられる。
すべての外交には相手がある。相手を認めなければ信頼の構築は難しくなり、
交渉は決裂する。いくらそれが事実だとしても、相手の指導者を
吐き気がする人間、体制を暴政の前哨基地、国家をならず者国家と規定すれば、
対話は不可能になる。
北朝鮮を「米国の注意を引こうと駄々をこねる悪い子ども」扱いしてきた
オバマ政権も事情は大きく変わらない。
平壌の立場から見ると、このような相手との信頼構築や破格的な妥結は想像しがたく、
不信と破局の悪循環は増幅するしかない。

次に「集団思考の罠」も米国の対北朝鮮政策の失敗に大きく作用した。
相手に関する情報を分析・評価し、望ましい外交安保政策を樹立するうえで
必須となる徳性の一つが、画一的思考の排除を通じた多様な見解の受け入れだ。
しかし北朝鮮に対しては、硬直した集団思考が米国の政策決定過程を支配してきた。
「北朝鮮の核問題の本質は体制の性格にあるため、北朝鮮は決して核を放棄しないだろう」
「罪と罰の原則に基づく強力な報復だけが代案」。
こうした観点がワシントンの主流思考として定着し、反論や異なる意見は立つ瀬を失った。

こうしたことが繰り返され、「北朝鮮の考えを把握してこそ代案を準備できる」という
見解を持った地域専門家は中心から追い出された。
その代わり北朝鮮をよく知らない米国外交政策専門家と大量破壊兵器拡散専門家が
声を高めて世論を主導した。結局、未熟な一般論が状況を悪化させたのだ。

(このあたりのことは、日本も同じで、拉致被害者の会からも指摘されている。)

最後に、最も決定的な問題は政策の優先順位だった。
過去20年間、米政府は北朝鮮の核問題を主要懸案として扱うように見せてきたが、
実際には優先順位から大きく外れていた。
1994年5月まで寧辺核施設に対する精密打撃を計画するほど北朝鮮の核問題を
最優先課題として扱ったクリントン政権は、同年10月にジュネーブ合意が
妥結したことで、これを後まわしにした。
ブッシュ政権も同じだ。02年10月に高濃縮ウラン問題が浮上した当時も
「レッドライン」を設定し、すぐにも軍事的行動を取るかのような姿勢を見せたが、
03年3月のイラク侵攻を契機に現状維持政策に転換した。
オバマ政権はどうか。イラク・アフガニスタン・イラン問題などに集中し、
北朝鮮問題は「戦略的忍耐」という美名の下で関心の外に押し出された。

もう米国も謙虚、正直にならなければならない。悪人を悪人だと非難するのは
誰でもできる。しかし平壌の誤った行動ばかり恨まず、自らの政策的な過ちも
省みる必要がある。米国だからといって“無欠点国家”はない。
そうしてこそ解決の糸口を見いだせるはずだ。

これと関連し、「北朝鮮は生存のための交渉の窓さえも閉める自殺指向的な体制ではない」
という李洪九(イ・ホング)元首相の省察を、米国が参考にすることを望む。
いかなる場合にも戦争を望まない大韓民国の国民としての言葉だ。
コメント (20)
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