九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

紹介「反骨の経済学者」    文科系

2016年01月31日 13時53分13秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 本日中日新聞6面に素敵な記事があった。近ごろ見当たらなくなった経済学史の伝統を踏まえた大学者の晩年の事を書いている。そのままご紹介したい。著作権の侵害になるのだろうが、そこはまーこの新聞の熱烈愛読者ということと、こんな論調を世に広げるためという姿勢とから、時には勘弁して頂いて・・・・。


『 反骨の経済学者  2016/1/31 朝刊

「不確実性の時代」「ゆたかな社会」の著書で知られるジョン・ケネス・ガルブレイス氏(一九〇八~二〇〇六年)。体制擁護の主流派経済学に背を向け、資本主義の病巣に警鐘を鳴らし続けた。反骨の経済学者を米国の自宅で取材したのは亡くなる三年前だった。
 既に94歳。ベッドで寝たきりだったが、批判精神は健在だった。当時、小泉政権が進めていた日本の構造改革を「社会的弱者の切り捨て」と断じ「社会全体が豊かになるよう物資や収入を実現できない人にもっと目を配るべきだ」と懸念を口にしていた。
 自ら二度の世界大戦を経験し、貧困や失業の解消こそ経済学の使命と考えるガルブレイス氏にとって焼け野原から復興を遂げた戦後日本は「まさに理想のモデルだった」。それだけにグローバル経済に乗り遅れまいと、欧米の競争社会を後追いする日本の姿に失望感を隠さなかった。
 あれから10年余り。格差社会がもたらす貧困は今や「自己責任」の名の下で放置され、社会の隅々にはびこる。「ノー・レフト・ビハインド(誰も取り残されるべきではない)」。そう言って取材を締めくくった老経済学者は今の日本をどう見ているだろうか。(社会部長・寺本政司)』

 今のような経済学主流が、長く続くわけがない。ノーベル賞学者・スティグリッツのように、世界金融資本を改めて批判し始めた人も居るのだし、口だけでは「給料を上げなければ、経済は悪循環だけだ」と、アベでさえが広言する時代になった。この悪循環って、何も一国だけのものではなく、世界的に需要不足・恐慌というな悪循環なのである。かの有名な竹中平蔵でさえも「トリクルダウンはない」と改めて広言し始めている。日銀が大銀行にマイナス金利なんて、こんな経済、続くわけがないではないか。こんな偽りの世界が30年以上も、良く続いてきたものだとしか思えないのである。

 もっとも30年程度の過渡期の時代と観れば、分からないことではないのかも知れない。それも、世界大金融資本の大暴力のなすがままに世界をただ委ねただけという意味で、とんでもない「自然成長?」の時代!
 そう言えば、今は世界大金融を非難するスティグリッツも、アジア通貨危機を初めはこう観ていた。アジアにタイを中心にバブルがあって、これが「自然に」弾けたもの、と。ちょっと後には、彼はこれをこう批判したものだ。「世界の石油と農業との独占資本の、意識的な仕業である」。
                                              
 
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ハリルジャパン(48) 中島翔哉!  文科系 

2016年01月31日 02時32分27秒 | スポーツ
 五輪アジア予選の日本優勝で、中島翔哉選手が大会MVPに選ばれた。この選手、大変なハンディがあるが、素晴らしい才能だと思う。ハンディというのは、このこと。背丈が164センチしかないのである。長友佑都でさえ170センチだから、普通なら誰でもが難しいと言うだろう。背丈の問題に関しては、僕の過去の将来予想でも、苦い思い出が一つあることだし。
 高木善朗という有名な高木三兄弟の次男が居て、凄い選手だと考えてここでも特別に期待を語ったことがある。僕としては本当に珍しく十代の若手時代にここで彼を扱ったのが、確か4年前のロンドンオリンピック予選の19歳のころのことだ。その彼が167センチ。この背丈が災いしたのか、3年間のオランダ在籍時代もベルディにいる今も、その活躍は聞こえてこない。

 さて、中島翔哉である。先ず第一に、高木善朗と同じで背の割に当たりがとても強いから期待できると言いたい。次いでテクニックは、この大会でのイラン戦2得点や、ボール奪取技術に見るように、やはり高木善朗君と同じように十分。この彼には、さらに二つの特徴が加わっていく。一つは、164センチ64キロという身体を真っ向から打ち消すような大変な大志。「バロンドールを取りたい」と広言していると聞いた。それに、何よりも、いろんな応対の言動を見ていると、非常に頭脳明晰に見える。多分これら全てを認めてのことだろうが、手倉森監督がこのチームの10番を中島君に付けさせているということも、参考資料の一つにさせて頂いた。僕がそれだけ手倉森を買ってきたからである。特に、仙台時代の彼のことを、ここで何度も扱ってきた。
 高木善朗君もまだ23歳だが、この中島君は21歳。僕の将来予想は、岡崎と香川では当たっているが、彼らと同様の期待をしたいのである。頭脳が特に、ヒデやオカ並みと総合判断をしている。

 中島翔哉。判官贔屓というのではなく、その実力急上昇を、心から期待している。164センチ64キロで世界的選手になったら、どれだけの日本サッカー少年を勇気づけることだろう。ハリルジャパンに加わることができるなら、熱烈支持をしていきたい。
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日本の安全保障は❔   らくせき・愛知自民を落とそう

2016年01月28日 19時04分29秒 | Weblog
このブログでも一番のテーマである日本の安全保障は
どうあるべきか?という議論はまっとうに論じられたことは
なかったと思います。

①憲法9条について
②安保体制について(安保と自衛隊のありかた)
③政治と軍事と関係(シビリアン・コントロール)
④防衛政策はどうあるべきか?

こうした全体をカバーした本はあるのでしょうか?

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甲状腺癌は「風評被害」に非ず   文科系

2016年01月28日 10時09分04秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 福島原発事故「による」子どもの甲状腺癌多発は、以下のように風評被害なんかではない。「スクリーニング効果」という言葉を使って「発生率と発現率とは違う」とか述べる議論が喧伝されているが、これこそまやかしの(風評)議論である事は、以下に述べる通り。つまり、拾い上げないで済む患者ならば何も手術など不要なのだ。それが福島の今のところ152名の患者の圧倒的多数が、即手術に至っているのである。チェルノブイリと同じで、リンパ節転移や甲状腺外浸潤があって手術を避けられなかったと発表されたはずだ。その手術と発表の機関も、政府や福島県と一心同体の福島県立医大である。
 以下の事は何度でも訴えなければならないと決意している。福島県民健康調査検討委員会の成り立ち経過、隠蔽体質などから、政府・福島県・県立医大がどういう情報操作をするか分からないという、そんな不信感を僕は持っている。第2巡目本格調査で中間報告された患者39名でも、15名は手術をしたとの報告はあったが、残り24名はその後はどうなったのか。そんな報告すらなかなか聞こえてこないのである。第一巡目調査の手術率から観ると、少なすぎると訝ってきた。

 さて、今回の本論である。

 一一月三十日、福島県民健康調査委員会が、第二巡目の子ども甲状腺癌調査の中間結果を三九名と発表した。一四年四月から一五年九月末までに発見された、悪性甲状腺癌確定とその疑いとを合わせた子ども数である。これで合計数は一巡目の先行調査による一一三名を加えて一五二名になる。この三九名のうち一五名がすでに手術を済ませているのは前回と同じで、ほとんどにリンパ節転移、甲状腺外浸潤が起こっているので手術せざるを得なかったということだ。一巡目調査でも手術数が確か百名を超えていたはず。この百名の例からも分かる通りに、今回まだ手術していない二四名も哀しいことだがこのままでは済まないだろう。転移が速く多いという意味で悪性度がこれほどに高いという点が、チェルノブイリとそっくりなのである。

 この二巡目の本格調査結果中間発表数の多さによって、事故との因果関係はますます深まるばかりになった。一巡目の先行調査では見つからなかったこの新たな患者は、第一次全員調査以降まったく新たに発生したものと見なしうるからである。また、この二巡目の本格調査が始まったのは一四年の四月からで、先行調査に要した日数から判断すれば、まだ対象の半数ほどが調査済みという段階にすぎない。つまり、患者数はまだまだ増え続けるだろう。

 さて、ここにいたってもなお、癌が福島事故によるものという因果関係をこの委員会は否定している。それどころか、発病数が「多すぎる」という表現をすら、論議の末に中間報告書には書き込まなかったようだ。一体、どういうことなのだろうか。事故以前は子どもの甲状腺癌の発生率は百万人に一人か二人と言われていたのである。それを今は、こんな理屈で逃げ回っているのである。
「以前の数字は『発現率』であって、正しい発生率の数字など今まではどこにもなかった。虱潰しの調査などどこもやったことがないからである」
 こんな苦しい理屈は、調査対象三八万人から悪性甲状腺癌発生一五二名という事実を前にする時、虚しいものに響く。僕の孫のハーちゃんがこんなことになったら、この老骨が替わってやりたいと思うことしかできない、本当に、悲しいことなのだから。

 ちなみに、去年のノーベル文学賞受賞者はベラルーシのスベトラーナ・アレクシェービッチさん。僕も彼女の受賞作品「チェルノブイリの祈り」を最近読み終えたが、その彼女が授賞式前のストックホルム記者会見で、福島のことをこう評していた。【チェルノブイリと同様、福島の事故でも、住民らを「政府が欺いた」】(一二月七日中日新聞朝刊)。チェルノブイリはウクライナにあるが、最大の被害はその北のベラルーシ国民が受けた。事故当時これらの国も加わっていたソ連邦は、全体主義国家。その「全体」を守るだけの政治を進めていた政府は、多くの人々の命を犠牲にして応急措置を施し、事故前後から事故を徹底的に隠蔽してきた。日本政府もこれと同じ事をするのだろうか。住民本位の正当な批判まで押さえようというような「風評被害」という言葉が、ソ連邦にあったかどうかは知らないが
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「怖いなあ」   文科系

2016年01月27日 12時38分26秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 米日欧協力し合った、官製大バブル破裂の後では、次のバブルは何で、だぶついているお金が今度はどこに流れるかこそ、今後の世界情勢分析の最大焦点。原油とか食糧とかは、その有力対象だと愚考してきた。

 さて、そんな現在、原油29ドルなんて現状こそ、そういうポイントの一つであると言いたい。いったんは、原油・シェール・バブルが弾けたのである。アメリカに多い中小のシェール関係会社が、ばたばたと倒れていると聞く。今までバブル画策があって高すぎたとなったわけだが、今後はどうなるのだろう。関連して、今さらイラン制裁解除ってなんだったのだろうかとか、サウジ・イラン戦争が今起これば・・・などと、愚考してきた。

 2008年に原油価格が1バレル147ドルころも、「もっともっとあがる」と広言されていた。最も最近の高値で言えば、2014年6月の104ドル。こんなころには、中国などは、さかんに原油先物買いをしていたはずである。つまり、産油国だけではなく、中・米絡みの情勢にもなっていくのである。さらには、ロシアとか南米ベネズエラ対策とか・・・。 
 それが今はどうだ29ドルである。中小の米シェール会社をどんどん傘下に収めていくゴールドマン、モルガンの動きも目に浮かんで来るのである。こんなに激しい値動きって、世界金融資本に何かの狙い、布石がなければ、起こるはずがないこと。実に怖い情勢だと観ている。
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ハリルジャパン(47) 五輪への、決戦中の決戦  文科系

2016年01月26日 19時12分50秒 | Weblog
 今日はオリンピック予選のイラク戦。それも、ベスト4からまず、五輪出場2チームを決定するトーナメント一発勝負。今日負けたら、次の3位決定戦で勝った方が五輪に出ることになる。
 それについて昨日、こんなコメントを書いた。

『 日本このチームの個人能力と言えば、僕は特にこれが足りないと思う。相手ボールへの寄せ、つまりボール奪取能力。これが甘いから、そういう甘いDFを相手に練習していると繋ぎも甘くなるのは必然。つまり、混戦になるとどんどん辺りが見えなくなる理屈。それで、外国相手のゲームはほとんど、自ゴール前が必死線に。ただこのチームのこの必死線自身は、案外しぶといと思う。それが、今回の手倉森』

 上記がこのゲームの最要点だと考えるが、以下もっと広い予想をやって、その中から上記内容の大切さを描き直してみたい。

 フル代表で言えば、日本53位に対して、イラクは87位。国のサッカー力で言えば日本に分がある。準々決勝で勝ったイランが43位と、イラクよりもかなり上であるという事も付け加わるから、なおさらだろう。ただ、日本のこのチームはこれまで、イラクを大変苦手としてきた。その理由はこの事。手倉森監督の言葉で言えば「イラクサッカーはまるでプロレス」。体力勝負の当たりが凄いのである。それにプラスして、日本が外国とやる場合こういうタイプに最も弱いという事が付け加わる。世界比較のJリーグはあまりにもテクニカル過ぎるという意味で、どうもサッカーを勘違いしてきたようなのだ。そこから、初めに紹介させて頂いたコメント内容、身体をぶつけ合うボール奪取力が、勝負の分かれ目になると愚考を述べさせて頂いたわけである。

 こうして、ゲームはイラン戦と同じで、こう推移するだろう。前半の前半は、イラクが身体の強さに物を言わせて、猛烈なプレッシャーをかけてくる。体当たりで粉砕してやろうという勢いで。日本がこれをただ受けて立つのは危ないから、高低の守備陣形を使い分けつつ前からを含めて、敵ボールへのプレッシャーに行くはずだ。引き気味のボランチ・ラインで奪えれば一番良いのだが、何度かセンターバックラインを突破され、際どいシュートも打たれるだろう。

 こうしてさて、日本がもしも30分までに失点すれば、ゲームが縺れる。が、その場合でも後半の後半に点を入れて、日本が一点差で勝つ。もし日本が先制点を挙げるならば、楽勝だろう。相手の方がここまで無理をしてきたことだし、日本の方が走力に勝るからだ。

 日本のFWからのプレスは当然として、1970さんが言うように、ボランチの出来が日本勝利の内容を決めるだろう。その意味では、遠藤の出場、怪我の程度が最大の問題になると思う。
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「よたよたランナーの手記」(150)また、ぼちぼち   文科系

2016年01月25日 03時23分19秒 | スポーツ
 11日に30分×2回で10・3キロというここ9年無い1時間の記録が出たと書いた。2回に分けて走っているマイナスを引いても、前半には走り初めのウォームアップ低速時間も入れてのことだから、10キロマラソンでまーこれくらい、つまり57~8分では走れるだろうという参考記録にはなる。

 その11日以降はまた無理をせず、3日に一度ほど走ってから、この22、3日は続けてまた頑張ってみた。22日は、鶴舞公園グランド外周を10周して戻って来る1時間外走り、23日は90分で13キロほどジム・マシンを走ってきた。外走りでは砂地でひざ裏をしっかり蹴って大きく走ることに留意し、マシンではLSDつまり心肺機能の向上狙いである。

 ころを見てまた今度は10・4キロ狙いということなのだが、これだと11キロ時速をかなりやらねばならないだろうから、今の僕にはもう難しいかもしれない。今の僕のやり方でこれができたら、10キロマラソンを55分ほどで走る力がついたということになるのだから。

 もっとも、これが難しければここまででよいという、そんな覚悟はいつでも持っている。もともと慢性心房細動手術以降いったんはランニングを医者から禁じられて諦めた身。この3年ちょっとが「ランニング余生」であるのだし、意地とか執着などというものは年からいってももうどこかに捨てている。むしろ、そういう軽い気持ちで無理をしなかったからこそ、小さい不整脈も再発せずにここまで来られたのだ。最近では、ほぼ淡々とこう走っているだけである。

 身体を立て、あごを引いて、腰骨前部分から大きく脚を出して、その脚の膝裏をゆったりと蹴る。そして、足自身の蹴りはあまり使わない。自分にあったこんな走りがなんとか出来ていればこそ、自然と11キロ時ピッチ数も160をあまり越えず、心拍数155ほどで走ることが可能になったというもの。この自然体のやりかたではもうこれ以上は出来ないと分かったら、それまでである。ここまで来られた事さえ、僕の心中では夢みたいなのだ。

 余談だが、息子と連れ合いも最近ジムに熱が入ってきたようで、嬉しい。美容院経営の息子には運動が必須事項だし、糖尿病がある連れ合いもまた、同じなのだ。「ジム通いが増えると、普段の身体が熱くなるね」などと、顔が少々引き締まった息子が語る。連れ合いの方は、訊くとこう応えた。「時速4キロちょっとだけど、15分は走れるようになった」。30年近く腰痛を抱えた彼女としては良くここまでと、やはり喜んでいる。来年が金婚式なのだが、これだけ連れ添ったのだから僕よりは早く死なれたくはないといつも希望してきた。この思い、多分充たされそうもないとは覚悟はしているのだが。だからこそ、辛うじて走れるようになったというのが嬉しいのである。
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『僕が選べる「原発存否」』第二弾  文科系

2016年01月24日 00時05分18秒 | 国内政治・経済・社会問題
 この1月6日に『僕が選べる「原発存否」』というエントリーを書きましたが、これはその第二弾。これらはいずれも僕が考えついたことでは全くありません。6日の方は、中日新聞の記事を参考にしただけ。今回は、長年の原発ウヲッチャー・広瀬隆氏の提案そのものをご紹介します。彼が最近行動したそのやり方そのものをご自身が紹介した文章です。 

【 関東地方のみなさま、広瀬隆です
 みなさま、テレビコマーシャルでご存知の通り、東京ガスによる電力自由化の契約が、本日1月4日からスタートしました。
 そこで本日、私は、ベストな東京ガスと、4月1日からの家庭電力購入の契約をしました。電気料金とガス料金の合算契約です。(私たちにとって、電力自由化の闘いの目的は電気料金の問題ではありませんが)、電気料金をたくさん払ってきた人には、有利です。

【注意】ただし、昨年7月に、東京ガスは東北電力と提携して、「大口電力需要家向けに電力を販売する会社を設立する」と発表しました。ガス輸入などでも協力するのでしょう。

 直接には、原発と関係のない提携ですが、まったく無関係でもありません。
 そこで、東京ガスと契約する人は、特記事項欄に下記のように記入することが必要です。
「東京ガスは東北電力と提携しているので、東北電力の女川原発または東通原発が稼働した場合は、本契約を破棄する」
 この一筆を必ず入れてください。この文句で、東北電力に圧力をかけましょう。

 何としても、91%の家庭から、電気料金の利益を得てきた東京電力を叩き、柏崎刈羽原発を廃炉に追いこむ必要があります。
 東京電力は、巻き返しを狙っていますから、携帯電話会などと提携して割安の電気料金値下げを発表するでしょうが、当然、東京ガスも、それに対抗して値下げを検討することになります。闘いが始まりました。

 新電力の総元締めとなってきたエネットも、東京ガス+大阪ガス+NTTファシリティーズの出資会社なので推薦企業ですが、エネットは企業向けなので、家庭では契約できないそうです。

【広瀬隆】関東地方のみなさま、東京ガスと電力購入の契約をしました 日々雑感 】
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友人の初句集から  文科系

2016年01月23日 13時45分33秒 | 文芸作品
 40年来の友人から初句集が送られてきた。A五版ハードカバー、250ページほど。告げられた費用が信じられないほどの、堂々たる出版である。H・Sさんと言う僕より6歳年下の女性だが、知らぬ間に中部日本俳句作家会会員になり、東海地方の現代俳句協会幹部になっていた。
 なかなか多面的な作品傾向をお持ちの方で、そこに句の深さも垣間見られる思いがした。勝手にジャンルを付けて、気に入った句をご紹介してみたい。俳句は全くやらない素人とて、つらつらご笑覧をよろしく。出来れば批評もあれば嬉しいです。


・故郷、家族に関わって

 薔薇垣の家捨ててきて二十年
 柩打つ冷たき石を持たさるる
 虹かけて島を時雨の去りにけり
 母の待つおほつごもりの峠越ゆ
 分け入れば父のゐさうな芒原
 母の畑太く短く葱育つ
 さくらさくら一人になってしまひけり
 半円のままで始まる盆踊

・動植物に
 
 羽抜鶏笑ひの中を走り抜く
 慎重に首出す亀や春の風
 コスモスを風の中から剪りにけり
 鱧と鱧咬みつきあうて計らるる

・保母職に関わる子どもの句
 にっこりと笑うて覚めし昼寝の子
 立ち小便覚えたる子や山笑ふ
 遠足の子につぎつぎと牛鳴けり

・心象風景
 切りし指秋思の口に含みけり
 覗きたる机の下に秋の闇
 不機嫌なりすとんすとんと大根切り
 牛小屋の柱に護符や秋暑し


 なお、上記それぞれのジャンル内の歌の順番は、出来た年代順に並んでいます。平成2年から26年までとありました。
 
 
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新聞の片隅に載ったニュースから(221)   大西五郎

2016年01月22日 09時24分41秒 | Weblog
非正規7割200万円未満 連合が年収状況を調査(16.1.20毎日新聞夕刊)

 非正規労働者が2000万人を超す中、非正規の7割が年収200万円に届かないことが、連合などのアンケートでわかった。アベノミクスの成果を強調する安倍晋三首相の国会答弁「妻が景気がよくなっていくからと働きはじめたら(月に)25万円(年収300万円)」にはほど遠く、食事の回数を減らしたり、医者にかかれなかったりという貧困の実態が浮かんだ。
 調査は非正規の家計や暮らしぶりを把握する目的で行われ、首都圏や中京圏、関西圏の20~49歳のパート、契約、派遣社員など約2000人が回答。自分の収入が世帯収入の半分以上を占める「主稼得者」(単身世帯は全員該当)と、世帯収入の半分未満の家計補助者に分けて集計した。
 それによると、全体では「年収100万円未満」が38.4%と全体の4割近くと最多で、「100万円以上200万円未満」の31.7%と合わせて7割が収入200万円に届いていない。主稼得者では男性の37.5%、女性の48.9%が「ワーキングプア(年収200万円以下の貧困層)」の範疇に入った。
 また、主稼得者の世帯では「貯蓄なし」が27.9%、「生活苦の対策で食事の回数を減らした」が20.9%に上った。「医者にかかれなかった」も13.0%あった。また、家計補助者も合わせた全体で未婚は53.5%、男性に限ると89.6%に上る。年収が低いほど未婚率は高い。連合非正規労働センターの杉山寿英次長は「非正規雇用を起点に少子化や貧困の連鎖など社会のゆがみが生まれている」と話す。

□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

 記事の冒頭にあった安倍首相の非正規労働者の賃金についての認識は1月8日の衆議院予算委員会において民主党の山井和則議員が「アベノミクスの下で労働者の実質賃金が減っている」と指摘したのに対する答弁です。これには「首相がそんな認識なのか」と非難が巻き起こりましたが、首相は「話を判り易くするために挙げた数字でパートで25万はないだろう」と弁解しましたが、実態とかけ離れた数字を挙げたことに首相は国民の実態を判っていないという謗りを免れないでしょう。
 連合の調査で、非正規の労働者が、食事の回数を減らしたり、体の具合が悪くなっても医者にも行けない、結婚も出来ない状態に置かれていることが明らかになりましたが、非正規労働者の中には子どもを育てているシングルマザーも含まれています。低賃金による貧困が次ぎの時代を背負う子どもの健康や教育にも悪い影響を及ぼしています。
 非正規労働者が増え続けている今の日本の現状を政治家、とりわけ政府は真剣に考えて対策を講ずるべきです。
                                    大西 五郎

※ 非正規労働者について安倍首相が国会の答弁で示した見解や、非正規労働者の家庭で食事の回数を減らしたということは、朝日新聞や中日新聞でも報道されていますが、毎日新聞の報道が全体をカバーしていたので、その記事によりました。
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ハリルジャパン(46) 本日、五輪への決戦  文科系

2016年01月22日 08時27分23秒 | スポーツ
 今日はオリンピック予選のイラン戦。それも、ベスト8から五輪出場3チームを決定するトーナメント方式であって、今日負けたら日本の7大会連続出場が途切れるという、そんな決戦である。

 日本はここまで、3戦全勝で7得点1失点。対するイランは2勝1敗で6得点4失点とあり、与し易い相手には見える。ここまでの日本の相手も、北朝鮮、サウジアラビアと実力国揃いだったのだから。ただし、フル代表で言えば、アジアで唯一日本(53位)を凌駕しているのがイラン(43位)である。

 ここまでの日本を観ると、その不安材料は、何よりもこれ。ここで1970さんも書いてきたように、自陣ゴール周辺35メートル範囲ほどの防御の甘さである。サウジアラビア戦でこれが特に酷かったから、ちょっと書いてみると、
 ここまで攻めて来られて競り合いになると、敵ボールに足を出すことができたその後で、その(ルーズ)ボールが敵に渡ることが目立ちすぎるのである。つまり、混戦になるとどうも周囲が見えなくなるようだ。周囲が見えないということは、次のプレーが甘くなるということ。中田英寿とか遠藤保仁とかの名選手の最大長所が欠けて、これとは対照的ということである。アジアはJリーグよりも1対1が、相手の当たりが、厳しくなるのは当然であって、それへの対処ができていず、甘いと思えて仕方ないのである。この甘さが初戦・北朝鮮戦でも観られたから、余計に不安になる。

 でも、まー、この点について今夜は、ここに希望をつなぎたい。
①ボランチが遠藤、大島で、センターバックに植田、岩波が行くようだから、幾分はましだろう。鹿島、川崎などのレギュラーもいて、ACLなどアジアとの闘いもよく観てきたはずだからである。
②監督の手倉森がまた、守備指導の名手である。2部チームであった仙台を、平均1失点内に抑えることによってJリーグ準優勝にまで導いたお人だ。高低の守備ラインを柔軟かつカッチリと詰め切って、また失点ゼロに抑えると信じたい。

 それよりも希望はここ、攻撃である。イランは屈強な身体を使った攻撃のチーム。対する日本には、こう期待したい。基本は守備陣形をきちんとした上でのことだが、前半の25分程までここぞという時にやや高位の密集布陣を作ってボールを掠め取り、鋭いショートカウンターを何度かくり出す、と。それで、敵を押し込めば、以降は優位に立てるはずだと確信する。そういう積極的守備には、FWなど前方からの敵ボール圧迫が要になるはずだ。久保、中島、南野らの敵ボール追っかけがとても大事という理屈である。
 初めの方で時にこの鋭い追っかけが観られるかどうか、ここを観たいと思う。
 ここぞと言う時に、呼吸を合わせて勝つ鋭く何度かということであって、基本は多少低くともゴールをかっちりと守るというのが、大事なゲームの鉄則だろう。

 攻撃は互角、守備は日本ということで、2対0か3対1の勝利と観る。
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末端行政の右傾化、ここまで!  文科系

2016年01月21日 11時54分55秒 | 国内政治・経済・社会問題
 我が連れ合いが昨日、ある講演を聴きに行って、帰った途端にもう、文句たらたら。講演後、300人以上は居たと言う会場で敢えて手を上げて、抗議の発言までしてきたと息巻いていた。

 主催は「(名古屋市)千種区地域女性活動促進事業実行委員会」で、場所は千種区役所講堂。区長挨拶もあったとのことだし、れっきとした名古屋市の社会教育の一環なのだろう。こんな講演題名にも惹かれて参加したのだそうだ。
『世界に誇る「日本固有の文化」を作ったのは女性』

 さて、その講演、タイトルとは全く無関係で、こんな内容だったそうだ。
「テロの脅威を作った張本人はオバマ大統領です。ノーベル賞が欲しくって、テロ撃滅の地上軍派遣をためらったからです」
「歴代首相で一番人気は誰か知っていますか。安倍晋三さんです」
「千種区の民主党候補に投票しても、何の役にも立ちません」
「日本で一流なのは、霞ヶ関。彼らこそGDPを世界2位に押し上げた力です」
「マスコミも保守、中立などあってと、(読売、産経の名前まで書いて、これを持ち上げたようです)」

 対して、連れ合いはこう抗議したとのこと。
 講演題名にも惹かれてきたのに、これと関係ない、聞きたくない話ばかりを聞かされた思いです。途中で抗議退席しようとも思いましたが、準備して下さった方々のご苦労に鑑み、辛うじて思いとどまりました。次回からは、タイトル通りの話をする講師を選んで欲しいです。

 政治の末端がかくも右傾化していると、何よりも驚いたもの。戦前のように「嘘で固めた世の中」になり始めているということでしょう。そして、積極的にこういう嘘を振りまく人々だけが、世の表面にどんどん出て来ているということでしょう。これでは、世界61位の政府情報不透明国にこの日本国が堕落してきたと、最近世界のマスコミ記者団体から評価され直したのも当然。民主党政権時代には11位であったものが、本当に情けないことです。
 つい70年前までの全体主義国家、それに対する「一億総懺悔」の後悔の涙などは、無かったかのようだと感じたものでした。

 なお、この講演講師は、こういう方とチラシに書いてありました。「講師 元CBC論説委員 近藤貞夫氏」。こんなお人はどこでももう呼ばないようにしたいものですが、名古屋市がこんな姿勢ではどうしようもないのでしょうか。 
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世界二極分化 06年と今   文科系

2016年01月20日 12時04分00秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
これは、昨日のエントリー「1%の富が、世界の半分を超えた!」の続き、というよりも時間の後先から言ってこれの前編であって、「10年前の予告編」とも言える。もっとも、この1年後ほどの08年に起こるサブプライムバブル破裂を予告して書いた拙稿であって、ここに書いた「世界貧富の二極分化問題」がこの上なく深刻になっているというのが、昨日の拙稿に当たるだろう。
 さて、同じ問題の10年前と今、一体何が変わったか。何も変わっていないどころか、もっと酷くなったと分かるはずだ。それだけではなく、またしてもバブル破裂が起ころうとしている。石油・シェール・バブルが、これに絡んだデリバティブ、証券化商品とともに破裂しかけているのである。


【 世界二極分化の帰結 地球はこんな地獄になった  文科系  2006年12月05日 | 国際経済問題

 (前略ーー当時は、前文だけ別に紹介していて、それが編集部に残っているバックナンバーでは消去されていて、再現できません。以下の金額は、個人金融資産のことです。これは、今回の文科系注です)
 日本では最下層三百万円未満の世帯(個人金融資産ゼロ、生活保護世帯なども含む)は十五・四%である。ところが日本より福祉・医療制度が酷いアメリカで、この世帯が五七・九%に跳ね上がる。日本で五七・九%といえば、一千万から一千四百万円までが入り、逆にアメリカでこの金融資産なら八割までが含まれる。他方また、日本で八割と言えば三千万未満までということになる。日本では、ここまでの世帯の平均が千三百万円、総計五一二兆円で、総金融資産の三分の一ほどを占めている。日本という国は、この金額の半分で日本株式市場全てを乗っ取るべく、その五十一%を買い占めることができるというような、大変な庶民金融資産国なのである。ちなみに、日本のこの上の世帯は三千万から三千五百万までで、これが十四・三%、総額二四六兆円となっている。なお、ここまで九二%ほどの世帯で日本金融資産の約半分ほどを持っていることになる。
 さて他方アメリカでは、下層の貧しさに比べて最上層、二・一%の世帯が四七・九%の個人金融資産を持つ。そしてまた、世界一の庶民金融資産国・日本をアメリカのようにしようとする動向がまた進行中だ。「規制緩和」がそれなのだが、その大詰め「郵政民営化」は終始、アメリカの執念のような強い要請に基づく政策課題だった。「死んでいるお金を社会の活性化に活用する」と言えば聞こえは良いが、「ハイリスクハイリターンの時代!もっと投機に」という「政策」が背景にあるのは明らかだろう。こうして、日本にも「退職金を丸々取られた」という世帯が出現している。

 なお、アメリカの金融資産以外を見ておこう。景気を引っ張ってきた住宅バブルが萎み始めた。今までのアメリカは、借金で住宅を買わせ、住宅バブル値上げを見込んでさらに借金を重ねさせ、莫大な累積輸入超過・借金消費生活を謳歌させてきた。そのバブルのランディングが、ハードになるかソフトになるか、これが近年の世界景気の最大課題だと見られてきた。住宅値下がりで、借金だけ残るアメリカの庶民達はこれからどうするのだろう。他人事ながら心配になる。
 アメリカの「需要創出策」・「借金消費景気」はドル本位体制だからできるのであって、他国にとっては「冗談」に過ぎない。双子の赤字でもドルが値下がりしない。家計、国家全て実質禁治産者に成り果てたが、ドルの信用だけで日本や中国から貸し金が入ってくるなんてね?!!

 さて、世界中が、アメリカのように借金ばかりを背負った多くの庶民も含めて「二極分化」になったわけだが、さてこれからどうなる?僕たちは「最大の経済問題」と大昔から言われてきたことを考えざるを得ない。大部分の国々、人々がアメリカ庶民のように貧しくて物を買えなくなったら、極少数の人々の莫大なお金はこれからどうやって「運用する」のか?この大量な資本に相応しい需要がいったいどこに存在するのだ?ところがどっこい、この金は今や、より有利な投資先を求めた末に、こんなふうに使われているのだ。

 石油の先物買いを思い出していただきたい。同じような金融先物買い・デリバティブ残高は〇四年国際決済銀行発表によると二万五千兆円(実際に動いた「保証金」はその数%。それでも一千兆円!)に上っていると言う。世界に冠たる個人金融資産国・日本のその総額が千五百兆円ほどにすぎないことと対比してみてほしい。また日本の国家予算が五十兆とか百兆とか、さらにトヨタが世界一になったところで、「実体経済」はこれに比べれば全く随分、多寡が知れた金額だ。イヤハヤ!!

 さてこんなふうに凄い資金がだぶついていながら、飢餓率三五%(一日のカロリーが千六百以下の人が国にこれだけいるということ)以上の最貧国は二三にまで増えているし、アフリカのエイズは野放し状態、失業者は世界に溢れ、各国の軍事費・兵器輸出合戦は止まらずに、破産国家が続々現れ、大洪水や水も飲めない人々の群れなどと地球環境は悪化を続けている。それでいて、アメリカ・バブルのソフトランディングさえうまくいくならば、世界の景気は有望なのだそうだ。こういう「実態」が「株主資本主義」の帰結なのである。資金を真に渇望する所には洟も引っかけず、それなりに命を削るようなマネーゲームに勝った者だけが生き残っていく社会。しかも、前者がさらに地獄にはまり込み、後者はさらにより少数の下で太っていくだけ。こんな誰も幸せでない「好景気」って一体何なんだろう。この少数がちょっとの先物買いで、いくつかの株ちょっをつり上げておけば、それが好景気?その先物を実際に買う段になったら、ちょっと買いを強めてから売り抜ければよい?もちろんそういうファンドの隙をうかがっている敵対者も存在しようが、まーとにかく金があるものは原則自由自在。まるで公認の、自作自演インサイダー取引じゃないか。それでも好景気?

 さらに加えて、日米を見てもはっきりしていることだが、普通の先進国ではこういう金持ちがマスコミや国家を握る。すると、国、「公共」というものを彼ら流儀の「危機管理」に使うことに腐心する。こういったことすべてをばく進させてきた日本「規制緩和」社会のあとには、「教育基本法」しかり、「自衛隊法」しかり、そして「九条改訂」しかり。

「富」が、「地獄」を作っているとしか表現する術を知らない。
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「1%の富が、世界の半分を超えた」  文科系

2016年01月19日 13時39分14秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 今日の中日新聞は三つの特集を含めて、「読まねばならぬし、そもそも読みたい」という記事が多かった。いつものように、全国に拡散したい。

 28面が、連載中の「新貧乏物語」に1面を使った「教育後進国・日本」。その隣29面が、「あなたの年金 株頼み?」。そして、14~15面に「安保法成立4か月」と題して、右面「『廃止を』 市民の声続く」と、左面「世界の紛争 自衛隊は」。

 だが、こういう諸問題をここで10年追い続けてきた僕としては、今の世界情勢最大の問題として2面左下の小さな記事が特別に目についた。
「上位62人で資産206兆円 世界の貧困層36億人分」
 この問題こそ、サブプライムバブルや今回の石油・シェールガスバブルの崩壊をも含めて、世界諸悪の根源と思われるのである。この記事を要約してみる。

 『貧困問題に取り組む国際非政府組織(NGO)オックスファム(本部・英オックスフォード)』が、18日ある報告書を出した。金融大手クレディ・スイスが公表したデータを分析して、世界的貧困問題でこういう結果を出したということだ。
『予測した2016年より1年早く、世界人口の1%にあたる富裕層が富の半分以上を保有。1%の総資産額が、残る99%の人々の資産を上回っており、予想より早く格差拡大が進んでいると指摘した』
 この結果は、この5年間に以下のような推移をたどることによってもたらされたともあった。
 下の方の貧乏人36億人の資産が、この5年間で4分の1、実額117兆円減った。対して、上位62人のそれが、同じ5年で44%増えた。その結果の一端が、新聞記事見出し、これである。
『上位62人で資産206兆円 世界の貧困層36億人分』

 また、同じオックスファム報告にはこんな内容も報告されていると、中日新記事は語る。
『世界のグローバル企業約200社を分析した結果、9割がタックス・ヘイブンに拠点を持っていることも分かった』
 これはつまり、税金逃れなのである。世界各地域で最も貧困だと言われているアフリカでさえが、以下の有様とあって、考え込んでしまった。
 アフリカ富裕層も資産の3割をタックス・ヘイブンで保有し、この結果としてこれら富裕層がアフリカ諸国に納めるべき税収が1兆6400億円も失われている、と。


 こういうニュース、数字に出会う度にここで述べ続けてきたこのことを思うのである。これではいつまでたっても、南欧先進国などの若者失業者、日米などの不安定雇用者を無くすような「景気」など来るはずがないではないか。一般消費に使われる金がどんどん失われて、その分増えた金がその都度新たなバブル・マネーゲームに回されるばかりなのだ。住宅バブル、ITバブル、サブプライムバブル、石油・シェールバブルなどなど近年どれだけの世界バブルが続いたことだろう。その度に、南山大学とか藤田保健衛生大学とか、最先端デリバティブに疎い法人も含めた小金持ちの金が奪われていくのである。さらに加えて、日米のように相対的貧困率と富裕層両方が多い国で、消費税値上げという形で税金まで前者から取って、後者にはまけてやるのでは、その税金の投入先もマネーゲームのためということにしかならないはずである。

 マネーゲーム規制・物への投資「強制」にしか、世界に職業を作るという意味で若者に希望を与える道はないはずである。マネーゲームの人々の現在の持ち金すらも、元をたどれば普通の勤労者が汗水垂らして作り出した金に他ならない。
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チョムスキーが説く「イラク戦争」   文科系

2016年01月17日 12時18分29秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
「世界同時官製バブル」が弾け、中国による苦し紛れのアメリカ売りも始まった。ダウ平均が1000円下がるごとに日本年金基金などから4兆円の損失が出るとのことだが、我々の年金基金すらこんなバクチに使われているのである。それだけ、世界経済が、どこにも有効需要が見当たらないという意味で切羽詰まっているのだ。
 日本発住宅バブル、アジア通貨危機バブル、ITバブル、サブプライムバブル・・・。世界的に大きなバブルだけでも、もう何度目のことだろう。弾けると分かっているのにバブルが形成され、法人なども含んだ世界の小金持ちの金がまた奪われて終わるのである。後にはまた、武器生産・輸出も含んだ世界の焦臭さに、一層の拍車が掛かるのである。
 こんな時は冷静に、世界有数のアメリカ・ウオッチャーのこの本をふり返ってみたいと、いつも思うのだ。去年8月に苦労して書いた超難解なこの本のまとめである。長文だが,1回にまとめた。


【 チョムスキーが説く「イラク戦争」  文科系 2015年08月11日 | 書評・番組・映画・演劇・美術展・講演など

 ノーム・チョムスキーをご存じの方も多いだろう。生きている偉大な言語学者にして、世界史上全ての学者などの文章の中で、聖書、プラトンに次いで現世界学術論文で引用されることが多いアメリカ人である。現在87才だが、米国政府の戦争政策の長年の研究者、告発者でもある。彼の著作に「覇権か生存か」という隠れた世界のベストセラーがあって、そこで問題にされているイラク戦争部分を抜粋してみる。2004年9月発行の集英社新書による全9章(新書版337ページ)のうち、主として『第5章 イラク・コネクション』50ページ余の部分から。なお、同書にはこんな壮大な副題が付いている。
『アメリカの世界戦略と人類の未来』

(1)イラク戦争の経過

 1990年までは、アメリカはフセインをずーっと支え続けてきた。イラン・イラク戦争(80~88年)の時以降ずーっとイランこそがアメリカの標的だったし、89年10月にもフセイン政権に食糧、化学薬品、科学技術など多大な支援をしている。中東安保の柱として彼を活用して、その「巨悪」にも目をつぶってきた。大量破壊兵器もどんど支援してきた。ところが・・・。
 1990何8月 フセインがクゥエート侵攻
 1991年1月 湾岸戦争開始
 1991年3月 全国で反フセイン暴動発生。アメリカはフセインによるこれの鎮圧・大虐殺行動を黙認
 2001年9月 9/11テロ事件
 2001年10月 アフガニスタン戦争
 2002年1月 ブッシュ大統領「悪の枢軸」発言。イラク、イラン、北朝鮮を名指す。
 2002年9月 アメリカ、国家安全保障戦略発表。予防戦争(先制攻撃)概念を世界に表明
 2002年10月 米議会、対イラク武力行使容認を決議
 2002年11月 国連が4年ぶりに、イラク大量破壊兵器を査察
 2003年3月 イラク戦争始まる

(2)その「台本」

①国際版
『1980年代における「対テロ戦争」の二大中心地は、中米と、中東及び地中海地域だった』が、その中東を観ると、
『ワシントンにいる現職者が取り組んだ活動の一つは、よく知られるようになった。1980年代にCIAとその関係組織がイスラム過激派を募り、正規軍及びテロリスト部隊としての組織化に成功した事実だ。カーターの国家安全保障担当補佐官だったズビグニュー・ブレジンスキーによれば、その目的は「ロシア人をアフガンの罠におびき寄せること」であり、初めは秘密工作によってソ連をそそのかし、アフガニスタンを侵略させることだった』
『その直後の結果として起こった戦争のためにアフガニスタンは荒廃し、ソ連軍が撤退しレーガンのイスラム聖戦士に取って代わられると、更に悲惨な状況になった。それがもたらした長期的な結果は、20年に及ぶ恐怖政治と内戦だった』
『ソ連軍の撤退後、アメリカとその同盟者(その中にアルカイダを始めとするイスラム聖戦士が含まれる)によって徴募され、武装及び訓練されたテロ組織は矛先を他国に向け・・・・・(1993年には)関連グループが「CIAのマニュアルで教えられた手法」に従い、世界貿易センタービルを破壊する一歩手前までいった。計画を立てたのは、シェイク・オマル・アブドル・ラーマンの支持者だったことが判明している。ラーマンはCIAからアメリカ入国の便宜を図ってもらい、国内でも保護されていた人物だ』

 とまーこんな経過で、イスラム戦士が育成され、911からイラク戦争へと繋がっていったと、チョムスキーは説いている。
 
②国内版
『(2000年に大統領になった)ジョージ・ブッシュ二世のために、広報活動の専門家とスピーチライターは、天国へまっしぐらの実直な男というイメージを作り出した。「理屈抜きの本能」を信じ、自らの「展望」と「夢」を思い描きながら、「世界から悪人を追放」するために前進する男、要するに古代の叙事詩や子供のお伽噺に、カウボーイ小説を混ぜ合わせたごとき滑稽な人物像である』
『(ブッシュらが言うところの)テロとは何を指すのか?・・・・適切な答えが出れば意義あるものにもなろうが、こうした疑問は公開討論の場には決して持ち込まれない。代わりに、都合のいい定義が採用された。テロとは、我々の指導者がそう宣言するものなのだ』

 00年大統領選挙で、ブッシュは民主党候補ゴアと争って、有名な「疑惑の辛勝」を勝ち得た。選挙への無力感が過去最高レベルの50%以上に達した。04年の選挙を控えて、さらに落ちた人気への新戦略が必要だった。軍事費増、富裕層減税から社会保障費削減がさらに進んだからだ。
 そこから『先制攻撃による新しい過激な軍事戦略の提出』に国民の目を向けさせる事に励んでいった。この「冒険主義」には多くのリスクがあったが、以下の狙いに邁進したわけである。『米国社会の徹底的な改造に着手し、それによって1世紀にわたる進歩的な改革を押し返すことと、世界を恒久支配するための帝国の壮大な戦略を確立させることである。そうした目的に比べれば、それに伴うリスクは、些細なことと思えるのかも知れないのだ』(P183)

(3)イラク戦争で問われているもの

『02年9月には、国家安全保障戦略が発表された。でっち上げられた恐怖によって、イラク侵攻に向けて国民の間に充分な支持基盤ができ、意のままに侵略戦争を始める新たな規範が設けられた』
『イラクとの戦争は、それを実行すれば大量破壊兵器とテロが拡大するかもしれないという認識のもとに実行された。だが、それに伴うリスクは、イラクに対する支配権を強化し、予防戦争の規範をしっかりと築き、国内における政治力も高められるという見込みと比べれば些細なことと考えられた』

 こうして著者は「覇権か生存か」で前者を歴史的大局的に描きながらも、後者に希望を託するのである。その下りは、このようなものだ。
『現代史を通じて、人権状況は著しく改善され、生活の一部の面では民主的な管理が行き届くようになった。こうした展開が、啓発された指導者の贈り物であることは滅多にない。ほとんどの場合、一般の人々が戦い、国家やそれ以外の権力中枢に課してきた展開なのである』
『今日の歴史の中に、人は二本の軌道を見出すはずだ。一本は覇権に向かい、狂気の理論の枠内で合理的に動し、生存を脅かす。もう一本は「世界は変えられる」ーー世界社会フォーラムを駆り立てる言葉ーーという信念に捧げられ、イデオロギー的な支配システムに異議を唱え、思考と行動と制度という建設的な代案を追求する。どちらの軌道が支配するかは、誰にもわからない。こうしたパターンは歴史全体によく見られるが、今日の決定的な違いは、懸けられているのが遙かに重大なものだということである』】
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