九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

金融グローバリゼーションということ ①  文科系

2022年12月31日 12時14分01秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 

 歴史進行には常に、良かれ悪しかれこういう時がある。前へ進もうとする場合と後に戻ろうとする場合と。なお、ここで良かれ悪しかれというのは、前も後ろもさしあたって民主主義的という意味での善悪を超えてということであり、そのどちらをより増やすかは時代の人々が決めることだろうという意味である。

 さて、そういう意味で世界史が今前へ進もうとするとき、史上かって無かった難問がある。いわゆる金融グローバル経済を主導する米国の発言権、行動力が強すぎて各国の手には負えないこと、この米を規制するには国連のイニシアティブをかってなく強めるしか道はないことである。
 ところが次に、この金融グローバリゼーションの行いが世界の人々にはほとんど見えていないという問題がある。見えていないと言うよりも、隠密裏に行動して、見えないようにしてきたというのが正確な所だろう。それでこうなる。今の各国の諸問題、人間たちの諸不幸の源自身が見えない。見えないけれども何となく、外国関係者がわが国を悪くしているようだとは感じている。
「グローバリゼーションなどご遠慮願って、わが国本来の形に戻れ」
 と、こう言うことなのではないだろうか。国際金融で儲けていると思われる国でさえ、その「99%対1%」問題を前にすれば、国粋主義的美化も必要になるというものだ。

 さて、そういう金融グローバリゼーションの行き着いた先・アメリカの現状を見詰めたある本を改めて紹介したい。「金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱」(中公新書、ロナルド・ドーア著)である。
 なお、著者はこういう方だ。この本を書いた2011年現在で86歳のイギリス人、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院卒、50年に江戸教育の研究のため東京大学に留学。以来ずっと、日本ウォッチャーを続けて来られたと、まるで日本文学者ドナルド・キーン氏のような。なお、この本は題名の通りの内容を3部に別け、それぞれ『「金融化」現象』、『金融化が、社会、政治、教育などをどう変えたか』、『金融改革、弊害是正をめぐる各国、国際機関の動き』を扱っている。今世界史に臨む人にとっては、必読の書だと愚考する。
 今日最初に紹介するのは、こういう諸社会現象の結末としての世界「1%」の出来上がり方およびその構造。その後に、前記3部を一つずつ紹介して・・・・・


 米企業利益のうち金融利益の割合が、1950年代までは9・5%であったものが急増して、02年には41%と示される。
 機関投資家の上場企業株式所有シェアがどんどん増えていく。1960年アメリカで12%であったこのシェアが、90年には45%、05年61%と。そして、彼らの発言力、利益こそ企業の全てとなっていった。
 企業から「金融市場への支払い」が、その「利益+減価償却」費用とされたキャッシュ・フロー全体に占める割合の急増。アメリカを例に取ると、1960年代前半がこの平均20%、70年代は30%、1984年以降は特に加速して1990年には75%に至った。

 そして、こうなった。
 彼らの忠実な番犬になりえた社長は彼らの「仲間」として莫大なボーナスをもらうが、「企業の社会的責任。特に従業員とその家族、地域への・・」などという考えの持ち主は、遺物になったのである。こうして、米(番犬)経営者の年収は、一般社員の何倍になったか。1980年には平均20~30倍であったものが、最近では彼の年金掛け金分を含めば475倍になっている。その内訳の大部分は、年当初の経営者契約の達成に関わるボーナス分である。全米の企業経営者がこうして、番犬ならぬ馬車馬と化したわけだ。

「証券文化」という表現には、以上全てが含意されてあるということだ。企業文化、社長論・労働者論、その「社会的責任」論、「地域貢献」論、「政治家とは」、「政府とは・・?」 「教育、大学とは、学者とは・・?」、そして、マスコミの風潮・・・。

 以下のような数字は日本人には到底信じられないもののはずだ。この本の73ページから抜粋した、アメリカ資本主義の象徴数字と言える。
『2006年のように、ゴールドマン・サックスというアメリカの証券会社がトップクラスの従業員50人に、最低2,000万ドル(当時のレートで17億円くらい。〈この記述周辺事情や、最低と書いてあるしなどから、1人当たりのボーナスの最低ということ 文科系〉)のボーナスを払ったというニュースがロンドンに伝われば、それはシティ(ロンドン金融街)のボーナスを押し上げる効果があったのである。 
 これだけの強食がいれば、無数の弱肉が世界に生まれる理屈である。2006年とは、08年のリーマンショックを当ブログでも予言していた史上最大のバブル、サブプライム住宅証券組込証券が頂点に達していたウォール街絶頂の時だった。この結果は、失った家から借金まみれの上に放り出された無数の人々の群であった。しかもこの動きはアメリカのみに留まらず、イタリア、スペイン、ポルトガル等々にも、そこの失業者の大群発生にも波及していくのである。こんな所業を放置しておいて、どうして世界の景気が良くなるなんぞと言えるのだろうか。

かくして、「ゴールドマン幹部社員50人の最低17億円ボーナス」が生まれ、社長でも金融の馬車馬を努めたお人の給料だけが上がっていく。モトローラ社長の100億円に驚いてはいけない。史上最高給記録はディズニー社社長アイズナーで、6億ドル近い額だ。何と600億円。これ、年俸ですよ。500万円の社員が12,000人雇える金額です。これでは職も増えず、世界中が失業者ばかりになる理屈。人が少ない企業ほど株価が上がり、それへの配当が増える。

 

(2017年10月31日の当ブログに初出。以下、4~5回は続けます。リマーショックの構造と、世界のあるいはG7の改革議論、その現状まで)

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日本政経論、僕の4人 文科系

2022年12月28日 14時28分00秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
明治維新の志士達は世界を必死に学んで、日本の明日を構想した。いまも同じで、日中米関係、少なくとも日米政経関係に正しい概論、持論を確立して初めて、細かい日々の議論もスタートできるように思う。日本の政治そのものについてもこれを除いては解釈不能だろう。

「ウクライナが負ければ、中国が台湾を攻める。すると日本も確実に戦争である」と、これは小林よしのりのキャッチコピーだが、今や日米主流論議はこれ一色。この単純な連想ゲーム思考、類推思考もアメリカが振り撒いてきたものだ。一太平洋軍司令官の「あと6年で中国が侵攻する」との警告もその始まりの一つだったが、すでにあと5年を切っている? アメリカの方がそう仕向けているのだろうと思う。そんなふうに理解するようになるに至った僕が、長年かかって順に貯めて来たそんなバイブルを紹介したい。言わば自己紹介である。なお、以下の内容要約紹介はこのブログには無数に存在している。

ノームチョムスキー「覇権か生存か アメリカの覇権と人類の未来」 これは、イラク戦争直後に書かれた米世界戦略暴露の書である。中東だけではなく、中南米への歴代戦略、その結果などが描かれている。著者は、20世紀最大の言語学者ににして、哲学者、米政論家という人物。

進藤栄一の一連の著作。筑波大学の名誉教授で、米と東アジア外交研究家。

孫崎享の同。中東各国の大使を歴任。日米現代政治史をまとめられている。イラク戦争を現場で見ていた、異端の元外務官僚。角栄と小沢らは米国にはめられた、アメリカの肩越しに対中外交をやったからだなどと語って来た。

ロナルドドーアの「金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱」。戦前にロンドン大学を出てすぐ東大に留学。江戸期の教育制度を学んで以来、日英を棲み分けて来られたようなお方。ロンドン大学、同志社大学の名誉教授。この本に書かれた内容が、以上3人をいわば僕の中で「統合」してくれた。米の金融株主制度政治死守の方向抜きには世界の大きな理不尽すぎることが、分からないと思う。

なお、上の題名などは確認しないで書いているので、細かい間違い部分もありうる。
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あるべき経済政策   文科系

2022年12月24日 18時27分00秒 | 国内政治・経済・社会問題
岩波の総合雑誌「世界一月号」に良い記事があったので、その触り部分を紹介したい。アベノミクスが黒田日銀路線ともども10年近くかかって壮大な失敗だったと明らかになったいま、世界先進国で最大の経済凋落に陥って来た日本で、最も大事なことが書かれていると思った。著者は、服部茂幸同志社大学の経済政策教授。

「これからすべきことは、第一に賃金を引き上げて、家計の所得を上昇させ、消費を活発にさせることである。第二にヒトとモノに投資して、生産性を上昇させることである。こうした主張は『経済財政白書』でも指摘していることである。大きな政策のフレームワークの点では筆者の考えは、政府とそれほど変わらないとも言える。けれども、経済政策は政治の一部である。だから、政治の問題も考えなければならない」
ということから、基本方向は明らかになって来たが、政府の無能が以下のように示されていく。
「企業に人への投資を行わせる意思と能力が今の政府にあるとは思えない」
「パンデミック危機は日本の政府にITの活用が全くできていないことも明らかにした」
「大学への助成も政府が自らできることの人への投資の一つである。実際には政府は大学への助成金を削っている。他方、私大の約四割が定員割れである。今後、定員割れした私大の整理がやるべき問題となるはずだ。それにもかかわらず、定員割れの私大の新規学部の開設を政府は認可している」

以上、服部茂幸氏の述べていることは、すでに日本経済政策学者の多数が認めるところとなっているはずだ。安倍や麻生でさえがその口では「儲かっているのに賃金を上げない企業も多い。守銭奴である」と言い続けていたのだから。「意思と能力が今の政府にあるとは思えない」と服部氏が訝るのだが、能力どころか意思もないとしたら大問題である。が、少なくとも安倍派については、このことは証明されたも同然だ。安倍晋三氏の死亡以降に突発した統一教会問題において。

国民の家庭その子弟教育を破壊するのを、政治家が助けていた。密かに改名を認めて公認してやり、その広告塔を務めるなどの見返りに選挙支援を受けていた。なのに、山際氏や福田氏ははじめ「どこが悪いのか分からない」などと応えていたのである。政治家とは、国民の税金で雇われて国民の生活を良くせよと国民から命じられた仕事なのに、家庭破壊を助けていたらこれは大変な悪だろう。こんなことも分からなければ普通の思考能力があるとは到底思えないし、ほとんど選挙当選の日常、意思しか持ち合わせていない輩という以外にはないはずだ。

入院が延べ75日ほどになったが不快な症状がまだ続いて、退院できない。このままなら、急変などをおそれるから年末年始も帰りたくない心境になっている。医者の了承もえて最低に30回ほどの正式スクワットができる体力は保っているが、むかつきがひどくて食べられないので、体重が52キロ台になってしまった。最低でも4キロ近くは減ったということだ。


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米のブロック経済強行に対して  文科系

2022年12月22日 15時11分10秒 | Weblog
 いまの世界、その安定的平和的な持続が根本から問われている時代なのだと思う。ちょうど、江戸時代末期の日本のように。ただし今の世界からのこの問いは、一国やG7だけに問われ、そこで解決できるものではないはずだ。だからこそ超大国を持続させようとするアメリカは軍事的に世界をウロウロし、中国がこの軍事に張り合おうとしているのだ。ここから生まれつつある世界の軍事経済ブロック化がまた、世界をどんどん疲弊させている。自由主義経済下でブロック制を強行すれば結局世界の需要が冷え込むだけとは、経済学者なら誰でも知っている知恵のはずだ。近隣窮乏化論が強調されたのはいつごろだったか。
 そのアメリカだが、2015年だったかに、アメリカ元国家会計検査院院長が「米の実際の国家累積赤字は、GDPの4倍である」と発表した。その後もイラク、アフガン、シリア、ウクライナなどで戦費を使っているから、さらに増えているだろう。ちなみに日本は2倍ちょっとと「発表」されてきた。アメリカのブロック経済強行はこうして、こんな財政下でも軍事を維持していきたいとする苦肉の策だったと、僕は観てきた。
 他方でアメリカは、フリードマンなどアメリカ経済学者たちもこぞってこんなことも語っている。
「アメリカの労働者たちが、こんなに速く中国に職場を奪われるなんて、全く予想できなかった」

 これだけ並べただけでもアメリカの世界戦略は見えてくるはずだが、日本国家もG7もただこれについて行くだけに見える。そもそも、世界の将来をG7だけで考え進めるのはおかしいだろう。ただでさえ、これだけ対立が激しい時代なのだから、こういうやり方自身が民主主義的ではないこと自明である。



 

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守備に比重、伊東と三笘

2022年12月21日 10時19分00秒 | スポーツ
このワールドカップは後世への話題も満ち溢れ、凄まじい熱戦が連続した歴史的な大会となった。そんな中でモロッコと並んで語り草になった日本の活躍だが、事前予想とはことなった個人結果の背後に隠れたある真実、縁の下の力持ち的話題をあげてみたい。
選手諸個人の話題、談話などだけを各ライターに扱わせたナンバー最新号は事前準備が足らないこと明らかな文章ばかりでつまらなかった。中では最も学べたことがこれである。

予選など大会までは、日本の両エースと目され、騒がれてきた伊東、三笘についてのことだ。この二人には大会中隠れた任務があって、期待された第一の仕事だけに専心突入できなかったと知ることができた。それぞれご本人らから言われてみれば本当に「なるほど」なのだ。

強豪相手ばかりで守備的なスリーバックで闘う時が多くなったから、二人はいつものウイングからウイングバックに下がる。途中出場が多い三苫が大変だったと言っているのだから、持久力もあり先発完投が期待されてウイングバック時の攻撃参加には80メートルも走らねばならぬ伊東は、本当に大変だったろう。それでも、ドイツ戦、スペイン戦のそれぞれ1得点目は伊東から始まっていることを僕は覚えているけど、アシストさえ軽視する日本スポーツマスコミ下で一般の心の中に伊東のこの功績はちゃんと残っているのかどうか。
「三笘の1ミリ」は話題になり、堂安の2得点、「浅野のトラップ」が騒がれて当然だが、守備に最後まで走り続けたこの伊東、この面でもイングランドなどからも評価された前田と同じに評価されて良い。ただ、この任務変更を以東も三笘も「当然のこと」と受け止めている。三苫は「絶対的な攻撃手になりたい」と語っていたが、伊東は平然とそう語っていた。こう語る彼は、賢い選手なのだなと心から思えたのである。


病状は、肝臓の手当てをしていること。抗生物質続きでこの数値が上がっているからだ。気になる他の数値は下がっているから、退院はもっと近づいて来た。マイわさびをつかいはじめてから、完食も多くなったし。
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G7、G20、国連   文科系

2022年12月20日 18時09分00秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
世界の多国間外交問題を扱うには、国連、G20と7があって、日本はこのすべてに席を占めている。G7は最近まで8だったのだけれど、すでに2014年にロシアが排除されたのが、まさに当時のウクライナ国境問題。日本はと言えば、このすべてに参加、発言できるアジア、アフリカ唯一の国だ。加えるに世界第3位の経済大国でもあるのだが、これらに相応しいその重大責任を果たしていると言えるだろうか。20世紀の二つの世界大戦が世界の軍事、経済ブロック化から始まったとも言いうるにもかかわらずG7がこれを強行しつつある現在、日本国の外交はこんなんで良いのだろうか。一例これほど愚かな大音声が主流を占めているのである。小林よしのりの言葉だが、政府も同じ世界情勢論のようだから、只事ではない。
「ウクライナが負けたら、台湾への中国進軍は確実。日本も参戦せざるをえない」
歴史から学んだ思考も論理もなにもない連想ゲーム思考と言うべきだ。

我々日本人は徳川300年の平和を知っている。20世紀人類が史上初めて作った世界平和組織、国連を強化せねば世界平和も永遠の彼方なのだ。徳川雄藩のいくつかが他の雄藩を「改革してやる」などと言って貶め始めたら、この300年はなかった。としたら、間違いなく現在の「アジア、アフリカ唯一のG7国」という日本人先輩方が営々と築き上げた世界的地位は生まれなかったはずだ。嘘の理由で始まった03年のイラク戦争に最も主体的に参加して以来急速に衰えたイギリスのように、アメリカと一緒になって衰退していく金融株主利益第一主義の軍事大国になって良いのか。G20のブリクス5国はもちろん、G20のメキシコ、アルゼンチン、インドネシア、トルコなどは、すべてG7に一定の距離をとり始めている。最近のブラジルなども含めて南米に左翼政権が林立しているのは、歴史的にアメリカ金融が荒らして来たその結末なのだ。

病状は安定し始めた。退院最後の段階に来ている。喉と胸のムカツキが少々残っているだけで。これは、いろんな改善、検査を重ねた上で大手術の後の後遺症状かもしれないとも言われた。今まで原因と推定されたものが全て改善されたからだ。

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病床と好ゲーム

2022年12月15日 12時32分00秒 | #闘病
フランス、モロッコ戦はもう最高のゲーム、随所で魂を揺さぶられたというほどに。解説の元w杯選手森岡隆三氏もゲーム終了の瞬間に、素晴らしいものを見せてくれたと感激の声をあげていた。どこがどう素晴らしかったか。
点差は2対0だが、モロッコは本当に強く、逞しく、最後までよくあれだけ走り続け、うまく攻め続けたものだ。対するフランスの守備がまた洗練されていて、最終ラインまではなかなか壊れない。この守備で思い出したのが、スペイン戦後半などに見えた大会好調時の日本の守備。早めに1得点したフランスは日本のように引いて守る場面を多く作らされたのだったが、その2本のライン守備。低いラインは押し上げ高いラインは低めで、いわゆるコンパクトの典型。オフサイドトラップなどもよほど自信があるのだろう。高め守備に変えさせられた時などには、グリーズマンがあちこちに手のひらなど使って「上がれ」などと指示を出していた。

問題の2得点だが、いずれもシュート直前のアシストがエムバペと言って良い。早い1得点目は、彼のシュートのキーパー跳ね返しが、相手右ポスト外方面のサイド選手によって叩きつけられ押し込まれたもの。大健闘モロッコの戦意を打ち砕くような後半34分の2点目は、エムバペのゴール正面ドリブル侵入から右ポスト方面に流したスルーパスが押し込まれたもの。こんな所でも「得点戦術エムバペ」なのかと驚いたものだ。彼は三笘のようなドリブルもできるのだと知った。三笘よりも直線的ドリブルと感じたのは、左右にたった一歩ずつで数人の相手を交わし抜いて行ったからだろう。左右への彼の大きな一歩に相手が一歩では追い付けないと、そんな感じがした。メッシのちょこちょこドリブルとは全く違うのである。岡崎慎司や吉田麻也のランニングの先生杉本龍雄あたりからこのエムバペのランニング解説が一度されないかな?ナンバーあたりにそう望みたい。


手術で異物を体に入れるって、いろんな副作用が出るものだ。その入院が長ければ、また度々この交換などで入院すれば、多剤耐性菌なども入ってくるのだし。今後の我が残日にそうして老いていく姿が想像されるようになった。
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代表はなぜ強くなったか    文科系

2022年12月13日 10時12分13秒 | スポーツ
2010年の南アw杯スペイン初優勝前後から、スペインのように繋ぐだけでは勝てなくなった。メッシがいない時のバルセロナに得点力がなくなってきたとは、知る人ぞ知る真実である。スペインが勝てなくなったのは、ドイツ発祥のゲーゲンプレスがこの弱点を突けるようになったからだ。その後次第に、引いて守る守備の世界的名監督モウリーニョも勝てなくなった。スペインやモウリーニョを退けたこのゲーゲンプレスの世界的頂点が、2014年ブラジルW杯のドイツ優勝であろう。この大会では、日本人が好きなブラジルもドイツに大差で負けている。そして、2018年ロシア大会は誰もが予想しなかったフランス優勝である。これは、スペイン流繋ぎもゲーゲンプレスもぶち破る「戦術エムバペ」の産物と見る。今ではこのエムバペも23歳、この戦術がカタール大会ではすっかりチームとして洗練されていると分かる。

さて、こんな歴史を見てきたのは、日本が直近の世界サッカー2大潮流スペインとドイツとを負かしたからだ。それはなぜだったかを考えてみたい。

そもそも日本はどうしてこんなに強くなったのか。いろんな専門家の見解をも参考にして考えてみると、こういうことが分かる。ゴール前に引いて守る守備を最終ラインを押し上げてコンパクトにできるようになったからだ。そして、この陣形でゲーゲンプレス守備をやれているからだ。ドイツ戦では後半の後半まではまだまだ下手だったけれど、スペイン戦後半にはすっかり板に付いてきた。ゴール前で守っている吉田が、「上がれ、上がれ」と両手をひらひらさせて最終ラインを押し上げている場面も多いうえに、この守備陣形を形成している中盤より前がどんどん相手突っかけている。旧川崎勢がとにかくこれが上手い。守田、田中あたりが周囲にも声をかけているのだろう。
この守備は、間も無く当たるブラジルにも有効だと思う。ゲーゲンプレス守備とは、スペースを作らせないことと、オフサイドトラップなどが鍵になる。日本人はブラジルを持ち上げ過ぎるが、この三大会で優勝できていない理由を考えたことがないのだろう。選手個人能力では世界で抜きん出たブラジルは組織に弱いのである。プレミアで名を馳せるような世界的名監督が近年のブラジルから出ていない理由も組織論が弱いことにあるのはまちがいない。優れた個人技だけでは「組織として逆算したスペース消し守備」に勝つのは難しい。
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病状悪化、w杯フランス

2022年12月13日 09時52分00秒 | #闘病
退院の翌日、急性症状がでて、夜間の緊急外来診察から即入院。それが8日のことで、はや13日。驚きつつの困惑。さすがに悩んでいる。手術の副作用の病状悪化と悪い菌を二度も拾ったことが原因らしいが、医者は心臓の心配まで始めたらしい。昨日は心エコーをあまりにも入念に取っていたのでこれも驚いたほど。敗血症から始まる死への悪循環をこの歳になるとちょっと警戒ということらしい。
そんなわけで、同人誌の仲間には、月齢冊子が2カ月続きで出せないと、お伝えしたい。ある無神論者の死に方として死を恐れることはなくなったけれど、とてもやりたいことはたくさんある方で、やはりまだ死にたくないとも。でも、食べられない体重が53キロを今朝切っていたのには、本当にビックリだ。胃のムカつきがあるからだ。

さて、ワールドカップだが、ここで僕が押したフランスが残っているし、エムバペはダントツの得点王だろう。なにしろ、今のフランスは戦術エムバペで迷いが無いし、中盤のグリーズマンがまたモドリッチに匹敵する選手で、彼が組織する守備もかたいのだ。スペインではつねにモドリッチとグリーズマンとの中盤争いはいつも評判になっているはずだ。モロッコと日本の躍進には世界が驚いたけれど、モロッコの強さが旧宗主国フランスの人脈指導に支えられて来たことはあきらかだろう。

それから、また発言を始めた本田圭佑について一言。彼は、ブラジル大会後の反省を仕上げないと、発言を控えていた方が良いと言いたい。なんせあの時、彼はこんな大々的自己批判をしていたのだ。「何が起こったのか分からない。サッカー観を全く覆された」と。この発言には伏線の重大なものがあって、監督であるザックと本田らとの間でチーム方針の不一致が続いていたのである。本田に聞きたい。ザックの「危機管理をしたサイド攻撃中心。中央突破にこだわりすぎてはいけない」という指示が正しかったのかどうか。
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伊東純也

2022年12月05日 17時07分00秒 | #闘病
二回目の入院も明日で既に20日。その憂鬱な期間もサッカー代表が勝っているから、すごい慰めになっている。今日早朝の血液検査でいつ退院しても良いと言われたから、8日木曜日あたりに家に帰ろうと思っている。右腎臓にステント付きカテーテルを入れたから血液や尿の数値が正常になったのだ。食欲もすっかり戻って来て、ローソンのおにぎりを間食することも度々だ。好きなのは2種のタラコ類と南高梅。

さて、代表サッカーのこれまでの戦い方で不思議なことが一つある。途中出場の三笘は大活躍だが、もう一方の立役者、伊東純也が未だにアシスト一つだけ、それどころか彼らしい長い走り込みクロスなどをほとんど見せていないことだ。僕にはどう見てもセーブさせているようにしか思えないのである。ただ、この伊東、守備には俊足を生かして大活躍だから、ここまでは「今はそれが任務、最後まで先発体力を維持して欲しい」と申し渡されているのかも知れない。するとこうなる。今夜のクロアチア戦では、伊東を全開させるのか、と。これが事実としたら、森保周辺は噂より数段上の策士になるはずだ。と、そんなことも僕の今夜の見どころになる。

さて、もう一つの不思議は久保の「体調不良、欠場」。僕には種々の前後事情から「使われ方に不満、討論から、不一致離脱」としか思えないのだが、真相はどうなんだろう。明らかにはならぬだろうが、サッカーではよくおこることである。
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勝った! 驚いた!

2022年12月02日 07時31分00秒 | スポーツ
勝った!驚いた! 本当に!

前半は回されていたけど、ドイツ戦前半のような劣勢とは感じなかった。僕のゲームメモ前半最後に「ドイツ戦前半よりもはるかに良い」と書いてある。その理由は、押し込められていても守備ラインを上げたコンパクト陣形を保てていたからだ。あれだと競り合いのこぼれ球が味方選手にも回って来るから、攻められっぱなしにはならないのだ。
 
2得点の地味な功労者を見てみよう。日本のスポーツマスコミはアシストに注目しない悪癖があるからだ。
堂安の得点には、前田の相手キーパーへの猛烈なプレスが効いていた。たまたま効いたのならともかく、前田が無数にやり
続けているプレスの一つだったから、「確率の高い功績」なのだと言いたい。この前田プレスに相手キーパーが苦し紛れに
叩いたボールが伊東に流れ、堂安へのパスから得点になった。
2得点目は敵陣右ゴールラインを割りそうなボールを追ってぎりぎり間に合い折り返した三笘のお手柄があった。三笘のこの折り返しに相手ゴール前に詰めていた田中がお腹で押し込んだのは、同じ川崎勢という阿吽の呼吸だったはずだ。ちなみにこのゲーム全般に、川崎フロンターレ勢のコンビネーションが効いていたと見る。先発に、谷口、守田、田中、板倉。後半には三笘も入ったのである。

さて、日本がドイツとスペインを負かして予選勝ち抜けなんて、夢のような話だ。ドイツを予選敗退に追い込んだのも日本なのだとも言えるのだし。この2チームに比べれば次の相手クロアチアは与し易い相手、前回の準優勝は出来過ぎだったと思っている。モドリッチ何するものぞ、である。

徹夜近くでゲームを見たけど、僕の体は復調に向かっている。尿毒症のクレアチニン数値も下がって、付きまとっていた吐き気もこのゲーム後には去ってしまった。心が身体に与える影響がそれだけ大きいのだろう。
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小さい手術、スペイン戦

2022年12月01日 07時20分00秒 | スポーツ
標記のとおり小さい手術をやった。ストーマへの新たな尿道途中の縫合部に起こった狭さを広げるために、ステント、言わば拡張具を入れた。この狭さのために尿が出にくくて膨らんだ腎臓の腎不全現象を取り除いたということだ。尿が急に多くなったから、多分腎不全現象は治るのだろう。この手術でストーマ出口から尿道にカテーテルを入れたから、今後月一回これらを取り替えることが必要になるようだ。小さい手術と言っても背中側からも何かのラインを入れた部分麻酔の一時間半、吻合部の狭さからステント挿入が困難を極めていたようだ。

さて、スペイン戦である。スペインのティキタカ〔巧みなパス繋ぎ〕は確かに怖い。が、日本人はスペインを怖がり過ぎると思う。中村憲剛が言うように「中途半端な良い位置を取り、前を向いて敵をよく見て、正確な止める蹴る」ができなければともかく、日本選手はこれが得意なのだから。ちなみにここは、これが特に巧みな川崎勢で固めたらどうだろうか。三笘、守田、田中、山根、谷口を出す。と、まー、これは極端だとしても、とにかく、常に周囲を広く見てプレーすることだろう。その上で、伊東と三笘という世界的な武器をこれでもかとばかりに徹底的に使う。この強大な武器へのチームとしての自信こそ大事と思うほどだ。フランスのエムバペ活用法を参考にするのが良いのである。フランスは、優勝したロシア大会で19歳だったエムバペが23歳になって、すっかり彼のチームになっている。「戦術エムバペ」なのだ。
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