九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

随筆 「ノーブレスオブリージ」   文科系

2016年06月30日 12時45分39秒 | 文芸作品

 最近の所属同人誌月例冊子の後書きに付けた拙文を転載させていただきます。これが今の「世界」に対する僕の実感。なお、今の(日本)国家のことも、「世界」のことを論じられなければ正しい答えは出て来ないと考えています。つまり、世界の平和、繁栄が国家の平和、繁栄の大前提になるような時代なのだと。そういうグローバリズムはもう、後戻りできない世界史だと考えてきました。昨日の例会で、この後書きを「全く同感」と評された方が何人かいらっしゃったことに意を強くした転載です。

『 私的な事で申し訳ないが、今号も社会評論の部類を書いてしまった。最近なかなか文芸文にならないのは、世の中、世界にいろいろ腹が立って仕方ないから。それも、子や孫のこれからを思えば居ても立ってもいられないようで、色々学んだ結果がほとんど病気。政治、経済の劣化の背後に、人間の劣化が感じられてならない。特に権力者たちから、公共の感じ方そのものが消えてしまったような。

 孔子には「思いやりの心」が、西洋にも「ノーブレス・オブリージ」、「権力者の道徳的義務」という、それぞれ大事な思想があったはずだ。が、それらの義務、徳目がなにか別世界のことになってしまったようだ。よく言われる人間の「裏表」で言えば、裏がほとんど丸見えの「表」だけで恥じない人間が大道を闊歩しているような世界に見える。こんな見方は確かに、いつの時代にもよくある年寄りの僻みの一種かも知れないのだが、今の世界を見つめるほどに、自分の生きてきた基準自身が馬鹿にされているとさえ感じるのである。』

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習近平の政治思想形成・柴田 哲雄 (著)を読んで  らくせき・愛知自民を落とそう

2016年06月29日 11時08分54秒 | Weblog
日本のなかでは余り問題にはされなかった首脳会談の尖閣列島の問題。
それについて、安倍外交の失敗という、こんな文章を見つけました。
 
11月10日に行われた安倍晋三首相と中国の習近平(シー・チンピン)国家主席との会談に先立って、
7日に日中両国の合意文書が発表された。
注目すべき点はそのなかに「双方は、尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて
異なる見解を有していると認識」しているという一文が挿入されたことである。
朝日新聞によると日本外務省幹部は「異なる見解」について、「『緊張状態が生じている』にかかっている」とし、
尖閣の領有権をめぐるものではないと説明しており、「日本の立場が後退したとか損なわれたとかは一切ない」と
強調したとのことである。しかしそれは少々苦しい弁明のように聞こえる。
 
尖閣諸島めぐり「譲歩」
 
中国国営メディアは「中日両国は初めて釣魚島問題をめぐって『異なる主張』が存在していると『明文化』して示した」
と報道している。さらにはニューヨーク・タイムズ( ≪ウェブサイト版≫ )でさえ、
中国の識者の言葉を引用しながらではあるが、「異なる見解」が尖閣諸島にかかっていると、
とらえて「日本による重大な譲歩を含んでいる」と指摘している。
 
日本側の意図がどうであれ、中国側や海外メディアに「譲歩」と受け取られるような余地のある文書に合意した時点で、
日本は中国に対して「外交敗北」を喫したと言わざるを得ないだろう。
 
では、なぜ民主党政権を「外交敗北」と盛んに批判していた安倍首相が、皮肉にも民主党政権よりもさらに手ひどい
「外交敗北」を喫したのだろうか。その要因は色々考えられるだろうが、筆者は安倍政権が真剣に韓国との関係改善を
図ってこなかったことをその一つとして挙げたい。
 
崩れた勢力均衡
 
近年、中国が日本に対して強硬なアプローチをとってきたのは、東アジアにおける勢力均衡が崩れたからであるが、
勢力均衡が崩れたのは、中国の国力が急速に増大したためばかりではない。
中国・ロシア・北朝鮮 対 日本・米国・韓国という3対3の均衡が、特に韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権による
中国への接近によって、少なくとも対日関係に関しては4対2とも言い得る不均衡な状況に至ったためでもあるだろう。
 
さらに習近平政権は「新型大国関係」という名の下で対米協調関係の構築にも腐心しており、日本の孤立化を図ろうとしてきた。
安倍首相は好むと好まざるとにかかわらず、中国に対して「譲歩」するよりほか選択肢がなかったと言えるだろう。
 
もっとも、安倍政権が東アジアにおける日本にとって不利な状況を打破するために様々な外交努力を行ってきたのも事実である。
ロシアや北朝鮮との関係を打開しようとしたり、中国の台頭を警戒する東南アジア諸国、インド、オーストラリアなどと
緊密に連携しようとしたりしてきたのはその一例である。しかしロシアや北朝鮮との間には北方領土問題や拉致問題があるために、
その接近にはおのずと限界がある。
東アジア域外の国々と緊密な連携を図ったとしても、東アジアにおける勢力均衡の回復に直接結び付くわけではない。
 
対韓関係の改善を
 
ここはやはり米国政府が再三勧告してきたように、韓国との関係を改善し、日米韓の結束を再び強めて、
3対3の均衡を回復すべきではないだろうか。
 
では、対韓関係改善の鍵とは何だろうか。朴政権は日韓関係の改善の前提として、再三にわたって「従軍慰安婦」問題に対する
日本側の誠実な対応を求めてきた。しかしながら昨今の河野洋平官房長官談話(1993年)に対する検証や、
朝鮮半島における慰安婦の強制連行を証言した記事を取り消した朝日新聞への過度な批判などに見られるように、
「従軍慰安婦」問題に対する安倍政権と自民党の対応は、朴政権の要求に応えているものとはとうてい言い難い。
 
政府と与党は韓国との関係改善のために、日本国内で激化する一方のナショナリズムや排外主義を抑制して、
「従軍慰安婦」問題やヘイトスピーチ問題などの諸懸案に早急かつ全力で取り組むべきであろう。
 
韓国に対する「譲歩」の方が中国に対するそれよりもはるかにコストは低いはずである。「従軍慰安婦」問題に関する「譲歩」が、
たとえ日本の「名誉」を傷付けるものであるとしても、領土という国家の主権の根幹部分に関わる「譲歩」に比べれば、
はるかに日本へのダメージは小さいだろう。
傷付いた日本の「名誉」は将来的に挽回(ばんかい)され得るかもしれないが、ひとたび失われた領土が戻ってくる可能性は
ほとんどないからである。
 
政府と与党は「譲歩」する相手を間違えてはならない。

(このあと、慰安婦問題はアメリカの後押しもあり、一応の政治的決着はついています。)
 

柴田さんは愛知学院大学の先生。こんな自己紹介をされています。
 
私は主として第二次世界大戦時の中国の親日政権である汪精衛(または汪兆銘)南京政府について、
フランスの親独政権であるヴィシー政府との比較をもからめて、研究しております。
目下、汪政権下の「大東亜戦争博覧会」について調べています。
また現代中国政治に関する研究も行なっており、あくまでも学術的な観点からポスト共産党の行方をウォッチングしています
     
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随筆 「二度目の延命」    文科系

2016年06月29日 00時31分53秒 | 文芸作品

  指折り数えてみれば、二〇〇九年から七年間、前立腺癌の血液内マーカーを測ってきた。十二年には生体検査。と言っても、部分麻酔で局部に太い針を一〇本も突き刺して細胞を取るほぼ手術とあって、入院も二日。この検査結果は真っ白だったが、間もなくマーカー測定間隔が六ヶ月から三ヶ月に変わって行った。その数値の成長変化も相当厳しくなってきたこの四月初め、二度目の針生体検査をやった。結果は、針十本の内三本が黒、こんな診断が出た。「リンパ節・内臓・骨などへの転移も器外への浸潤もない、限局癌。がん細胞の悪性度は軽度が一本、中度が二本で、総合中リスク」。

 さて、これで僕は自分の命を二度救われたことになる。一度目が慢性心房細動が起こってすぐに手術を二度。「カテーテルアブレーション」という「成功すれば根治療法」と言われる通りの結果になった。一昔前なら心臓が破れたりして死者も多かった手術である。かといって外って置けば、心筋梗塞とか脳卒中の原因になるのが、心房細動。ワーファリンなどの薬を用いて、梗塞や脳卒中を防ぐ道はあっても、次第に薬が強くなったりして、命を縮めることには変わりないと、それが慢性心房細動というもの。僕の場合根治したからこそ、手術ブランク三年の後にはランニングも復活させて、もう三年。それで、最速1時間に10・3キロほど走れる身体に戻ったのだから、正に根治療法。医学の進歩には驚嘆するばかりだ。

 さて、癌というと僕等は驚くが、この間ずっと僕の生活は変わらない。最近ちょっと工夫を重ねて成果が出たギターレッスンは好調だし、癌の薬を飲み始めてからも相変わらず一時間九キロ前後は走っているし、ほどほどにと言われたワインも普通に晩酌している。医者の許可も取って全てが普通なのである。いや、半年後から陽子線治療という方針も決まった今は、天国だろう。生検の結果が出るまで十日間は頭に漬け物石が乗っているような抑圧感があったのだから。

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記事紹介  「これからの日本」    文科系

2016年06月28日 10時00分12秒 | 国内政治・経済・社会問題

 中日新聞昨夕刊に今の世界の最大問題を描いたと思えるコラム記事があった。執筆者数人によるリレーコラム記事なのだが、本日の執筆者は、エムスクエア・ラボ社長・加藤百合子さんとあった。例によって、地方紙の記事を全国に紹介したいという主旨でご紹介する。

 

『紙つぶて これからの日本  加藤百合子

 英国の欧州連合(EU)離脱への決断には驚きましたが、今、先進各国で起きている問題が表出した結果だと思います。問題とは、資本主義とグローバル化ではお金と権力が一カ所に集まり、貧富の差が拡大し続けるということです。今回の国民投票では、エリート層や稼げる人々を、そうでない人々が上回り、離脱に至ったのだと思います。

 貧富の差の拡大は日本でも起こっています。子供の六人に一人が相対的貧困にあるという数字が発表され、大変ショックを受けました。貧困は教育格差を生み、次世代へと連鎖します。それを断ち切るためには、対症療法的な貧困対策だけではなく、教育に力を入れなくてはなりません。

 ただ、学校教育は人材育成の一部を担うにすぎず、大部分は周辺環境からの影響です。いったん貧しい状況に置かれると、勉強に集中できる環境ではなくなり、地域との交わりが持てず見聞を広める機会もなくなり、成長機会格差が広がっていきます。その結果、勉強のみならず生きる意欲さえも奪われているのではと危惧します。

 返せないほどの借金と、急速な少子高齢化という危機に直面する日本。次世代の子供たちを十分に育成できずに、どこへ向かうのでしょうか。

 お金と権力を持つ富裕層は、その知恵と立場を使い、足を引っ張り合うのをやめて次世代のために考え行動しませんか。』

 

 教育の問題は、国の20年後に結果が出てくるものと言われる。グローバリズム金融競争(政治)だけというように目先のことに追いまくられているならば取り返しが付かないことになるという典型だろう。過去の大国、英仏なども身分制社会になったからこそどんどん活力がなくなったと読んだこともある。新たな身分制社会、これは近代民主主義の伝統に著しく反しているだけでなく、人が生きていく普通の活力も失った社会なのだろう。

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安倍さんの憲法は国が主語で国民は述語。  らくせき・愛知自民を落とそう

2016年06月27日 09時28分37秒 | Weblog

文法で習った主語・述語の関係でいえば

現憲法の精神は、主語が国民で国家は述語。

これを立憲主義とう。

安倍さんは、これをひっくり返そうとしている。

主語が国家。国民は主語にしたがう述語。

待っているのは、今、朝ドラでやっているような世界。

戦前は天皇が主語だったかな?

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イギリスのEU離脱をどう読むのか?  らくせき・愛知自民を落とそう

2016年06月26日 10時33分23秒 | Weblog

中日など新聞の論調は離脱に批判的。

経済の混乱がさけられないとして。

しかしグローバリズムの進むなかで様々な矛盾が大きくなっている。

グローバリズムを支えているのは新自由主義の経済。

これにNOを突き付けた意味は軽くない。

では対抗策はなにか?

ナショナリズムなのか?空気はそちらに流れていく気配も。

大きく言えば2つの道がありそう。

これはヨーロッパでは右派の政治家の道。日本では安倍さんの道。

ナショナリズムと内需重視策の道。

これはまだ政治的な担い手がない。

どうやらナショナリズムと新自由主義の道に進む可能性が高い。

しかし、これは相反する要素から成り立っているので行方はどうなるか?

キナ臭いことが待っている可能性も高い。

 

 

 

 

 

 

 

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「嘘つきシンゾウ」の選挙争点  文科系

2016年06月23日 00時08分12秒 | 国内政治・経済・社会問題

 「嘘つきシンゾウ」とか、「ホラッチョ安倍」とかの非難がネット社会に充ち満ちている。賢島サミットでも政権浮上目指した「リーマン」の大嘘を世界に通そうとして各国首脳の失笑を買ったのだから、正当すぎる非難である。今日はその典型例を一つ証明付きで上げてみたい。彼が選挙の最大争点に上げている重大事項について。
「若い人が就職できるようにすることこそ、現選挙の最大争点。ここでこそ私は成果を上げてきた。これを、さらに上げていく」
 以下は、22日中日新聞2面トップ記事「雇用 求人倍率上昇 人口減が影響」の要約が主たる内容である。

 読みやすくするために最初から結論を述べておくと、こういうことになる。
①若者人口が減っているのに、団塊世代以降の65歳退職がどんどん増えているから、生産年齢人口そのものはどんどん減っている。

②1人の団塊世代正規職の退職を、女性・パート・嘱託などの短時間労働者(複数)でまかなうようなやり方が増えているから、「求人数」は「大幅に」増える。

③景気が良くなっていない証拠に、企業の売り上げも横ばいだし、従業員数は減っている。

④これらをまとめると要するに、政治の成果など何もないどころか、正規職減少によって相対的貧困家庭や生活保護世帯は増えるばかり、悪化しているのだ。現に、2%インフレ目標未達成を自ら認めたことによって、この景気悪化をご本人自身が追認しているのである。日銀やGPIFに命じて懸命に支えさせている株価だけが、好景気の指標?

①の証拠
 15歳から65歳までの生産年齢人口は、この5年で500万人減って、7600万人に縮小している。大変な減少率ではないか。これでは、普通なら、就業率、有効求人倍率は良くなって当たり前だ。
②の証拠
 毎年の就職者の内、正社員の数は、この10年でこのように減っている。06年に150万人ほどだったものが、15年には118万人になってしまった。これも減少率3割と、大変な数字である。

 賢島サミットにおける大芝居「リーマンショックが起こっている」でも分かるように安倍は大嘘つきであるが、今参院選の最大争点でもこのように大嘘を通そうとしているのである。それも、この選挙に向けて国民に自ら示した最大争点において。
 こういう大嘘をその政治手法とするからこそ、安倍はマスコミ工作にあれだけ励んできたのだろう。こんな大嘘を国民が通してしまうならば、「大本営発表」時代がすぐにやって来るだろう。

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今の米国、その「異常」を振り返る   文科系

2016年06月22日 09時04分30秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

① 今から見れば米国第34代大統領アイゼンハウアーも左翼に見える。アメリカの今を謳歌する産軍複合体に歴史上初めて重大警告を発し続けた人である。今のアメリカは、彼が警告した通りになってしまった。悪名高き「全米ライフル協会」も、その一味なのだろう。

② 70年代の米国経済学会会長ガルブレイスも、今の経済学会から見れば完全に左だと言える。福祉国家理論の元祖ケインズが社会民主主義者であったのと同じ理由で。ガルブレイスは、ケネディ大統領経済ブレインの最大の重鎮でもあった。なお、ケネディ暗殺は、産軍複合体がやったというのは、全米暗黙の了解事項になっている。アメリカはこの時から既に産軍複合体によって異常な国にされていたということだろう。

③ 現代アメリカの左翼知識人をもう1人紹介しよう。チョムスキーである。20世紀世界言語学会を代表する哲学者にして、反米政治活動、発言でも超有名なお方だ。「覇権か生存か」という隠れたベストセラーも著して、これは世界中で読まれている。現代世界の学問論文で、彼の著作からの引用が聖書とプラトンに続いて三番目に多いというお方でもある。88歳になる彼、ベトナム戦争以来の米政治批判は筋金入りだ。

④ アイゼンハワー、ケネディも、時代の大経済学者ケインズ、ガルブレイスから見ても、今のアメリカは異常ということだろう。
 「そういうアメリカ」が出来たのは、80年代から。特に、90年前後に歪んだ社会主義体制が潰れて以降は、堂々と伝統的民主主義を後退させて憚らなくなった。100年近く闘い、牽制しあってきた相手体制が潰れて解き放たれた資本が思うままに弱肉強食を貪るようになった時代。つまり、90年以降は戦後体制の新たな過渡期、模索期だと僕は観ている。その証拠こそ、最近暴かれた「パナマ文書」、ケイマン問題。これだけ格差と税収、国家累積赤字などが大問題になっている時代に、あの「節税」「(新たな法による合法的)脱税」は一体何なんだ! 強者の欲しいまま、まるで無法あるいは不正公認世界じゃないか。
 だからこそ、人文社会系のそれまでの学問を広くマスターしたチョムスキーは、こういうアメリカ政治の長い、熱心な警告者になったのだと思う。
 今のアメリカは、とにかく異常な国になったという帰結がこれ。ここで何度も見てきたように、以下のようなイスラム国を作ったのもアメリカだと言える。

⑤ まず、「嘘の理由開戦」のイラク戦争。国連の制止を振り切った開戦時、あの米国マスコミの熱狂は一体何だったのか。次いで、「アラブの春」で、北アフリカ、西アジアをぐちゃぐちゃにした。その続きとして、れっきとした独立国シリアへの白昼堂々たる内戦工作。
 イラクとシリア、そして「アラブの春」・・・現在イスラム国がのさばっている土地ばかりじゃないか!
 西欧社会を大騒ぎさせている難民問題も、こうして、これらの土地から生まれたのである。

 これらをトータルとしてみれば、第二次世界大戦にも匹敵する大混乱だろう。数々の通貨危機、通貨戦争から「100年に1度の危機」リーマンショックへ、すべて、21世紀にさしかかって起こったことばかりだ。

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三菱、「アベノミクスに反旗」   文科系

2016年06月21日 11時49分48秒 | 国内政治・経済・社会問題

 日刊ゲンダイにこんな記事が載った。安倍「新三本の矢」への最も深刻な問題提起であろう。財政ファイナンスもなんのその、既に何でもありになってしまった現政権の定見のなさ、乱脈ぶりに対して、超鋭い蜂の一刺しというところだ。

『  とうとう三菱まで見放した アベノミクスのバラマキ財政 日本経済一歩先の真相 
 2016年6月17日 日刊ゲンダイ

これだけの大ニュースがマスゾエ問題の狂騒にうずもれているのは不思議でならない。
 メガバンクの雄、三菱東京UFJ銀行が国債の入札に有利な条件で参加できる「国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー)」の資格を国に返上する意向を正式に伝えた。(中略)
 日本のトップ銀行として国債の安定消化を支えてきた三菱が特権返上にいたったのは、「もう、この政権には付き合い切れない」という強烈な意思表示だ。市中銀行の代表格として、反アベノミクスの旗色を鮮明にさせたのである。(中略)
 国の借金を支えている側が将来的に損を被る理不尽政策にも不満はあるだろうが、旧財閥時代から「三菱は国家なり」と呼ばれてきた社風だ。このタイミングでの国への反旗は、安倍政権の消費増税先送りにお灸を据える意味合いが強いのではないか。(中略)
 年間30兆円以上もの赤字予算の埋め合わせに発行してきた国債を市中銀行は日銀と一緒に買い支えてきた。視点を変えれば、銀行が猛烈な勢いで国にカネを貸し続け、そのカネで高齢化により増え続けるばかりの医療や介護などの社会保障費を何とか支えてきた。
 この構図は、あくまで自公与党が借金分の税金を集めて、いずれ国債償還の形で銀行にカネを返すことで成り立つ。この大前提が消費増税を再延期すれば崩れてしまう。自公与党が参院選の票目当てに経済対策と称して、プレミアム商品券や旅行券発行の検討に興じていれば、なおさらだ。

 経営の「三綱領」のひとつに「所期奉公」を掲げ、「国家のためにベストを尽くせ」というスリーダイヤの精神も、国家の運営がマトモであればこそのことである。国債の信用を揺るがすバラマキ政権に、あえて身を切ってまで協力するのはごめんというわけだ。

 欧米系格付け大手フィッチ・レーティングスは、すでに日本国債の格付け見通しを「安定的」から「弱含み」に引き下げた。ただでさえ、中韓両国を下回り、東欧の小国並みの日本国債の格付けは、恐らく増税先送りによって地に落ちていく。
 幅広く国際展開し、海外運用はお手のモノの三菱にすれば、日本国債との共倒れリスク回避は賢明な選択だ。グローバル時代が叫ばれて久しい今、いつまでも「お国のために」というわけにはいかないのだ。』

 

 ところで、どうやったらこんなに低い「日本格付け」が出るのだろう。1000兆円の累積赤字があっても、その1・5倍以上の貯蓄も持っている国だ。だからこそ、「苦しい時には円、日本国債へ」という世界の道、流儀も存在するのである。対してアメリカは8000兆円の累積赤字があるのに、家計も国家も赤字だらけ。いまなお、年間6000億ドルの軍事費も使っている。世界のドル決済はどんどん少なくなっているのだし。だからこそ、外って置けば常に、対ドル円高になるのではなかったか。

 

 

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与党は「対案を」と言うが・・・   文科系

2016年06月20日 13時37分58秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 参院選で与党がしきりに経済政策の対案を出せと叫んでいる。「三本の矢」の大失敗を認めず、さらに期限を伸ばすといいながら。言わば相撲の土俵を自分でどんどん広げることによって、負けを認めない相撲取りのようなものだ。それでも、以下この政策は今後も失敗するという、いわばこの失敗の必然性と、中長期間かかってもこれが必要なのだという対案らしきものを示したい。突きつけられた問題が質的な問題なのだから、今までのやり方では悪循環になるだけだと示しつつ。

① 今の世界経済の諸困難は「100年に1度の危機」ともいわれたものを引き継いでいる、言わばどん詰まり状態。新自由主義という供給サイドに偏った世界経済が長期間かかって積み上げてきた帰結なのであって、これを続けるのか否かという中長期的・世界的解決しか道はないと考える。なんとなれば、現在世界が突きつけられているのが以下のような課題なのであるから。

② 世界的な失業者、不安定雇用者、相対的貧困者などの大群をどうするか。この大群を、中産階級の世界的没落によって放置して来たのだから、景気などは根本的に回復する訳もない状態である。ましてや、世界的な法人税減税や、「脱税」までも進めてきて、代わりにこの大群からの大衆課税に頼った赤字国家では、所得再配分機能の程度などたかが知れているという問題もある。

③ ①②の状況がありながら日米のように赤字の国家予算を軍事費に注ぎ込み続けるなら、なお袋小路に入るだけだ。それはアメリカの国家累積赤字が8000兆円もあることで、既に誰の目にも明らかである。この8000兆円が言わば、上記①、②の墓場、帰結とも言える。

④こうして、以下のような中長期目標を掲げるしか道はないと考える。世界的に法人減税競争を止めて、ちゃんと税を取る。そういう、累進課税に組み直す。同時に、世界的一斉に賃金を上げるなり、労働時間を短縮するなりして、就職口を作り一般消費を増やすことによる経済の良循環を目指す。つまり、そういうイニシアティブを日米両大国などがきちんと取っていく。日本政府も「賃金を上げて欲しい」と口だけでは言ってきたのだし、オバマも「所属国家から税逃れができる道があるのがいけない」と語っていたはずだ。こういう問題意識だけは少なくとも、日米現両政権にさえ存在するのである。あとはこういうことを具体的に進められる政権をつくることだろう。

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頭の体操   らくせき・愛知自民を落とそう

2016年06月18日 16時10分28秒 | Weblog

今度の選挙の最大の争点は9条を変えるのか?変えないのか?であると思います。

そこで少し頭の体操をしてみたいと考えました。

設問は、9条を改定して交戦権を認めるという決断をした場合、どんな選択肢があるのか?

次のような課題が予想されます。

①先の戦争は、侵略戦争であり、戦争責任を認め、反省のうえに立って行動するのか?
いや東亜の解放責任はないという立場をとるのか?

これによって関係国の対応はどう変わるのか?

②米中の2大国に挟まれた日本の安全保障は、どうあるべきか?
この地政学的な課題にどう答えをだすのか?

第一に考えなければならないのは中国。どう対応していくのか?

膨張する中国を抑止するのか?

対立点は棚上げして、相互利益を重視するのか?

③アメリカとの同盟はどうするのか?
反米路線はあり得ないでしょうね。同盟関係は変るのか?

④韓国、そして豪との関係は?

⑤国連との関係はどう変化するのか?

戦争できる自衛隊となったことによるマイナスとプラスをどう考えるのか?
マイナスを少なくプラスを多くするには?
どんな選択がよいのか?さまざまな事柄が連動して難しいパズルを解くようです。

みなさんはどう解きます?

 

 

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「よたよたランナーの手記」(165) ちゃんと走っている   文科系

2016年06月17日 10時22分41秒 | スポーツ

 5月22日以来これを書いてないのは、前立腺癌や孫の病児保育などでばたばたしていて、あまり走れなかったから。でも、この前日21日の後から今日まで8日走ったから、3日に1度近くはやっていることになる。それも鶴舞公園のグランドを走ってくることが案外多かった。あまり時間が取れないからだ。外走りはスピードも距離も分からないが、気分がよい。特に、軽く砂が乗ったグランドの地面が気持ちいー。既に薬が始まっている癌の治療に向かっても走ることなどは普通に許可されているから、今後もこんな風に続けられるだろう。

 さて、どこにも転移が見られず、器外浸潤もない僕の前立腺癌は、ドーソン・スコアーという数字で表す「悪性度」の軽重についても、最も多い中位のものということだし、放射線治療だけで行くことにした。全摘手術とほぼ同じ効果ということである。放射線の中でも、名古屋に唯一存在する陽子線治療センターの陽子線を受けることに決めた。薬を飲み続けた上で、6か月後から照射を受け始めて、1日1回20分(そのうち、照射自身は2分)を21日続けることになる。週5日だから約1か月の通院になる。高額な特別医療費が掛かるが、連れ合いの旧職場関連共済保険で先進医療の適応ありとしてあったので、この高額医療費がここから全額出ることも分かった。ちなみに、この1か月も走って良いと言われた。なんの痛みもないのだそうだし、通勤しながらやる人もいるというから、多分走れるのだろう。ただし、ワインを禁じられたのは、ちょっと残念。
 陽子線と普通のX線と何が違うかというと、患部以外を痛める程度が違う。特に、照射方向から見て、患部の後ろ側にも突き抜けるX線とちがって、陽子線は突き抜けない。そこの火傷が圧倒的に少ないようだ。
 ちなみに、放射線治療の理屈はこういうことらしい。放射線は人間の細胞を焼くのだが、翌日に回復する正常細胞にくらべて癌細胞は回復しないのだそうだ。毎日少しずつこれを重ねて繰り返して行くことによって、がん細胞を殺していくというやり方なのである。癌につきものの再発があったら薬物療法だけになるが、前立腺癌は進行が遅いから寿命は十分に全うできるはずと言うわれた。

 

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内田樹さんのブログより   らくせき・愛知自民を落とそう

2016年06月17日 09時24分19秒 | Weblog

ルモンドの記事から。タイトルは「贅沢のツケ。都知事辞職」。
自国で起きていることの「文脈」を知るために逐一海外のメディアを参照しなければならないという恥ずべき現実を日本のメディアはどれくらい実感しているのだろうか。
原文はこちら。http://www.lemonde.fr/asie-pacifique/article/2016/06/15/victime-de-ses-gouts-de-luxe-le-gouverneur-de-tokyo-demissionne_4951065_3216.html

公金を私的流用したことについて厳しい批判を浴びて、舛添要一東京都知事が6月15日に辞職した。4月に贅沢な旅行について最初に暴露されて以来日増しに強まっていた辞職のアピールについに屈服したことになる。舛添氏は2007年から9年にかけての第一次安倍晋三内閣の厚労相であり、2014年に東京都知事に選出された人物だが、とりわけその贅沢さへの際立った好みを咎められた。
東京大学を卒業し、フランス語を含む複数の言語を操り、馬と美術に造詣が深い舛添氏は政治資金を千葉県の三日月ホテルの最上級の部屋で新年を家族で過ごすために使用したことを特に厳しく告発された。
これらの金の使途を明らかにするために舛添氏によって委託された二人の弁護士によれば、知事は2009年から14年にかけて440000円(3700ユーロ)を「不適切な仕方」で支出したが、違法ではないとされる。政治資金の使途について定めた条項の曖昧さのせいで、知事はこれらの支出が違法だという認識はなかったようである。
公金の私的流用の他には、知事の移動における贅沢好きが問題にされた。知事は海外旅行ではつねにファーストクラスを利用し、最高額のホテルに宿泊した。費やした旅費総額は2億円(170万ユーロ)に達すると言われている。2015年10月にはロンドンのコンラッド・セイント・ジェームズの譜レジデンシャル・スイートに宿泊したが、こちらは一泊3350ユーロ(40万円)。これらについて繰り返し説明を求められたが、知事はそのつど「記憶が定かでない」と言って質問をかわしてきた。
都議会の多くの会派からの攻撃にさらされた舛添氏は、当初は給与の返納によってそのポストに留まろうとした。だが、6月14日になって、野党会派と、それまで知事を支持してきた都議会与党の自民党までが不信任案に賛成したことで、事態は急転した。
東京都民の80%が望んだ知事の辞職によって、都知事選挙は7月31日から8月7日の間に行われる見通しである。彼の離職によって、彼が関わってきた2020年の東京オリンピックの運営にも影響が出ると見られている。
舛添氏の奇癖は以前から知られていた。「2014年の知事選以来、舛添は会計上の規則違反を繰り返してきたと言われている」と都政に詳しいある人物は指摘している。民放テレビやスキャンダル専門紙で連日のように荒れ狂ったメディアの暴風について、この専門家は「攻撃は周到に用意されていたもので、タイミングを計って行われた」と言う。情報筋によれば、この攻撃は計画的なもので、官邸の暗黙の同意を得て行われた。
メディアが知事問題一色に染まったために、報道された場合に政府にとって不都合ないくつかのニュースが結果的に報道されなかった。知事についての報道の開始は、英紙「ガーディアン」が2013年にブラック・タイディングに対してなされた130万ユーロの資金流入についてのフランス当局の捜査について報じた5月11日と同時期である。シンガポールに拠点を置くこの会社はパパ・マサタ・ディアク−1999年から2013年までIOC委員、前国際陸連会長で、現在は汚職で捜査中のラミーヌ・ディアクの息子−の所有するものであり、この資金は日本の五輪誘致チームから出たものと見られている。
日本では、このニュースは二人の人物を巻き込む可能性があった。一人は現在も政界に力を持つ森喜朗元首相。彼は五輪の東京招致を推進し、現在も五輪組織委員会のトップにいる。もう一人はJOCの委員長で、皇族の竹田恒和である。
同じように、舛添氏に対する攻撃は「パナマ文書」の暴露とも同時期だった。日本の400の個人名と企業名がそこに言及されているというのに、日本のメディアはこれについてほとんど何も報道していない。
「さらに、舛添事件によって、7月10日の参院選の選挙選のスタートが丸ごと隠蔽された。これはさまざまな批判、とりわけ経済政策の失敗についての批判を回避しようとしていた政府にとってはまことに好都合なことだった」と専門家は語っている。

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舛添劇場の幕引き   らくせき・愛知自民を落とそう

2016年06月16日 09時35分08秒 | Weblog

肝心の参院選挙の報道をそっちのけにして

二流役者・舛添さんが主役の劇を上演し続けたマスコミ。

100年後の審判に耐えられるのか?

一流役者・安倍さんの出番が来た。

岡田さんのいうように選挙後に改憲を持ちだすのは間違いない。

愛知では自民党は落選しようにもできない。

愛知自民を落とそうは、空しいスローガン。

でもあげた旗は降ろさない。

 

 

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「パナマ文書」、その名解説の要約   文科系

2016年06月15日 14時20分15秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 本日の中日新聞に、標記のものとしてご紹介したい記事があった。13面「カルチャー」面に、社会学者・経済学者で東京大学大学院総合文化研究科教授、松原隆一郎氏による、「租税回避の実態」「違法ではないが不適切」と見出しされた記事である。簡単な要約をする前に一言。
 人生にも今後への大きな岐路になる重大局面があるように、社会にもそれがある。重大とは何を指して言うか。非常に「長期にわたって」、その場面(人生なり社会なり)を「根源的に左右する」度合いの大きさ、根深さを指している。まして、今の世界経済は物作りを金融が支配している世界だ。そういう金の行方、働きは、時代全体の根源的問題と言える。トマ・ピケティが世界で大いに騒がれたのにも、まさにこの理由が働いたということだ。以下、内容要約を進める。これが世界、日本に及ぼしている影響がいかに全面的・根源的であるかということ、そのことをお分かり願えれば嬉しいということで。

 パナマの一法律事務所から漏れ出た租税回避行為の実態を顕すパナマ文書は、一言で言えば「違法ではないが一部不適切」。都知事問題ともあいまったこの言葉は、今年の流行語大賞に選ばれそうな勢いである。消費税延期がアベノミクス腰折れを防ぐためと叫ぶならば、租税回避を制限して富裕層税負担を増やせという声が高まるのが当然であろう。

 因みに日本でも、富者の税を少なくする数々の施策が進んできた。累進課税率の緩和と、株式所得の軽減税率など優遇措置とが、近年執り行われてきたからだ。年収1億を境にして高所得者の所得税率が下がるようになっており、株を売った所得などには優遇措置がとられることにもなっている。関連して、日本企業が外国企業買収などを大いに進めてきたが、その受取配当金なども、課税対象外なのだそうだ(ここで松原氏は、こんな注釈を付ける。これでは企業が国内設備投資に励む訳がない、と)。

 ところで、給料生活者や海外に出て行けない中小企業には不公平になるだけのこれらの法律、制度は、そもそもどんな狙いで作られたのか。英米などが、物作りよりも金融立国に移行し、日本もこれを取り入れたからである。そういう対外収入の稼ぎ方、道を選んだから、そのための手段、基地が世界各所に数々生まれたということである。

 以上全体に対して、こんなまっとうな批判を示すことによって、この文章は終わっていく。
『国際金融取引が金融危機を起こせば、各国は税を用いて防衛する。その税源に低所得者に負担が重い消費税を充てるのは、虫が良すぎるというものだ』
『近年顕著になってきた格差の原因もこうした税構造にあり、多国間で協調しつつ包括的で透明性の高い租税構造を再構築することが求められる。それが望み薄であることは、パナマ文書に政治リーダーの名前が登場することから予想されはするのだが』

 

 今年に入って、長い世界的株暴落が続いているが、今はイギリスのEU離脱と日米の円高下攻防と西欧銀行の不透明感などが、その要因だそうだ。去年から続いているこんな長期の株安や円高下の原因には、このような目先の原因よりもはるかに大きなものが潜んでいるはずなのだが、この英国離脱要因にEU残留派キャメロン首相のパナマ隠し財産暴露問題が絡んでいるのは明らかである。また、この「遙かに大きなもの」については、90年以降の世界で度々起こっている「バブル崩壊」の一つ、今は原油・シェール・バブル崩壊であるとは、ここで何度も述べてきたところだ。近年各国が金融緩和などによって懸命に株価を支えても長い目では下がっているという現状は、そういうことなのである。つまりバブル破裂に対する決死のふらふら下降飛行、軟着陸狙いだろう。日銀やGPIFが不正常な投資は止めると宣言するとか、アメリカが8000兆円の国家赤字を目にすれば軍事費を年3000億ドルほどに半減せざるをえないとかになったら、たちまち世界の大失業者群が何倍にもなるという危ない綱渡りということだ。職を作る物作りを軽視した、金融優遇本位の世界の行き方が招いた光景というのは明らかなことだが、なんとかならないものか。

 なお、パナマ文書を扱った拙稿は、ここにこう存在する。4月12~14、25日などだ。

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