これは、岩波新書、堤未果著「(株)貧困大国アメリカ」の部分的要約である。標題の手口と、イラクが多国籍アグリビジネス大独占企業の食料輸出基地に統合されていった経過を描いている。もちろん、TPPなどで問題になっている知的財産権の法律(というよりも、国内法に優先する連合国暫定当局命令。04年4月に100のそれが発布された)が強力な武器として活用されてきたという経過も存在する。
事態はこんな情勢から始まった。戦争がやっと落ち着きかけた頃、連合国暫定当局が「さー農業を始めよう」、「イラクに強い農業を」と大いに呼びかけ始める。そして、これに呼応してきたイラク農家に、アメリカ国際開発庁から送られてきた種子と農薬を、補助金つきで無料提供し始めたのである。最大主力農産品である小麦、大麦、豆類などの穀物に遺伝子組み換え種子が当てられているところが味噌なのだ。それには例えば、こういうライセンス契約が付いているのである。
『・自分の農家で採れた種子を翌年使用することは禁止
・毎年種子はモンサント社から購入
・農薬は必ずモンサント社から買う
・毎年ライセンス料をモンサント社に払う
・何かトラブルが起きた際はその内容を他者に漏洩しない
・契約後三年は、モンサント社の私設警察による農場立ち入りを許可する』
なお、このライセンス契約は、連合国暫定当局命令81号という「法律」によってバックアップされた保証付きという代物である。この81号の呼び名はこういうものだ。「特許・工業デザイン・未公開情報・集積回路・植物品種法」。これまでのイラクには植物、生命体に特許をつける発想などどこにもなかったのであって、遺伝子組み換え種子が国中を席巻していったのは言うまでもない。なお、イラクそれぞれの土地にあった伝来の多様な伝統的穀物種子バンクはほとんど破壊されてしまったとも書いてあった。唯一の例外を除いて。
『フセインの時代の農務大臣が、緊急用にシリアの都市アレッポ国際乾燥地農業研究センターに預けていた一部の種子以外、種子バンクに保存されていたイラクの貴重な種子は全て破壊されたのです』
なおこれからおいおい、この本の部分紹介を行っていきたい。こんな内容になるであろう。アメリカ農業の大独占・輸出企業化。イラクのみならず、インド、アルゼンチン、ハイチなどの農産品輸出基地化。アメリカ貧困ビジネスと、公共サービスの切り売り状況などである
事態はこんな情勢から始まった。戦争がやっと落ち着きかけた頃、連合国暫定当局が「さー農業を始めよう」、「イラクに強い農業を」と大いに呼びかけ始める。そして、これに呼応してきたイラク農家に、アメリカ国際開発庁から送られてきた種子と農薬を、補助金つきで無料提供し始めたのである。最大主力農産品である小麦、大麦、豆類などの穀物に遺伝子組み換え種子が当てられているところが味噌なのだ。それには例えば、こういうライセンス契約が付いているのである。
『・自分の農家で採れた種子を翌年使用することは禁止
・毎年種子はモンサント社から購入
・農薬は必ずモンサント社から買う
・毎年ライセンス料をモンサント社に払う
・何かトラブルが起きた際はその内容を他者に漏洩しない
・契約後三年は、モンサント社の私設警察による農場立ち入りを許可する』
なお、このライセンス契約は、連合国暫定当局命令81号という「法律」によってバックアップされた保証付きという代物である。この81号の呼び名はこういうものだ。「特許・工業デザイン・未公開情報・集積回路・植物品種法」。これまでのイラクには植物、生命体に特許をつける発想などどこにもなかったのであって、遺伝子組み換え種子が国中を席巻していったのは言うまでもない。なお、イラクそれぞれの土地にあった伝来の多様な伝統的穀物種子バンクはほとんど破壊されてしまったとも書いてあった。唯一の例外を除いて。
『フセインの時代の農務大臣が、緊急用にシリアの都市アレッポ国際乾燥地農業研究センターに預けていた一部の種子以外、種子バンクに保存されていたイラクの貴重な種子は全て破壊されたのです』
なおこれからおいおい、この本の部分紹介を行っていきたい。こんな内容になるであろう。アメリカ農業の大独占・輸出企業化。イラクのみならず、インド、アルゼンチン、ハイチなどの農産品輸出基地化。アメリカ貧困ビジネスと、公共サービスの切り売り状況などである