団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

親戚の多さが勝因の町議選挙

2014-12-22 09:43:33 | 社会・経済

選挙の取材を初めてしたのは瀬戸内海の漁師町の町議選挙でした。一年生記者に与えられた仕事ですが、確定得票の用紙を町選管からもらって、当落結果を電話で送稿する簡単な役目でした。40年以上も前の話で、当時は午後6時に投票が締め切られていました

開票所の中学校体育館に着いて、驚いたのは開票作業を見つめる町民の熱気と黒山の人だかりでした。中間得票が発表されるたびに、どよめきが上がります。開票立会人からの指示があったのでしょうか、飛び出すように体育館から駆け出す人が何人もいます。その時は何をしているのか、わからなかったのですが、あとで選管事務局長に聞いたら、候補者の事務所に選挙結果の大勢(当選したか、落選したか)を伝えるためでした。

その熱気に圧倒されました。地方では選挙が住民の中でこれほど根付いているのだと感激もしました。ところが、後日、町幹部に聞くと「みなさんの生活がかかっていますから、熱も入ります」と説明されました。自分が支援する候補者が当選すれば、町事業を受注できる可能性が高まります。反対派が当選したら、受注は期待できなくなります。

それより驚いたのが勝因でした。町幹部から「あの議員は親戚が多いのでいつでも当選確実です」「会社を経営し、下請けを含め従業員が多いので毎回楽勝です」などなど。200票あれば、当選できる時代でしたから、血縁、地縁、利害関係が当落の分かれ目になっていました。

市町村合併が進み、こうした勝因は消滅してきました。代わって登場したのが政党候補でしょう。今回の衆院選でも地縁も血縁もない「落下傘候補」が何人も当選しました。地域の代表の側面が消え、政党の一員としての役割を担います。地域の声が国政に届きにくなってきました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする