マスターの男性が抗がん剤治療をしている食堂に2週間ほどして顔を出しました。マスターは「言われた通り、(主治医の)先生が私だったら、どの治療法を選びますか、と聞きました」。
先生は、マスターが店の経営を続けたいことや現在の抗がん剤に治療効果が現れていることなどを挙げ、「私が患者ならば、今の抗がん剤を続けます」と話しました。これを受け、マスターは「私は現在の治療法を選びます」と答えました。
これを聞いて、主治医は「(吐き気などの)副作用をやわらげるためにも、飲む量を2割減らしましょう」と言いました。そのうえで「人工透析の患者さんに効果がある抗がん剤は近く保険適用になると聞いています。その薬も試してみましょう」と加えました。
「抗がん剤が2割減ると聞いたら、体がその分快復してきた感じがして、なんだか元気になってきました」とマスターは笑顔で話しました。心なしか、顔色も良くなったように見えました。
「病は気から、といいますが、前向きな考え方が免疫力を高めるというデータもあります。ぜひ、ポジティブシンキングで免疫力をアップさせてください。それに、人工透析の患者さん向けの抗がん剤がマスターに合うとうれしいですね」と言って、私は店を出ました。