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団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

健さんの「あなたへ」に何度も泣きました

2012-09-14 09:37:41 | 映画

高倉健主演の映画「あなたへ」を見てきました。私の周りでも、妻を亡くした友人、知人が何人も出てきており、他人事と思えない年齢になってきただけに、妻の遺骨を散骨に富山から長崎県平戸市に1200キロのキャッピングカーで旅する健さんの姿を共感をもって見てきました。そして「一期一会」で出会った人たちの、背負ってきた人生の哀しさも映し出され、何度か涙をぬぐいました。

映画のキモの話なので、詳しくは書けませんが、旅先で会ったイカメシ販売員(妻と娘と離れて一人暮らし)が生命保険金詐欺をした元漁師であることが分かるプロセスがきちんと描かれていないなどの、物足りない点もありましたが、話題作にふさわしい映画だと私は感じました。

妻(田中裕子さん)の歌手が歌う「星めぐりの歌」が宮澤賢治の作詞作曲であることや、種田山頭火の「分け入っても 分け入っても 青い山」「このみちを たどるほかない 草のふかくも」が取り上げられていることで、映画の背景に流れている考えが読み取れそうです。

映画職人の降旗康男監督のショットはすばらしく、健さんが訪ねる「天空の城」といわれる竹田城址(兵庫県朝来市和田山町)を、カメラが後ろに引くと、雲海の中に浮かぶ竹田城址となる映像は見事しか言いようがありません。ロードムービーにふさわしい、日本の風景の素晴らしさも楽しむことができました。

でも、81歳の健さんが60代前半の役を演ずるのは少し無理かな、とも感じました。映画の会の世話人のMさんによると、映画の大画面で主役を演じることができる男優は、健さんしかいません。健さんのイメージである、不器用だが誠実な生き方をする役割で一定した興行収入が見込めるため、同じ役回りになってしまう。女優では、吉永小百合さんが同じで、イメージを変える役を求めるリスクを冒す映画会社はない、と言います。

今の健さんにふさわしい役を演じる映画を見てみたいものです、と話しますと、Mさんは「ギャラが1億円を超えるから、脇役では使えません」ときっぱり。「あなたへ」で漁船の船長役の大滝秀治さんの「久しぶりに、きれいな海ば見た」と話して画面を引き締めましたが、そんな役をする健さんもすてきだと思いますが‥‥。

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健さんのいう不器用な生き方しかできなかった

2012-09-13 09:15:17 | 映画

全共闘世代の私にとって、高倉健さんの任侠映画はとりわけ心が引かれるものでした。「負けると分かっていても、戦わなければならないときがある」と言って修羅場に臨もうとする健さんに、一度は「無駄な命のやり取りはやめろ」と諭した池部良さんが現れ、ともに喧嘩場に乗り込んでいきます。そして、健さんの「死んでもらいます」の啖呵から大立ち回りが始まります。

任侠映画の定番なんですが、何度見てもあきることなく、わくわくしながら鑑賞しました。当時、映画は三本立てのところが多かったのですが、一日に三館をはしごして計9本の健さんの映画を見たこともあります。若くなければできないことです。今なら、1本を見ても最後の方では腰が痛くなるのではないか、と心配が起こります。

健さんは自らの生き方を見つめるとき「不器用ですから」と言います。その不器用さが「昭和残侠伝」や「網走番外地」シリーズの迫力ある殺陣をつくったといわれています。

健さんの映画を見ながら「要領よく立ち回る生き方はやめよう」と友人たちと語り合ったものです。私が親しく付き合った大学時代の友人は裕福に育った者はいませんでした。70年安保を前に、学生運動の興隆期でしたが、貧しい生活の中、私たちを大学に進学させてくれた親の期待に背いて運動に身を投じることはできませんでした。

友人の口ぐせは「俺たちの子どもが学生運動をやりたいといったら、やらせてあげる親になろうな」でした。その友人は生命保険会社でモーレツ社員で働き、50歳前で心筋こうそくで亡くなってしまいました。

私も仕事人生の中で二者択一を求められたときは、難しい方ばかりを選んできました。上司が望むところに身を置く「器用な生き方」ができませんでした。自分ながら「生き方が下手だな」と思いましたが、これも性分です。健さんは不器用に生きても、あれだけかっこがいいのです。器用に立ち回っても、自分の生き方とは違うのは、自分自身がはわかります。自分にはうそはつけないからです。

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「ローハイド」「ボナンザ」の脚本の良いこと

2012-07-21 10:40:04 | 映画

映画の会があり、なつかしのテレビ映画「ローハイド」「ボナンザ」、そしてエルヴィス・プレスリーの青春映画「アカプルコの海」を見てきました。世話人のMさんが所有するビデオテープ、DVDのうち持参した二十数本の中から、参加者の希望で選んだ作品です。会場は大阪市の西区民センターでした。

「ローハイド」は1960年代にテレビ朝日系列で放映された約50分のテレビ映画です。ロディ役のクリント・イーストウッドが現在82歳で、監督、俳優として活躍していますが、出演者のほとんどが亡くなっています。3000頭の牛を、テキサス州からミズリー州へ運ぶカウボーイたちが途中で遭遇する様々な出来事を描いています。「黒い髪の女」「早撃ち志願」の2本が上映されました。「黒い髪の女」はインディアンの捕虜となった体験を持つ、騎兵隊の大佐はインディアンを殺害することに執念を燃やし「虐殺者」と呼ばれています。大佐の黒い髪の妻はインディアン出身を隠して大佐と結婚し長男が誕生したあと、復讐の機会を狙っています。居留地のインディアンを殺戮しようとする大佐を、妻は殺害し息子とともに居留地に戻ります。大佐役は「荒野の七人」「大脱走」に出演したジェームス・コバーンでした。「早撃ち志願」の敵役はチャールズ・ブロンソンでした。

「ボナンザ」も60年代に日本テレビ系列で放送された約50分のテレビ映画です。牧場を経営する父と息子3人がいろいろな困難に立ち向かい、協力して克服する姿を捉えています。「ローハイド」「ボナンザ」に共通するのはストーリーの展開に無理がないことです。それだけ、脚本にリアリティーがあります。敵役は悪知恵が働き、腕も立ちます。

最近の日本のテレビドラマが私には面白いと思えず、見ることが減ったのも、脚本の良し悪しがあると考えています。「アカプルコの海」はプレスリーが29歳のときの作品です。ロックンロールの歌手として絶頂期の映画で、プレスリーの歌をふんだんに聞かせてくれます。それだけでも十分に満足ですが、脚本も空中ブランコの失敗で弟が墜落死した衝撃で高所恐怖症になった兄にプレスリーが扮し、断崖からの海への飛び込みで立ち直るという物語です。単純なラブストーリーではありませんでした。

映画の会の常連の女性陣が「昔のテレビ映画を見たい」と言ったことから、企画された映画の会でしたが、30度を超す猛暑となったのと会場がいつもの映画館でなかったためか、女性の参加者はゼロでした。参加したのは78歳の男性と私、そしてMさんの3人という、ややさみしい会となりましたが、午前10時から午後5時まで、私にとっては映画三昧の楽しい一日でした。

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女の尻ばかり追いかけていた

2012-06-01 09:22:37 | 映画

テレビで映画「時代屋の女房」(1983年製作、森崎東監督)を見ました。主演の骨董屋「時代屋」を営む安さんが渡瀬恒彦さん、日傘を手にふらっと現れる女房が夏目雅子さんです。2年後に急性骨髄性白血病で27歳の若さで亡くなった夏目さんがまさに女盛りの時の作品です。とってもきれいでした。

でも、私が引かれたのは津川雅彦さんが扮した闇屋育ちの喫茶店のマスターです。津川さんは1940年生まれですから、当時43歳です。好色な中年男性をたくさん演じた津川さんですが、この映画でも女遊びが過ぎて喫茶店をつぶしてしまうマスターを演じていました。安さんが「若い時は何をしていた?」と聞くと、マスターは「女の尻ばかり追いかけていた」と答え、「いまも女の尻ばかり追いかけている」と続けました。

「女性はウーム(子宮)で考える」といわれますが、好き嫌いがはっきりしていて、タケちゃんには今も近づきがたい存在です。とは言っても、妻と結婚し、男女二人の子どもを授かったのですから、女性が嫌いなわけはありません。合理的に生きたいと思う私にとって、感情面が豊かな女性はちょっと臆するところがあり、一歩引いてしまうことがよくあります。

携帯電話を四つも腰につけていた中年男性がいました。彼女ごとに携帯の電話番号を替えていたのです。4人の彼女を取り違えることがないよう、携帯を分けていたのです。この人はとにかくマメで、彼女にも頻々と電話をかける一方、彼女から電話がかかると、いそいそと彼女のもとに出かけていました。外勤のセールスマンですから、売り上げさえ上げていれば、会社も細かいことを言わないようです。はた目には、とてももてる男性でした。

フーテンの寅さんが「人生の喜びは」と聞かれ、「いい女に会えることかな、それもふるいつきたいほど、いい女に」と答えていましたが、「女性にそれほど夢中になれる男」は実にうらやましい存在です。

タイプが違うと言われれば、それまでですが、人は自分の性格と違うタイプにあこがれるものです。今度生まれてくることがあったら、タケちゃんは「女の尻ばかり追いかけている」男になりたい、と願っています。

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映画監督は一度はやってみたい

2012-05-21 09:49:03 | 映画

監督、脚本、主演の映画を撮り、しかも興行成績が高収入の連発を実現しているスターにクリント・イーステッドがいます。クリント・イーステッドは「硫黄島の手紙」などでは音楽まで担当していました。喜劇の天才といわれるチャールズ・チャップリンは監督、脚本、音楽、主演で映画を製作していました。チャップリンは思い浮かんだメロディーを口ずさむと、専門家が楽譜にしてハーモニーなどをつけて映画音楽に仕上げたといいますから、イーステッドも同じように曲をつけたと思います。

「映画俳優はやはり監督をしたいのですか」と問いかけると、「映画の会」の世話人のMさんは間髪を入れず「そりゃ、そうです。私もお金を出してくれるスポンサーがいれば2、3本はすぐにつくります。監督したいテーマはもっとありますが‥‥」と答えました。Mさんは元大映映画の男優です。

トム・ハンクス監督・脚本・主演の「幸せの教室」を見たあと、参加した6人が昼食を食べながらの歓談の席のことです。ハンクスはアカデミー賞の主演男優賞を連続2回も取った名優です。俳優としての名声を落とすかもしれない、監督・脚本というリスクを負った挑戦をすることはないのではないか、と思ったからです。

Mさんの考えでは、監督はリスクがあってもやってみたい仕事だといいます。一度はやりたい職業は①交響楽団の指揮者②プロ野球の監督③映画監督(順不動です)といわれます。目の前の組織を動かし、しかも成否がすぐに現れる、確かにこんな職業は少ないですね。

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