サッカーJリーグのセレッソ大阪(C大阪)と提携した人権啓発運動で、大阪長居スタジアムに行ってきました。「いじめNO! 君も誓って… フェアプレー」と書かれたクリアファイルに啓発パンフレットを入れ、入場するサッカーファンに手渡しする一方、大阪府人権擁護委員連合会の機関誌「じんけん大阪」用の写真を撮りました。
C大阪の対戦相手は川崎フロンターレ(川崎F)でした。川崎Fのフォワードは大久保嘉人さん(31)でした。大久保さんは長崎県の国見高校のフォワードとして活躍し、2001年の第79回全国高校サッカー選手権大会では8得点を挙げ、優勝の原動力となり、得点王にも輝きました。そのころの大久保さんに比べ、腰、太もも、脚の筋肉が三回りも大きくなっていました。Jリーグ、ヨーロッパサッカーでのプレーがたくましい筋肉をつくりあげたのでしょう。
大久保さんは私にとって思いで深い選手です。第79回大会決勝で対戦したのが、私が勤務していた滋賀県代表の草津東でした。「1、2回戦ボーイ」だった滋賀県代表がベスト4に進出したというので、急遽、記者を派遣しました。準決勝で国見は富山一に1-0で辛勝、これに対し草津東は青森山田を2-1で破りました。悲願の初優勝がかなうのか、と強く期待しました。
が、決勝では、草津東は国見に3-0で敗れました。うち2点は大久保さんに決められました。しかも、草津東はハーフラインを越えて相手陣地で戦うことはほとんどなく、自陣内で繰り返し国見の攻撃を受けるという「力の差」をまざまざと見せつけられました。
帰社した記者に敗因を聞くと、「何回も優勝経験がある国見は、決勝にベストコンディションを持っていくよう調整していたそうです。上位経験のない草津東は一戦一戦を全力で戦ってきました。このため、決勝では、各選手に疲労が残り、力負けしました」との答えが返ってきました。第79回大会優勝を含め、国見は2000年度にインターハイ、国体でも優勝し、三冠を達成しました。名監督といわれた小嶺忠敏さんの采配がとりわけ光った年でした。
それにしても、決勝にチーム全体の状態をベストにもっていくことができるのか、という疑問がわきました。国見の各選手が自分の体調を決勝に向けてベストに持っていくよう調整していたのだと思いますが、名監督なら、ありうるかも、と思っています。