足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY株の地合いの好転が続く・・・ヘッジファンドが商品に食指

2011-10-25 07:40:53 | 株式

週明けのNY株は続伸した。

S&P500を除いては昨年末の水準を上回って引けた。

懸案のユーロ問題が26日の全体会議に向けて好展開してきたのと、米国での企業業績の好調が材料になった。

好決算を発表したキャタビラーは「ヨーロ問題や米国の景気の鈍化はリセッションにつながらない」という強気のコメントをした。

資金流出が問題になっているヘッジファンドだが、商品相場に目をつけデリバティブや先物に食指を動かし始めたのが注目される。

さすがに気を見るのに敏という本領を発揮しはじめた。彼らなりに相場の先行きに確信が出てきたのか。

市場では年末にかけて相場の反騰を見込む投資家も散見される。昨日のVIX(恐怖)指数は29.36と今月では14日の28.24に続いての2回目の30割れ。この数字が30以下で推移することが相場の先行きを見る上では注目点の一つである。

来月1~2日に米連銀のFOMCがるが、ハト派のメンバーが連日にわたってQE3(3次量的緩和)を口にする報道が続いている。市場のセンチメントの好転をみて、ここでの「ひと押し」とバーナンキ議長が動く可能性が高まってきている。


展開の糸口をつかむか・・・新興市場の銘柄

2011-10-24 08:44:20 | 株式

今週は内外とも多くの材料に事欠かい。ヨーロ圏では水曜日の全体会議にむけてここ1週間、勢力的な議論がなされてきた。水曜日にはこれまでのどんな政策よりも方向性の明確な解決策が打ち出されるだろう。おそらく世界の主要国にも協力の呼びかけが進められているはずである。

今週は米国ではミクロ・マクロの景気指標の発表が目白押しである。特に第3四半期のGDPの速報値が最大の関心に(木曜日)。週末のエコミスとの予想は大きく高まり主要メディアの集計では+2.5+2.8%という強気の見通しが出てきている。ことしに入ってからは1Q+0.42Q+1.3%と停滞してきたが、設備投資、個人消費、住宅の落ち着きなどがいわれている。

東京市場は月初めから米国株に大きく出遅れてきた株価のパフォーマンスを取り戻すプロセスにはいる。問題は円相場の動きであるが、今回は円高が進めば確実に政府・日銀が動くだろう。

引き続きSNSゲーム関連の押し目買いのチャンスだが、9月に公開したKLab3656)が台風の目になってきた。公開時に理論株価を紹介し公開後はその水準まで上昇した。20118月期の決算では20128月期の見通しを発表し株価の目標値の位どころが大きく替った。その数字をめぐって向こう数ヵ月は新興株市場では人気を呼ぶだろう。

先週の「トリトンスクエア通信」で、紹介した分析の視点をベースにしたらびっくりするような目標値が出る

先週公開された日本管理センター(3276JQ)も理論株価は異常に高い数字が出る。注目したい。


NY株が昨年末まで回復..・・・日本株の割安が目立つ

2011-10-22 09:14:52 | 株式

方向感のないような感じを受けてきたNY株だが昨日は大幅高になり昨年比でもプラスになった。

ギリシア問題、日本の震災、米景気の減速懸念などの材料がNY株安の原因として上げられてきたが、ダウ平均の動きをみているとこれらの材料も消化した感じである。

最大の懸念材料であるユーロ圏の金融危機だが、週末から来週水曜日(26)に向けて一つの山場を迎える。NY株の動きをみている限り市場では「問題は解決の方向に進んでいる」と読む。

相場の基調を底上げしているのは第3四半期の企業業績である。昨日まで発表のうち74%が予想通りか、上回る数字を出した。このトレンドは過去4半期と同じである。ミクロ面での強さを示している。

いまひとつ株価の上昇につれて出てくるのが米連銀のQE3(第3次量的緩和)への期待感である。1112日にFOMCが開催される。今回は会合後にバーナンキ議長の記者会見が予定されているが6月以来のことである。

今月はダウ平均+8.2%、S&P500+9.4%、ナスダック+9.1%になった。これに比べ日経平均の-0.3%をどうのようにみるか?

最大の難題は円高で、外人投資家の売り圧迫が続くが、それなら内需関連株がある。業績は好調だし、SNSゲームのように新しい産業の萌芽期を迎えた株もある。

株価水準からは魅力のある銘柄が出てきた。

個別物色のアイディアには事欠いと思う。


ユーロ問題が大詰めにきた

2011-10-21 07:35:00 | 株式

ユーロ問題が引き続き欧米の市場を動かしている。

独仏間での話し合いが続いているが最終的な結論が土曜日に持ち越された。翌日曜日にはブラッセルでEU圏の首脳会議が開催され具体的な政策が発動される予定。焦点はEFSF(欧州金融安定基金)の設立で意見がほぼ一致しているが、問題はその規模に絞られてきた。

2兆ユーロという数字がこれまでいわれてきたが、当面は1兆3000億ユーロという見方も流れている。

一方、米国では先行き景気の鈍化懸念が有力視されているなかで、昨日の景気指標は好調な数字が出た。フィラデルフィア連銀の製造業ISM指数がプラスに転じ「米国はダブルディプ・リセッションには入らない」という見方が出てきた。

発表中の第3四半期の企業業績は好調で前年比で+17%で、2011年通年では+18%という数字である。

トレダーが注目するマクレラン・オサレイター指数というのがある。1995年に開発された指数であるが、開発者のマクレランは「膨大な資金が市場に流入しようとしている」と指標が買い信号を出していることを強調している。

東京市場も週末から日曜日のヨーロッパでの動きをみる展開が続くだろう。


米連銀のQE3(量的緩和)も話題

2011-10-20 07:58:59 | 株式

NY株の方向性が固まらない。ユーロ問題が気になる。新しい悪材料が出たわけではないが市場の底流には相場のエネルギーが枯渇すると、懸念が吹き上がる。

昨日はボストン連銀のロゼングレン総裁の「ヨーロッパ問題は米国には大きな懸念材料だ。QE3(第3次量的緩和)と関連がでてきた」と語ったことが話題になった。

ウォール街では目下、第3四半期の決算発表中。当初の見通しを上回る企業もみられるが相場の回復を支えるほどの材料にはならない。市場のセンチメントを表すVIX(恐怖)指数は先週末には待望の30割れとなり、先行きに期待感を持たせたが、今週は3331352週間前の状況に逆戻りした。

ヘッジファンドの業績の不振が気になる。第3四半期(7~9月)には成果が年初来-6%になり2008年第4四半期以来の下落率になった。

リーマンショック時と同じ成績の悪化である。

いつも話題にあるのはサブプライム問題を逆手にとって業界の覇者になったジョン・ポールソンの不振である。彼の運用する旗艦ファンドのアドバンテッジ・プラスが年初来-30%超の下落になったのはヘッジファンドの投資家には大きなショックである。ヘッジファンドの解約には3ヵ月前に申し込むケースが多いが、このため最近は解約の申し込みが増加している。

東京市場にもヨーロッパ問題が重圧になっている。昨日は海外の堅調な相場を織り込めず、息切れした。最近はNY株の動きを先読みする日が多くなってきたのは、それだけ賢明な投機家が増えてきた証明か?

いずれにしてもNY株の動きの影響力が世界を完全に制覇した感じである。