一時は大幅安を記録したNY株も最後の40分で大幅に反転しNYダウは153ドル高で引けた。
きっかけはEU首脳が銀行の資本増強の支援をすることに言及したことだ。かねてガイトナー米財務長官が主張してきた政策である。リーマンショック時に米国がTARP(不良債権救済プログラム)を設立し主要銀行に資本注入を行った。
ギリシアへの資金注入という一時的な問題解決から、根本的な問題の解決策へ踏み切る動きを株価は好感した。
世界の景気動向を左右するNY市場ではS&P500が一時は大幅安でベア市場突入の条件とされる-20%下落を記録した。
有名な投資家が一転、弱気に転換した。ヘッジファンドのバートン・ビッグスは「株式のウェイトがゼロであったらよかったのに・・・」とさらに一段安を見込んだ。
また毎年、「意外な10大予測」で有名なバイロン・ウィンは年初にS&P500の目標を1500としたことに反省の弁を語った。
このように市場のセンチメントを代弁する声が高まり相場はショック寸前に追い込まれた。
相場反騰のけん引役は金融株で底入れの条件の一つが出てきたが、EUが実際に動くかどうかが大きなカギである。