ウォール街は金融株が足を引っ張りダウ平均はマイナスに終わったが、ナスダックは続伸。引けあとグーグル(GOOG)の純益が前年比+29%の好決算を発表し、株価は時間外の取引で+6.9%になった。
またSNSゲーム・ソフトのジンガ(Zynga)が新規公開の申請をナスダックにした。2007年に設立したベンチャー企業であるが、ゲーム業界に新風を吹き込んでいる。目先、ウォール街がフエィスブックと並んで最も注目しているIPOである。その動向が日本のSNSゲーム関連株にも影響を与えるだろう。
この日はユーロ圏での金融危機につては新しいニュースはなかった。
今回の世界的な株価の下落は8月初めの米債務上限引き上げ問題に端を発した。特に注目されるのはNYダウ平均の1日の上下への変動率の高さである。ダウ平均は先週まで4日間の取引のうち3日も3桁の指数の上下変動が見られた。投資家の先行きへの不安心理の高まりで、コンピュータによる高速取引の弊害が出た。しかし短期的にはユーロ問題も小康状態にはいり、市場の関心は国内の景気と企業業績に移りつつある。この人気が続くかどうかに相場の方向性がかかっているが、それを判断する一つの指標はVIX(恐怖)指数の動向である。8月に40になり30~40のゾーンを往来していたが、今週は30に接近をしている。市場心理の不安定感の鎮静化の兆しはみられる。昨日は30.70であった。この数字が30を割れるかどうかが注目点だ。
東京市場でも市場でのリード株が最近の高値から30~50%も短期間に下落したが、最近は安値から20~30%の反騰がみられる。ただ50%下落したら元の水準に戻るには2倍にならなければならない。そのようなチャンスが出るかどうか?
10~12月相場の行方は投資家心理の転換にはきわめて重要である。