goo blog サービス終了のお知らせ 

ガッツ藤本(藤本正人)のきょうのつぶやき

活動日記ほど堅くなく、日々の思いをつぶやきます

友人の本 『失われた時、盗まれた国』 を読む

2022-05-01 23:07:25 | 本・映画など

昨日が昭和の日だったからか、NHKでも昭和、平成のバブル期をルポした番組が続いた。

そして、私は失われた時、盗まれた国』 増田幸弘 を読み終えた。
https://sakuhinsha.com/politics/28515.html(本について)

これは1985年、埼玉銀行に入行し、

以後、メイタントラディション、上田ハーローと為替ブローカーとして金融界を駆け抜け、

FX会社外為どっとコムを設立した
笹子善充氏から見た、金融内部からの日本金融史である。

著者が笹子氏に聞き取りをして著わした正真正銘のノンフィクションだ。



笹子くんは昭和36年生まれの友人である。

と言っても、小学校(彼は北小)も中学校(彼は早稲田)も高校も大学も同じになったことはない。

ただ、中学(向陽中)の時の友人が共通していて、

自分も友人から「ごったん」(彼はごったんと呼ばれていた)のことをたくさん聞かされていたのだ。

大学の時は野球で対戦した。

市議になっては、ご両親から応援もしてもらい、お酒も飲んだことがある。

市長になっては、苦境の時に助けてくれたり、コロナ禍の初期のマスクが全くない時には、

所沢市に対してマスク2万枚を寄付してもらっていた。
(保育園、児童クラブや学校などで活用)


    2020年4月贈ってもらった2万枚のマスク(庁舎玄関まえ)

ブローカーとして渡り合っている、とは風の便りで聞いてはいたが、想像はできなかった。

しかし、読んでみて、じわっと汗がにじんでくる世界であった。

銀行員の世界は想像できたが、為替ブローカーの世界には絶句と驚愕(きょうがく)しかなかった。

切ったはったの気力と体力。眠らず働き、眠らず接待して遊びも含めてネットワークで勝負していく。

弱肉強食の凄みある世界はこういうものなのか。

誰もが知っている有名な会社、堀江貴文や村上ファンド、実在の著名人が登場して、

そのダイナミックさは小説のようだった。 しかし、ノンフィクションなのだ。

所沢のことはもちろん、共通の友人、タイジや長瀬先生(や坂本先生?)も登場する。

バブル全盛から崩壊へ、そして新自由主義へ。


それでも笹子くんは荒波を乗り越えて怒涛の現場に身を置いたが、傷ついて去って行った人も多かったという。

著者はこう表している。


「 不寛容で意地悪な、だれもが幸せにならない社会に変質していた。それが構造改革だった。
「絆」という言葉がもてはやされながら、自分が生き残るために傷つけ合った。少しでもよいモノをつくろうとするのではなく、ただ足を引っ張り合った。
人の当たりが強くなり、心を一言でえぐって気持ちを挫(くじ)く鋭く強い言葉遣いが磨きをかけ、匿名の悪意が世の中にあふれ出した。こうして社会への信頼をなくしていったことが停滞を招いたのはたしかだろう。 ・・・・・非理性的な競争を強いられる社会を中国人は「内巻」と名付けた。 」 p248~9

さびしいけれど、その通りだと私も思う。

そして、コロナ禍の今、日本社会はその悪い部分が、さらに露呈してきてしまったようにも…。
(もう新自由主義への振り子は振りきれて、最後の膿(うみ)を出しているという感じかな)

著書名の失われた時、盗まれた国 とは、きっとそういうことなのだ。


いま、笹子くんは香港にいて、私のブログにもコメントを書いてくれる。

コメントをもらうとホッとする。

だが、ごったんの方がどんなに大変なことか…そう思った。

笹子くんは、面白いブログも書いていますが、それは秘密にしておきます。

また、著者の増田幸弘氏も早稲田大学第一文学部で、しかも現在スロブァキア共和国ブラチスラバ在住。
いろんな縁を感じます。(所沢市はブラチスラバ市と環境でIUCプロジェクト共同研究してますから)https://iuc.eu/index.php?id=377

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« NPO法人「フードバンクネ... | トップ | ゴールデンウィーク中も診療... »
最新の画像もっと見る