中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

「羊歯文刺繍帯」を譲り受けました!

2023年03月10日 | 着姿・作品
長いこと、紬を織る仕事をしてきましたので、いろいろなことがありますが、間もなく米寿を迎えるお客様から、もう着物を着ることもないので、私の着物と帯を引き継いで使って欲しいと頼まれました。
ちょっと迷いましたが、「中野さんに着て欲しいの・・」ということで、頂くことにしました。
私も高齢になってきましたので、そんなに着る時間はないと思うのですが、、その時はその時で考えるとして、、ありがたく活用させて頂きます。



そして、3/8は女性の日、ミモザの日でしたが、そのお客様と高齢女子三人で、お礼をかねての懐石会食でした。帯、帯揚げは早速使わせて頂きました。

今は手に入らない、赤城の節糸のざっくりした風合いのものに、刺繍をあしらった「羊歯文刺繍帯」です。
刺繍は好きで、今まで何点か刺繍を施した作品を作ってきました。紬に、雅なイメージの刺繍は違和感を覚える方もいらっしゃいますが、私は刺繍もその内容により、ありだと思っています。

この帯は漆絵の羊歯絵作品からインスパイアされ、デザイン、色を決めました。
過剰にならないよう、区切られた部分に敢えて押し込めるようにしました。色も草木染のベースに馴染むトーンを差し色に選びました。



自作の名古屋帯は3本目になります。
帯芯が少し硬くて、締めにくく、着姿がイマイチですが、使ううちに馴染んでくるでしょう。
前中心はもう少し焦げ茶を多くすることもできます。

今日の取り合わせは、繊細な刺繍を引き立てたく、帯に溶け込ませる赤みのグレーの帯締めと、この帯に合わせてお客様が選ばれた桜染のピンクベージュを使いました。
Hp作品ページ着姿ページに詳細があります。

ブルーグレーの羽織に、萌黄色の羽織紐で春の色を添え出かけましたが、季節や、その場に相応しい装いで人と会えるというのは、そのことだけでも話題が広がり幸せな時間を過ごせます。
取り合わせは単なる色のコーディネートではないです。

紬きもの塾でも取り合わせの回は特に楽しい時間になります。
毎回みなさんが頬を紅潮させて、いかに取り合わせが女心を奮い立たせる!!か分かります。
紬塾は糸の話から、作ること、着ること、着尽くすことまでを学びます。

紬塾は3/18(土)朝8時から受け付けが始まります。
「紬きもの塾23」お申込みはこちら




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