中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

煌く紬はどこから来るのか

2015年02月24日 | お知らせ


3月7日に櫻工房で行われます「かたち塾」第2回[気韻を軸に“紬織・水墨画・現代美術”]では光を受けてガラスの粉を撒いたかのように煌く布の様子を見ていただきたく午前中の開始にいたしました。
晴れるといいのですが・・・

画像は機にかかっている状態の梨で染めたグレー地の着尺ですが、
直射を当てるとお蚕さんが吐き出した1本の糸が持つ波状に光が当たり本当に美しいのです。
写真では取りきれませんが、、、。

これは糸を伸ばさない状態の真綿系の糸や節糸に見られます。
絹でも糸を伸ばして扱っているものには見えにくいのです。

たくさんの紬の着物をお召のお客様から「中野さんの紬はなぜ艶があるのですか?」と尋ねられたことがあります。
「いや~~、別に特別な繭とかで引いた糸ではないのですが・・・」(*^_^*)
「多分糸を伸ばさないことを全ての工程で気をつけているからではないですか?」とお答えはしたのですが、
そのあと自分でもよく観察してみてそれで間違いはなさそうだと思えてきました。

風合いの良い紬を織りたい一心で38年続けてきましたが、風合いという点では仕事のやり方、方向性に間違いはなかったと思います。


今回のテーマの「気韻」というものは修練だけでもなく、もちろん気合だ!気合だ!(>_<)でもなく、ものを見抜くフラットな眼差しによる洞察力がなければ始まらないのではないかと思います。

美しい世界に気付き、見極められるようになれると
何があっても減ることのない一生の宝物になります。

そんな話を一本の糸を見つめるところから話していきたいと思います。

さて、7日の「かたち塾」、あと2~3名の席があります。
気軽にご参加ください。
桜の花芽もふくらんできました。
桜のスモークも美味しくできそうです!!

お申し込みなどの詳細は前記事をご参照ください。
お早めにお申し込みください。



コメント
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