中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第2回かたち塾「気韻を軸に“紬織・水墨画・現代美術”」のお知らせ

2015年02月14日 | かたち塾、アート鑑賞いろは塾
今年度より始まりました「かたち塾」は先日第1回が江戸切子の小川郁子さんをゲストに行われました。小川さんの仕事を裏付けている創作の姿勢を、インタビューを通して垣間見ることができました。

また作風からアシンメトリーな形や動き、ずらし、破れが感じられるものもあり、笹山先生の話は古田織部の話になっていきました。


私は敬意を表して初下ろしの小川さんの手による切子の帯留めをしていきました。
小川さんの切子の帯留めはガラスを超えている感じです。
かといって宝石のような威圧感もないので紬の帯とも馴染みます。

小川さんも紬に堺更紗の帯、赤い切子の帯留めを取合せていましたが、古いものと新しい感覚が調和していてとても素敵でした。写真を撮らせていただけばよかったのですが、、、残念!

小川さんも着物を着るようになったことで作品作りにも良い影響をもたらしているということでした。

会報「KATACHI-JUKU」も発行されていますので、興味のある方はかたちの会にお申し込みください。

さて、第2回は「気韻を軸に“紬織・水墨画・現代美術”」、3月7日(土)櫻工房にて開催します。

私の織物の話とそこに生じている「気韻」についての考察から始まります。
「気韻」という言葉は元は「気韻生動」からきていて、中国水墨画の評価に付けられた言葉のようですが、それは水墨画に留まらず現代美術、上質の手仕事系にも置き換えても良いでしょう。

そのあたりのことを私も学びたいと思います。私の方からは紬塾でも話しているような糸や布を構成するタテ、ヨコ糸のバランス、テンションなど具体的にお話していきます。

光と布の関係もあります。晴れていれば立体感を残した紬糸の光の反射をご覧いただこうと思います。ガラスの粉を散りばめたように紬布が光るところを。

後半は笹山先生からはジャンルを超えた普遍的な話をしてもらいます。

着物、織物、絵画、工芸などのカテゴリー分けではなく、全てに通じていくような内容です。
私は20年ほど前、紬織りにひたすら打ち込んでいる時に水墨や現代美術の作品と出会いました。
高校生の時古い芭蕉布や丹波布と出会った時と同じような、吸い寄せられ、引き込まれていく感動のように。
その後も自分の仕事とそれらの気を発している水準の仕事はなんら区別なく、今の仕事を支えてくれているように思っています。

受講にあたって専門知識は必要ありません。平易な言葉でテーマの奥深くまで話していきます。

アート塾もそうでしたが、毎回それぞれが自分の中に気づきや発見を得ることができます。
「美しさや心に響くものとは何か――」に関心を寄せている方ならどなたでもぜひご参加下さい。

紬塾の方たちには特にお勧めです!着物を着ていく上でも参考になると思います。
また紬塾に1年を通して通えない方もこの機会を生かしていただければと思います。

そして櫻工房のもてなしとして、床の間スペースに狩野養川院筆『雪月花』の三幅対のお軸を掛けご覧いただきます。

終了後にご都合のつく方は観楼会もご参加ください。
有機野菜と、工房の桜のチップで簡単スモークを何か作る予定です。
お酒も少々用意します。桶谷寧さんのぐい呑で試飲もしていただけます。

取り寄せ品の都合がありますのでお早めにお申し込みください。

お申し込みと詳細ははこちらから。
笹山先生のブログもどうぞお読みください。

※紬塾'15のお知らせは2月28日を予定しています。


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