中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第8回 紬きもの塾 取り合せ、顔映りの視点から

2011年11月23日 | 紬塾 '9~'12
中野みどりのHP


きものと帯や羽織、帯揚、帯〆などの小物も含めて、取り合せについてお話しました。
内容は昨年度と同じようなことですが、今回は着る人の顔映りの話も加えました。

少し前の話ですが、40歳を前にしてカラーコーディネーターの方に
自分に似合う色の診断を受けたことがあります。
春、夏、秋、冬のカラーのどれが一番似合うかを教えてもらいました。
肌の色や髪の色、瞳の色や性格なども判断材料になるようで、大変参考になりました。

肌の色がピンク系とオークル系、色白か濃い肌色か、また透明感などで分けられます。
紬の着物の注文をこちらにおまかせで受けることがたまにあるのですが、
その方の肌の色や髪の色で、たとえば同じベージュ系でもやや赤味がかるか、
黄味にするかでずいぶん大きく変わります。
糸の綛(かせ)を顔に必ずあてて地色を決めることにしています。

ただ、洋服と和服で大きく違う点は、和服は全体を統一するやり方ではなく、
すべて違う色で取り合せることができますので、
もし今いち肌映りの悪い着物を持っておられても、
半衿や帯、帯〆に自分に似合うカラーをもってくることでずいぶんカバーできるものです。

今日私が着た黄茶のみじん格子の着物は実は私のカラーではないのですが、
帯(生成りに藍の縞)と帯〆(グレイッシュピンク)、帯揚(焦茶)は
自分に似合う色を合わせてみました。
そして自分の好きな色、似合う色にこだわるだけでなく、
全体のハーモニーを大切にしていくことだと思います。
着物の取り合せは本当に奥深いですね。でも一生かけて学ぶ楽しみがあります。

さて、「アートでおもてなし」展に出品するべく、ただ今帯を製作中ですが、
間に合うかどうか…
来週には詳細をお知らせします。



「アートでおもてなし」のDM用に送られてきた仁平幸春さんの帯や花邑さんの帯と、私の着物を取り合せたものを、一足早く見てもらいました。帯締めは何色がいいかみなさんにも質問しましたが様々な色名が上がりました。
全体のバランスを見てハーモニーを感じるよう決めるといいですね。
コメント
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