《・・「ぜひ、感染防止のノウハウを教えてほしい」--。
日増しに増える各自治体からの要望に応えて、4月14日に自衛隊が公式サイト上で、
39ページにわたる資料「新型コロナウイルスから皆さんの安全を守るために」を公表した。
日々の生活のなかで、実践できる手軽な感染防止法が、ここでは紹介されている。
☆新型コロナの弱点は紫外線と湿度
「実は、この資料は氷山の一角。
載っていない“自衛隊式マル秘感染予防策”があるんです」
こう話すのは、元陸上自衛隊衛生官で、有事医療ジャーナリストの照井資規さんだ。
照井さんはダイヤモンド・プリンセス号で、自衛隊から感染者が1人も出なかった理由を次のように分析する。
「自衛隊には、情報収集と分析のノウハウがあります。
今回の新型コロナウイルスは、紫外線に弱いことが判明しています。
彼らが対応にあたった2月は、直射日光が強い時間は、12~14時までの2時間程度しかない。
船外での活動は、この間に集中的に行うなど、
動くべき最適な時間帯を見極めて行動する癖がついているのです」
そもそも、自衛官は免疫力が高いことも大きな要因だという。
「自衛官には、指定場所に居住する義務があって、
隊員の約80%は、原則として駐屯地や基地の中で生活しているため、
夜11時消灯、朝6時起床という非常に規則正しい生活を送っています。
また、栄養士が考えたバランスのよい食事を3食摂っているうえ、
1日30km走るなど常に体を鍛えているので、
免疫力が一般の人よりも高いといえます」(照井さん・以下同)
“体調管理も任務の1つ”として、日頃から自己管理を徹底している自衛官たち。
彼らが当たり前のようにやっている習慣の中には、
われわれ一般人でも活用できる、コロナ感染を防ぐヒントがあるという。
☆髪の毛、スリッパにも注意を
その1つが、髪をまとめることだ。
「私の妻は、元自衛隊看護師で、自衛隊中央病院の感染症病棟に勤務していました。
髪は汚れをためこみやすいので、清潔に保つためには、まとめることが必須です。
彼女は、家庭に感染症を持ち込まないために帰宅したら即、シャワーで洗い流していました」
家の中にウイルスを持ち込むリスクを最小限にするには、
どんなに疲れていても、玄関からリビングに直行はNGだという。
帰宅時には次の手順を守りたい。
「玄関で、上着と靴下を脱ぎ、使い捨てスリッパに履き替えます。
もし、使い捨てではないスリッパを履くなら、
次亜塩素酸ナトリウムで毎日消毒するように努めましょう。
そして、お風呂場に直行し、シャワーもしくは入浴。
同時に、水道水でうがいもします」
かばんなどの持ち物にも、気を配りたい。
表面が滑らかなものは、次亜塩素酸ナトリウム水で拭いてから、
リビングに持ち込むのがベストだ。
次亜塩素酸ナトリウムについて、自衛隊の公式サイトでは、具体的な希釈の方法も紹介されている。
その方法は、きれいに洗った500mlのペットボトル容器に、
「5%次亜塩素酸(市販品のもの)」を5ml入れてから水で500mlに薄める、と紹介されている。
これにより、0.05%の次亜塩素酸ナトリウム水ができあがる、
使用の際は、必ず手袋をはめ、換気をすること。
水以外のものと混ぜないこと。
拭いた後に水拭きをすることが重要だそうだ。
「公共交通機関を利用して通勤しているなら、行き帰りともに、綿手袋を着用。
勤務先についたときに手袋を外し、帰りは別の手袋を使います。
帰宅後に外したら、裏側を表に返してゴミ袋へ。
手袋着用前と外した後には、手洗いが必須。
外出先で、首から上を絶対触らないことも大切です」
外出時にマスクをつけることは、もはや常識だが、マスクでおおわれていない目にも注意が必要だ。
「涙には、強い殺菌力があり、ほとんどのウイルスや細菌は、涙で破壊されますが、
新型コロナウイルスは、涙では死なないとわかっています。
つまり目から、感染するリスクは高いのです。
眉毛や目の横をおおうように、作ってある花粉症予防のめがねをしましょう。
普通のめがねでは、ウイルスを防御できません」
買い物に行く時間帯にも、気をつけたい。
前述のように、新型コロナウイルスは紫外線に弱い。
「そのため、いまの時期なら直射日光が強い10~15時に外出するのがおすすめです。
家庭内では、湿度の管理に気を配りましょう。
気温が20℃以上、湿度が50%以上になると、
ウイルスは空気中に漂うことができなくなるという研究もあります。
そのため、室内に洗濯物や濡らしたタオルなどを干して湿度を保ちましょう」
自衛隊が長年蓄積してきた知識と経験をフル活用して、自分と家族を感染から守りたい。
※女性セブン2020年5月7・14日号・・》
このような記事を読み、多々教示させられながら、
さすがに国民の命を守って下さる自衛官だ、と改めて感心させられたりした。