![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/1c/fb5d2c9215b402edb02144d89e674329.jpg)
☆終の棲家の候補はあるけれど
渡辺
登紀子さんも、私の友人も、引っ越し好きの人は荷物が少ないし、
言動も軽やかで、前向きだなあ。
私はいつまでもクヨクヨして、思いも物も溜め込んでしまうタイプ。
加藤
えりさんは、人にも物にも、情が濃いのよ。
故郷への愛も、強いでしょう。
私が生まれたのは旧満洲のハルビンで、いまはもう別の街になっているから、
思い入れはあるけど、何も残っていない。
帰る場所が強固にあるえりさんと私の違いが、
人生のしまい方にも、表れている気がするわ。
渡辺
実は、この4月に個人事務所を作りまして。
66歳にして再出発です。
いまは、やりたいことが多すぎちゃって。
韓流ドラマの『愛の不時着』にハマり、韓国語も習い始めました。
いつかヒョンビンと共演したい!
加藤
韓国語は、音を覚えればラクだし、東北弁と似てるというから、
きっとすぐマスターできるわよ。
渡辺
あと、山形で演劇塾を開くという計画も。
稽古場として、古い家を買いました。
本当は60歳で始めるつもりが、東京での仕事も続けたいし、
資金を貯めなければと思っているうちに、6年経ってしまった。
来年あたりから、本格的に動き出そうと準備中です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/82/dda85e045b118368dcafa6c11de8db1a.jpg)
☆東京に戻るとホッとする
加藤
私も少し演劇をやっていたからわかるけど、お芝居は舞台美術に衣装に、何かと大変でしょ。
渡辺
そうなんです。1本につき数千万円かかり、赤字になれば、自分で持ち出し。
これまで演劇に注ぎこんだ分を貯金していたら、悠々自適の晩年ですよ。
今度、『喜劇 老後の資金がありません』という舞台に出るんですが、
他人事じゃない、まさに私の話(笑)。
しっかり貯金をしていたのに、娘の結婚式や舅の葬式でお金が飛んでいき、
パート仕事もクビになってしまった主婦を演じるんですけど。
加藤
いざとなれば、山形に移り住めばいいんじゃない? 家があるわけだし。
渡辺
うーん。家を買った場所は、バスが1日1本しか来なくて、
コンビニまで歩いて45分もかかるんです。
冬は雪かきが大変ですし、ひとりで住む自信がない。
加藤
私も、夫が千葉に設立した有機農場(鴨川自然王国)に時々行って、
草取りをしたり、田植えをしたりするけど、
歳とともにしゃがんで、農作業をするのがつらくなるわね。
これまでは東京は仕事をする場所、鴨川は休息する場所だったけれど、いまは逆。
鴨川で足腰とエネルギーを使って、東京に戻るとホッとする。
渡辺
鴨川には、娘さんが住んでいらっしゃるんですよね。
加藤
そう、次女の八恵が、家族と暮らしています。
農村だから、住んでいる人は高齢者が多い。
それで八恵が、「集落の古民家をリフォームして、老人ホームにしたらどう?
ママが入居すれば、きっと人が集まる」って言うのよ。(笑)
渡辺
老人ホームの主(ぬし)みたいな。
登紀子さんがそこでライブをしたら、大盛り上がり間違いなし。
加藤
いまは終の棲家に、田舎を選んで移住する人も増えているでしょ。
そういう人が入居して、周りには地元の若い人や子どもがいて、
お互いの力を発揮して暮らすのもいい。
終の棲家を考えることは、この先をどう生きていくかを考えることだし、
私は、ただ最後まで身軽でいたいっていう気持ちなの。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/3a/ace3fc77097f0e69a74abde8a92eb971.jpg)
☆孤独に死ぬのが怖い
渡辺
最近は、「家族や周りに迷惑をかけないように」
という観点から、介護やお墓選びを考える人が多いみたいです。
お金や手間をかけないとか。
加藤
人生の最晩年に、迷惑をかけずに生きることは、なかなか難しい。
だから、素直に受け入れて、しまえばいいと思うのよね。
4年前に101歳で亡くなった母は、
私の姉に下の世話をしてもらっても、「ごめんね、すまないね」とは言わなかった。
介護のプロにお願いするときも「男性は恥ずかしいから、女性でお願い」ときっぱり。
ただ母のように、最期まで「こうしたい」、「こうしてほしい」と
はっきり言ってもらえるほうが、家族としてはわかりやすい。
自分もそうありたいと思いますね。
渡辺
私も同じことを親に対して思います。
残り時間が少なくなっているのだから、気を使わなくていい。
私は、友だちや親しい人には、そばにいてほしいし、
看取ってほしいという、甘えがすごくあって。
ひとり孤独に死んでいくのが、怖いんです。
加藤
えりさんはさっき、「ほとんど終活できていない」と言ったけれど、
人生の終え方は、イメージできているんじゃない。
希望もはっきりしている。
渡辺
たしかにそうですね。
特に死にまつわることは、離婚してひとり暮らしになってから、
意識することが増えました。
お風呂に入っているときに、
ふっと「いま私が死んだら、誰が見つけてくれるかな」と考えたりもします。
親しい友人たちにも、
「連絡がつかなかったら、様子を見に来て」と頼んでいるくらい。
☆どんちゃん騒ぎで送ってほしい
加藤
葬儀の希望はあるの?
このごろは著名な方でも、本人の希望で、お葬式を身内だけですませ、
死後に発表されることも多くなったわね。
渡辺
先日、私が以前主宰していた演劇塾の生徒だった女性が亡くなったんです。
後になってわかったのですが、彼女は末期がんを患ってから、
身の回りのことをぜんぶ整理していた。
最後に行きたかった京都の天橋立を訪れて、近くの公園で力尽きたんです。
お通夜に告別式、お別れ会もいっさいなし。
本人の希望ならば仕方ないけれど、
残されたほうは、別れを言う機会がなくてつらいな、とつい考えてしまって。
複雑な気持ちになりました。
加藤
そうね。潔い去り際ともいえるけれど・・・。
渡辺
コロナ禍で、仕方ない面もあるのですが、
この1年、親しかった人たちの葬儀やお通夜がなかった。
でも、故人の思い出を語って共有する場って、必要だと思うんです。
私のときは、葬儀の形はともかく、盛大な飲み会を開いてほしい。
どんちゃん騒ぎの中、みんなに笑顔で送ってもらいたいなあと。
加藤
私は、外国の地でひとり、旅の果てに人生を終えることに、ちょっと憧れてる。
でも、旅先で航空券やホテルの手配をし続ける必要があるでしょう。
そんな元気があったら、すぐには死ねないわよね。(笑)
渡辺
そうですよ!
加藤
娘たちから、
「ママのお葬式は、大事業になりそうだから、いっそ生前葬をしたら?」
と言われたこともあるのよ。
でも、私は死ぬ直前まで、ステージに立って歌うつもり。
毎回のコンサートが〈生前葬〉みたいなものなんです。
渡辺
私にとっては、舞台ですね。
ステージで最期を迎えられたら本望だけど、
それはそれでスタッフやお客様が大変・・・。
それより、まずは家の片づけですかねえ。
加藤
気長にやっていけば、大丈夫よ。
最近は片づけでも財産管理でも便利なサービスが出てきているし、一度利用してみたら?
渡辺
お願いしてみよう。
先輩を見習って、少しずつ、自分の人生を整理していけるように頑張ります。・・ 》
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お二人の波乱に満ちてきた人生航路を学んできた私は、
人生の晩秋期のそれぞれ多事多難がある、と改めて教示されたりした・・。
過ぎし4月中旬、私はファイナンシャルプランナー、相続診断士の寺門美和子さんの寄稿文に於いて、
”終活3点セット”について
2:ライフプランニング
3:エンディングノート
まずは、この3点を行うことで、
自分の終活で大切なことと向き合えると思います、と学んだりした。
私は民間会社に35年近く奮戦してきたが、定年退職を迎えたのは2004年の秋であったが、
最後の5年はリストラ烈風の中、私は出向となったのは55歳の時であった。
この時に私が定年退職後のセカンドライフについて、
私たち夫婦はどのように過ごしたいか、話し合ったりした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/b3/71cfa349bc3f8ae612d689895ffad470.jpg)
もとより老後の資金の予定額も必要で、経済にも疎(うと)い私は、
信愛している経済ジャーナリストの荻原博子さんなどの数多く著名人の寄稿文を読んだりした。
そしてデフレ経済の蔓延している中、定年時に持家(マンションか戸建て)のローンは返済完了となり、
預貯金が3000万円あれば、公的年金を受け取りながら堅実に年金生活をし、
少しづつ取り崩して生活すれば、少しゆとりのある年金生活ができるかしら、と学んだりした。
やがて定年退職時になると、この当時は大企業も盛んにリストラが実施されている中、
たとえ私が定年後に新たな職場を探しても、これといった突出した技術もない私は、
何よりも遠い勤務先の出向先で、私なりに奮闘して体力も気力も使い果たしてしまった。
そして定年後に、年金生活を始めた時、
古ぼけた一軒屋を、新たに新築すれば少なくとも3000万円は資金を要すると思い、
老後の資金に余裕がなくなり、私たち夫婦の趣味の国内旅行費などに制約されると思い、断念した。
そして定年退職時の2年前に、少しリーフォームをして、500万円前後で整備した程度となった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/a6/b8a64298ec123705fb5ee7ec4015530b.jpg)
こうした中、我が家の生計は原則として、私たち夫婦はお互いに厚生年金とわずかな企業年金を頂いた範囲で、
日常生活を過ごすことを原則としている。
そして耐久品の購入、冠婚葬祭、そして私たち夫婦の共通趣味の国内旅行に関しては、
程々の貯金を取り崩して、ここ16年半ばかり過ごしてきた・・。
こうした中で私たち夫婦は、原則として月初めには家計簿をお互いに確認しながら実施している理由は、
40数年前、私たち夫婦が婚約する前、 お互いに隠し立ては・・やめましょうねぇ、
と私は妻となる人から言われたりしてきた。
そして私たち夫婦は、結婚以来、毎月家計簿を原則として翌月の初めにしているが、
もとより生活費をお互いに確認した上で、
私、家内が趣味に使える費用を捻出する為に、 毎月確認し、家計簿の月次決算をしている。
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遺言書作成に関しては、定年退職時に私は家内よりあの世に先に旅立ちと思い、
残された家内が生活に困苦しないように、公正証書を作成したりした。
問題はエンディングノートの各項目であり、
お互いの終末治療の扱い、葬儀、お墓など多岐に及び、
ときおり10数年に及び、話し合ったりしてきた。
そして家内が2年前に大病をして、亡くなる確率の高い難病、
と医師から伝えられて、退院後に私たち夫婦は、終末治療の扱い、葬儀、お墓、
残された方の生活のありかた、生活費など、考えられる範囲で話し合ったりした。
こうした中、家内は家内の妹に、茶道具、和洋服など、
贈与するために宅配便などを活用して、幾たびも送付したりしてきた。
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このような我が家の”終活3点セット”に準ずることをしてきたが、
この世はまさかの出来事もありえるので、その時は更新すれはよい、
と微苦笑をしたりしている。