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夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

姫リンゴのある家・・♪   《初出2008.4.13.》

2008-06-09 16:03:03 | 小庭の情景を眺めながら
東京の郊外は、小雨の降る朝を迎えている。

我家の前方は住宅街であるが、
斜め横のお宅の姫リンゴの花が咲いている。

たわわな白い花を咲いて折、樹高は7メトール前後で、
枝葉を空に向かい、伸ばしているようである。

私はこのお宅の住人とは、自治会が違うので、
余り交流はなく、逢えば挨拶を互いにする程度であった。

ご主人は私より10歳前後ご年配の身で、
娘さんが2人いたが、嫁いで折、
奥様と2人住まいである。

1週間前に私は遊歩道を散策していた時、
ご主人と偶然逢ったのである。

私は挨拶の言葉をかけた時、
ご主人は煙草を取り出して、
『長い間・・ご近所でお世話になりましたが・・』
と私に云った。

私も煙草に火を点(つ)けて、立ち話をしたのである。


ご主人の話に寄れば、
体力も衰えたので、庭の手入れもままならず、
4人住まいだった家の中の掃除も家内は大変なので、
この際、売却して都心の外れの2DKのマンションに引っ越すことにした、
と私に打ち明けられたのである。

私が実家の近い所に一軒屋を構えたのは、
30年近く前の時であり、既にご主人たちの家は、
和洋折衷のお洒落な家があった。

我家とはブロック塀で、最も境界線に近い処に、
姫リンゴの樹木を植えられたのは、
10数年前であった。

私は春の白い花、夏は枝葉を広げ、
秋になると可愛い小粒のリンゴがたわわに成り、
そして晩秋に落葉して、冬は主木と枝の裸樹となり、
私はめぐり季節の情景を享受させてくれたのである。


まもなく斜め前方にあるお宅も引っ越され、
多分、姫リンゴの情景も初夏まで整理される、
と思われる・・。

やがて私も、ご主人と同様に、庭の手入れも出来ない体力の衰え、
家内も程ほど広い室内の掃除も苦となり、
いずれは更に利便性のあるマンションで、
高齢になった時期を過ごすのだろうか、
と深く考え、そして思ったりしたのである。


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