ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

地下鉄の遅れはなぜ拡大するか?

2010-05-20 09:27:32 | 生活
ひと月に数回であるが私は田園都市線から半蔵門線に乗り入れている電車で朝の時間帯に都心に出向く。一年くらい前までは遅れが日常茶飯事で、特に事故などがなくても20分くらい遅れることが良くあった。

遅れはどんどん拡大していき、電車に乗った時点では7分の遅れ、というのが着く頃には20分に拡大するのが普通だった。私は最初は遅れが出ると、遅れた電車に乗ろうとして人が殺到して出発が遅れ、ますます遅れが拡大するのだろうと思っていた。東急はこれを解決するために大井町線を強化して急行を走らせ、乗客を大井町線側に流して対応し、一年ほど前から半蔵門線の混雑はかなり緩和された。

自然発生的な遅れは少なくなったが、ドアに挟まれた、といった小さな事故による遅れは今でも出ている。そして一旦遅れが出ると遅れは今でもどんどん拡大している。電車自体はそれほど混雑しているわけではない。特に渋谷を過ぎるとかなりの人が降りるので、乗客の乗降に時間がかかって遅れるわけはないのに、遅れは拡大する。

私は、これは営団地下鉄が「故意に遅れせている」のだろうと推測している。「故意に遅らせる」というのは棘のある言い方だが、私の推測では以下のようである。朝のラッシュ時にはトラヒックを増やすために、運行計画を精密に計画しているのだが、遅れが発生すると運行プログラムが「安全確認モード」になる。この「安全確認モード」では電車の運行間隔が通常のラッシュ時よりも長く設定されているので遅れが拡大するのだろうと思う。

これを問題と思わないのだろうか、どうして改善できないのだろうか?ラッシュ時間の安全確認モードを見直す余地はあると思う。おそらく東急は何度も申し入れを行ったが地下鉄側が対応しないので自助努力として大井町線に乗客を流すようにしたのだろう。地下鉄でも乗務員などは問題意識を持っていると思うが、上のほうで「都の安全基準である」と言ってはじかれているのだと思う。

世界標準を作る会議に出ていると感じるのだが、日本人は「これがルールだ」と言われるとそのルールを変えようなどとは考えない傾向が強い。しかし最近の競争はルール作りが勝負になってきている面があり、日本経済が世界の中で存在感を失ってきているのもこのあたりが原因の一つかと思っている。

初めてのサイゼリヤ

2010-05-19 15:59:57 | 生活
先日、初めてサイゼリヤに入った。安いことで有名なイタリア風ファミリーレストランである。「今更サイゼリヤか」と言われそうだが、私は前から一度は行ってみたいと思っていてなかなか機会がなかった。

一人で入って、250ccのデカンタ入りの赤ワイン、ポタージュスープ、サラダ、イカスミ・スパゲティを頼んだ。合計で約1000円だった。なるほど安い。スープもランチセットのカップスープのようなのではなく、平たいお皿に入れて出てくるスープである。1500円くらいでもおかしくないくらいの内容だった。

味もなかなかのものである。スープもイカスミ・スパゲティもおいしいと思って食べた。量的には少なめで女性向きの感じがしたが一品多く頼めば良いと思うとこれで良い。ワインはもう少し上等なのが良いと思った。確かワインは200円くらいだったのでその2倍くらいで、もう少し良いワインがあれば今度はそちらにしようと思う。

サイゼリヤは経営者に理科系の人が集まっていて理科系の合理性で経営していて成長しているそうである。理科系の人がレストランを経営するのは珍しいので考え方が他と違っていて成功しているのかもしれない。確かに店員の数は多くなく、それでもあまり待たされることはない。合理的な店舗運営の感じがした。

私のような中年男性は日本だと外で食事をするときはほとんど飲みに行く時なので、サイゼリヤのような店に行く機会はそう多くない。良い経験になった。

総理大臣になりきれなかった鳩山由紀夫氏

2010-05-18 08:30:45 | 社会
現役の総理大臣について書くのにしてはおかしなタイトルであるが、もはや鳩山総理の参議院選挙前の退陣は確実であると思うので、鳩山総理に関しての私の見方を総括しておこう。

鳩山総理は民主党の代表から総理大臣になった。総理になってからは民主党代表と総理大臣を兼務していたわけだが、どちらが重要な職務かと言えば当然総理大臣である。しかし、私の見方では鳩山由紀夫氏は今でも民主党党首であって総理大臣としての自覚はないと思う。つまり、民主党党首が総理大臣と言う権力を握った、という意識だと思う。

鳩山総理の一連の発言、行動は全て民主党の人気取り、民主党に対して国民が良いと認めてくれること、を目的としていたと思う。国のトップとして日本国を良いほうに持っていくには国民に痛みを我慢してもらわなければならない場合もある。しかし、先日も書いたように鳩山総理が国防の最高責任者だということを自覚しているとは思えないし、日本の経済を良くするにはどうしたらよいかを本気で考えているとも思えない。

全て、民主党をどうしたら国民が認めてくれるかという行動原理に見える。鳩山総理の中では国を良くすることと、民主党の人気が出ることは同じだという意識があるのかもしれない。しかし両者は断じて同じではない。これが鳩山政権の支持率急落の根本原因だと私は思っている。

この、私のような意見はあまり見聞きしない。私の意見が特殊なのだろうか、それともマスコミが本質を見ていないのだろうか?

モントリオールにて

2010-05-16 16:17:13 | 旅行
先週のモントリオール出張は日曜日の夕方に到着、チェックインして、月曜日の朝から金曜日までは毎日朝から夜遅くまで会議、というパタンであったので、中華街に食事に出たくらいでほとんど街中を歩いていない。それでも帰国前の土曜日の朝に少し歩いたので雰囲気を伝えるために写真をUpしておこう。


モントリオールは5大湖の一つオンタリオ湖から流れ出るセントローレンス川とオタワのほうからくるオタワ川の合流地点にある。川幅は広く、写真のような大きな船が波止場には停泊している。

川岸から街のほうを見たときにビザンチン風の建物。名前は分からないが、ゆったりした立て方である。


毎晩食事に行っていた中華街。この日は奥のほうのゲートの隣にあるレストランで食べた。中華調理は地域によってかなり異なるが広東料理が多い。広東地方や香港からきている人が多いのだろうか。



料理の写真。どれもおいしかったが奥のほうにあるロブスターの炒め物が特に良かった。ビールを飲んでしっかり食べて$30くらいなのでリーズナブルである。



結婚、長子誕生、課長試験

2010-05-14 22:20:29 | 昔話

1986年から1987年にかけては私の私生活上も大きな変化があった。

私は35歳で結婚した。かなり晩婚のほうである。相手は同じ研究所で
秘書(当時NECでは書記と読んでいた)女性で、組織は別で毎日顔を合わせていたわけではないが、まあ、職場結婚といえるだろう。以前書いたように一緒に山登りに行くようになったのがきっかけである。相手は4歳下なので双方とも晩婚のほうに入ると思う。

翌年、結婚してほぼ1年後に長子が誕生した。結婚は6月だったが妊娠が分かって家内は年末に退職した。女の子が生まれた。結婚した時にアパートも宿川原からあざみ野に引っ越したのだが、結婚した時よりも
子供が生まれたときのほうが生活にははるかに大きなインパクトがあった。生活のパタンがかなり子供中心になったことは否定できない。しかし、赤ちゃんは可愛く、私は生活を楽しんでいた。

その年の終わりには課長試験を受けるように推薦された。当時、富士通の課長試験の様子がテレビで放映され、NECも似たようなものだったので、「大変だね」と色々な人から言われた。しかし、私自身はそれまで知らなかった経理や人事の話を勉強することは新鮮味があって苦にはならなかった。しかし、ある程度理解してしまうと、受験勉強特有の点数を稼ぐために細かいことを覚える作業が入り、これはつまらなかった。

もうひとつ重要だったのは、自分の仕事の将来ビジョンに関する論文を書くことで、これは上司や先輩に何度も直されたのだが、視野を広げる上で役に立ったと思っている。他の人に比べるとかなり勉強量が少なかったようで家内は「落ちると思った」と言っていたが、なんとか合格することができた。

この1-2年は技術的には私が初めてGSMに触れた時期であり、技術的にも、個人的にも大きな転換点になった。


沖縄基地問題: ゆがんだ政府案

2010-05-14 15:32:01 | 社会

沖縄基地問題は鳩山総理が何度も明言した5月末の解決は無理で継続検討する見込みとなった。
これは難しい問題で、5月末で決着するのは難しいだろうというのが大方の見方で、「やはりそうか」というのが普通だろうが、何度も「5月末」を繰り返した総理の責任は免れないだろう。

それよりも私が気になるのは「現在の政府案は良い案なのか?」ということである。安全保障の観点で従来と考え方を変えてアメリカに頼らない、という方向に向かうなら、それは一つの見識でそのために日本の自衛隊をどう配備していくかを考えるべきだろう。

しかし、鳩山総理は「アメリカの抑止力が重要だということには納得した」と発言している。抑止力のためにアメリカの海兵隊が必要となれば、最も重要なことは最も効率よく抑止力を発揮できる体制を構築することである。効率を上げて最小限の人数で目的を達成できるように考えるべきだろう。しかし、政府案はそのような軍事的観点が完全に欠如している感じがする。

沖縄に駐在するならば、徳之島で訓練を行うよりも沖縄で行うほうが効率が良いに決まっている。日本の中のどこかでやらなければいけないとしたら、どこで行うのが軍事戦略的に最も適しているかを最優先すべきである。しかし、現在の政府案は深く考えずに発言した「沖縄住民の負担軽減」を守ったように見せかけるために本来あるべき軍事戦略をゆがめようとしているように思う。

アメリカ海兵隊の戦略なので決定権はアメリカにある。しかし、日本が必要と考えるならば、日本政府としても軍事戦略を考えて「仮に海兵隊が日本軍だったらこれで良い」という案を考えるべきである。

訓練をやれば周囲が騒音で迷惑するのはどこでやっても同じである。自分たちの見栄や、過去の発言を正当化するために本来あるべき軍事戦略をゆがめることは許されないだろう。

鳩山総理は自分が日本の国防の最高責任者であることを認識していない、としか思えない


iPadは日本でも売れるのか

2010-05-13 11:07:48 | 経済

またまたAppleが私の予想を裏切って大成功している。iPadはそれほど売れるとは思っていなかったのだがアメリカでは既に100万を超えている。100万台を超えるというのはもはや珍しいもの好きの人たちだけではなく、本格的に普及しているということだろう。

私自身は日本の現状でそれほど魅力のあるコンテンツがあるとは思えないので、アメリカのインターネットは日本よりかなり進んでいるのかなと思っているのだが、日本で5月末に発売してどうなるかである。

5月末に発売されて日本でも売れるようだと、色々な業界に対する波及効果が大きいだろう。これまでこの種のパソコンと携帯電話の中間的な端末は何度も市場に投入されてきたがことごとく失敗してきた。端末の価格も高く、通信料金も高いので特殊な人にしか使われなかったからである。

今回のiPadは何が違うのだろうか?
ハードウェアはこれまでのものよりもかなり洗練されている感じがする。売れるかどうかわからないのであまり開発費を投入せずにあり合わせの部品を使って作ったために性能の割に大きくて重い感じになって、売れない。売れないからさあらなる開発費を投入できずにいずれは市場から消えていく、という繰り返しだったのが、思い切って開発費を投入して魅力的な端末を開発して世に問うたということは間違いないだろう。

しかし、通信料金が高いという点は変わっていない。家で固定のネットワークを使って何かをダウンロードして通信できない時に見る、というやり方に魅力を感じるほどのコンテンツがあるとは思えない。出先でちょっと時間があるときに、見ようと思うようなコンテンツがそれほどあるのだろうか?

日本の情報化社会を大きく変えるかもしれないiPadの売れ行きをある意味ではわくわくしながら待っている。私自身は欲しいとは思っていないのだが・・


エアー・カナダはなかなか良い

2010-05-11 10:21:48 | 生活
現在、カナダのモントリオールに来ている。

ここまで来るのにトロント経由のエアー・カナダを利用した。私は普通はANAを利用しているのだが、ANAだと時間が余分にかかったり、アメリカ経由になったりするので、時間が最も適当なエアー・カナダを選んだものである。

エアー・カナダに乗ったのは初めてだがなかなか良かった。私はエコノミークラスに乗ったのだがまず、料金が安い。モントリオールまで往復で7万円くらいで、燃油サーチャージを入れて10万円くらいである。機体はボーイング777だったがエコノミー席にも電源がありパソコンが使える。座席についているディスプレイの画面も大きいし、タッチスクリーンになっていて操作しやすい。座席も若干広いように思う。

ビジネスの席は若干斜めになっていて長さを長く、幅を細くして、足を乗せる台が付いていて、眠るときには楽そうである。ビジネス席では通常リクライニングがかなり倒れるのだが、水平にまで足が上がるかどうかでかなり疲れ方に差が出る。幅が狭いので太った人にはつらいかもしれないが、日本人なら相撲取り以外は問題にはならないだろう。

トロントからモントリオールは一回り小さい飛行機だったが座席の設計は同じだった。CAのサービスは普通である(日本のほうが良い)。

日本人が7割くらいだったが映画などで日本語のものは無かった。中国語のものはいくつかあって私はそれを見た。最近はホテルでも日本語のチャネルがどんどん姿を消している。今泊まっているハイアットホテルでも日本語の番組はない。日本の勢いを示しているように感じる。

モントリオールはケベック州でフランス語がメインである。アメリカの英語の番組を見ることになるのだが、BBCと比べると格が落ちるように感じる。改めてBBCの良さを感じた。

「天地明察」を読んだ

2010-05-10 06:47:30 | 生活

本屋大賞を取った歴史小説の「天地明察」を読んだ。
新刊書を買ったのは10年ぶりくらいだろうか。私は移動時間が読書時間なので、大きくて値段も高い新刊書はまず買わない。文庫本が出るまで
待つのが普通である。

「天地明察」を買う気になったのは主人公が実在の人物で江戸時代の囲碁の家元、安井算哲だと聞いたからである。
ちょうど手元に図書カードがあったということもある。
内容は囲碁というより数学と天文学の話だが、囲碁の話も結構出てくる。

私は吉川英治、池波正太郎、藤沢周平、柴田錬三郎、平岩弓枝などが好きでかなりの本を読んでいるが、これらの大家と比べるとごつごつしていて引っかかる、するっと読めない。むしろ宮城谷昌光などと比較するべきなのかもしれないが、それでも文章はあまりうまいとは言えないと思う。

囲碁に関しては「この作家は囲碁は打たないのではないか」と思った。囲碁のプロが感じるであろう心の動き、作戦、悩みなどは殆ど感じなかった。その意味では期待はずれである。

しかし、内容は力作である。江戸時代の日本の数学のレベルの高さ、それを支えた政治家などの周り環境が作家本人のこの作品に対する思い入れとともに感じられる。また作家としては珍しく数学が好きな人の気持ちを理解しし、そんな人物が暦の作成に人生をかけたことに対する感動が伝わってくる。

作者の冲方丁はおそらく寡作の人だろう。次の作品はかなり先になるだろうし、何年かすると作風が変わってくるのではないかと思うが、こういう渾身の作という感じの作品をまた読んでみたいと思った。


不可解な鳩山総理の普天間発言

2010-05-09 06:37:09 | 社会
普天間問題が解決しそうになく、ここへきて鳩山総理の本件に関する発言が大きく変わっていている。私が不可解というのは最近、「県外移転は民主党党首の個人的意見で党の公約ではない」と言い始めたことである。

私自身は鳩山総理の一連の発言は総理大臣としての発言であり、民主党党首としての発言だと受け取ったことはなかった。9月以降、内閣の中でも「沖縄県外は難しいのではないか」という意見があるのを「最低でも県外」と発言を続けてきたのは総理大臣の意見ではなかったのか。総理はまた「選挙の時には安全保障の仕組みが良く分かっていなかった」とも言っている。

国民が見ているのは総理大臣になってからの鳩山由紀夫である。総理大臣としてこれだけ重要な問題に発言するのに、内容を再確認しなかったのだろうか。総理になって「やるやる」と発言を続けてできそうになくなって「分かっていなかった」と言い始めることに総理大臣としての資質に大きな問題を感じる。それも周りがみな「できないのではないか」と言っている中でのこの言動である。

以前にも書いたが、総理大臣と民主党代表を兼務しているが重みは圧倒的に総理大臣の方が上である。鳩山由紀夫が政治的発言をすれば特別に断らない限り総理大臣としての発言だと受け取るのが常識だろう。鳩山総理の中ではいまだに民主党代表のほうが総理大臣より重いのだろうか?

おそらく小沢幹事長辺りから、総理の責任であって党の責任ではない、とくぎを刺されたのだろうと想像している。しかし、それは総理大臣としての発言ではなく、民主党代表としての選挙対策である。総理大臣の地位を利用して選挙活動を始めたのだろうか?

マスコミの報道を見ていると「総理大臣としての発言ではないのか」と追及する姿は見られない。私のように感じる人はいないのだろうか?マスコミの感性がおかしいのか、圧力を受けているのか、いずれにせよジャーナリズムとしての機能を果たしていないと思う。