ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

鳩山政権の功罪 問題点

2010-05-24 09:30:41 | 社会
今回は鳩山政権の問題点を挙げる。世間では普天間基地問題や政治と金の問題が大きく取りざたされているが、個別の問題を取り上げるときりがないので、個別の問題ではなく日本の将来に大きな暗雲ももたらすと感じている点についてのみ述べる。

①アメリカとの関係悪化
アメリカとの関係がぎくしゃくしていることは間違いがない。これは鳩山由紀夫という人物がホワイトハウスから評価されていない、ということが原因だと思っている。政策の問題ではなく人物評価の問題なので、今後改善される見通しは少ないと思う。一方で総理大臣が変われば状況は大きく変わると思うのでそれほど深刻にはとらえていない。ただし、鳩山政権が長く続けば問題は次第に大きくなるだろう。アメリカのと関係が悪化しても他の国との関係が良くなればその分取り戻せるのだが、高く評価してくれている国はないと思う。

②政党エゴむき出しの政権運営
普通、どこかの政党が政権を取ればその政党は与党となり国全体のことを真剣に考えるようになる。しかし、現政権ではそのような兆しがあまり見られず、政権に就いたことを利用して自分たちの政党に有利にしようという意識が強いと思う。先日、鳩山総理に対する見方でこの点を書いたが、社民党や、国民新党はもっと露骨である。過去の自公政権、あるいは細川連立内閣などと比較してもこの傾向は際立っている。うがった見方であるが、私は小沢幹事長が少数政党に好きにやらせて国民の反応を見ているように思う。反発が大きくなれば連立から切ればよい。いまのところ国民の反発はそれほど大きくなく、「しめしめ」と思っているのではないだろうか。

③官僚システムの破壊
現政権は政治主導の名の元に自分たちが決めるとして官僚の権限を抑え込もうとしている。そのため官僚の士気が大きく下がっている。あまり大きく報じられていないが、官僚のトップ3段階を一つにして降格を可能なようなシステムを既に議決している。こうして人事権を利用して自分たちに都合のよい人物が残るような仕組みにしている。自民党政権時代は官僚のおぜん立てに乗っかているような感じだったのとは大きな違いである。しかし、政治家には実力がないことも明らかになってきており、自分たちの権限強化のために官僚システムを破壊することの影響は大きい。
私としてはこの点が最大の懸念点である。優秀な政治家を育てる仕組みはできておらず、民主党政権が4年も続くと日本は10年以上立ち直れないほどの打撃を負うと感じている。