ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

アメリカの電子書籍

2010-07-01 09:48:21 | 社会
今日、アメリカ人の人と話をして、アメリカでは書籍の電子化がかなり進んでいることを知った。

数年前、アマゾンがキンドルという電子ブックを出した。この端末は3Gの通信モジュールが内蔵されているのだが、ユーザは通信料を払う必要が無い。通信料はユーザが買った書籍の代金の中からアマゾンが支払うようになっている。この端末はモノクロの画面で、小説などを読むようにできている。

こんなものがビジネスになるのかと思ったがこれは成功して、他の会社が似たような端末を出し始めた。アメリカには十分な電子コンテンツの蓄積があるということだろう。そして今度のiPadフィーバーである。今度はカラーになって、インターネットのブラウズのできるので電子ブックの範疇を超えているが、やはり見たい情報がネット上にたくさんある、ということでは変わらないらしい。

今日聞いた話はアメリカでは書作件切れの名作などを電子化して無料で配布するライブラリーを作る活動が進んでいて既に何十万冊も集まっているという話である。それならばこの無料の本を読むためだけにでもキンドルを買うような人が出るだろうと思う。これはビジネスとしては成り立たないが電子ブックの普及には大いに役に立つし、貧しい人への教育効果もあるだろう。
日本ではどこまで著作権切れか分からないが、夏目漱石や森鴎外はおそらく著作権切れだろう。ひょっとしたら江戸川乱歩の推理小説や吉川英治、山本周五郎などの時代小説も著作権切れになっているかもしれない。集めれば結構なものになりそうである。

学校の授業料を国が負担して無料にするというやり方では政府の費用負担が増えるが、このアメリカ流は政府の費用負担は無い。無料の本ばかりが売れればアマゾンの経営を圧迫するが、これは電子ブックの普及が進むことで有料の本の販売も増えてむしろアマゾンにとっても良いことかもしれない。

大胆に新しいビジネスモデルを打ち出してうまくいけばOK、失敗すれば素早くやり方を見直すというアメリカ流を感じた。