6/6~週は、NY市場が米国景気減速懸念から弱含んだ中、日経平均は、
膠着レンジ下限辺りの攻防で底堅さを示し、何とか踏ん張った格好でした。
NY商品市況は、リバウンドを続けてきた原油も弱含んだとは言え、まだ
100ドル弱の値となっています。
金も、相場全体のリスク資産回避の雰囲気が強まった中、週末に、売りに
押されても、約1530ドルの終了となりました。
日経平均は、週末にメジャーSQ(約9554円)を通過し、アク抜けも
NY市場の株価動向や週末要因に押され、上値を押さえられました。
ただ、東証1部全銘柄のPBRが1.0倍程度に低下しており、NY株式の
下落に対する連動性は限定的となったようです。
結局、日経平均は1週間で約23円(↑0.24%)上昇の10514円の
大引けでした。
6月第3週(6/13~6/17)の主なイベントと予定は、下記1.の通りです。
明日からの週も、引き続き膠着感の強い相場展開になりそうです。相場の
本格的なリバウンドには、東電原発問題の進展や大震災後の復旧/復興に
向け、国内政治の進展がほしいところ。
とは言っても、日経平均9400円割れでは、PBR1倍以下となるため、
サポートラインとして機能することに期待しています。
週初は、週末のNY市場の下落を受け、下落からのスタートになっても、
上記の理由から底堅さが意識されるところ。また「四季報」の発売から
今期業績、予想非開示銘柄が多い中、非開示銘柄の今期予想を参考に
して、個別物色もありそうです。
日経平均、6月第3週(6/13~6/17)のレンジは、9350円~9700円
程度を想定しています。
1.6月第3週(6/13~6/17)主なイベントと予定
6/13
日本 日銀金融政策決定会合(~6/14)
日本 5月機械受注
日本 会社「四季報」発売日
日本 サイボウズ、TYO、稲葉製作 各決算
米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁、講演
豪 豪州市場、休場
6/14
日本 日銀政策決定会合
日本 白川総裁定例会見
日本 三井ハイテック、日東製網 決算
米 5月小売売上高
米 5月生産者物価指数
米 フィッシャー・ダラス連銀総裁、講演
米 ベストバイ 各決算
中国 5月消費者物価、5月生産者物価
中国 5月小売売上高
中国 5月鉱工業生産
印 5月卸売物価
英 5月小売物価指数
英 5月消費者物価指数
伊 ドラギ中銀総裁、講演
6/15
日本 日銀、6月金融経済月報
日本 コーセル、野村オフィース 各決算
米 6月NY連銀製造業景気指数
米 5月消費者物価指数
米 5月鉱工業生産
米 6月HAHB住宅市場指数
米 グーグル新OS搭載PC、発売
豪 スティーブンス豪中銀総裁、講演
英 5月失業率
英 キング英中銀総裁、講演
伊 ドラギ伊中銀総裁、講演
ポ ポルトガル国債償還(49億ユーロ)
EU ユーロ圏4月鉱工業生産
6/16
日本 KDDI株主総会
日本 5月首都圏マンション販売
日本 5月訪日外国人数
日本 東京おもちゃショー(~6/19、東京ビックサイト)
米 5月住宅建設許可・住宅着工件数
米 新規失業保険申請件数(~6/10までの週)
米 6月フィラデルフィア連銀景況指数
米 北米5月半導体製造装置BBレシオ
英 5月小売売上高
ス スイス中銀政策金利発表
EU 5月EU消費者物価指数
6/17
日本 日銀議事録(5/19、20日分)
日本 東洋刃物、サンオータス 各決算
日本 トヨタ、住金株主総会
米 5月景気先行指数
米 6月ミシガン大学消費者信頼感速報値
EU 4月EU貿易収支
2.NY市場、為替/債券 各結果(6/10)
10日のNY市場はユーロが大幅に下落し、相対的にドルが上昇した。
市場は景気減速への警戒感が強まっており、その手の話題に神経質に
なっている。
きょうは東京時間に発表になった中国の貿易収支で輸出が予想を下回った
ことに神経質な反応を見せたようだ。株価や原油が大幅に下落する中、
リスク回避の動きが強まった。
為替市場ではユーロや資源国通貨に利益確定売りが強まり、ユーロドルは
サポートをブレイクする格好で、21日線が控える1.4330近辺まで下落して
いる。ユーロ円も一時115円を割り込む場面も見られた。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=112637
ユーロ急落の背景は景気減速だけではない。ギリシャ問題が依然として
燻っている。きょう独議会がギリシャ支援を採択していたが、その条件に
民間債権者の関与を入れている。
民間にも一定の責任を負ってもらうもの。返済期限延長や自発的な借り換え
受諾などだが、格付け会社はその場合はデフォルト、もしくは信用事由に
あたる可能性を示唆している。
これまでギリシャ債を買い支え保有しているであろう(未公表)ECBも、
デフォルトとなれば受け入れることができず、民間関与には反対姿勢を
示している。EUは6月20日を支援正式決定の日取りとしているが、支援者
間での意見の相違から、それまでに波乱含みの展開も警戒される。
その状況下、5年物ギリシャ国債のCDSスプレッドは1561と過去最大まで拡大
悪化していた。 http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=112638
米国債利回り
2年債 0.400(-0.016)
10年債 2.973(-0.024)
30年債 4.183(-0.032)
期待インフレ率 2.172(-0.037)
*期待インフレ率は10年債で算出
10日のNY債券市場、利回りは低下。市場全体がリスク回避の雰囲気が
強まる中、債券への逃避買いから利回りは低下している。FRBがQE2終了後の
7月以降も、MBSなどの償還資金の再投資を続ける意向が示されおり、まだまだ
出口戦略にはほど遠い状況下にあるようだ。
10年債利回りは一時2.93%台まで下落。2年債も0.39%台まで下落している。
2-10年債の利回り格差は+257(前日+258)。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=112636
3.NY株式市場 結果(6/10)
NY株式10日
ダウ平均 11951.91(-172.45 -1.42%)
S&P500 1270.98( -18.02 -1.40%)
ナスダック 2643.73( -41.14 -1.53%)
CME日経平均 9450 (大証比:-50 -0.53%)
出来高(億株)
NYSE 10.19
ナスダック 19.80
10日のNY株式市場、ダウ平均は急反落。この日はリスク回避的な雰囲気が
強まった。市場は景気減速への警戒感が強まっており、その手の話題に神経質
になっている。
きょうは東京時間に発表になった中国の貿易収支で輸出が予想を下回ったこと
に神経質な反応を見せたようだ。
ダウ平均は序盤から下げ足を早め、一時186ドル安まで下げ幅を拡大。終盤に
下げが続いていた金融株に押し目買いも入り、指数も下げ渋る場面が見られた
が、結局、12000ドルを割り込んでいる。
ダウ採用銘柄はJPモルガン、バンカメ、AT&Tの上昇以外は27銘柄が下落。
ファイザー、トラベラーズ、ホームデポ、キャタピラーが指数を圧迫している。
ナスダックも反落。景気の先行きに対する不透明感が増す中、景気敏感株で
あるハイテク株は売りが強まっている。アップル、インテルなど主力株は揃っ
てマイナスで推移。
個別にスポーツウェアのルルレモンが商いを伴って大幅高。きょう第2四半期の
業績見通しを発表しており、市場予想を上回っていたことが好感されている。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=112635
4.NY市場、原油先物7月限、金先物8月限 各結果(6/10)
NY原油先物7月限(WTI)
1バレル=99.29(-2.64 -2.59%)
10日のNY原油先物相場は4日ぶりに急反落。米株が大幅に下落するなど、
本日の市場はリスク回避的な雰囲気を強めている。中国の輸出が予想以上に
鈍化していたことが材料視されていたようだ。リバウンドを続けてきた原油も
利益確定の動きが強まり7月限は急落。100ドルを再び割り込んでいる。OPECは
生産枠の引き上げを見送ったが、サウジは個別に増産に踏み切るとの観測も
相場を圧迫した。
また、OPECが月次報告で世界需要見通しを発表。2011年下半期には日量平均
3070万バレルで推移するとの見通しを示し、5月に示した予想(2897万バレル)
から上方修正している。年末までの需給見通しは、市場がひっ迫することを
示しているとし、需要が高まる季節に入るにつれ世界の原油在庫は減少し続け
ると予想している。 http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=112628
NY金先物8月限(COMEX)
1オンス=1529.20(-13.50 -0.88%)
10日のNY金先物相場は反落。市場全体がリスク資産回避の雰囲気が強まっ
ていたことや、為替市場でユーロドルが急落したことから、金も利益確定売り
が膨らんだ。 http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=112629
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