相場格言集をピックアップしました。そのPart 3(さ行編)です。
「株は安く買って、高く売る。」に限ります。そうした投資のヒントが掴めたら
と思います。
迷ったり/悩んだり/困った時に、「道しるべ」として、お役立て下さい。
3.さ行
【最初の大商いには黙ってつけ】
今まで出来高の少なかった銘柄が、突如、大商いとなったら、必ず何らかの理由で
買っている人がいるのだから、自分の講釈は後回しにして、とにかく最小単位でも
いいから買ってみなさい、という教えです。
かつて、幹事証券だけしか知らないインサイダー情報で買われる場合ありましたが、
インサイダー規制が強化された今日は、アナリストのレーテイング評価引き上げや
外国系証券の買い等が背景としてあります。出来高は株価に先行するという格言も
あるように、日頃から出来高をチェックしておけば、相場のスタートを捕まえること
ができます。
【咲いた株から散って、散った株からまた咲く】
先に咲いた花から散っていくように、株もまた同じように先駆して買われた銘柄から
天井をつけていきます。いくら綺麗な花でも、永遠に咲き続けることはできません。
いつかは必ず、しおれていきます。株も優秀な内容でいくら人気があったとしても
上がり続ける事はできません。株式市場では、先に買われた銘柄が高値を打つと、
比較感から二番手、そして三番手銘柄などが順番に買われて天井をつけていきます。
そして、次の相場では、先に天井を打って整理していた銘柄から買われます。
優良株といえど永遠に上がり続けることはできないし、いずれ内容が劣る銘柄でも
見直されるという格言です。
【材料が材料でなくなる時を知れ】
株式投資で信念を持つのは結構ですが、思い込みや決めつけ考えは危険であると
いう教え。
いくら大好きな食物でも、毎日食べていたら飽きてしまうのと同じように、いくら
好材料でも日にちが経てば、色あせてきます。最近ではIT株が時代の申し子の様に
もてはやされましたが、長続きはしませんでした。好材料とは反対に、悪材料もいつ
までも悪材料ではないのです。同じ材料が6ヵ月も言い続けられたら飽きがきて材料
でなくなる時と受けとめるべきです。
【下げるときは1株でも下げる】
1株とは誇張した言い方ですが、買い物の引っ込んしまった、弱気の相場地合では、
わずかな売り物でも下げるのであなどってはいけないという教えです。
相場が上がる時というのは、経済環境などのいい時ですから、多くの投資家が参加
しているため、売り買いが交錯して、僅かな買い物ではなかなか上がりません。
しかし、大寒波の来ているような寒い時は、人は家の中に引っ込んでしまっています
から、不況の続く相場では、大半の売りは消化されたから、もう下がらないといった
言葉には、気をつけようと説いています。経済が好転するまで、季節が春になるまで
待ってから買っても遅くない、という格言です。
【指し値は取り消すな】
指し値とは、決めた値段で買い、あるいは売りの注文を出すことで、最初に決めた
値段は、案外当っている場合が多いので、途中で訂正しないほうが良いという教え。
例えば、1000円の値段がついている銘柄を950円で買う注文を出したものの、
その値段に近づいてくると、まだ下がるのではないかという気持ちになり、指し値の
値段を920円へ変更すると、940円で底が入って、反発し折角のチャンスを失う
ことになります。なんでもそうですが、最初の判断は、素直な目で物事を見るため
大きく外れることが少なく、途中で迷って考えを変えないほうが良いといえます。
【3割高下に向かえ】
小売り利幅3割といわれように、商売でも3割儲かれば最高です。株も高くなれば
強気になり、下がれば弱気になるのではなく、3割上ればひとまず手仕舞い、反対に
高値から3割下がれば、思い切って買う、という目安を示したものです。
【三空は売り】
「空」とは、前日の株価より高く始まって、一度も前日の値段まで下げない状態。
一般的には「マド開け」と呼ばれます。上昇過程で、マド開けが3回も出現する時は
相場が佳境に入っている場合が多いため、持ち株は利食いを優先し、新規買いは
慎重にという、相場の勢いに惑わされないようにというチャ-トからの格言。
反対に、下げ相場での三空は買いとなります。
【市場にいる必要はない】
証券会社の店頭で、株価ボ-ドをみつめて株価の勢いだけで売買していると大きな
儲けはできない、という短期売買を戒めた言葉です。
景気、企業業績を分析して数ヶ月先、数年先を読んで投資する事が、結局は大きな
投資成果をもたらすのです。
【指数はいずれサヤ寄せする】
指数とは、日経平均株価、日経店頭平均株価、東証2部平均株価、大証平均株価、
TOPIX、大型株指数、小型株指数などです。
アメリカでは、NYダウ平均株価、ナスダック指数などです。
以前に比べると、ずいぶん増えましたが、集約しますと大型株型か小型株型かと
いうことになります。
昭和40年代頃までは指数も多くなかったため、日経平均(当時は東証平均)と
大証平均が指数の比較で使われてました。薬品など内需関連銘柄で小型株の多い
大証平均、重厚長大型の大型銘柄が多い東証平均が、その時々の景気情勢等で、
どちらかが先に上下しますが、時間を置いて両指数はいずれ上昇率・下落率が接近
するように動きます。
1998年から2000年春にかけての相場では、店頭株指数から上昇して順次、
大型株系の指数がサヤ寄せする形で上昇しました。また01年秋のテロ事件の下げ
相場を契機に、ナスダック指数に比べ下落率の小さかったNYダウがナスダックに
サヤ寄せする形で下げました。指数をよく観察しましょうという教えです。
【知ったらしまい】
いい材料も悪い材料でも、正式に表面化したら材料出尽くしとになるので、いったん
手仕舞うのがいいという教えです。
たとえば「会社四季報」の予想で、今期の業績が相当よくなるという銘柄は四季報の
発売と同時に買われます。そして、正式な決算発表で、予想通りの好調な数字で
あっても、一応出尽くしとなります。業績のほかに、新製品の期待などで買われる
ケースでも同様。
少々、例えがよくないが、恋愛中の若いカップルが正式に結婚すれば、恋愛中程の
熱烈さがなくなるのと似ている、とも言えましょうか。
【実体の伴なわない相場は長続きしない】
実体とは、人間なら健康で体力のある状態です。健康や体力に自信がないと、何を
やるにも中途半端で終わってしまいます。もちろん気力は大事でも、それだけでは
限界があります。
株もまた、信用取引の期日が一巡した公的資金の買いが入った、仕手筋介入した、
などの需給面だけでは長続きしません。景気が上向き企業業績が持続的な好調を
持続することこそ、株価の安定した上昇につながります。個人投資家は、やはり、
企業業績のいい銘柄に投資することが基本であるという教えです。
【女子が生まれたら桐を植えるがごとくに株を買え】
昔は、家に女の子が生まれたら桐を植えて、お嫁に行く時に、大きくなった桐で
作ったタンスを持たせたといいます。株も、子供の成長など人生設計に合せて投資
するのがいいという教えです。
特に、現在は高校生、大学生と進学すれば相当な資金が必要ですから、投機的な
銘柄に投資して資金を無くする事はできませんから、銘柄選びは安全性を重視する
ことが大事です。また、桐が大きくなるには大体20年です。株もこのくらいの期間で
殖やす気持ちなら、時代の流れにマッチした銘柄に投資して成果を上げることは可能。
【素人がプロに勝てるのは時間である】
プロとは、昔は相場師のような人を指していましたが、今日では、歩合デイーラーや
投信の運用者など、一定期間に稼がなくてはいけない運用者をいう場合がほとんど。
昔の相場師は、会社訪問などをして銘柄をじっくり研究し、数年がかりで大相場に
仕上げてましたが、プロと称する人達は、相場の勢いと横の仲間の情報で小さく
儲けることがほとんどと言っていいでしょう。
個人投資家は、情報量でプロに勝てませんから、企業説明会に出席したり、雑誌や
資料等でじっくり会社研究して、これと思った銘柄には時間をかけて投資することが
大きく儲けるこつであるという教えです。
【信用の買い期日接近は買い】
証券会社から資金を借りて株を買う場合、借りる約束期限ともいえる期日は、最長
6ヶ月(最近、無期限もあり。)です。相場熟練者によれば、信用買いで儲かるのは
1~2週間で、それ以上では評価損の出ていることがほとんだそうです。
まもなく上がるだろうとか、もうすぐ戻るだろうと期待しているうちに、ずるずると
日数が経過し、6ヶ月の期日が接近して、無理矢理手じまいしなければなりません。
そうした場合は材料や業績がよくても、否応なく処分しなくてはいけませんから、値段
にかまわず成り行きでの売りが出るために、株価はストンと下げることが多々あります。
高値から大きく下げ、業績のいい銘柄で期日が近づいている銘柄は、指し値をして
おけば、思わぬ値段で買える、という教えです。
【推奨株は3日待て】
証券会社の推奨株は、3日程度待って買うのがいいという経験則からの言葉。
かつて全店推奨方式で、ノルマ達成のため営業マンが、顧客に押し込み販売を
行い、一巡したら株は下がるケースがほとんどでした。
その推奨一巡の所が買い場というわけです。強力推奨した手前、必ずまた手掛け
てくるという読みもあります。
推奨営業が復活の兆しですから、現在でも活用できそうです。
【政治は、株ではなく失業とインフレに関心がある】
政治家が落選すればただの人、といわられるように票がすべてです。日本では間接
金融中心のため、国民が株式を保有している比率が非常に小さいため、政治家は
株の話をしても票につながりませんし、それどころか、反対に、株で悪い事をして
いる政治家ではないかと受け止められるからです。
政治家は、国民生活に直結している失業と、バブル当時のようなインフレを放置して
いると、票に影響しますから失業対策とインフレ対策には全力で取り組みます。真の
資本主義国家ではない日本では、政治家に株対策を期待しても無駄という教えです。
【節分天井の彼岸底】
節分は立春で新しい年の始まり、お彼岸は春分の日で昼と夜の長さが同じで、共に
昔から季節の上で重要視され、米相場などで格言として使われてきた様です。ただ、
日経平均などみますと、節分の2月がその年の高値になっているケースはほとんど
ありませんが、1月の新年相場で盛り上がった「買い気」が、節分あたりから衰えて
いるケースは顕著です。
一方、3月20日前後のお彼岸時期に日経平均がその年を通じて、あるいは少なく
とも前半の安値となっているケースは多く見られます。節分を境とし出来高が細り、
お彼岸が買い場になる、と判断すればかなり当たっている教えです。
【全面高したあとの相場は怖い】
相場が底入れして、上昇に向かい始める時、多くの人が相場に対して自信を持って
いるわけではありません。業績がいいとか、新製品を売り出したといったことなどを
手がかりに、ひと握りの銘柄が買われます。それらの銘柄がある程度上昇しますと、
それまで動いていなかった同業種の銘柄や発行株数の似通った銘柄、または、同じ
テーマの銘柄などが比較感で買われるようになります。
こういった展開の局面で、最初に買われた銘柄が調整しても2番手銘柄群がカバー
して全体相場としては上昇基調を続けます。出遅れ買いが広がっていくと、最後は
無配株までが割安となって買われ、さらに、最初に買われて調整していた銘柄が、
無配株の突き上げで、割り負けとなって買い直され、市場は全面高様相となります。
全面高した後の調整は支える銘柄がないため厳しい下げとなります。
東証1部の値上り銘柄数が、1000を超えたらほぼ全面高とみて注意するのがいい
でしょう。
【相場師は日柄を大切にする】
相場師といわれる人はいなくなりましたが、現在も相場経験の豊かな人ほど相場の
上昇、下降日数など日柄を大切にします。人の噂も75日といわれるように、時間が
経過するほど、好材料であれ悪材料であれ、消化され新鮮味が薄れてきます。値段
(株価)にこだわりすぎないように、という一般投資家へのアドバイスです。
【相場の最初は小型株から】
大きく下げた後の相場で、買い方は処分売りで損を出し意気消沈していますから、
次に買いなさいといっても中々腰を上げようとはしません。参加者が少ないわけです
から、少ない資金で反応する小型銘柄が中心になるという経験則からの教えです。
98年秋から2000年春の大きな相場でも、最初は小型の店頭株が大きく買われて
います。野球でも1、2番打者は足の速い、店頭銘柄のような人です。また、景気と
小型株の関係でも、ヒト、モノ、カネなど規模の小さい小型企業の方が良くなる時も
悪くなる時も早く影響が出ます。店頭株が大きく上げ始めたら本物相場、店頭株が
大きく下げてきたら全体相場は危険と判断することができます。
【相場は思った通りには動かない】
理外の理という格言とほぼ同じ意味です。もちろん、勉強や研究を重ねたからこそ
人類は月に行くこともできたのですから、理論を学ぶことは非常に大切ですが、人間
には感情がついているため、理屈だけでは推し量れないという教えです。
ましてや、利害が対立する株の世界では、たとえば、理路整然と相場展望を述べる
著名人がいたとすれば、その逆を行こうとする人が現れます。なぜなら、理路整然と
説明つくことは、相場には十分織り込まれているからです。とくに、あなたの周辺で、
投資経験の浅い人迄が、理路整然と相場を語るような時は相場は反対に動くことが
多いので注意が必要です。
【相場はすぐに止まらない】
この格言から、車は急に止まれない、という交通標語ができたようですが、まさに、
車も相場も動きのあるものですから、すぐには止まらないものです。車の場合は、
運転者の自覚の問題ですが、相場は多くの人が参加して動いているので、いったん
スピードが加速されると、簡単には止めることができません。
とくに、相場で厄介な点は、人の心理が一方方向に偏りやすいことです。このため
1度や2度の金利引き上げでは、相場はピ-ク打ちしませんし、反対に下げ止まって
欲しいと思っても、少々の金利下げでは底打ちしません。このため、「相場は楽観の
中で天井を打ち、悲壮感の中で底を打つ」という格言があるほどで、行くところまで
行くのが相場です。
【相場は相場に聞け】
人はだれでも、相場見通しに迷いを持つものです。上がると思ったのに動きが鈍く、
下げるだろうと思った相場が意外に下げない、といった動きはしょっちゅうです。
そんな時は、自分の我を通さず、一歩引き下がり、相場の動きに耳を傾けて謙虚に
なって下さいという言葉です。
【相場は高値圏では強くみえ、安値圏では弱くみえる】
人の気持ちは、目の前で起きている動きに影響を受けやすいという言葉。
株価が活況で、新値を追っているような時は、多くの人が買いのスタンスですから、
相場は強くみえるものです。反対に安値を更新しているような相場では、まだ下げる
気持ちになるものです。
一気に強気になったり弱気になる必要はなく、相場の勢いだけを見るのではなく、
高値圏では慎重、安値圏では、前向きの気持ちで相場を見ることが大切です。
【相場は夢と現実の間で揺れ動く】
小学生の時、我々 大人は修学旅行の事をあれこれ夢見て嬉しかったものです。
そういう時は、寒さの中を学校に通うのも、むしろ楽しいと感じたものです。昔は、
テレビが今のように普及していませんでしたから、知らない土地への憧れは、今の
子供たちに比べ大変強いものでした。しかし、今の子供たちも、勉強を頑張れば、
ゲーム機を買ってあげるといえばゲーム機を手にした時の夢を膨らませて頑張ります。
相場だって同じです。現実の姿より先行きを期待して動きます。現実が厳しければ
厳しいほど、夢に賭ける気持ちは強いのです。景気が悪い、企業業績が悪いという
現実を突きつけられると、誰しも及び腰となって、相場は下落しますが、明確な目標
(夢)があれば必ず相場は復調するという教えです。
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