2月最終週の日経平均は、3週連続で下落した。新型コロナウイルスの感染
拡大が、中国から世界各国へと広がりを見せ、5大陸すべてで感染者がでて
しまった。中国から韓国、イタリア、イラン等、都市封鎖の動きがでており
国によって、パンデミック商状。そんな中、米国がリーマンショックを凌ぐ
下落で、東京市場を追従した格好だった。
国内は、週明けにイベント、スポーツ、コンサートなど開催の延期、中止の
要請がある中、2/27に安倍首相の政治判断で、3月から春休みまで、小
中高校の休校要請が出され、唐突感ある表明があり、週末の日経平均は一時
1000円余り下落する場面もあった。米国では、大幅な利下げ観測もあり、
為替の円高で108円台にシフトし、売りが売りを呼ぶ商状となった。
新型肺炎の感染が、韓国、イタリアなど感染者増が他国へ波及すれば、世界
実体経済への悪影響が現実味を帯び、各国が非常事になる事が懸念されます。
結局、日経平均は、週間で2243円下落(↓9.59%)21142円と
なった。
さて、3月第1週(3/2~3/7)の主なイベントと予定は下記の通り。
週末のNY市場は、続落。3月相場入りとなるが、日米中の経済指標、個別
企業の月次売上高の開示で、新型コロナウイルスによる影響がどの程度出て
くるかポイントです。
国内は、コロナウイルス感染者推移とそれに伴う政府、日銀の特例の財政金融
政策の表明等があるのか、注目。
また、海外は、米での3/2のISM非製造業景況指数、3/4の2月ADP
雇用者者数、ISM非製造業景況指数や3/6の米雇用統計に注目です。
また、中国での3/2の2月財新製造業PMI、3/42月財新サービス業
PMI、3/5の2月財新サービス業PMI等にも注目です。
今週は、悪い経済指標が予想される中、米での感染拡大がみられるか、中国で
増加がゆるやかになるか、新型コロナウイルスの感染状況が、経済活動に影響
与えるので、この数値に注目しています。
新型ウイルス関連のニュースとNY市場が、日経平均の動向に強く影響を与え
波乱含みの相場展開が続きそうである。
ただ、日経平均は、PBRが1倍に近づいており、企業解散価値を下回る所で
押し目が入る事を想定したい。
新型コロナウイルスの感染拡大は、市中感染へと拡大の勢いが、減ってくる様
だと、売られ過ぎの買戻しも入りかもしれません。
休み明け、為替が108円程度の円高で収まる様なら、21000円台でおさ
まる相場展開を想定したい。
業績のしっかりした、インバウンドやサプライチェーンの影響が少ない銘柄で、
連れ安した押し目を物色する戦術が続きよさそうです。
日経平均、3月第1週(3/2~3/6)レンジ、20800 ~21900円
程度を想定しています。
1.3月第1週(3/2~3/7)主なイベントと予定
3/2
日本 伊藤園、ロックフィールド、HIS 各決算
日本 カーブスHD IPO
米 2月ISM製造業景況指数
中国 2月財新製造業PMI
イス イスラエル総選挙
3/3
日本 ダイサン、巴工業、タカショー 各決算
日本 2月国内ユニクロ売上速報
米 2月自動車販売
米 ターゲット、コールズ 各決算
米 シカゴ連銀総裁、質疑応答
米 クリーブランド連銀総裁、講演
米 大統領選スーパーチューズデー
豪 中銀政策金利
韓 第4四半期韓国GDP
マレ マレーシア中銀政策金利
3/4
日本 DyDo、タカショー、ウチダエスコ、内田洋行、アインD、泉州電
各決算
日本 Kids Smile HD IPO
米 2月ADP雇用統計
米 2月ISM非製造業総合景況指数
米 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
米 セントルイス連銀総裁、挨拶
中国 2月財新サービス業PMI
豪 第4四半期GDP
ブラ 第4四半期ブラジルGDP
3/5
日本 積水ハ、ラクーンHD、アルチザ、トップカル 各決算
米 1月製造業受注
米 第4四半期労働生産性
米 クローガー 決算
米 ダラス連銀総裁、講演
米 NY連銀総裁、講演
中国 2月財新サービス業PMI
英 カーニー英中銀総裁、講演
世 OECD
世 OPEC臨時総会
3/6
日本 日駐、ファーマフーズ、鳥貴族、ソフトウエア―サ、クミアイ化学、
ハイレックス、カナモト 各決算
日本 きずなHD、ウイルテックHD 各IPO
米 2月雇用統計
米 1月貿易収支
米 1月消費者信用残高
米 コストコホールセール 決算
米 シカゴ連銀総裁、イベント参加
米 クリーブランド連銀総裁、イベント参加
米 セントルイス連銀総裁、イベント参加
米 カンザスシティー連銀総裁、イベント参加
米 NY連銀総裁、ボストン連銀総裁、イベント参加
世 OPECプラス会合
3/7
中国 2月貿易収支
中国 2月外貨準備高
2.NY市場、為替/債券 各結果(2/28)
ドル円は一時107円台半ば近くと、ドル売り円買いの動きが加速した。
ロンドン市場で下値を支えた108円台半ばでいったんは下落を抑えたが、
その後割り込むと売りが加速。108円ちょうど近辺にも買いが入って
いたが、戻りが鈍く大台を割り込むと、ストップを巻き込んでの売りが
強まり、107円台半ば近くを付けた。
米債利回りの低下が優勢でドル売りが強まる場面も、米2年債、10年債
の大きな下げが重石となった形に。
米2年債は一時0.85%割れと、0.2%近く下げている。
米10年債も史上最低水準をはっきりと更新する流れ。新型コロナウイルス
感染拡大懸念が世界的に広がる中で安全資産の米債の買いが強まる展開と
なっている。
パウエルFRB議長が新型コロナウイルスの感染拡大懸念での利下げの
可能性を示したことも大きなドル売り材料となった。
市場では3月のFOMCでの利下げを見込む動きが一気に広がっており短期
金利市場ではほぼ織り込みが済むような格好となっている。
米株式市場も不安定な動きとなった。昨日1000ドル超の下げとなった
ダウ平均株価指数は、今日も寄り付きから大幅安となり、一時1100ドル
近い下げに。
節目の25000ドルを大きく割り込む動きを見せたが、下げ一服後に一転
して安値から800ドル以上も戻すという動きに。しかし、そこから再び
700ドルの下げと、大きな振幅が続いた後、引けにかけて買いが強まり、
25400ドル台と、安値からは700ドル以上下げ幅を縮めての引けに。
ナスダックはプラス圏まで戻して引けている。こうした不安定な株の動きも
円高につながる格好となった。
https://fx.minkabu.jp/news/135196
米国長期金利
2年債 0.927(-0.135)
10年債 1.160(-0.101)
30年債 1.681(-0.077)
NY長期債利回りが大きく低下する展開となった。
新型コロナウイルスの感染拡大懸念が世界的に広がる中で、安全資産と
しての米債を買う動きが一気に加速した。ここに来て今月の米FOMC
(連邦公開市場委員会)での利下げを見込む動きも広がっており、こちら
も利回り低下に寄与した。
米2年債利回りは心理的にも抵抗が大きいと見られた1.0%をあっさりと
割り込み、さらに大きく下落。0.90%、0.85%と下げが進み、一時0.8459%
まで低下する展開となった。引けにかけて調整が入ったものの、0.9289
%で引けている。
2年債はリスク回避に加え、10年債などに比べて利下げ影響を強く受ける
ことから利回りの低下(債券価格の上昇)が強まった。2月20日ごろまでは
1.40%、今週初め時点でも1.3%を付けていた所から大きく利回り水準が
低下する格好となった。
米10年債利回りも低下が続き、一時1.1143%迄。史上最低水準を大きく
更新する展開が続いている。10年債は今月一時1.7%近くを付けた。
今週初めでも1.4%台を付けており、そこからの低下。低下幅としては
相当に大きいが、2年債の動きがより大きく、金利のカーブとしては
ステーブル化している。
https://fx.minkabu.jp/news/135193
3.NY株式市場 結果(2/28)
NY株式28日
ダウ平均 25409.36(-357.28 -1.39%)
S&P500 2954.10( -24.66 -0.83%)
ナスダック 8567.37( +0.89 +0.01%)
CME日経平均 21065 (大証比:-15 -0.07%)
28日の米株式市場は、新型コロナウイルス感染拡大懸念が強まる中で
7営業日連続の続落となった。木曜日に1000ドルを超える下げとなった
後を受けての金曜日のNY株式市場であったが、時間外取引で売りが
出ていたこともあり、寄り付きから大幅な続落。その後一時下げ幅は
1100ドル近い所まで広がり、節目の25000ドルを割り込んで24681.01
ドルを付ける動きとなった。
しかし、下げ止まりを見せるとその後は300ドル前後の比較的大きな
振幅を経ていったんは大きく買い戻しに。25500ドル近いところまで
と、安値から800ドル以上も戻す場面が見られた。
しかしその後再びの25000割れと不安定な動きが続く。24800ドル割れ
を二度試すなど、株安の動きが継続したが、引けにかけて買戻しが入り、
前日比357.28ドル安の25409.36ドルと金曜日の動きの中ではかなりの
高値圏で引ける形となった。
ダウ平均の構成銘柄を見ると一時はほぼ全面安となったが、引けにかけ
ての買い戻しもあり、7銘柄がプラス圏。23銘柄がマイナス圏という動き。
市場の混乱を受けた金融株の売りと、新型コロナウイルス懸念での個人
消費関連の売りが目立つ展開で、マイナスの寄与度上位はホームセンター
大手ホームデポ、外食大手マクドナルド、銀行大手JPモルガン、ゴールド
マンサックスが並んだ。マイクロソフトなどがしっかり。
GAFA銘柄は不安定な動きの後、エヌビディアが大幅高。アルファベット、
フェイスブックなどもプラス圏。朝は買いが入ったネットフリックスが
マイナス圏。
https://fx.minkabu.jp/news/135192
4.NY市場、原油先物4月限/金先物4月限 各結果(2/28)
NY原油先物4月限(WTI)
1バレル=44.76(-2.33 -4.95%)
NY原油の期近は続落。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日
比2.35~2.33ドル安。その他の限月は2.34~1.28ドル安。
世界最大の石油の需要国である米国で新型コロナウイルスが流行する兆し
があり、外出手控えによる石油需要の減少が見通されている。米経済成長
を支える消費が腰折れする事による景気減速懸念も重し。サウジアラビア
とロシアを中心とした石油輸出国機構(OPEC)プラスは日量100万
バレルの追加減産を協議していると報道されており、需要見通しの悪化で
従来の日量60万バレルの追加減産から規模が拡大される方向にあるものの、
相場下支えには不十分であるとみなされている。
時間外取引から4月限は軟調に推移。通常取引開始後は43.85ドルまで
一段安となり、2018年12月以来の安値に迫った。ただ、安値からは
切り返して引けた。
https://fx.minkabu.jp/news/135185
NY金先物4月限(COMEX)
1オンス=1566.7(-75.8 -4.61%)
金4月限は大幅続落。中国発の新型コロナウイルスが世界中に蔓延する
兆候があるなかで景気減速を懸念した資金が金に流入していたが、今週
に入って金融市場はパニックに陥っており、現金を確保しようとする
投資家の利益確定の売りを金も浴びた。
https://fx.minkabu.jp/news/135181