山田歯科エクセレンスクリニック:山田忠生の歯医者人生&文化活動人生

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バークリー予防歯科医業の概要:32

2012-12-13 | 好結果をもたらす予防歯科医業:ロバートF.
宝塚仁川/山田歯科エクセレンスクリニック 歯科医師・山田忠生


1970年2月、アメリカ歯科医師会の会長であるハリー・クレンダ先生が、アメリカ歯科医業管理学会において「個人開業の最近の動向」について講演を行った。彼が壇上に登ると、出席者たちは笑みを浮かべ、会場はなごやかな雰囲気に包まれた。かつて、この問題への取り組み方について意見を求まられた前アメリカ歯科医師会長は、「他の問題に移りましょう。」と答えたのだが、その言葉をクレンダ先生が引用すると会場から笑みが消えた。

しかし、幸いにしてクレンダ先生の講演内容は前置きされたほど悲観的ではなかった。その中で、彼が繰り返し強調したのは、個人開業の将来が明るいものになるかどうかは、歯科医師の能力が速やかに成熟し、社会の要求に応えて、さらに経済的にもその活動においても、適切な対処方法がとれるかどうかにすべてがかかっているということであった。

また、この席上で歯科保険に関する有力な権威者の一人であるニューヨークのローレンス・カー先生は、1975年までに国内のほとんどの労働組合が組合員やその家族のために大規模な歯科保険を導入するであろうと予見し、故ウォルター・ロイターが歯科医師会の委員会で述べた意見に触れている。ロイターによれば、歯科医師が十分に対応できるのであれば、労働組合はこの2年以内に2400万人の前払い患者を送り込むことが可能であるというのである。しかし、ロイターは実際にはこれほど多数の患者には対処できないと考えたが、この彼の不安ははずれてはいなかった。

さらに、ロイターは現行の歯科管理システムをきびしく非難した。彼の提言がすべて現実的であるというわけではないが、その考えは大いに注目に値する。ロイターの意見に腹を立てるのではなく、そのいくつかについて考えてみるのも悪くはない。外部からの批判に関して、ピーター・ドラッカーは次のように述べている。「大企業は最高の知力を投入して、根本的な変化を図ろうとするようなことは行わず、エネルギーを少しずつ消費して、ただ昨日の命を少しでもつなぎとめようとする、絶望的な努力を払う。しかしこのような場合、往々にして企業外の想像力豊かな知識人が機会を見つけて、事を行うものである。彼らの生み出す結果は大金亜衝撃を与えることだろう。」
労働組合は将来を見越して独自の診療所を設置してきたが、これには多額の費用をかけているのである。しかしこの診療所は大きな衝撃となり、歯科医療に二者択一を迫っているのである。



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