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潜水機、盗まれ事件

2016-12-26 19:34:30 | 軍事

 

以下文は、BBC・NEWS JAPAN、The National Interest等々の一部記事を参考にしています。(12月17日、中国側が盗んだ潜水機(ノルウエーのkONGS bERG社「対艦ミサイル、射撃管制装置等製造会社」の子会社、米国kONGS BERG社製 無人調査機・ドローン)を、米側に返還すると決まっています。)

 

過去の中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(英語版)では、中国が米国の無人水中探査機を奪った問題で、中国の軍事専門家は南シナ海で米国の水中無人機を捕獲したのは初めてではないと述べています。今回問題が大きくなったのは、捕獲した無人機が新型で貴重なデータを収集していたことから、神経質になった米国が騒いだためだと言われています。米国は南シナ海で2001年ごろから水中無人機での活動を活発化、中国側も多数の米無人機を捕獲してきたようです。過去、海南省の漁民が南シナ海で外国の水中無人機を捕獲し、中国当局に引き渡したことも報じています。

 

アメリカ国防総省発表では、南シナ海のフィリピン・ルソン島の北西およそ90キロ海上で12月17日(04:30頃)、アメリカ海軍海洋調査船・ボウディッチが調査に使っていた無人の潜水機を回収しようとしたところ、接近してきた中国軍の艦艇に先にこの潜水機を引き揚げられ奪われたということです。

潜水機は、海底の地形や海水の温度と塩分濃度といった潜水艦の活動などに必要な軍事用のデータを集めていましたが国防総省は、機密情報は含まれていないとしています。

海洋調査船は回収作業の数日前から中国軍の艦艇に追尾されていました。回収に取りかかるため潜水機に500メートルの距離まで近づいた段階で、中国軍艦艇に割り込まれ盗まれたと言うことです。その場で無線を通じて返還を求めましたが、中国側無視して立ち去ったということで、国防総省は外交ルートで中国政府に即時の返還を求めるとともに、強く抗議したということです。

米海軍所属、海洋観測船(艦)・T-AGS-62「ボーディッチ」とは・・・
1996年6月竣工、MSC(U.S NAVY Military Sealift Command)所属でマルチナロービーム・ソナー、曳航ソナー、ROVを装備、全周旋回式プロペラ、バウ・スラスターも装備し高度な操艦が可能と言われています。

満載排水量4260㌧、全長100、28㍍、幅17、68㍍、喫水5、49㍍
主機 EMDディーゼル4基(ディーゼル・エレクトリック・ディーゼル発電機4基、モーター2基)、出力8520kw、速力16ノット、乗員 民間人等25名(科学者等30名便乗可)、小火器等積載

南シナ海域は水深、塩分濃度等、海洋気象も複雑な海域と言われています。この地域で本格的に米軍が潜水艦活動をするには必要不可欠なデータで、今後米軍は南シナ海域での潜水艦での本格的対中国活動を視野に入れていると思います。

 

以下は、アメリカの外交専門誌、The National Interestに寄稿したアンドリュー・エリクソン米海軍大学准教授の記事の中の極一部を参考にしています。潜水艦戦に興味がある方は是非、The National Interestを見られたら面白いです。日本文もあると思います、グーグルでもヒットすると思います。

アンドリュー・エリクソン准教授は、ASW(対潜水艦戦闘、Anti-submarine warfare)に精通、注目されている方です。米国、同盟国益等に適った南シナ海への本格的潜水艦派遣

運用では、水温と塩分濃度等々が違うだけで境界線ではソナーが跳ね返されてしまう等問題が生じると言われています。音波の伝わり方(音波伝搬)の変化が大切だと言われています。

特に、米軍が中国の人工島付近で潜水艦活動を行うためには、より近くの水深、塩分濃度、水温、天候などのデータと特質をより多く深く把握する必要があると言われています。

 

素人ながら考えると、今回の無人潜水機盗みは不思議な事案、事件?の一つですね。

人工島近辺の米国の海洋調査(潜水艦用)で、頭にきた中国軍の米軍潜水艦封じ込め、事前強行策なのか?

それにしてもビックリ仰天、米船の目前で盗むとは?

横須賀出航・・・南シナ海・観測地域到着(フィリピン・ルソン島の北西およそ90キロ海上、その前には中国人工島間近で調査)、観測船は数日前から中国艦船に追尾されており、当然盗まれる直前まで上級司令部と繋がっていたでしょうから、当然、奪取等々の可能性も想定していた?と思えますが・・・

普通に考えれば、フィリピン・ルソン島の北西およそ90キロ海上、数日前から中国艦船に追尾・・・追尾開始された時点で米軍艦船、P―3C等々による継続的な護衛を要請すればよかったのでは?(昨今の南シナ海には米艦艇は一部展開しているとも言われています。)

数日あればフィリッピンの目と鼻の先、南シナ海の米軍艦船、嘉手納基地のP-3C等は十分余裕で護衛、監視等出来たと思います。

米海軍所属の観測船は当然国際法上も権利、正当性があるので小火器等(射程距離等の問題もありますが・・・)も積載しており中国側艦船が接近した時、威嚇射撃等々、何故対応しなかったのか?

米船が対抗、強行策を講じて盗まれたのであれば理解できますが・・・見てる前で何もせず盗まれる(報道上は)・・・不思議と言えば不思議な事案、事件?にも思えます。

 

今後、南シナ海での米軍の活動が増えると思います。平時に潜水艦が潜るだけで撃沈される事はないようで、例え領海内に進入してもそれだけで攻撃対象になることも無いと思います。

確か、国際法で領海内でも無害通航権というものが保障されており、ただ通行するだけであれば、海上、潜行?していようが合法的行為のようです。停船、臨検は許されていないようです。
明白な有害行為が認められれば勧告後撃沈も可能ですが、有害行為を立証する事が難しいと言われています。領海侵入程度で撃沈するのは国際法違反となるようです。

 

12月17日、国防総省のピーター・クック報道官は文書で、中国当局と直接やり取りした結果、UUVの米国への返還で中国との間に了解を得たと述べています。(BBCニュース)

次期トランプ大統領の対中国策は、大変興味があります。

中国は軍事に関しては、孫子の兵法に徹した策をとると思います。

 

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