極東アジアの真実 Truth in Far East Asia

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厳しい世界・軍事の現実

2020-01-15 09:14:58 | 軍事

以下文は内外のメディア報道等々を一部参考に記しています。不適切な文があるかも知れません、その箇所はスルーして下さい。

 

私達は世界観等々を日本人と同じ感覚で論じることが多いように思いますが、現実の世界、特に軍事は私達日本人の考えとは違い、厳しく、薄情に思えるかも知れません。戦後の私達日本人はあまりにも平和の上で胡座(あぐら)をかき、厳しい世界の現実・軍事から逃避している面があるかも知れません。

昨今のイランのウクライナ機撃墜、一番の対敵国米国でさえ厳しくイランを非難しませんし、カナダ、ウクライナも不思議と厳しい反イラン策を取っていません、何故でしょうか・・・イラン政府は撃墜を認め、厳しい口調で自国のミサイル発射等の関係者を批判していますが、国際社会に対するパフォーマンスに過ぎなく、本音は今回の撃墜は仕方ないと思っているでしょう。過去の事例では、アメリカ、ソ連、イスラエル等々の民間機撃墜がありますが、一説では撃墜手順等で行われていたとも言われており責任者が重罰にされたと言う話は無いようです。

一般論として、世界の先進国等の多くの国では国家防衛、治安秩序等々のため、国内等状況を平時、準戦時、戦時(戦時は、更に戦時区分の上に厳しい区分があるようです。)等の区分を設けているとも言われています。私達日本人からしたら不思議に思うかも知れませんが、世界から見たら常識とも言われています。この区分は軍事的には極めて大きな意味を持ちます。

 

今回のイランのウクライナ機撃墜はイラン国内の最高度の“戦時下”でイラン重要軍事施設上を直進しようとしていると判断?した結果(一般論では戦時下の軍事施設に直進飛行は敵対行動となります。)、起きたと言えそうで軍事的に見たら起こりえることだと思います。アメリカ、ウクライナ、カナダ等はイランを強く非難できない理由の一つかも知れません。

アメリカ・トランプ大統領はイランのミサイルによる撃墜をやんわりとミサイル部隊がミスした可能性があると発言していました。イラン側は、このような状況を作ったのはアメリカだと非難していますが、多くの日本人はイランの理屈に大きな疑問を感じると思います。

イラン革命防衛隊のハジザデ司令官は、防空システムの操作者が上官の許可を得ずにミサイルを発射させたとの認識を示しているようですが、イラン軍ミサイル発射手順に基づき発射したと思うのが自然で末端の操作者に責任を負わせているように思え、どうしても高度の軍事秘である敵味方の識別、ミサイル発射手順等を公にしたくないかも知れません、最終的には緊迫戦時下でもあり、軍に対する責任は無しとするでしょう。

勿論、イランが国内の“平時”に民間機を撃墜したら如何なる理由があるにせよ世界から厳しく非難、責任を追及されて当然でしょう。

 

今回のウクライナ機撃墜について報道されていない一面が潜んでいると思います。それはイラン国内“戦時下”でのミサイル運用です。今回のウクライナ機の延長線上にはイランの重要軍事施設があったとも言われています。唯、飛行禁止空域(空域侵入機は世界の何処の国も“戦時下”では未確認機、対敵飛行を取る旅客機でも要撃されると思います。)が設けられていたか、戦時下のノータム(航空情報の一種で航空関係施設、業務、方式と危険等に係わる設定や状態、変更等についての情報)等々が民間旅客機であるウクライナ機等に発出されていたか、ウクライナ機は厳しいイラン国内戦時下での飛行を何故行ったか・・・普通、厳しい戦時下の国で民間機を飛行させるのは極めて大きな疑問が残ると思います。イランが米軍基地へのミサイル攻撃を行った直後で、何時米軍の反撃があるかわからない緊迫戦時下での民間機運行は自殺行為にも等しいと思います。

“平時”にこのような飛行を民間機がとった場合、軍事施設、飛行禁止空域に侵入しようとしても一般的にはミサイルの発射はないと思います。

この区分が“準戦時”になった場合は状況によりミサイル発射の対象になる可能性があると言われていますが、ミサイル発射にはワン・クッション置いた状況でしょう。

但し、厳しい“戦時下”の場合は極めて大きく状況が変わり、飛行禁止空域が無くてもイランの重要軍事施設に対敵直進飛行等をした場合は民間機であってトランスポンダー等の識別信号があっても意味をなさないとも言われています。ミサイル操作者は軍事施設に直進飛行(特に戦時下では敵対行動)しようとしたと判断した結果、ウクライナ機にミサイルを発射したと思います。このような運用判断は先進国でも同様とも言われています。米国等が”厳しく非難しない理由”はここにあると思います。

 

当時、イランはイラクの米軍基地にミサイル攻撃を仕掛けており、米軍側から反撃が予想され“戦時”区分で、更に戦時区分上に設けられるとも言われる“最高度の戦時体制”を敷いていたと思います。

何度も記しますが、何故、民間機がこのような時期、時間に運行されていたか・・・逆に言えば民間機と言えどイラン軍の最重要施設に対敵行動に当たるような直進等飛行をする可能性がある場合、厳しい現実に直面すると思います。イラン側はミサイル発射の操作者の判断時間は厳しく10秒程度であったと発言していました。

基本的には軍事運用は、“戦時下”で迷った場合、最悪を考えて民間機かも知れない、民間機を装った軍用機等々、最終的には対敵行動が問題にされると思います、対敵行動と判断された場合。当然、民間機といえど厳しい結果になるでしょう。

平和に芯まで漬かった私達からすればビックリするでしょうが、これが世界の現実、軍事の現実と思うべきです。このような薄情な対処をするのは世界の軍事常識でしょう。

今回のイラン側の大きな問題はミサイル撃墜を世界に対し隠したこと、破片の一部を隠すために裏で処理したことに尽き、厳しく非難されるべき行為でしょう。平和を常に享受してきた私達日本人には理解が難しいかもしれません。軍事常識では私達日本人の常識は世界では通じないことが多いとも言われています。

 

私達からしたら民間機である旅客機をミサイルで撃墜すると言うことは非人道的で言い訳は問答無用と思われると思います。この考えはもっともだと思いますが・・・世界の多くの国々は自国の策は正しいと信じていると思います。

よく考えてみると、私達日本人は常に世界は平時状態であり、平時を基準にした思考が多いように思います。メディア等の情報を鵜呑みし世界の一面のみを見て判断しているかも知れません。ウクライナ機撃墜も冷めた目で見ることも必要かも知れません。本当のイランを知ることは現在の内外のメディア等の情報で知ることは不可能に近いかも知れませんが、自分なりに知る方法は幾らでもあると思います。

私達日本人が思うように世界は綺麗ごとばかりではないようです。今回のウクライナ機撃墜も、悲しいかな善悪を抜きにして単なる世界の事実として後世へ語り告がれるでしょう。

本当に世界の国々が仲良く、切磋琢磨し手を取り合うような時代は夢でしょうか・・・

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