仮題「心なき身にもあわれは知られけり」
(5)のつづき
絶対的な存在である神の子孫として降臨した天皇は代を繋ぐごと
に世俗化することは避けられない。皇室は絶対的な神の血統を穢さ
ないために近親婚を繰り返すほかなく、しかしそれは生物進化論に
逆行した退化ではないだろうか。神へと繋がる皇国史観の下では時
代を経るごとに神から遠ざかることになる。神なき後の世界はひた
すら相対化された穢れた世界にほかならない。「真の世界」は古(い
にしえ)にしかない。こうしてわれわれは絶対者が君臨する伝統文化
へ回帰しようとするが、決して理想を将来に求めようとはしない。
ところが、サルから始まった人類進化は、サルへと回帰するわけに
はいかないので、未来にしか人類の理想を求めない。
酔ったので(つづく)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます