「二元論」(17)をまとめるための試稿の改稿のつづき

2021-09-21 06:50:18 | 「二元論」

     「二元論」


   (17)をまとめるための試稿の改稿のつづき


 「存在とは何か?」を問う形而上学は、プラトン・アリストテレ

スによって存在を永遠不変の真理である「本質存在」と、生成変化

する仮象である「事実存在」に二分され、ソクラテスの弟子プラト

ンは「本質存在」こそが真の存在であるとする「イデア論」を説い

たが、それはのちに中世ヨーロッパではキリスト的世界観である神

の世界へ受け継がれ、そして近代では形而上学的思考は「理性」と

して、そこで「事実存在」としての自然(ピュシス)は制作(世界を作

り変える)のための単なる資料・材料として扱われる。それでは形而

上学以前の思想家たち、つまり「フォアゾクラティカー」と呼ばれ

る思想家たちは、名前が残っているのはアナクシマンドロス、ヘラク

レイトス、パルメニデスたちだが、彼らはいったい〈存在〉をどのよ

うに考えていたのだろうか?彼らはもちろん世界が存在することの不

思議に驚いたが、しかし「存在とは何であるか?」、つまり「存在の

〈真理〉」など追い求めたりはしなかった。

                       (つづく)


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