読書「働かないアリに意義がある」長谷川英祐著
メデイアファクトリー新書
筆者は北海道大学教授で進化生物学の専門家である。長年にわたるアリ社会の観察研究から、アリの社会では働かないアリが7割もいることを見いだしたという。
働きアリでありながら働かずただぶらぶらして消費だけして生きているらしい。しかし、働きアリが忙殺され疲れはてた場合には、これら働かないアリが働きアリとして表にでてくるというのである。
全ての働きアリが目前の業務に追われ、効率一点張りの社会ではなく、もしもの時に備えて働かないアリが控えているというのである。筆者はアリの世界から人間社会が見習うべき点があると主張している。
基礎研究の必要性、一見無駄のように思える研究や仕事や機能など、短絡的にとらえてはならない。長い目で判断することが必要であると訴える。
私の考えでは、会社などでの労働を求められるところでの”働き”は、それによって賃金が払われるわけであるから、”働き”の内容もおのずから賃金に見合うもので計られる。
しかし、人生において”働き”とは、もっと奥が深く、生きるとはどういうことかという観点からみられなければならないという視点に立つ。
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