大井川浪に塵なし夏の月 松尾芭蕉
私の知る大井川は新幹線や東名高速道路で通過する一瞬の川である。川幅が広く水がかれ、石がむき出しで、昔の大井川のイメージは生まれない。東海道の難所の一つで台風やにわか雨による増水で川止めされる。普段の渡りには広重の絵が物語る。この句は汚染のない時代と芭蕉の自然を捉える感覚である。夏の月を持ってきたのがよい。最晩年の元禄7年である。
私の知る大井川は新幹線や東名高速道路で通過する一瞬の川である。川幅が広く水がかれ、石がむき出しで、昔の大井川のイメージは生まれない。東海道の難所の一つで台風やにわか雨による増水で川止めされる。普段の渡りには広重の絵が物語る。この句は汚染のない時代と芭蕉の自然を捉える感覚である。夏の月を持ってきたのがよい。最晩年の元禄7年である。