おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

共用部分である旨の登記に関して

2023-08-22 | マンション管理関連試験等サポート   

 

不動産登記のサマザマな手法には 感動さえ 覚えることがあります

利器 - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)

奥が深いですね

不動産登記については <不動産登記入門> という類の基本の基本を述べている

ようなテキストで ひととおり 知識を吸収してから学ぶほうが 好いのでは と 

自身の場合は 相談者さんに説明させていただいています

< 出題ポイント要点集 > や < 条文だけで済ましてしまう学習> ではナ

カナカ意味がつかめないまま 苦手意識が拭えないままの断続学習になってしまう

のでは と 思われるからです

なんとかスケジュールに 基本知識吸収タイムを組み込んでみては と アドバイス

させていただき 理解不能部分を抽出し質問していただき 集中説明する という手

法で進みます

基本中の基本のところは 体当たりでナントカ 独習でも理解可能 と 思われるも

のですから・・・

マンション管理士試験での不動産登記法は それなりの学習済みでなければ過去問丸暗記

式では 新顔登場の場合は お手上げかもしれません(もっとも 過去問丸暗記知識の類

推で済まして トニカク合格をという手法も あり得るでしょうか  超短期合格必須の

方ですと 一問の範囲学習に 大雑把な表現でスミマセンが50問分の1問以上の学習タ

イム(エネルギー)を費やすのは決心が要りますでしょうから・・・

もっとも マンション管理士試験受験者の40%ほどの方は管理業務主任者試験合格者で

その合格者ではなくとも 他の不動産関連資格試験などで それなりの登記関係知識を持

っている方が多いはずなのですが ?

 

 

さて

本日の マンション管理士試験過去問学習です

 

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2016年度

【問 18】 

区分建物の専有部分を規約による共用部分に変更した場合における、共用部分である旨の
登記手続に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定による正誤を答えよ。

1 共用部分である旨の登記は、当該共用部分である旨の登記をする区分建物の、所有権
  の登記名義人以外の者は申請することができない。



2 共用部分である旨の登記は、当該共用部分である旨の登記をする区分建物に所有権の
  登記以外の権利に関する登記があるときでも、当該権利に関する登記に係る登記名義
  人の承諾を得ることなく申請することができる。


3 共用部分である旨の登記申請に際しては、当該区分建物について、表題部所有者の登
  記又は権利に関する登記の抹消についても申請しなければならない。



4 共用部分である旨を定めた規約を廃止した場合には、当該区分建物の所有者は、当該
  規約の廃止の日から1ヵ月以内に、当該区分建物の表題登記を申請しなければならない。

 
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1 について                           誤 り

 所有権の登記名義人だけではなく 表題部所有者も申請可能である
 
 共用部分である旨の登記は 共用すべき区分所有者全員が申請するのではなくて
 共用部分とされた建物の所有権者の申請による


 下記 58条 2項 を 参照ください

 

 

2 について                           誤 り

 当該権利に関する登記に係る登記名義人の承諾を得る必要がある

 権利を持つ者である登記名義人のその権利を 共用部分である旨の登記を為す
 ことで承諾もなく消し去ることが許されないのは 当然のことと解される


下記 58条 3項 を 参照ください

 

 

3 について                           誤 り

 登記官は 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは
 職権で当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなけれ
 ばならない とされているので 肢における登記の抹消についての申請は必要ない

 共用部分である旨の登記をしたときは民法177条の適用が排除され(区分所有法
 11③)表題部所有者の登記又は所有権その他の権利の登記を抹消することになり
 以後には権利に関する登記をすることができなくなるので 共用部分である旨の登
 記をするときは 登記官は職権で表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消
 しなければならないとされます


下記 58条4項 を 参照ください

 

 

 

4 について                          正しい

 共用部分である旨を定めた規約を廃止した場合には 当該区分建物の所有者は 当該
 規約の廃止の日から1ヵ月以内に当該区分建物の表題登記を申請しなければならない

 
 規約共用部分だったものが共用部分でない状態に戻るということは 専有部分(区
 建物)が復活するということです(付属建物でない限り)から 当該区分建物の所有
 者には自己の専有部分としての登記を備えることが求められます
 その建物は 民法177条の適用を受け 区分所有法11条が適用されない建物とな
 ります(共用部分でない状態に戻るということ
 この場合の登記手続きは 建物を新築した場合の建物の表題登記と同様の手続きによ
 るということになります


下記 58条 6項 を 参照ください

 

                    

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                  記

不動産登記法

(共用部分である旨の登記等)
第五十八条 
共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記に係る建物の表示に関する
登記の登記事項は、第二十七条各号(第三号を除く。)及び第四十四条第一項各号
(第六号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。

一 共用部分である旨の登記にあっては、当該共用部分である建物が当該建物の属する
一棟の建物以外の一棟の建物に属する建物の区分所有者の共用に供されるものであると
きは、その旨
二 団地共用部分である旨の登記にあっては、当該団地共用部分を共用すべき者の所有
する建物(当該建物が区分建物であるときは、当該建物が属する一棟の建物)

 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分である
旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記
名義人以外の者は、申請することができない

 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分又は団
地共用部分である建物に所有権等の登記以外の権利に関する登記があるときは当該権
利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である
場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を
含む。)承諾があるとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場
合にあっては、当該第三者の承諾を得たときに限る。)でなければ、申請することがで
きない。

 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、
職権、当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなければ
ならない。

5 第一項各号に掲げる登記事項についての変更の登記又は更正の登記は、当該共用部
分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の所有者以外の者は、申
請することができない。

 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について共用
部分である旨又は団地共用部分である旨を定めた規約を廃止した場合には、当該建物の
所有者は、当該規約の廃止の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければ
ならない。

7 前項の規約を廃止した後に当該建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の
日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。

   規約を廃止した当時の所有者が登記を申請しないうちに所有権が移転した場合は
    所有者が所有権を取得した日から1月以内に 建物の表題登記を申請しなければな
    らないということです

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                          
                        
                                

 

 

 

 


役員の権限など

2023-08-21 | マンション管理関連試験等サポート   

 

マンション管理士受験を決めた頃から 疑問だったこと が 自身にはあった
というか 今も ホボ 当時と変わらぬ レベルで 在る

『マンションは社会的資産でもある という言葉が世にはある
 ということは 社会との関わりある資産という面も間違いなくあるのだろう である
 なら 行政というか公の関与としての見守り役務(責務とでも言うべき)のようなも
 のが少しばかりはあっても好いのでは 
 というか 特に周囲への影響が必須という規模の膨大なものの進出などにはむしろあ
 って当然 なのでは と 自身には思えたのだ が・・・ 
 住居など超密集地にドカーンと超高層マンションが出現しても 建てて売ってしまえ
 ば分譲側はオサラバ
 <・・・あのとてつもなく高い建造物に部屋をお持ちの住民さんたちはどのような管
  理をしていくつもりなのだろう・・・他人事なのだけどトテモトッテモ気になって
  しかたがない のだけれど 誰か干渉というか イザとなったら というかイザと
  いうようなことが起こらないように アドバイスする権限を持つ部署はあるのだろ
  うか キットあるのだろうなー・・・そんなものが設けられていなくても 建てて
  しまえるし とにかく建ててしまえばというのは ?? 不気味 すぎるし・・・>

 分譲が済んだら あとのことは 専有部を買った者たちの私的財産なのだから自力で 
 ドウゾ という 実にキッパリと まさしく決別とした仕組み それらに おおよそ
 世はおしなべて不干渉 ? 超巨大マンション群にさえも・・・なのか・・・
 とにかく私的財産の管理運営に 余計な口出しはたとえお上であっても妥当でない
 という不文律が 今日もまた 住宅地にある超々突起物建築の群れの地さえにも歩き
 回っている・・・・違和感を拭えないままでいる・・自身・・』

 

 

さて

本日の マンション管理士試験過去問学習

 

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2019年度

〔問 30〕 

監事の職務や権限に関する次の記述のうち、標準管理規約〔単棟型〕による
適切/不適切を答えよ。

ア 
監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければ
ならず、また、理事が不正の行為をし、又は当該行為をするおそれがあると
認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。


イ 
理事が不正な行為をし、又は当該行為をするおそれがあると認めるときは、
監事は、理事長に対し理事会を招集するよう請求することができるが、一定
期間内に理事長が招集しないときは、その請求をした監事が理事会を招集す
ることができる。


ウ 
監事は理事会への出席義務があるが、監事が出席しなかった場合には、理事
の半数以上が出席していたとしても、理事会における決議等は無効となる。


エ 
監事は、理事長が解任され、後任の理事長が選任されていない間に、区分所
有者の一人が、規約で禁止している民泊事業(住宅宿泊事業法(平成29年法
律第65号)に定める住宅宿泊事業をいう。)を行っていることが確認できた
ときは、当該区分所有者に対し、規約違反行為の是正等のために必要な勧告
等を行うことができる。

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ア について                       適 切

 肢は 条文 ソノママ の内容です


下記 41条 4・5項 を 参照ください

 

 

イ について                                    

 肢のとおり 理事会の招集請求も 召集の通知が発せられない場合の理事会の招集を
 することも監事には可能とされる


下記 41条 6・7項 を 参照ください

 

 

ウ について                        不適切

 52条に規定する招集手続を経た上で第53条第1項の要件を満たせば理事会を開く
 ことが可能であり 監事が出席しなかったことは理事会での決議等の有効性には影響
 しない


下記 第41条関係コメント と 53条 を 参照ください

 

エ について                        不適切

 肢の場合 副理事長が遂行するのであり 監事はそれを行えない


下記 39条 67条 を 参照ください

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

                    記                 条文省略アリ

(副理事長)
第39条
副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるときは、その職務を代理し、
理事長が欠けたときは、その職務を行う。

      ※ 理事長が一時的に業務を遂行できない場合は理事長の代理として
        理事長が転出・辞任・死亡等で欠けた場合は 自己の名において
        業務を遂行する



(監事)
第41条
監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会
に報告しなければならない。

2 監事は、いつでも、理事及び第38条第1項第二号に規定する職員に対
して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができ
る。

3 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認
めるときは、臨時総会を招集することができる。

監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなけ
ればならない

監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがある
と認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会
の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、
遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない

6 監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、
事長に対し、理事会の招集を請求することができる

7 前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日
から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられな
い場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる

第41条関係コメント
② 第4項は、従来「できる規定」として定めていたものであるが、監事に
よる監査機能の強化のため、理事会への出席義務を課すとともに、必要が
あるときは、意見を述べなければならないとしたものである。ただし、理
事会は第52条に規定する招集手続を経た上で、第53条第1項の要件を
満たせば開くことが可能であり、監事が出席しなかったことは、理事会に
おける決議等の有効性には影響しない

(理事会の会議及び議事)
第53条
理事会の会議(WEB会議システム等を用いて開催する会議を含む。)は、
理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事
の過半数で決する。


(理事長の勧告及び指示等)
第67条
区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若しくはその
同居人(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に
違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行った
ときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正
等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



   暑い暑いと言っている間に 秋はきてくれる のでしょう

   けれど  "暑い"  と  また 事務所机に 言ってしまいました                  

 

                              


後継ぎ遺贈 ということなども思う

2023-08-20 | マンション管理関連試験等サポート   

 

 事業承継 の こと などとも絡んで・・・

〔 食堂としての建物とその敷地 を に与え の死後はにそれら不動産を移転する 〕

という内容の遺言は 有効か ?

いわゆる後継ぎ遺贈(後継ぎに順々に帰属させることとする内容 の 遺贈)の問題ですが

が処分してしまったなら への帰属のことは どうなってしまうのか ?

の債権者にその不動産を差し押さえられたら との関係もあるし どのような法的処理
になるべきなのか ?

などなど 論点は いろいろ

 

甲が保持しているのは 自分が生きている間の利用権 だとするような権利を 法的に認め得るか ?
遺言者が自分の死後の財産について 複数人に順々に帰属させるなどという行く末を調整すること
も許されるべきなのだろうか 
どの範囲までのことを 自己の遺志だけでカバーでき得るとするのが妥当なのか ? 

後継ぎ遺贈のことについては判例(最高裁昭和58年3月18日判決)もあったりしますが 現行
の法律上では有効性に争いがあって それらの点をハッキリと判示している判例が まだ存在して
いません

 

夫婦間において 自身の死後の相手の住処についての心配は ナンバーワン 重大なことでしょうね
相続人が他にいる場合は それらの者への考慮もあるでしょうから ナカナカ 考えをまとめること
そうとうなエネルギーを要せざるを得ないでしょうね

 

配偶者居住権の相談を受けているうちに

所有権を得るのではなく 無償で利用する権利 を 得る (利用させる側は所有権を有する
者とはなるのだが 利用側が健在である限り無償で終生利用を許さねばならない義務者となる
(期間を設け得るが)
とか 
遺言者の思いの尊重 
とか
残される者同士 当事者間においての より妥当な調整
とか

という言葉などから 後継ぎ遺贈のことを連想してしまったのでした

 

さて 

本日の マンション管理士試験過去問題学習 です

極く近年の問題

ですが しばらく 何度でも問われるであろう 重要な改正に係わることと思われます

 

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2020年度 

〔問 17〕 

甲マンションの 102 号室にAとBが同居し、AがBと同居したまま令和2年7月
1日に死亡した場合における次の記述のうち、民法の規定による正誤を答えよ。
ただし、AにはBのほかに相続人がいるものとする。

1 Aが配偶者Bに対し令和2年6月1日に配偶者居住権を遺贈した場合でも、
甲マンションの 102 号室がAとBとの共有であったときには、Bは配偶者居住
権を取得しない。


2 甲マンションの 102 号室がAの所有であり、BがAの配偶者であっても、配
偶者居住権を遺産分割によってBが取得するものとされず、また、配偶者居住権
が遺贈あるいは死因贈与の目的とされていない場合には、Bは配偶者居住権を取
得しない。


3 甲マンションの 102 号室がAの所有であり、Aが配偶者Bに対し令和2年6
月1日に配偶者居住権を遺贈した場合でも、BがAの内縁の配偶者であったとき
には、Bは配偶者居住権を取得しない。


4 甲マンションの 102 号室がAの所有であり、BがAの配偶者であっても、A
がBに対し令和元年6月1日に配偶者居住権を遺贈あるいは死因贈与した場合に
は、配偶者居住権を遺産分割によってBが取得するものとされない限り、Bは配
偶者居住権を取得しない。

 

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1 について                       誤 り

配偶者居住権に関する規定は 令和2年4月1日に施行されたので 肢における
配偶者居住権の遺贈は有効である
102号室を被相続人と配偶者とで共有していたのであり 被相続人の財産に属
した建物に相続開始の時に居住していたので 配偶者Bは配偶者居住権を取得す
る要件を充たしていることになり 配偶者居住権を取得する


下記 1028条 を 参照ください

 

 

2 について                       正しい

 配偶者居住権は 配偶者の居住権を保護するために認められた法定の権利なので
 発生原因となる法律行為についても法定されていて 遺産分割・遺贈・死因贈与
 に限定されているが 肢においてはそのいずれにも該当しないので Bは配偶者
 居住権を取得しない


下記 1028条 554条 を 参照ください

  ※ 被相続人は 生前に配偶者との間において配偶者居住権を目的とする死因
    贈与契約を締結することもできる
    〔死因贈与については その性質に反しない限り遺贈の規定が準用される〕

 

3 について                       正しい

 肢のBは 法律上の配偶者ではないので 配偶者居住権を取得しない
 (配偶者居住権は基本的には遺産分割等においての選択肢を増やすという趣旨で
  創設されたものだが 内縁の配偶者は そもそも相続権を有していないことな
  ど が 取得しない理由に挙げられている)

            ※ 〔配偶者という表現は 法律上の配偶者(婚姻によって
               ということを前提にしている言葉と解されていると
               思うので 
内縁の妻とは呼ぶが内縁の配偶者という
               表現はとても珍しく(自身にとっては
初経験 
               特に国家資格試験問題内に登場とはビックリ
               ・・・皆さんはいかがですか ?〕

 

4 について                       正しい

 配偶者居住権に関する規定は 令和2年4月1日施行でした
 配偶者居住権に関する規定は 施行日前にされた遺贈については適用されない
 ので 肢におけるBは配偶者居住権を取得しない


下記  附 則 (平成三〇年七月一三日法律第七二号) を 参照ください   

 

 

                 

 

                                                                               

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                                                                         記

 

(配偶者居住権)
第千二十八条 
被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産
に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当
するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全
部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」とい
う。)を取得する。
ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあ
っては、この限りでない

 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき
 
(死因贈与)
第五百五十四条 
贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈
関する規定を準用する。

 
 
附 則 (平成三〇年七月一三日法律第七二号)
 
(施行期日)
第一条 
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行
する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第二条並びに附則第十条、第十三条、第十四条、第十七条、第十八条及び第二十三条か
ら第二十六条までの規定 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定め
る日

(民法の一部改正に伴う経過措置の原則)
第二条 
この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に開始した相続については、この附則に
特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
          
(配偶者の居住の権利に関する経過措置)
第十条 
第二条の規定による改正後の民法(次項において「第四号新民法」という。)第千二十八条
から第千四十一条までの規定は、次項に定めるものを除き、附則第一条第四号に掲げる規定
の施行の日(以下この条において「第四号施行日」という。)以後に開始した相続について
適用し、第四号施行日前に開始した相続については、なお従前の例による。
 第四号新民法第千二十八条から第千三十六条までの規定は、第四号施行日前にされた
については、適用しない。
 

 

 

 

参 考
   配偶者短期居住権 の 条文を載せておきます 〔この施行 令和2年4月1日〕         

第二節 配偶者短期居住権
(配偶者短期居住権)
第千三十七条 配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、
次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める日までの間、その居住していた建物(以下こ
の節において「居住建物」という。)の所有権を相続又は遺贈により取得した者(以下この節において
「居住建物取得者」という。)に対し、居住建物について無償で使用する権利(居住建物の一部のみを
無償で使用していた場合にあっては、その部分について無償で使用する権利。以下この節において「配
偶者短期居住権」という。)を有する。
ただし、配偶者が、相続開始の時において居住建物に係る配偶者居住権を取得したとき、又は第八百九
十一条の規定に該当し若しくは廃除によってその相続権を失ったときは、この限りでない。
一 居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合 遺産の分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始の時から六箇月を経過する日のいずれか遅い日

二 前号に掲げる場合以外の場合 第三項の申入れの日から六箇月を経過する日

2 前項本文の場合においては、居住建物取得者は、第三者に対する居住建物の譲渡その他の方法によ
り配偶者の居住建物の使用を妨げてはならない。
3 居住建物取得者は、第一項第一号に掲げる場合を除くほか、いつでも配偶者短期居住権の消滅の申
入れをすることができる。

(配偶者による使用)
第千三十八条 配偶者(配偶者短期居住権を有する配偶者に限る。以下この節において同じ。)は、従
前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用をしなければならない。
2 配偶者は、居住建物取得者の承諾を得なければ、第三者に居住建物の使用をさせることができない。
3 配偶者が前二項の規定に違反したときは、居住建物取得者は、当該配偶者に対する意思表示によっ
て配偶者短期居住権を消滅させることができる。

(配偶者居住権の取得による配偶者短期居住権の消滅)
第千三十九条 配偶者が居住建物に係る配偶者居住権を取得したときは、配偶者短期居住権は、消滅する。

(居住建物の返還等)
第千四十条 配偶者は、前条に規定する場合を除き、配偶者短期居住権が消滅したときは、居住建物の返
還をしなければならない。ただし、配偶者が居住建物について共有持分を有する場合は、居住建物取得者
は、配偶者短期居住権が消滅したことを理由としては、居住建物の返還を求めることができない。

2 第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百二十一条の規定は、前項本文の規定により配偶者が相
続の開始後に附属させた物がある居住建物又は相続の開始後に生じた損傷がある居住建物の返還をする場
合について準用する。

(使用貸借等の規定の準用)
第千四十一条 第五百九十七条第三項、第六百条、第六百十六条の二、第千三十二条第二項、第千三十三
条及び第千三十四条の規定は、配偶者短期居住権について準用する。
 

 

 

                               

 

確かに難解な部分もあります けれど

2023-08-19 | マンション管理関連試験等サポート   



北海道では お盆が過ぎると 海水浴はとても無理 という気候となるのでした
〔今もそうだと思われます・・・が〕

たしかに 本年は 暑すぎるといえますね

暑い暑い との記事が続き スミマセン

くどいですが 体調 くれぐれもお気をつけて

 

さて 夏の太陽と ほんの少し というより 一瞬 自身はニラメッコ(したつもりで)

負けじとそれを気分転換の手段にして 

本日の マンション管理士試験過去問学習ブログ作成 です

 

 

2017年度

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〔問 18〕                   ※ 問い方を変え利用させていただいております

敷地権付き区分建物の登記等に関する次の記述のうち、不動産登記法(平成16年
法律第123号)、区分所有法及び民法の規定による正誤を答えなさい。


1 敷地権付き区分建物の敷地権が地上権である場合に、敷地権である旨の登記
をした土地には、当該土地の所有権を目的とする抵当権の設定の登記をするこ
とができない。


2 敷地権付き区分建物には、建物のみを目的とする不動産の先取特権に係る権
利に関する登記をすることができない。


3 敷地権付き区分建物の所有権の登記名義人の相続人は、区分建物と敷地権と
をそれぞれ別の相続人とする相続を原因とする所有権の移転登記をすることが
できる。


4 規約敷地を新たに追加し、敷地権である旨の登記がなされた場合には、当該
規約敷地に、既に区分建物に登記されている抵当権と同一の債権を担保する敷
地権のみを目的とする抵当権設定の登記をすることができる。

 

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1 について                           誤 り

 敷地権である旨の登記をした土地には 敷地権の移転の登記又は敷地権を目的とする
 担保権に係る権利に関する登記をすることができないのが原則となる
 敷地権とは 登記されている敷地利用権(所有権・地上権・賃借権)で分離処分可能
 規約が設定されていないものである

 肢の敷地権は地上権であり それとは別のものである所有権を目的とする抵当権設定
 の登記は禁止されない


下記73条2項本文 を 参照ください

 

2 について                           誤 り

 敷地権付き区分建物には 原則として当該建物のみの所有権の移転を登記原因とする
 所有権の登記又は当該建物のみを目的とする担保権に係る権利に関する登記をするこ
 とができない(ここでの〔担保権〕とは一般の先取特権・質権又は抵当権をいう)

 不動産の先取特権は 一般の先取特権・質権又は抵当権 とは異なるので 敷地権付
 き区分建物には建物のみを目的とする不動産の先取特権に係る権利に関する登記をす
 ることは可能である

      ※ 一般の先取特権は法律上債務者の一般財産すべてに生じるので建物の
        みに設定されるということはことがあり得ないので除外されるけれど
        特別の先取特権は法定担保物権として建物のみの上に成立し得る


下記 73条 1項・3項本文 を 参照ください

 

 

3 について                           誤 り

 第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地には 原則として 敷地権
 の移転の登記又は敷地権を目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることがで
 きない
 また 敷地権付き区分建物には 原則として当該建物のみの所有権の移転を登記原因
 とする所有権の登記又は当該建物のみを目的とする担保権に係る権利に関する登記を
 することができないので 肢の場合のそれぞれの所有権移転登記をすることはできな
 いことになる  


下記 73条2項本文 と 同3項本文 を 参照ください

 

 

4 について                          正しい

第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地には 原則として 敷地権の
移転の登記又は敷地権を目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができな
いけれど 本肢のように当該土地が敷地権の目的となった後にその登記原因が生じたも
のは 登記することを禁止されていない


下記 73条2項本文 と ただし書き を参照ください 
 

 

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                  記

不動産登記法

(建物の表示に関する登記の登記事項)
第四十四条 
建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
 建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物について区分所有法第二条
第六項に規定する敷地利用権登記されたものに限る。)であって、区分所有法第二十二条第一
項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分
と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権


敷地権である旨の登記
第四十六条 
登記官は、表示に関する登記のうち、区分建物に関する敷地権について表題部に最初に登記をす
るときは、当該敷地権の目的である土地の登記記録について、職権で、当該登記記録中の所有権、
地上権その他の権利が敷地権である旨の登記をしなければならない。

 
 
(敷地権付き区分建物に関する登記等)
第七十三条 
敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権一般の先取特権、質権又は抵当権をいう。
以下この条において同じ。)に係る権利に関する登記は、第四十六条の規定により敷地権で
ある旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有する。
ただし、次に掲げる登記は、この限りでない。

一 敷地権付き区分建物についての所有権又は担保権に係る権利に関する登記であって、区
分建物に関する敷地権の登記をする前に登記されたもの(担保権に係る権利に関する登記に
あっては、当該登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原
因及びその日付をいう。以下この号において同じ。)が当該敷地権となった土地の権利につ
いてされた担保権に係る権利に関する登記の目的等と同一であるものを除く。)

二 敷地権付き区分建物についての所有権に係る仮登記であって、区分建物に関する敷地権
の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生
ずる前に生じたもの

三 敷地権付き区分建物についての質権又は抵当権に係る権利に関する登記であって、区分
建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建
物の当該敷地権が生ずる前に生じたもの

四 敷地権付き区分建物についての所有権又は質権若しくは抵当権に係る権利に関する登記
であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登
記原因が当該建物の当該敷地権が生じた後に生じたもの(区分所有法第二十二条第一項本文
(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と
その専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない場合(以下この条にお
いて「分離処分禁止の場合」という。)を除く。)

2 第四十六条の規定により敷地権である旨の登記をした土地には、敷地権の移転の登記又
は敷地権を目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。
ただし、当該土地が敷地権の目的となった後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の
場合を除く。)
又は敷地権についての仮登記若しくは質権若しくは抵当権に係る権利に関す

る登記であって当該土地が敷地権の目的となる前にその登記原因が生じたものは、この限り
でない。

3 敷地権付き区分建物には、当該建物のみの所有権の移転を登記原因とする所有権の登記
又は当該建物のみを目的とする担保権に係る権利に関する登記をすることができない。

              ※ 相続・取得時効のような法律行為以外の原因により区分
                建物の所有権が他に移転した場合でも同様

ただし、当該建物の敷地権が生じた後にその登記原因が生じたもの(分離処分禁止の場合を
除く。)
又は当該建物のみの所有権についての仮登記若しくは当該建物のみを目的とする質

権若しくは抵当権に係る権利に関する登記であって当該建物の敷地権が生ずる前にその登記
原因が生じたものは、この限りでない。
 
              ※(分離処分禁止の場合を除く。)という表現は なんだか
                マギラワシイ感を抱いてしまいそうですが
                自身が使用させていただいている専門書などでは
                〔建物と敷地権が分離して処分される結果となっても
                 区分所有法上の分離処分禁止に当たらない場合
                 をいう〕

                 というような説明がなされています
                 〈なんだか わかったような そうでないような
                  不思議な表現ですね ← あくまで私感です 
                                 スミマセン〉

                「分離処分禁止の場合」 との表現については 
                〔法律上一体として処分することが要求されている場合
                 のこと〕 との説明がなされています
                
                
 
区分所有法

 
(定義)
第二条 
6 この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する
  権利をいう。

(分離処分の禁止)
第二十二条 
敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する
専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、
規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。
 
規約の設定、変更及び廃止)
第三十一条 
規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の
決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権
利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
 
(公正証書による規約の設定)
第三十二条 
最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、第四条第二項、第五条第一
項並びに第二十二条第一項ただし書及び第二項ただし書(これらの規定を同条第三項におい
て準用する場合を含む。)の規約を設定することができる。
 
 
 

民 法
 
(先取特権の内容)
第三百三条 
先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者
に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。


第二節 先取特権の種類
第一款 一般の先取特権
(一般の先取特権)
第三百六条 
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
一 共益の費用
二 雇用関係
三 葬式の費用
四 日用品の供給


第三款 不動産の先取特権
不動産の先取特権
第三百二十五条 
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の不動産について先取特権を
有する。
一 不動産の保存
二 不動産の工事
三 不動産の売買
           
 
区分所有法 
(先取特権)
第七条 
区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所
有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債
権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に
備え付けた動産の上に先取特権を有する。
管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権につい
ても、同様とする。
2 前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
3 民法第三百十九条の規定は、第一項の先取特権に準用する。
 
 
  
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標準管理委託契約書

2023-08-18 | ◆ マンション管理業務  《 全般 》

 

 

マンションでお暮らしの方

管理会社へ管理委託なさっているのでしょうか ?

自主的な管理をなさっているのでしょうか ?

管理委託なさっているとすると 委託先との管理委託契約の内容は どのようになって
いますか ?

おおよそは 標準管理規約同様 標準管理委託契約書 というものがあるので それに

ホボ 拠っているのでしょうね 

標準とされているものと どこがどう異なっているのか(異なっていると妥当でない

ということではありませんが)役員になった場合などは特に 眺めてみることも大切な

ことですね

 

さて

本日の マンション管理士過去問題学習 です

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2017年度

〔問 32〕 

甲管理組合と乙管理会社との間の管理委託契約に関する次の記述のうち、「マンション
標準管理委託契約書及びマンション標準管理委託契約書コメント」(平成28年7月29日
国土交通省土地・建設産業局長通達)による適切/不適切を答えよ。


1 甲は、乙に管理事務を行わせるために不可欠な管理事務室等を無償で使用さ
せるものとし、乙は、乙が管理事務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費、
通信費、消耗品費等の諸費用を負担するものとする。


2 乙は、管理事務を行うため必要なときは、甲の組合員及びその所有する専有
部分の占有者に対し、甲に代わって、所轄官庁の指示事項等に違反する行為又は
所轄官庁の改善命令を受けるとみられる違法若しくは著しく不当な行為の中止を
求めることができる。


3 乙は、甲の会計に係る帳簿等を整備、保管し、当該帳簿等を、甲の事業年度
終了後、遅滞なく、甲に引き渡さなければならない。


4 宅地建物取引業者Bが、甲の組合員Aから、Aが所有する専有部分の売却の
依頼を受け、その媒介業務のために管理規約の提供を求めてきた。この場合、当
該管理規約が電磁的記録により作成されているときは、乙は、甲に代わって、電
磁的方法により、Bに提供しなければならない。

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1 について                        不適切

 乙管理会社は 管理事務室等を無償で使用できるし 肢にある諸費用の負担もしない


下記 6条・7条 を 参照ください

 

 

2 について                        適 切

 有害行為の中止要求についての 条文ソノママ の 肢 です


下記 11条 を 参照ください

 

 

3 について                        不適切

 会計に係る帳簿等を整備保管し 管理組合総会終了後に 遅滞なく 管理組合に引き渡します


下記のように 別表1の1(2)⑤甲の会計に係る帳簿等の管理  一 二  
に その旨が示されています

 

 

4 について                        不適切

 管理規約が電磁的記録により作成されているときであっても 電磁的方法により
 提供することが義務付けられているわけではありません
 管理規約が電磁的記録により作成されている場合には 記録された情報の内容を
 書面に表示して又は電磁的方法により 提供するものとするとされています


 下記 14条 と 同コメント を参照ください

 



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                     記

○○マンション管理委託契約書
○○マンション管理組合(以下「甲」という。)と○○マンション管理会社(以下
「乙」という。)とは、○○マンション(以下「本マンション」という。)の管理に
関し、次のとおり管理委託契約(以下「本契約」という。)を締結する。

(総 則)
第1条 甲は、本マンションの管理に関する業務を、次条以下に定めるところにより、
乙に委託し、乙はこれを受託する。

 

(管理事務に要する費用の負担及び支払方法)
第6条 
4 甲は、第1項の委託業務費のほか、乙が管理事務を実施するのに伴い必要となる水
道光熱費、通信費、消耗品費等の諸費用を負担するものとする。

(管理事務室等の使用)
第7条
甲は、乙に管理事務を行わせるために不可欠な管理事務室、管理用倉庫、清掃員控室、
器具、備品等(次項において「管理事務室等」という。)を無償で使用させるものと
する。

 

(有害行為の中止要求)
第 11 条
乙は、管理事務を行うため必要なときは、甲の組合員及びその所有する専有部分の占有
者(以下「組合員等」という。)に対し、甲に代わって、次の各号に掲げる行為の中止
を求めることができる。
一  法令、管理規約又は使用細則に違反する行為
二  建物の保存に有害な行為
三  所轄官庁の指示事項等に違反する行為又は所轄官庁の改善命令を受けるとみられる
  違法若しくは著しく不当な行為

四  管理事務の適正な遂行に著しく有害な行為
五  組合員の共同の利益に反する行為
六  前各号に掲げるもののほか、共同生活秩序を乱す行為

 

 

別表1の1(2)

甲の会計に係る帳簿等の管理
一  乙は、甲の会計に係る帳簿等を整備、保管する。
 乙は、前号の帳簿等を、甲の通常総会終了後、遅滞なく、甲に引き渡す

 

 

(管理規約の提供等)
第14条
乙は、宅地建物取引業者が、甲の組合員から、当該組合員が所有する専有部分の売却
等の依頼を受け、その媒介等の業務のために、理由を付した書面又は電磁的方法によ
管理規約の提供及び別表第5に掲げる事項の開示を求めてきたときは、甲に代わっ
て、当該宅地建物取引業者に対し、管理規約の写しを提供し、及び別表第5に掲げる
事項について書面をもって、又は電磁的方法により開示するものとする。
甲の組合員が、当該組合員が所有する専有部分の売却等を目的とする情報収集のため
にこれらの提供等を求めてきたときも、同様とする。

同条コメント
管理規約電磁的記録により作成されている場合には、記録された情報の内容を
書面に表示して又は電磁的方法により提供するものとする。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

  

                             

 はたけやまとくお の 守備範囲 - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)


連続出題のようなことも

2023-08-17 | マンション管理関連試験等サポート   

 

暑いです    体調はいかがですか・・

個人的なことで もうしわけないことを述べさせていただきたいのですが・・・ 夏本番
になり 自身は 事情が許す限り 
意識的に休養をとっています

そのタイミングは 極く シンプル

"あまり深くは論点を追究したいくない脳内情況であることを感じる 要するにボヨーン
として思考力に ダレ を感じる
(思考に疲労感がコビリツイテ拭いとれないヨ" との信号 が あるとき

能率が悪すぎる作業を 惰性で継続している(実は 形だけつながっていて 実がない
見かけだけの行為など)ことをスッパリ止めて 一休みする ということの実利を実感
することも この季節には 特に多いです
〔もっとも フレックスタイム制のようなことが可能な場面でのこと ですが〕

さて 本日の マンション管理士試験過去問学習

2019年度 と 次年度 続けての出題があった 個人情報の保護に関する法律 関連の問題

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2019年度

〔問 31〕 
管理組合における組合員の氏名等の取扱いに関する次の記述のうち、標準管理規約
(単棟型)及び個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)による適切/
 不適切を答えなさい。


1 組合員の氏名は個人情報の保護に関する法律で保護される個人情報に当たる
ことから、新たに区分所有権を取得して組合員となった区分所有者は、その氏
名を管理組合に届け出ることを拒否することができる。


2 高齢者等の災害弱者に係る情報は、個人のプライバシーに深く関わるため、
災害時等の、人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって
も、あらかじめ本人の同意を得ていない限り、地域の防災関係組織等に提供す
ることはできない。


3 組合員名簿の管理を管理会社に委託するに当たっては、氏名の届出の際に、
管理会社に対し情報提供することの同意をあらかじめ得ていない区分所有者の
氏名については、第三者提供に当たるので、管理会社に提供することはできない。


4 区分所有者の親族を名乗る者から組合員名簿につき閲覧請求を受けた理事長
は、その者が親族関係にあることが確認できた場合においても、直ちに閲覧請
求に応じることはできない。

2020年度

〔問 28〕 
管理組合の組合員の氏名等の情報提供及び提供された情報に基づき作成する組合員
名簿の管理に関するマンション管理士の次の発言のうち、標準管理規約[単棟型]
及び個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号)による、適切/不適切
を答えなさい。

1 
数年前に区分所有者が亡くなって以降、遺産分割につき相続人間で争いが継続して
いる場合には、区分所有権の帰属が確定するまでの間は、組合員の得喪の届出を求
めることはできません。


2 
組合員総数及び議決権総数の5分の1以上に当たる組合員の同意による総会招集を
行うことを理由として組合員の一人から組合員名簿の閲覧請求があった場合、改め
て組合員全員の同意を得るまでの間、その閲覧を拒否することができます。


3 大規模災害が発生してマンション内の組合員や居住者の生命や財産が失われる
おそれがあり、直ちに自治体や関係機関による救助救援が必要なときであっても、
管理組合は、組合員の同意を得なければ、自治体等の要請に基づき組合員名簿を提
供することはできません。


4 
管理組合は、組合員から提供された情報等に基づいて作成した組合員名簿について、
当初の目的には掲げていなかった目的のためであっても、改めて組合員の同意が得
られれば利用することができます。

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2019年度

1 について                          不適切

 管理組合の構成員が誰であるのかは 人の集まりの組織の管理運営上 最も基本的情報とし
 て把握しておかねばならない(共有者が誰であるかを知ることでもある)ことであり 
 法律で保護される個人情報にあたるということを根拠として〔そもそも個人情報保護法は
 取得のことそのものについてではなく 保護 に関しての法であると解釈できよう〕氏名
 の届け出の拒否は許されない
 組合員の資格を取得した者は直ちにその旨を書面により管理組合に届け出なければならない


下記 31条 を 参照ください

 

2 について                         不適切

 個人データの第三者への提供のことについて 肢のような場合に本人の同意なしでも提供で
 きることについて 個人情報保護法 に規定がある


下記 個人情報保護法 23条1項2号 を 参照ください

 

3 について                         不適切
 
 肢のような場合 第三者提供には該当しない とする規定が 個人情報保護法には存在する
 利用目的の達成に必要な範囲内において を前提にしているとして同意なくとも提供できる


 下記 27条5項1号 を 参照ください

 

4 について                         適 切                                        

 法律上の利害関係が必要となるので 親族関係にある というだけでは 利害関係があると
 いえず 閲覧請求に応じ得ない


下記 64条(関係コメントも) 49条関係コメント を 参照ください

 

2020年度

1 について                         不適切

 区分所有者が死亡し 相続があれば その時点で組合員の得喪が生じるので
 届け出を求めることは可能である


下記 31条 ・民法 898 899条 を 参照ください

 

2 について                         不適切

 本肢のような場合に 改めて組合員全員の同意を得るまでの間その閲覧を拒否することが
 できる とするよう規定はない 


下記 64条 を 参照ください

 

3 について                         不適切

 本肢のような場合 同意無くして第三者にデータ提供できることの規定が
 個人情報保護法には設けられている


下記 個人情報保護法27条1項2号 を 参照ください

 

4 について                         適 切

 個人情報取扱事業者は あらかじめ本人の同意を得ないで特定された利用目的の達成に
 必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならないが 改めて同意が得られるならば
 当初の目的には掲げていなかった目的のためであっても 利用することができるとされ
 よう


下記 個人情報保護法18条 を 参照ください
 

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               記               ※ 条文に省略部アリ


〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕
(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合
(届出義務)
第31条 新たに組合員の資格を取得し又は喪失した者は、直ちにその旨を
書面により管理組合に届け出なければならない。

〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕
(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合
(帳票類等の作成、保管)
第64条 理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳
票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による
請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合にお
いて、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。

コメント 第64条関係
① 第1項から第3項までにおける「利害関係人」については、コメント
49条関係①を参照のこと。

コメント 第49条関係
  第3項の「利害関係人」とは、敷地、専有部分に対する担保権者、差押
 え債権者、賃借人、組合員からの媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者等
 法律上の利害関係がある者をいい、単に事実上利益や不利益を受けたりす
 る者、親族関係にあるだけの者等は対象とはならない

《個人情報保護法》
(定義)
第十六条
2 
この章及び第六章から第八章までにおいて「個人情報取扱事業者」とは、個人情報デ

ータベース等を事業の用に供している者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。
一 国の機関  二 地方公共団体  三 独立行政法人等  四 地方独立行政法人

第二節 個人情報取扱事業者及び個人関連情報取扱事業者の義務
(利用目的の特定)
第十七条 
個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的(以下
「利用目的」という。)をできる限り特定しなければならない。

2 個人情報取扱事業者は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と関
連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。

(利用目的による制限)
第十八条 
個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定
された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。

2 個人情報取扱事業者は、合併その他の事由により他の個人情報取扱事業者から
事業を承継することに伴って個人情報を取得した場合は、あらかじめ本人の同意を
得ないで、承継前における当該個人情報の利用目的の達成に必要な範囲を超えて、
当該個人情報を取り扱ってはならない。

3 前二項の規定は、次に掲げる場合については、適用しない。
一 法令(条例を含む。以下この章において同じ。)に基づく場合
二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意
  を得ることが困難であるとき。
三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であ
  って、本人の同意を得ることが困難であるとき。
四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を
  遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得るこ
  とにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。


(第三者提供の制限)
第二十七条 
個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、
個人データを第三者に提供してはならない。
一 法令に基づく場合
二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得る
  ことが困難であるとき。
三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、
  本人の同意を得ることが困難であるとき。
四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行す
  ることに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該
  事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
 
 次に掲げる場合において、当該個人データの提供を受ける者は、前各項の規定の適用
については、第三者に該当しないものとする。

一 個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの
  全部又は一部を委託することに伴って当該個人データが提供される場合

民 法
(共同相続の効力)
第八百九十八条 
相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。

2 相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第九百条から第九百二条まで
の規定により算定した相続分をもって各相続人の共有持分とする。

第八百九十九条 各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


〈参考 メ モ〉・・・ マンション管理士試験には ここまでの区別については ? 
            とも思われますが
            トンデモナイことを 訊かれたりすることもあるので    
            ツイツイ 記しておこうかな ?? となって・・・
 
個人情報 ・ 個人データ ・ 保有個人データ は それぞれ 異なるものです

後者ほど いわゆる義務が重い〔 よりシッカリ と 管理すべき 〕 といえるでしょう

                               ※条文に省略アリ
(定義)
第二条 
この法律において「個人情報」とは生存する個人に関する情報であって、次の各
号のいずれかに該当するものをいう。

一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁
的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識する
ことができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。
以下同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用い
て表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定
の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それ
により特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
 個人識別符号が含まれるもの

(定義)
第十六条 
(定義)
第十六条 
この章及び第八章において「個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報
の集合物であって、次に掲げるもの(利用方法からみて個人の権利利益を害するお
それが少ないものとして政令で定めるものを除く。)をいう。
一 特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構
  成したもの
二 前号に掲げるもののほか、特定の個人情報を容易に検索することができるよう
  に体系的に構成したものとして政令で定めるもの

2 この章及び第六章から第八章までにおいて「個人情報取扱事業者」とは、個人
情報データベース等
を事業の用に供している者をいう。


3 この章において「個人データ」とは、個人情報データベース等を構成する個人
情報をいう。
 
4 この章において「保有個人データ」とは個人情報取扱事業者が、開示、内容
の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことの
できる権限を有する個人データであって、その存否が明らかになることにより公益
その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの以外のものをいう。
   ※ 特定の個人を識別できるもの(氏名など) 
     か 
     個人識別符号(カード番号など)が含まれているもの 
     が 個人情報
  
     個人情報データベース等を構成する個人情報
     が 個人データ
 
     個人情報取扱事業者が追加又は削除等を行うことのできる権限を有する個人データ
     が 保有個人データ
 
 

                        アイスコーヒー も 好いけれど  
                         夏でもホット ? 
                         (自身は好きなのです) 
 

共同生活の秩序を乱す について等

2023-08-16 | マンション管理関連試験等サポート   

 

お盆休暇の方も 今日あたりまでのお休みなのでしょうか ?

北海道に長いこといたのですが その地では 盆と正月 との帰郷などの

ことについては 当時(40年以上も前)は 『正月には是非とも実家に帰るが 盆は 
どちらかというと
帰省まではしない』
という友人が多かったように思えます

今は どうなのかな?

北関東に事務所を持っているのですが 当地は どちらかというと『盆には まず必ず

顔を見せに帰ってきてくれるよ』という方が多いように思います

 

それにしても 帰郷 そして 自宅へ帰り とてもエネルギーを要することでさぞ大変
でしょうが
一家そろっての行動ができる幸せも 同時に思うことなのでしょうね ?

 

 

さて
本日の マンション管理士過去問学習 です

2018年度

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〔問 31〕                   ※ 問い方を変え利用させていただいております

団地管理組合や各棟の区分所有者が行うことができる行為に係る次の記述のうち、
「マンション標準管理規約(団地型)及びマンション標準管理規約(団地型)コメ
ント」(最終改正平成30年3月30日 国住マ第60号)による、適切/不適切 を答えよ。

1 団地内のA棟内で、A棟の区分所有者が騒音、臭気等により共同の利益に反
する行為を行っている場合に、区分所有法第57条により当該行為の停止を求
める訴訟を提起する際には、訴えの提起及び訴えを提起する者の選任を、A棟
の棟総会で決議する必要がある。


2 団地管理組合の使用細則で、共用廊下には団地管理組合の承諾なく物置を設
置することが禁止されている場合、当該行為をしているB棟の区分所有者に対
しては、理事長が、理事会の決議を経て、その是正等のため必要な勧告又は指
示若しくは警告を行うことができる。


3 バルコニーを無断改造してサンルームを設置しているC棟の区分所有者に対
し、共同の利益に反する行為を停止させるための訴訟を提起する場合、その訴
訟の実施に必要となる弁護士費用を団地管理組合の管理費から拠出することに
ついてはC棟の棟総会の決議で足りる。


4 団地の近所に住んでいる者が、団地管理組合の許可なく団地内の敷地に不法
駐車をしているときは、理事長は、理事会の決議を経て、その自動車の撤去及
び損害賠償を請求する訴訟を提起することができる。


/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 

1 について                            適 切

 区分所有法第57条により当該行為の停止を求める訴訟を提起する際には 訴えの
 提起及び訴えを提起する者の選任を 棟総会で決議する必要がある


下記 72条  57条(区分所有法) を 参照ください

 

 

2 について                            適 切

 肢は 使用細則違反で 共同生活の秩序を乱す行為 を行った者に対し理事長が行える
 対処のことであり 
 条文 ソノママ といえる肢 です


下記 77条 1項 を 参照ください

 

 

 

3 について                            不適切

 管理費からの拠出に関してのことは 棟総会ではなく 団地総会での決議を要する
 〈管理費については 団地・各棟分を会計的に単一の項目として取り扱っている〉


 下記 44条・60条等 を 参照ください

 

 

4 について                            適 切

 団地管理組合の許可なく団地内の敷地に不法駐車することは不法行為なので 理事
 長は理事会の決議を経て その自動車の撤去及び損害賠償を請求する訴訟を提起す
 ることができる


下記 77条3項 を 参照ください

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



                     記

                                                                                                             条文に省略もアリ

(議決事項)
第72条
次の各号に掲げる事項については、棟総会の決議を経なければならない。

一  区分所有法で団地関係に準用されていない規定に定める事項に係る規
   約の制定、変更又は廃止

二    区分所有法第57条第2項、第58条第1項、第59条第1項又は第
       60条第1項の訴えの提起及びこれらの訴えを提起すべき者の選任

区分所有法
(共同の利益に反する行為の停止等の請求)

第五十七条 
区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をする
おそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分
所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、
又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。

2 前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければ
ならない。

3 管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、
第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起する
ことができる。


 

(理事長の勧告及び指示等)
第77条
団地建物所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若しく
はその同居人(以下「団地建物所有者等」という。)が、法令、規約又は
使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱
す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその団地建物所有
者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うこ
とができる。

団地建物所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したとき、又は
団地建物所有者等若しくは団地建物所有者等以外の第三者が土地、団地共
用部分及び附属施設において不法行為を行ったときは、理事長は、理事会
の決議を経て、次の措置を講ずることができる。

一 行為の差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求に関し、
管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行すること

二 土地、団地共用部分及び附属施設について生じた損害賠償金又は不当
利得による返還金の請求又は受領に関し、団地建物所有者のために、
訟の原告又は被告になること、その他法的措置をとること


 

(団地総会)
第44条
管理組合の団地総会は、総組合員で組織する。
団地総会は、通常総会及び臨時総会とする。

収支予算の作成及び変更
第60条
理事長は、毎会計年度の収支予算案を通常総会に提出し、その承認を得な
ければならない。

収支予算を変更しようとするときは、理事長は、その案を臨時総会に提出
し、その承認を得なければならない。

(管理費等)
第25条
団地建物所有者は、土地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、
次の費用(以下「管理費等」という。)を管理組合に納入しなければなら
ない。
管理費
二 団地修繕積立金
三 各棟修繕積立金

(議決事項)
第50条
次の各号に掲げる事項については、団地総会の決議を経なければならない。
四  収支予算及び事業計画

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

                            

 


監事のことなど

2023-08-15 | マンション管理関連試験等サポート   

 

お休み中の方も 多いのでしょうが

本日の マンション管理士過去問学習です

 

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2015年度

 

【問 27】                    ※ 問い方を変え利用させていただいております


監事に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)及び民法の規定による適切/不適切を
答えなさい。


1 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、監査結果について監査報告書を
  作成し、組合員に配布しなければならない。


2 監事を複数名選任している場合には、その複数名で協議のうえ、代表者を決めて監査結果
  を報告しなければならない。


3 監事は、管理組合の財産の状況又は業務の執行について、著しく不当な事項があると認め
  るときは、臨時総会を招集し報告することができる。


4 総会で理事及び監事の合計人数分の役員を選任し、選任された役員の互選により理事長、
  副理事長及び監事を選任することができる。

 
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
 
1 について                      不適切
 
 監査報告書の作成及び組合員への配布の義務付けは なされていない

 
 下記 41条1項 を 参照ください
 
 
 
 
2 について                      不適切
 
 協議のうえ監査結果の報告を行う代表者を決めて監査結果を報告をする というような義務
 付けの定めはない(各自独立して職務にあたる〈独任制〉 と 解されましょう)
 
 
 
3 について                      適 切
 
 肢のような事項があると認めるときは 臨時総会の招集そしてそこでの報告を行うことも
 権限(義務であるという面も)とされている

下記 41条 1項・3項 を 参照ください
 
 
 
 
4 について                      不適切
 
 監事は 総会の決議によって選任しなければならないので 肢のような手続きでの選任は
 許されない

下記 35条 2・3項 を 参照ください
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
                     記
 
(監事)
第41条
監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会
に報告しなければならない。

2 監事は、いつでも、理事及び第38条第1項第二号に規定する職員に対
して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができ
る。

3 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認
めるときは、臨時総会を招集することができる。

4 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなけ
ればならない。

5 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがある
と認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会
の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、
遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。

6 監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、理
事長に対し、理事会の招集を請求することができる。

7 前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日
から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられな
い場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。
 
 
(役員)
第35条 管理組合に次の役員を置く。
一 理事長
二 副理事長 ○名
三 会計担当理事 ○名
四 理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。) ○名
五 監事 ○名

2 理事及び監事は、総会の決議によって、組合員のうちから選任し、又は
解任する。

3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事会の決議によって、理事の
うちから選任し、又は解任する。

    外部専門家を役員として選任できることとする場合
2 理事及び監事は、総会の決議によって、選任し、又は解任する。
3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事会の決議によって、理事
のうちから選任し、又は解任する。
4 組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法について
は細則で定める。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
〈 参 考 〉

第4節 総会
総会
第42条 管理組合の総会は、総組合員で組織する。
総会は、通常総会及び臨時総会とし、区分所有法に定める集会とする。
3 理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2か月以内に招集
しなければならない。
4 理事長は、必要と認める場合には、理事会の決議を経て、いつでも臨時
総会を招集することができる。
5 総会の議長は、理事長が務める。


会社法
第八節 監査役会
第一款 権限等
第三百九十条 監査役会は、すべての監査役で組織する。
2 監査役会は、次に掲げる職務を行う。ただし、第号の決定は、
  監査役の権限の行使を妨げることはできない
一 監査報告の作成
二 常勤の監査役の選定及び解職
 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の
  方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定
 
 
 
                       

極く簡潔に示しておくことにします

2023-08-14 | マンション〔実務に到るまでをも含む 相談アレコレ〕

 

 

 

昨日のブログに関して 『損害賠償請求のあり方に差異があること 特に 根本のところ

みたいなところについて どうにも 理解ができない 理由付けあたりのことが どうに

も気になっている』

という質問が サッソク 届きました(学習支援をさせていただいている方からですが)

 

以下のようなことを 説明させていただいて ナントカ 7割の納得 という感じで

許していただきました(自身の力量では 資料の収集とか 参考解釈の整理には 率直

に言って 限界といえそうな壁があるので・・・残念ですし申し訳ないのですが)


 

〈説明させていただいた概略〉

損害賠償請求といっても 責任の種類によって弁護士費用の請求が認められるかどうかに
違いがあります

弁護士費用請求ができるか否かの違いは それぞれの責任の性質からきているといえます

債務不履行責任については 例として貸したお金を借りた人が返してくれないということ
を考えてみると 金銭をその人に貸すということを決めたのは貸した人自身です
借りた人が返さない(返すことができない)ことになる可能性は当人が想定することがで
きたはずといえるでしょう
回収するための手続が必要になるかもしれないことは想定内であったといえるのです
そうであるなら 回収のための費用は貸した者自身が負担するとする(つまり 弁護士費
用を債務者に請求できないことにする)という考え方になる
ということで 以上は 契約というものを行った当事者同士間 のことゆえのこと


一方 不法行為の場合については 例として交通事故を想定してみると 被害者はその事
故に遭うことなど自身の判断や選択があってのことでは モチロン ありません
あたりまえのことですが 被害者が害を加えた者を選んだ などということでないことは
当然のことです
不法行為というものの発生そのものが想定外であること なのです
そうして これも当然のことですが 被害者が賠償金を得るについてのリスクなどを認識
し覚悟していたなどとは到底いえないのです
そうであるので 回収のための費用を被害者に負担させることは避けなければならない
(つまり 弁護士費用を加害者に請求できるようにしておく)という考え方になります
契約というものを行った当事者間のこと とは おおいに異なる場面なのです


 

                                    


質問が多い肢

2023-08-13 | マンション管理関連試験等サポート   

 

 

 

気になる過去問であり 質問も多い肢を含んでいるので 問い方を変え 解説も要点をより
絞り 再度 載せさせていただきます

区分所有法及び民法の規定並びににより答える という問題でした

本日の過去問学習での問題を 仮に個数問題だとしても確実に解くには 以下のことあたり
を知って
いたかどうかでした

  ※ 『裁判で 賠償請求するとして 弁護士費用も請求できるのかどうかについて
     貸金を返してもらう場合 と ケガをさせられて賠償させる場合 とでナゼ
     扱いが違うのだろう お金を返してもらう場合には弁護士をつけてもその費
     要までは裁判上の請求に含ませることはできない と学んだけれど ドコが
     ドウち
がうからそのような差ができてしまうのだろう』 と疑問を持ったよ
     うな方は 
おおよそ 気になって より調べていた のでは・・・
〈しかし 本番試験では消去法で答え得る問い方であった(正解肢以外は条文ソノママと
 いうレベルのものだった)ので正解率は高かったと考えられます が・・・
 いわゆる実力ある受験者にとっては 一種の肩すかし的な心情になったではなかった
 かと 推察されてしまうのです(思考力・知識力などさほど必要なく答えられる一問
 だったので〉





 マンション管理費等滞納者に対する請求訴訟で要した弁護士費用 
を 

損害賠償 
として 
請求できるのか

相当因果関係にある損害(そのようなことが起きてしまった場合 それに関して費
やされ生じたものだとして滞納金同様に請求できることに問題は無い と 捉える
ことが 一般的に認められるべきもの)なのかどうか が 問われる
 ※ 滞納者から『そんなものまで 払わなければならないの ? 』と言われた
   場合に法的に対抗できるものかどうか ということ
   " どんな理由があって 滞納金のほかに弁護士費用の分などというものマデ
     モ払わなければならないんだ ” というような ゴタゴタが想定される



損害といっても 債務不履行によるもの と 不法行為によるもの とは異なる
不法行為の場合 <相当な範囲の額ならば 弁護士費用を含めての請求も
というのが 判例


 要旨の一部 
[ 訴訟活動において、一般人は十分に訴訟追行をなし得ない。
  不法行為の被害者が損害賠償請求訴訟弁護士に委任した場合の弁護士費用は、事案
  の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範  
  囲内で、相当因果関係に立つ損害といえる。    最高裁判決 昭和44・2・27]

ですが
金銭を目的とする債務の履行遅滞による損害賠償の額は、本条(民419)の反面とし
たとえ約定又は法定の利率以上の損害が生じたことを立証しても、その賠償を請求するこ
とはできず、弁護士費用その他の取立費用も請求できない
:同事件の別掲載要旨:
金銭債務の履行遅滞を理由とする損害賠償は、損害の証明を要しない反面として、約定
または法定の利率による額を超える損害が生じたことを立証しても、その賠償を請求す
ることはできない。弁護士費用その他の取立費用の賠償を否定)
                        (最判昭48・10・11)

 

請求額に含めてしまっていいのかダメか
その不履行通常発生する損害とはいえないからなのか
 419条の金銭債務の特則があるから弁護士費用は請求できないのか )
というような議論をもしなくていいように 
標準管理規約には 違約金(賠償額の予定)として弁護士費用も組み込まれています

 

金銭債務の不履行による損害賠償として 債務者に対し弁護士費用その他の取立費用を
請求することはできない(最判昭和48・10・11)というものがあるので 別途に
請求できる違約罰(賠償金ではなく 制裁金のようなもの)として弁護士費用を請求す
ることができるとして 標準管理規約に定められた と解されているようです
                      参照 (東京高判平成26・4・16)

(東京高判平成26・4・16)は 
〔管理規約の文言も「違約金としての弁護士費用」とするよりも 
「管理組合が負担することになる一切の弁護士費用(違約金)
 との文言とするほうが望ましいといえよう〕 とも 述べています


 

 

 

ということで

本日の マンション管理士過去問学習

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2015年度

問 10

 

【 問 10 】 
甲マンション管理組合(以下「甲」という。)の区分所有者Aに対する滞納管理費等の
請求に関するマンション管理士の次の意見のうち、区分所有法及び民法の規定並びに
による正誤を答えなさい。ただし、甲の規約は標準管理規約と同様であるものとする。


1 甲は、Aに対して未払金額とそれに対する規約所定の割合による遅延損害金、違約
  金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して請求することができ
  ます。


2 甲は、Aに対して違約金としての弁護士費用を請求することができますが、これは、
  契約上の金銭債務の不履行による損害賠償として弁護士費用を請求する場合と同様
  です。


3 Aが違約金としての弁護士費用の支払いを遅延したときは、甲は、Aに対して民法
  所定の割合による遅延損害金を請求することができます。


4 Aの滞納管理費等に係る債権の時効による権利消滅の効果は、5年の時効期間の経
  過とともに確定的に生ずるものではなく、時効が援用されたときにはじめて確定的
  に生じます。
 
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1 について                                                                                    正しい

 (管理費等の徴収)            標準管理規約(単棟式)
第60条 
2 組合員が前項の期日までに納付すべき金額を納付しない場合には、管理
組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金として
の弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用加算して、その組合員に対し
て請求することができる。

 

2 について                       誤 り

 「契約上の金銭債務の不履行による損害賠償として」ではなく「違約金
  として と されていますので 「同様です。」とはいえないので誤っ
  ています
 (損害賠償金と違約金との性質の差異などの上記に掲載の判例などのこと
       を参考になさってください)
    ※ 極くシンプルに表現してしまうと 
      債務の不履行に対する損害賠償の請求は その不履行によって
      通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とするのであ
      るけれど 弁護士費用などはそれに該当しないだろう
      ということ(金銭債務の履行遅滞を理由とする損害賠償は 損
      害の証明を要しない民法419条の反面として請求制限があり)
      そこで 違約金 というもので 請求する

 

3 について                        正しい

 金銭給付目的の債務の不履行については 原則として 法定利率による(民419①)

 違約金としての弁護士費用の支払債務は金銭債務なので Aに対し 甲は民法で定め
 られている割合の遅延損害金の請求ができる

 

4 について                        正しい

 時効は援用が必要となる
(時効の援用)
第百四十五条 
時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の
消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによっ
て裁判をすることができない。

時効が援用されたときに はじめて確定的に債権消滅の効果が生じる
                          (最判昭和61・3・17)







 

 〔参考メモ・・・上記の繰り返しになっているものもありますが・・・〕

損害賠償をしてもらうには

請求することの理由となる事実があること と それによる損害額 と その両者の
ことに因果関係があること というような請求側の証明

請求をされる側から その責任の無いことの証明が無いこと
(そのようなことを請求するのを許すことは おおよそ 誰しもが認めないだろう 
 なぜかというと 損害が生じたとしても それは仕方が無いことで非難することが
 できないことなのだから 害が生じたとしてもその責任を負わせるわけにはいかない) 
というような証明が請求される側からなされていないこと

が必要とされるのが おおよそ 原則

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債務不履行による 損害賠償
第四百十五条 
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、
債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の
不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰
することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

 
(損害賠償の範囲)
第四百十六条 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害
の賠償をさせることをその目的とする。
2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであった
ときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
 
(金銭債務の特則
第四百十九条 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、
債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定
利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
2 前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。
3 第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

(賠償額の予定)
第四百二十条 
当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。
2 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
3 違約金は、賠償額の予定と推定する。

 
第五章 不法行為
不法行為による  損害賠償
第七百九条 
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、

これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
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: 契約関係者間などの場合の 債務不履行の場合の 損害賠償請求 

と 

 第三者から自分の権利などを侵害された場合の 不法行為の場合の損害賠償請求 

と 

損害賠償請求 なのですから 概ね どちらもホボ同様の 前記のような要件などが
必要であるともいえるでしょう

 

ただ 金銭債権の場合の債務不履行などでは 損害額 の証明などは不要であるし 
履行することが不可能だったのだ というような証明をして責任を免れるというこ
とは ソモソモ お金というものの性質上 許されていません
                      (民 419<金銭債務の特則>)

 

: ともかく
 損害賠償としての弁護士費用の請求 と
 違約金 としての弁護士費用の請求 は異なるのだ
 という理論で 事は進められています

 

 

: 債務不履行 の場合 であっても 次のような判例も 出ていたりします

 要旨の一部
[ 労働者が、使用者の安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償を請
  求するために訴の提起を余儀なくされた場合の弁護士費用について、事案の難易、請
  求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のもの
  に限り、安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害である。  
                           最高裁判決 平成24・2・24]

 

: あらためて 違約金 とは ?

(賠償額の予定)
第四百二十条 
当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。
2 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
3 違約金は、賠償額の予定と推定する。 
          ※ 賠償額の予定 とは 〈不履行があったなら 
                       そのことだけをもって 
                       支払義務が生じる 
                       というようなもの〉
             ※ 改正前には 「裁判所は、その額を増減することができない」
               という文言も登場していました が 削除されています
               けれども 解釈に今までとの変化はないとの解説が多いです

 
規約に定めがない(違約金として請求できる との60条のような定めがない)として
不法行為に基づく
損害賠償請求でもなく金銭債務の不履行を問う場合である とすると
弁護士費用までも含めての滞納管理費等請求はダメなのか と問われれば そのとおり 
との判例〔東京地判 
平成26・9・22〕 などがあるので 
標準管理規約 などを参考にして各マンション管理組合は 規約 を点検しておくべき 

 

: 関連の話題なのですがマンションの管理費等の滞納金回収のため弁護士等に依頼することは 
その形が必須ということでもないので(自身は 可能な限りでの自主的な行動を管理組合に
奨めています
標準管理規約コメントなどに イロイロ その方法の説明がなされたりしていますし 
学習などをして知識を身につけ 裁判所に訊ねながらとかの対処も考えられることで 必ずし
も 専門家の力を借りてそうとうな委任費の出費は覚悟しなければならない というものでも
ないといえます

額も定まっていて 定期的に払わなければならないものを払わずに 規約(管理組合員間の約
束ごとである)を破っている者を相手にした場合を想像してみてください 
相手方の言い分など想定できますか? どのような反論がありますでしょうか ?
『トニカク払いたくなかった』 とでも言うのが関の山では? 

そのような裁判に敗訴するなどということが 通常の場合〔トテツモナク奇異なケースを除いて〕
専門家に依頼しなかったためだ と いうことがあるでしょうか ? 
訴訟技術など要求されるものでしょうか ?

今 どの公の窓口も 以前に比し とても親切なところが増えています
テイネイに 相手をして教えていただけることが多くなっています
マンション住人さんのなかにも そうした知識をお持ちの方(法学部出身などの方など)おられる
なら なおさら 委任無しの 自らの訴訟は可能だ と 自身には思われます
もっとも 〔管理費等滞納金請求訴訟〕 などをしなくて済むように 管理運営の充実を図る努力
を継続することが よりタイセツなこと 当然 

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本日のブログの ホボ 素になっている 掲載記事 は

弁護士費用はどうなるの? - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)

です


                            

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