おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

一切 一任 ?

2021-05-28 | ◆ マンション管理業務  《 全般 》

 

 

規約で 役員が決めることができるとされていても ソコノコトダケは
そういうわけにはいかない

ということを 法律で 明文で 示すことができないとすると 到底説得
できそうもないのだろうな と思われるコマッタチャン理事の登場が実務
においても 各一名 3度 ばかりあった

 

 

コマッタチャンである役員とお話をさせていただいて いつもそれこそ困

ってしまうのは

次のような主張セリフが まずは 登場することだ

『区分所有法とかが一番の法律的な根拠だといえる とのことですが

 その何処に 理事の役目とかあり方だとかが示されていますか?

明文で示されていることなど ナンニモないでしょう
 
せいぜい 管理者 とかなんとかのこと だけですよね

そうじゃありませんか・・・規約にも理事の役目や権限のことなど特に

なかったなら 私に注意する根拠など 無いのじゃありませんか ?

逆に 規約に役目のことなどが決まっているのなら その内容にアーダ

コーダ

と注意するなどということもできないですよね ? 

だって 特に 理事のことの一般を法律的に縛ることなど 区分所有法

には条文がないですもんね ?

標準管理規約にしたって あくまで 参考ですよね ?』

 

『 事務を任されているので それを処理しているだけですから

  とにかく 法律的にマズイコトナド なんにもしてませんよ
  一切を任せられているのです 私は 
  他の理事さんのことは知りませんが・・・ 』

 

一直線に振り返ることなく邁進を続け 自分は 住民に管理運営を任され 

かつ

住民も 自分の言動を評価していてくれ感謝の声さえくださっているのだ 

というような思い込みの強い方は 自分の差配に なんらの疑義も 抱いて

いないのがおおよそ というか 逆からいうと そういう心持でなくては規

約等の再確認などしてみましょうか との提案に 無用 との態度をとり続

けることは ナカナカ 貫徹し得ないだろう

その頑固さには 感服 ? してしまいそうなくらい

資産総額 10億円であろうが 50億円であろうが 自分の

管理運営能力をもってすれば ナンノコワイモノも無い
管理才能が問題なのであって 管理上の法的な心構え など ホボ無用だ
という雰囲気の役員さんとの対話

 

10年以上も なんら周囲から疑義の言葉が発せられないなら

そのような情況もあり得るだろうなー と・・・・

 

以前にも記しましたが

そういう方の決まり文句は 繰り返しになってしまい恐縮ですが

『 私の管理運営のあり方を批判する根拠は どこにあるのですか 
  それを示す明文でも どこかにありますか

  何も知らないと思って そういう侮辱するような批判をしているの

  でしょう

  が

  とにかく 見せてくださいよ 根拠を

  長い間 住民のために努めてきて 別に支障などなかったのですよ
  ナニヲイマサラ ということですよ 』

 

長期間 マカセッキリ の 管理組合員にも責任があります
輪番制で それこそ名だけの役員名簿録を積み重ねてきただけの例年の
執行部の
慣例のあり方の連なりにも 責任があることも当然

 

 

 

少しばかり ? 理屈っぽいことの記載がつづくので

まず 法的な根拠の 結論を 記しておくことにします

 

なにからなにまで 
一人の役員だけで 
管理運営一切を実行できてしまうような管理組合組織の存在は 
法的にあり得ません

 

区分所有法には強行法規部分があるのですが 決め得る内容の強行的な

縛りのことについても どの条が強行規定だ との明文があるともいえない

ことも確かだし 決める仕組みのことともいえる役員の採り得る権限の

ことも 区分所有法に明文で存在するわけではないともいえます

明文で ズバリ眼にできること以外は どのような抗弁がコマッタチャン役員

から発せられないとも限らない

 

以下に 「管理組合法人」関連の条項が登場するのですが

法人関連の条項では それ以外の つまり法人化していない管理組合のゴタゴタ

のための説明の根拠にはならないでしょう という声が聞こえてきそうですが

マア 一応 スラッとでも眺めてみてみてください

 

(事務の執行)

第五十二条 管理組合法人の事務は、この法律に定めるもののほか、すべて集会の
決議によつて行う。

ただし、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び第五十
七条第二項に規定する事項を除いて、規約で、理事その他の役員が決するものとす
ることができる。]

 

(理事)

第四十九条 
 理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人
の事務は、理事の過半数で決する。

 

ということで

49条2項 と 52条1項 に 
<管理組合法人の事務>
という言葉が登場し

前者には・・・理事の過半数で決する

後者には・・・すべて集会の決議によって行う

との文言で 登場しています

 

管理組合法人の事務について 理事に決定を委任する規約を設けることも可能
ですが

特別議決事項 
と 
義務違反者に対しての行為差止(停止)訴訟を起こすこと(57②)
は 
規約であっても任せることは許されていません(52①但書)


法人でない場合も 規約をもってしても集会の決議以外の方法で決めることは
できないのであって 管理組合法人でも同じです

 

【 管理組合法人の事務は・・・集会の決議によって行う】

ということは 集会の決議を介して その決議内容に従って行われる

ということ 

事務という意味は 決定と執行の両面があるけれど 双方とも集会の

決議によるのだと理解されます

その事務の執行は 決議したことを実行する役目の理事が担当する

法人格の無い(法人化していない)区分所有者の団体(管理組合)で

区分所有法に明文で登場の <管理者> が集会の決議を実行するのと

同様のことが 法人化後の組織でも行われる

というか

組織のあり様は 法人化済みであろうと なかろうと 基本的には差異は

無い と 理解されると考えます 

要するに 基本は 集会(総会) で 決議し 執行者(法人理事・管理者

が決議内容を実行する ということなのですから

 

 

区分所有法に明文で登場の管理組合法人の組織のあり方が 法人化していない
管理組合についてのマンション法の範囲のことを理解するための参考になると
考えられます

(かろうじて 管理組合法人というものの理事・監事についての記述が

区分所有法に登場している

そこに 管理組合法人の事務 という文言が 上記 49条2項

と 52条1項 として登場している 

それらを手がかりにしての

説明をさせていただく手法をも 法人化していない組合の相談における説明のため

に 自身は採っています 

< なにしろ 管理組合法人関連部分以外に 区分所有法には理事 監事 という
文言など登場しないし 全体においても理事会のことなど役員関係のあり方のこと
等の条文が登場しない(それは サマザマな管理組合の姿があって統合されたよう
な内容を網羅することができないからといえそうだからだろうが)>


明文でもって説明する ということを少しでも可能に近づけるためにも 準用とい
うか ? )

 

繰り返しになりますが
管理組合法人の事務は 原則として 集会で決議し 理事が その決議を
執行(実行)する (52①)

役員に一任という形もあり得るが その一任は許されない という範囲もある

 

 

というようなことですが

 

 

アドバイスを受けた後であっても 事務を一切任されているとして 処理に邁進
し続ける役員に対し 『それは どの会議で 誰が決めたことですか? 』 と
問うことが どうにも 住民さんは苦手というか苦痛を覚えてしまうような・・・

そうした折に 自身も その面談への参加を要請されることがあったりします

難易度の強い業務となること多し ということで ナカナカ 処置は手ごわいこ
とです(相手の側に自身がなったとして 考えてみる
ということも有益だと考え 
どんな主張がありえるか と

サマザマ 挙げたりしますが)・・・

管理組合員さんのほうから 『このあたりで もう 結構です』ということも

あります

なんといっても 毎度貌を会わせる いわば同居人との争いは どうしても避けたい

という心のほうが 問題解決より勝ってしまうことがケッコウありそうです

受任者としては 『このあたりで もう 結構です』との言には 委任契約の性質上

法的にも勝てません

 

数年経た時に 管理運営のゼミなどで バッタリ遇って 『その節は 大変お世話に
なりモウシワケアリマセンでした  顔見知りには どうしても本音が出せなくて』 
というような言葉を聞いたりします

 

その邁進者さんの熱気と雰囲気に 圧倒されてしまうのでしょうか?

それとも

〔マア いいか〕で 声を出せない というか 出さない ということ

なのでしょうか ?

〔 自分ひとり ドーダコーダと 対処しなければならないのは ナンダカ

  シンドイし “ ドンキホーテみたいね 気取ったことして・・・ 

  住民さんたちの多くのクスクス笑い声が聞こえないのかしら ”
  との陰口をたたかれていそうな気持ちになってしまって・・・ 〕 

 

というようなこと も あり得ます でしょうネ

その気持ち わからないでもありません 

ドン と呼ばれるような者との いわば対決ですものネ

一致団結する難しさは 想像できます

ドンの意見に従ったままのほうが なんとなく居心地がいいとの心情も 理解できそう

ですが 本来は トテモ心配な情況であります

 

 

 

イロイロな 現状を持つ管理組合のための

参考になるものとして 
会社法の

特別取締役の仕組み ⇒(取締役会の代わりに重要事項を決め得る)
業務執行意思を決める取締役会の任務を代わってできる

選定業務執行取締役 ⇒(決定された業務の執行の部分を担当する)
代表取締役と同様に 業務執行意思を実行する権限がある


シンプルに

説明することもあったりします

要するに 仕組みというもの 原則以外のことは 必ずそれを認めるための根拠が必要だ 

ということ
(ある意味 ソンナコトアタリマエデショウ という感じがしてしまいますが)

 

硬い表現でスミマセンが

要は 組織というもの どのような姿のものでも まず 原則として

三権 立法・行政・司法 が それぞれ 一人立ちの権能をもっていること

一人というか一つの機関が 他を兼ねる形 は 特別な例外が許されている場合で

ない限り あり得ない

そもそも その例外が認められない範囲 (上記条文の青部)というものもあるのだ

ということです

 

 

『 なにからなにまで一切任され 支障なく進んできているのですから この管理組

  合の管理運営にはナンノ問題もあるはずがないのです 』

『 なにからなにまで一切任され 』という言葉が登場することこそ その管理組合

の管理運営に問題があることの証左になり得ます

一人に全面委任などのことは 法的にも アリエナイ のです

       

長くなってしまいました スミマセン   

整理したものを いずれ・・・と思っておりますが・・・ ゴメンナサイ


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