いつまでも夏だな という感がありましたが
いつの間にか "初冬のような朝晩だ" という日も
まじっていたり
気がつけば 11月 なのだった というような最近
でした
みなさま お変わりありませんでしょうか・・・
体調に お気をつけられますよう
本日のマンション管理士試験過去問学習 です
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※ 〔問い方(肢の順番を変える等も含み)を変えて
利用させていただいている場合があります
法令等改正があった場合に内容を現行のものと
整合させるため出題当時の問題を改めているこ
と等もあります〕
Aは、甲マンションの1室を所有し、Aの子Bと同室に居住しているが、
BがAから代理権を与えられていないにもかかわらず、Aの実印を押捺
した委任状を作成し、Aの代理人と称して同室を第三者Cに売却する契
約を締結し、登記も移転した。
この場合に関する次の記述について、民法の規定及び判例による、正誤
を答えなさい。
1 Bが作成したAの委任状を真正なものとCが信じ、かつ信じたことに過失が
ないときには、当該売買契約は有効である。
2 当該売買契約締結後に、Aが死亡し、BがAを単独で相続した場合、売買契
約は相続とともに当然有効となる。
3 Cが、マンションの同室をAC間の売買事情を知らないDに転売した場合、
DがCの所有権登記を信じ、信じたことに過失もないときは、AはDに自らの
権利を主張できない。
4 売買契約後にBに代理権がなかったことを知ったCが、Aに対し「7日以内
に追認するかどうかを確答して欲しい」旨の催告をしたが、Aがその契約の内容
を判断する能力があるにもかかわらず、その期間内に確答しなかったときは、そ
の契約を追認したものとみなされる。
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1 について 誤 り
不動産売買では 相手方にかなりの慎重さがないと 無過失とはいえないし
実印だとしても 家族は印鑑を用いたりして委任状を作成しやすいといえる
ので相当な注意力が相手方に必要とされ 代理権を与えた旨を表示するなど
した場合に代理権があるような外観を信じた相手方を保護して本人に効果を
生じさせる表見代理の適用は 設問において無いのであり 代理権の無い者
がした行為なので BC間でなされた売買契約は有効とはならない
下記 109条 ・ 113条 を 参照ください
2 について 正しい
本人Aが死亡し無権代理人BがAを単独で相続した場合 本人が自ら法律行為をしたのと
同様な法律上の地位を生じるとの最高裁判例があり 売買契約は相続とともに当然有効と
なる
※ 無権代理人が本人を相続した場合、本人が自ら法律行為を
したのと同様な法律上の地位を生じる。
(最判昭和40・6・18)
3 について 誤 り
Cは 甲マンションの1室の所有権を取得してはいない(AC間の売買契約は有効ではない)
ので無権利者である
所有権につき無権利者であるCから 所有権をDは取得できない
動産の取引には 動産の占有に公信力を与えて 即時取得(192条)の制度があるが 不動
産登記に公信力はなく DがCの所有権登記を信じ信じたことに過失もないときであってもD
は所有権を取得するわけではない(不動産については即時取得の制度は存在しない)
肢の場合 AはDに自らの権利を主張できる
下記 114条 ・ 192条 を 参照ください
4 について 誤 り
本人が期間内に確答しない場合は 追認を拒絶したものとみなす
下記 114条 を 参照ください
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記 ※ 条文等に省略ある場合があります
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内におい
てその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、
その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったと
きは、この限りでない。
本人に対してその効力を生じない。
できない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。
前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追
認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本
人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。
取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、
過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
Ⅰ
② Bについて補助開始審判が出され 補助人Cが選任され 不動産の売買には
補助人の同意が必要とされた
Aは この契約を取り消せるか ?
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本人が あえてそのような者を選任したのだから 代理人が制限行為能力
者であることを理由として代理行為を取り消すことはできない
行為能力の制限を理由として代理行為を取り消すことはできないので こ
の契約を取り消すことはできない
※ (代理人の行為能力)
制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては
取り消すことができない。
ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした
行為については、この限りでない。
Ⅱ
① 未成年者Xの単独親権者はYである
② Yについて補助開始審判が出され 補助人Zが選任され 不動産の売買に
は補助人の同意が必要とされた
③ YはZの同意なくXの法定代理人としてXの不動産を売る契約をした
Xは この契約を取り消せるか ?
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法定代理人の代理行為については 代理人の制限行為能力を理由として
取消しが認められる
本人の保護という行為能力制度の目的が十分に達せられないおそれがあ
るので認められており 法定代理なので本人は代理人の選任に直接関与
していないことにも配慮がなされている
代理人Yの補助人Zの同意がないことを理由として Yの代理行為を
取り消すことができる
※ (代理人の行為能力)
制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては
取り消すことができない。
ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした
行為については、この限りでない。
ということで
《任意代理人》の場合 と《法定代理人》の場合 における 差異 のことでした
なお 念のため ですが
制限行為能力者 とは 未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人 です
本日の問題は 令和2年度 問12 です