おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

実務に学習に ときには判例

2019-07-15 | マンション〔法 令・判 例〕

 

 

マンション住人の一人が 管理組合構成員として同じ立場であるところの区分所有者に対して

訴訟を起こした

 

住人(区分所有者) 対 住人(区分所有者)

 

どのような案件だったのかというと 

 

マンションの共用部分を携帯電波の基地設備関係に賃貸して 

その賃料収入を得ていた者に対して

共有持分権に基づいて 自身の持分割合相当額について 

不当利得の返還を求めた

 

という事案

(不当利得の返還 とは 簡潔に言うと 公平に反する利得の 損失者への返還

 要するに 法律的に正当でない利得を 正当な保持者に戻させること)

 

共有持分権に基づいて ということなので 所有権絶対の原則からしても 区分所有者が 

その 所有権者としての権限で裁判を起こすことに なんの不都合があろうか ? 

ということなのでしょうが・・・

 

・・・この場合 「管理組合」 としての立ち位置 というものは ?

一切あずかり知らぬこと ? 個々人間のことだ

いやいや おおいに感知して関知する要あり ?? 

 

結論としては

<組合員としての請求の行使方法については、規約または決議で団体行使する旨が定まっている

場合には 個別の行使はできない>

とされた ≪最高裁 平成27年9月18日≫

※ この案件での結論 です

  いつも申すことですが 判例というもの その案件での 結論 です

 

法律的な表現としては 「不当利得返還請求と原告適格」 ということが問題になった事件

つまり 誰が 裁判の当事者となれるのか ? ということも要点でした

 

 

マンション管理組合というものの性格を思ってみるうえで とても参考になる判例ではないか

と思われたのです

 

一般社団法人の社員 とか 株式会社の株主 とか と マンション管理組合の組合員の

立ち位置の法律上の性格の比較 あたりに関して 以前記させていただいたことも

ありましたが

 

管理組合 というもの 建造物管理という財団的 かつ 住民間共同運営の社団的 つまり

共同利用面を持つ共同所有者の集まり

共有権とともに 独立の専有部分 という確固とした所有権を持つ者 の集団

 

本件のような裁判では なにしろ 所有権者集団構成員間の法律問題 ということで

法人法 や 会社法 あたりには 類似の形での問題は 起こり得ない?のか と思われたが・・・

どうなのでしょう

法人法の法人や 会社法の会社が原告になるのであって そもそも それに関する一員が

法人や会社を除けて 法人や会社にも関する訴訟を遂行する(いかに自身の持つ権利?に

見合う分だけだったとしても・・・ そもそも 裁判も起こせるほどの権利者?) ということは ?・・・

代表訴訟 というようなものでもない のだから・・・

 

いろいろな権利行使も

つまるところ 区分所有者の代理人(区分所有法26条)としての管理者の 

あるいは 管理組合法人は区分所有者の代理人(同47条)として

・・・・

本人自身が 自己の持つ権利で 本人行為すること 尊重に値することでは ?

 

 

ということで いろいろブツブツ 記してしまいましたが

受験生の方は 結論部 だけでも 知っておいて好いかと考え 記しました

実務上も おおいに参考になる判例では と 思います

あらためて ということですが 規約・集会(総会)の威力 ということを 個人的には感じました

〔実は この判例の全容詳細のことまでについては 自身眺めていません  スミマセン〕

 

繰り返しになりますが

マンションという形を考えてみるときに 参考になるのではと思い 記したのでした

 

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