おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

重要論点ほどウッカリミス

2019-07-13 | ◆ 国家試験受験サポート 〔 全 般 〕

 

 

マンション管理関係受験生の方に向けての掲載です

 

 

おおよその受験生が まず 間違いなく答えることなのに 質問している自身が

つい ウッカリミスをしそうになる重要論点というものが あったりします

お恥ずかしい話ですが

 

 

区分所有法によると 次の文は 正しいか

「 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による

  集会の決議によってする。

  ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。」

 

 

 

【 根拠となる条文 】

 

(共用部分の変更)

 第十七条 (一部省略)

共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の

各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。

ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。

 

 

 (規約の設定、変更及び廃止)

 第三十一条 (一部省略)

規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による

集会の決議によってする。

 

ということで

区分所有者数を過半数まで減じることができるのは

17条 (共用部分の変更) であって

31条 (規約の設定、変更及び廃止) では そのような扱いは不可

 

ということで

正しくない と 答えなければならない

 

 

では なぜ 17条と31条は 異なる仕組みになっているのか ?

 

少数の区分所有者が多くの共有持分を持っている場合が考慮されている

 a.b.cが住人であるマンションで aが4分の3以上の圧倒的な共有持分をもっていたとしても

頭数では あくまで 1個

そうした場合

参加権の評価が 妥当とは言えない場合もあるのでは ?

(38条で 規約での別段の定めの議決権 ということもありますが)

ということで 但書を設けた と理解されるでしょうか

 

17条 は 財産法 の面(物の処理の事項)を考慮し 

31条 は 共同生活体としての面を重視した 

と 解説されることが多いのでは ?

 

このことを思ってみると ウッカリミスは 防げるかも

 

 

 

 

たしかに 単なる暗記を貫くほうが受験上は効率的 と思われる範囲もあります

(難解すぎるワリに 出題頻度はサホドデナイ ような部分)が 

理由付けも意識して学習したほうが 結局効率がよい という箇所もあると考えられます

 

 

 

早期に 是非とも合格が必要な方は

“難解な なぜか?”という点は 合格後 実務のためにミッチリ読み込むことにして

必要以上に時間をかけすぎない学習とする

受験上は 

効率 という観点も重要なポイント

 

難解問題も 1点  他の問題も 1点

というのが おおよその国家試験

 

というようなことで

さまざまな情況があるので 一概には断言できないことですが 

受験生としては まずは 合格が目標(当然ともいえますが)

学習の個性 ということもありますが そういった 諸々 大事なことがあります

 

どれがベスト とは言い難いところがあるとは思います が 自己の学習方法を

見つめてみることも 大切

 

 

   いずれにせよ

  受験生の方は 飽きるほど言われたことでしょうが 

  肝心な箇所で

 “この違いは なぜ あるのだろう ?”

  と疑問を覚えたか 

  アッサリ通り過ぎてしまっているか

  そのあたりの違いが

  力をつけるうえで とても重要な岐路になっているような気がします

 

  実務と講師役とに必須な知識を得るため

  ひとりの学習者として 相も変わらずいろいろと思う日々です 

 

 

   http://toku4812.server-shared.com/ibarakihatakeyama.html