昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

第22回読書ミーティング(1)

2017-01-29 04:42:33 | 三鷹通信
 「第22回現役編集者が主宰する読書ミーティング」
 先ずは、講師が挙げる2016年度ベストセラー。
 
 特筆すべきは
 ①書籍売り上げが41年ぶりに雑誌を上回った。
 ②テレビで取り上げられたものが多い。(アメトーク、世界一受けたい授業、王様のブランチ、NEWS ZERO,あさイチ他)
 ③ベスト10に文芸書が5冊も入っている。

 ちなみに2015年ベストセラーには、10冊のうち4冊までが80~100歳の女性が書いたもの。
 3位
 5位
 6位
 9位
 
 さて、2016年の第1位は石原慎太郎「天才」92万部石原慎太郎が、田中角栄に乗り移って「俺」の第一人称で描く。
 高等小学校から総理大臣にまで上り詰め「今太閤」と呼ばれ、戦後最高の支持率を得た総理大臣。
 あまりにも金権体質だったので退任させられることになる。
 類まれなる権謀術策と、人心掌握術に注目が集まるが、デリケートな一面もあり、浪花節と映画をこよなく愛する家族思いの人情家だった。
 日本列島改造論、日中外交など、歴史に残る政治実績を残す。
 毛沢東や周恩来にも一目置かれた彼は、家族も愛人をも愛した。
 裏切り者竹下登さえも赦した。反金権、反田中の急先鋒だった石原慎太郎を「いいんだよ、政治家だから」と赦した。
 そんな石原慎太郎が今なぜ田中角栄に惹かれるのか。
 田中角栄ブームの頂点をなす一冊だ。
 ・・・脱アメリカを目指したがゆえにロッキード事件という罠に嵌められ失脚したという点でも、興味深い。・・・安倍首相のトランプ新大統領との付き合い方が注目される。
 ─続く─