昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(233)北朝鮮ミサイル発射強行

2012-12-13 04:54:36 | なるほどと思う日々
 「突然の発射強行、虚を突かれた国際社会! 韓国、アメリカの情報力に”穴”!」
 
 29日まで発射が延期されるという北朝鮮の声明を真に受けて、「少なくとも今週中に発射はない」とか、「米中の説得に応じて中止もあり得る」などという憶測も飛ぶ中、まさに当初からの予定通りという12日、発射は強行された。

 まさに、<敵はさる者ひっかくもの>である。
 時あたかも韓国の次期大統領を決める時、日本の総選挙に照準を当ててきた? なんて訳知り顔に解説する評論家もいたが、そんなタイミングではなかった。
 つまり今年、2012年は彼らにとって<強盛大国の大きな扉を開く>年なのだ。
 
 絶対、今年中に成し遂げなくてはならない事業だったのだ。
 親子三代で支えてきた<積年の思い>を成し遂げることこそすべてだったのだ。

 たまたま次期韓国大統領の有力候補、朴槿惠に関わる金正日とのエピソードがあるので紹介しよう。

 韓国大統領・金大中との史上初の南北首脳会談から二か月後の2000年8月12日、訪朝した韓国マスコミ各社の社長団との昼食会で、金正日は「<映像実録>という番組がありますね。朴正煕大統領の分がないので、見たいんですが」と切り出し、さらに、「朴大統領の評価は後世が行うべきです。あの時代、あの環境では維新であれ何であれ、ああするしかなかった。いわゆる民主化も、無政府的な民主化になってはよくありません」と発言した。
 北朝鮮は朴正煕を公式には常に<民族の裏切り者>と非難し、1968年には青瓦台にゲリラを送り込み暗殺まで企てた。その朴正煕を突然たたえたのだ。・・・
 
 金正日はこの後、朴正煕の長女の国会議員・朴槿惠を北京から平壌までチャーター機を提供するなど、異例の待遇で迎えた。
 
 夕食会でも朴政権時代の経済発展を改めて高く評価。青瓦台襲撃事件を謝罪し、「韓国を訪問することになったら、必ず朴大統領の墓地を訪れます。それが礼儀です」とまで述べた。・・・
 父から引き継いだ独裁体制を維持しながら、壊滅的な経済状態から脱出しようと図る金正日にとって、権威主義的な政治で韓国の経済成長を成し遂げた朴正煕の姿は、魅力的に映るのだろう。
(読売新聞2004.2.18より)


 あまり、子どもたちに語りたくないが、小国リーダーの強かな現実の姿である。