昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(52)国会議員もがんばってるでショー

2011-05-02 09:15:40 | エッセイ
 ゴールデンウイーク、テレビ番組最大の見ものは<国会議員もがんばってるでショー>の中継だった。

 なんたって国民こぞって<がんばろう!>と言っている非常時に国民の代表が休んでいるわけにはいかないのだ。
 ショーでも開いて国民のご機嫌を取らなくては、とでも思ったのかな?

 衆議院予算委員会の第一幕は民主党のベテラン役者を投入してきた。
 <現代の黄門様>こと民主党最高顧問渡部恒三氏だ。




「あんたは,考え方はよくてもやり方がよくない。未熟だな。政治家として経験が足りない」 大先輩役者のお言葉に主役たる菅首相も「姿勢が不十分だったことをおわびしたい」と顔色もない。
 しかし「だからといって、この非常時に菅降ろしなんて言ってる場合じゃない。自民党から共産党まで一致団結して協力すべきだ!」とエールを送る。
 なんということはない、従来通り与党の出来レースともいうべき<よいしょ>じゃないか。

 ところが、参議院に舞台を移し役者が森ゆうこ氏と川上義博氏に代わったところ、ショーは従来にない展開となる。
 どちらも親小沢派ではないか。
 ・・・うん? <党内分裂ショー>の始まりか?

 森さんは笑っている時の目はカワイイが、じろっと横目する時はイジワルく、舌鋒鋭く切り込む時の目はタカのように鋭く変化する。
「電源喪失は想定外だったなんて言ってますが、一年前にも同じようなことが起こっているじゃないですか!」
 従業員の誤作動で停電状態になり、原子炉が自動停止。非常用のディーゼル発電機が起動するまでに30分もかかり、この間冷却水が送れなくて2号機の原子炉内の水位が2メートル低下するという危機を経験していた事実を彼女は突いたのだ。

 この指摘に対しても菅主役は、「昨年の事故は重大な示唆を与えるものだ」と目を伏せた。

 もうひとりの脇役、川上義博氏と菅主役の懐刀。玄葉光一郎氏との対決も興味深かった。
   

「3月14日の党対策本部の総会で、私は『本当に半径20キロ圏で大丈夫なのか。もっと拡大しなくてはいけない』と言ったが、玄葉大臣は『20キロは大丈夫なんだ。もともと10キロだったんだ』と言った」と川上氏が噛み付いたのに対し玄葉氏は「非常に誤解を受ける話だ。『原子力安全委員会がそういう見解だ』と紹介したはずだ」と色をなして反論。
 顔色を変えて語気を強める玄葉氏に対し、川上氏のふてぶてしいまでの強かな態度は<これぞ政治家>と印象的だった。




 主役の菅首相は持ち味の<イラ管>を封じることに終始し、ヒーローとしての華やかさを発揮できずじまいだった。


 




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