昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(143)落語談義(5)赤い色を生み出す農場

2012-11-10 04:41:09 | エッセイ
 <落語談義(5)>

 熊さん:このたらこはうまいですな。だけどいやに赤いですな。まさか、合成着色じゃないんでしょうね?
 ご隠居:バカいっちゃいけねえ。今どき合成着色料なんか使っていないよ。
 熊さん:じゃあ、なんで色づけしてるんですか?
 ご隠居:これはサボテン農場で生産されてるんだ。
 
 熊さん:サボテンから? 
 ご隠居:いや、サボテンじゃなくて、サボテンにこびりついているカイガラムシから抽出される物質でコチニールという自然着色料なんだ。
 ほら、そこのサンドイッチのラップにも成分表示にも載ってるだろう?
 
 
 熊さん:なるほど・・。
 ご隠居:隣の花ちゃんが持ってるクロコダイルの素晴らしい財布の赤もコチニールで染めたんだぜ。
 
 熊さん:そうなんですか? スゴイですねコチニールってのは。またそのための農場をつくるなんて発想がすばらしいじゃないですか!

 ご隠居:ジャン・ジャック・ルソーは、人類が柵を作り出したときから文明が始まったといってるんだ。
 熊さん: ?
 ご隠居:小賢しい人類は柵を作って牧場で食料を確保し、人種を区別し、便利という文明は発達したけど、利権争を引き起して戦争が絶えないんだ。
 熊さん:なるほど、文明が発達するてことはいいことばかりじゃないよってことですかい?
 ご隠居:そのへんのことは、<レロレロ姫の警告>って小説を書くから読んでくれ。
 熊さん:?

 日本の国の借金が9月末現在で983兆円を超えた。国民ひとりあたり、771万円の借金を背負っている計算になる。
 
 ギリシャどころか、アメリカでも膨大な負債を抱えているし、ユーロも含めて世界経済は問題先送りで小賢しい人間にも解決の目途は立っていない。
  


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