昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(491)独メルケル首相来日・日本との共通項

2019-02-05 06:06:52 | エッセイ
 ドイツのメルケル首相が来日した。
 安倍首相と何を語り合うのだろうか?
 *ひょっとして「同病相哀れむ」のだろうか?
 *米国にトランプ政権が出現して、日独があまりに似た立場にあることをあらためて認識せざるを得ない。

 *「独は欧州では大きすぎ、世界では小さすぎる」
  ・・・キッシンジャーの名言である。
 *独は現実的な安全保障政策をもっておらず、<パックス・アメリカーナ(アメリカによる平和)>の終焉に対処できない。
  ・・・そのきっかけは、米にトランプ政権が誕生したことだ。

 *独外交は、北大西洋条約機構を通じて、米の束縛を受け、さらに欧州連合の枠内で仏の束縛も受けてきた。
 *米は軍隊と核の傘により独を露から守ってくれた。それと引き換えに、独は軍国主義を放棄し、通商と安全の両面でルールに基づく多国間秩序を重んじる路線に転換した。
          
 *2016年トランプが米大統領に選出され、彼が独を友人ではなく敵のように扱うほど独では対米自立論が優勢になっていった。
 *気候変動に関するパリ協定に対して、独は賛成、米は反対。イラン核合意にも独は賛成、米は反対。
 *米のインターネット関連企業が欧で支配的地位にある(そして納税を回避している)問題でも意見が対立している。

 *今日の世界は危機で満ちているが、独ではそれと向き合う用意ができていない。
 *2019年、独国民はそれを思い知らされ、絶望感を味あうことになる。
 *同様の事が日本でもあり得る。他山の石とすべきだ。