講師は尼ケ崎 彬学習院女子大学名誉教授![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/dd/fd5886b95f56a37e95e841f4034396c5.jpg)
*テーマは「並行と移行─縁の詩学」
・・・詩の構造とは並行性の連続である(ジェラルド・ホプキンス)しかし、似た言葉の反復だけでは詩ではない。
・・・「反復的な回帰」つまり、構造の反復<並行性>が必要。
*ヨーロッパの代表的な詩型・・・イタリア風ソネット(14行詩)![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/51/025646e19f944ed6b2113f5eae79c6aa.jpg)
*ヨーロッパ、ロシア、ヘブライ、インド、中国、モンゴル系民族に共通。
*短歌は<並行性>を忌避。(57577の形式は<並行性>をもちえない。)
*仮名に物書くことは、(中略) 詞の飾りを求めて好みを書くべからず。僅かに寄り来る所ばかりを書くなり。対をしげく書きつれば真名に似て、仮名の本意にはあらず。これはわろき時の事なり。彼の古今の序に、
「花に鳴く鶯、水に棲む蛙」などように、え避らぬ所ばかりを(こう書くしかない)自ら色へたるがめでたきなり(鴨長明「無名称」)
*「流れるような連続性の要請」・・・俊恵法師(中略)五尺のあやめ草に水をかけたるやうに歌は詠むべしと申しけり。
*<同音反復>・・・河のべのつらつら椿つらつらに見れども飽かず巨勢(こせ)の春野(万葉集56)
・・・ほととぎす鳴くや五月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな(古今集469)
*<縁>という統辞原理・・・「歌をよまんには歌を先だつる事あるべからず。先ず題につきて縁の字を求めよ。(中略)縁の字なくば、縁の詞を尋ねて置くべし。縁の字詞を求めずして、歌を先だつる事は、材木なくして家をつくらんがごとし」(悦目抄) 「縁の字」は掛詞 「縁の詞」は縁語
*一気呵成に流れる滑らかな推移の中で、いつのまにか話題が転換し、外界と内面と視点が入れ替わり、古典世界の物語や和歌が背景に現れ、それらの世界が重なりあうのを楽しむ。
*西洋詩が、幾何学的庭園を航空写真で楽しむのに対して、和歌は庭園を回遊して楽しむ。
*構造ではなく過程を楽しむ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/dd/fd5886b95f56a37e95e841f4034396c5.jpg)
*テーマは「並行と移行─縁の詩学」
・・・詩の構造とは並行性の連続である(ジェラルド・ホプキンス)しかし、似た言葉の反復だけでは詩ではない。
・・・「反復的な回帰」つまり、構造の反復<並行性>が必要。
*ヨーロッパの代表的な詩型・・・イタリア風ソネット(14行詩)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/51/025646e19f944ed6b2113f5eae79c6aa.jpg)
*ヨーロッパ、ロシア、ヘブライ、インド、中国、モンゴル系民族に共通。
*短歌は<並行性>を忌避。(57577の形式は<並行性>をもちえない。)
*仮名に物書くことは、(中略) 詞の飾りを求めて好みを書くべからず。僅かに寄り来る所ばかりを書くなり。対をしげく書きつれば真名に似て、仮名の本意にはあらず。これはわろき時の事なり。彼の古今の序に、
「花に鳴く鶯、水に棲む蛙」などように、え避らぬ所ばかりを(こう書くしかない)自ら色へたるがめでたきなり(鴨長明「無名称」)
*「流れるような連続性の要請」・・・俊恵法師(中略)五尺のあやめ草に水をかけたるやうに歌は詠むべしと申しけり。
*<同音反復>・・・河のべのつらつら椿つらつらに見れども飽かず巨勢(こせ)の春野(万葉集56)
・・・ほととぎす鳴くや五月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな(古今集469)
*<縁>という統辞原理・・・「歌をよまんには歌を先だつる事あるべからず。先ず題につきて縁の字を求めよ。(中略)縁の字なくば、縁の詞を尋ねて置くべし。縁の字詞を求めずして、歌を先だつる事は、材木なくして家をつくらんがごとし」(悦目抄) 「縁の字」は掛詞 「縁の詞」は縁語
*一気呵成に流れる滑らかな推移の中で、いつのまにか話題が転換し、外界と内面と視点が入れ替わり、古典世界の物語や和歌が背景に現れ、それらの世界が重なりあうのを楽しむ。
*西洋詩が、幾何学的庭園を航空写真で楽しむのに対して、和歌は庭園を回遊して楽しむ。
*構造ではなく過程を楽しむ。