昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

三鷹通信(325)第109回藤森サロン・エネルギー大国ロシアとプーチン

2019-02-22 06:08:57 | 三鷹通信
 昨夜は第109回藤森サロンで、「エネルギー大国ロシアとプーチン」と題して、北海道大学スラブ研究センターの藤森信吉研究員から衝撃的なお話を頂いた。
「ロシアがクリミア奪取をした時点で、わが北方領土は戻って来ないことが決定した!」と。
 ソ連が崩壊してロシア政権がプーチン大統領の手に渡り、紆余曲折はあったものの、彼がクリミア半島を奪取するという強硬手段によって、ナショナリズムを標榜するの彼の政権はゆるぎないものになった。
 「パワーで奪取した領土はわが物である」その本性からすれば、北方領土が日本に帰ってくるなんて期待するのはナンセンスだということだ。
 
 ロシアは、サウジアラビア、米国などに匹敵するエネルギー大国である。輸出額の6,7割、歳入の4割を占める。
 *エネルギーは人間が生活するうえで最重要物資である。
 東西冷戦時代も、ソ連からのエネルギー供給ラインは滞ることなかったそうだ。
 *プーチンはそれまでエネルギー資源をわが物にして脱税していた悪党どもから取り上げ統制強化して税収を上げ、公務員の給料を、年金を増額して国民の人気を博した。
 *さらに、メディアを支配し、政治資金を支配した。
 *人事權を掌握、ナショナリズムによる動員体制を強化。
 *現在のところ、健全財政を維持し、政治体制を堅持している。

 但し今後の課題は、エネルギー価格の低迷、エネルギー以外の牽引企業の不在に悩みがあり、そこに日本が付け込む余地はあるかも。

 *また、今、日本の政治を混乱させている「厚生労働省の不適切な統計処理」について、玉川大学の二宮智子国際経営学教授から説明を頂いた。
  福沢諭吉が<学問のすすめ>で実学の重要性を説いているが、「観察と論理構成と統計学が大事」と述べている。
 さらに<福翁百話>において、
 「いやしくもこの統計全体の思想なきひとは共に文明の事を語るに足らざるなり」と述べておられる。

 非常に時宜を得た有意義なサロンであった