昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

なるほど!と思う日々(278)歴史の終わり?

2014-07-08 02:48:20 | なるほどと思う日々
 韓国を訪れた中国の習近平主席が安倍政権について批判している。
 
 日本は歴史を振り返り、過ちを再び起こすべきではない!と。
 安倍政権の靖国参拝や集団的自衛権など、歴史を逆行させようとしてしているのでは?と。

 ここで、1989年天安門事件が起きた年に、提起されたアメリカのフランシス・フクヤマの「歴史の終わり?」を思い出した。
 
 

 この論文の中で、彼は言っている。
 歴史とは異なったイデオロギーを奉ずる者たちの繰り広げる闘争の歴史である(ヘーゲル) そのような闘争の歴史が終われば歴史は終わる。
 全体主義や共産主義のように自らの普遍性を主張するイデオロギーに基づいたグローバルな闘争はもうないだろう。
 
 そしていみじくも、その2年後、ソ連邦は69年の歴史を閉じ解体する。
 
 歴史は自由民主主義の勝利をもって終わったのである、と。
 重要なのは、自由民主主義の原理がフランス革命によって打ち立てられヨーロッパに広められたという事実である。
 フランス革命の提起した解決が200年を経てなお唯一ひろく受け入れられる解決だということがはっきりした、ということだ、と。
 すくなくともその<自由民主主義>に代わり得る別の根本的なシステムを見い出せていない、と。


 その観点から中国の現状を眺めると、<中華思想>というイデオロギーを打ち立て、<共産党の一党独裁>というシステムで昔の日本の覇権的姿勢を真似て軍事力を強化することのほうが、忌まわしい人間の歴史から脱却できていないのでは?と疑ってしまう。