みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

余花(よか) ~ 花を惜しんで・・・。

2006年05月14日 | 俳句・短歌
余花の宿 吉野に多き物語
(大分市 高柳和弘)

せめてもの余花みる旅でありにけり
(今治市 日野正寛)

ここよりはなだらかとなる余花の尾根
(松江市 佐藤幹雄)

先人が見上げし桜 我も見る
(富士宮市 鍋田和利)

山道の先は落花の中にあり
(小田原市 相田久子)

風の尾のどこまで伸びて花吹雪
(秦野氏 浜岡健次)

吉野山 静かに余花の終りけり
(東村山市 荒木春雪子)

押しあふて又 卯の花の咲きこぼれ
(正岡子規)

散る花のあれば残花のあることを
(汀子)

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兼題は「余花」(よか)
山奥や北の国で遅れて咲く花とのこと。春の季語だそうだ。いい句が多かった。

・「物語」の句。「物語」の一言でいろんな想像が広がる。上手いと思った。
・「せめてもの」の句。「せめて」は好きな言葉だ。「せめて」の裏に、どんな想いがあるのだろう・・・。
・「ここよりは」の句。山登りが好きなので、このシチュエーションはよく分かる。尾根に出るまでは急な坂。選者の評にもあったように、人生にも置き換えてみることもできる。余花の尾根に出られる日がやって来るんだろうか・・・。
・「山道」の句。これも山が好きだから。素直にいいなぁ。こういう光景。
・「風の尾」の句。花吹雪の流れる先を、風の尾っぽだなんて、上手い比喩だ。
・「吉野山」の句。静かに花の季節が終わる様子。「けり」の言い切りが、すっきりしてて気持いい。
・「押しあふて」の句。花が咲きこぼれる様子を、「押しあふて」とはなかなか表現できない。「又」が意味深。
・「散る花」の句。好き。ついつい散る花にばかり目が行くけど、後に残る花にも思いを馳せよう。

あと、番組の添削コーナーによれば、「爽やか」は秋の季語なんですね。今の季節は「心地よき」を使いましょうとのことだった。何気なく使う言葉にも、いろいろ経緯があるんだなぁ。
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